クリスとの戦闘後、響と美鈴は弦十郎の指示により一旦二課へと向かうことになった・・・そして・・・
「おかえりなさい」
「あ!紫さん!」
「お疲れ様、響ちゃん美鈴・・・来てもらって早速だけど響ちゃんは了子さんがお呼びよ、身体の検査をするらしいわ」
「あ、わかりました!では行ってきますね!」
響はそう言うと了子の元へ走っていった・・・
「いい娘ですね、紫さん」
「えぇ、とてもいい娘よ、人柄についてはだいぶわかった見たいだし、戦闘面についてはどうだったかしら?」
「そちらも、とても良いですよ、パッと見ですが今の響さんの戦闘スタイルは我流の中にちょっと中国拳法が混ざっているって感じですね・・・」
「そう・・・なら響ちゃんに戦闘訓練を行うのは貴女に任せようかしら・・・因みに響ちゃんの今の師匠はさっき会った司令で中国拳法は映画を見て覚えたそうよ」
「え、映画ですか、師匠は中国拳法を納めてらっしゃるのですか?」
「う〜ん、多分そっちも映画じゃないかしら?」
「・・・道理でなんだかおかしいと思いました・・・中国拳法は映画で見た程度では完璧には覚えられませんからね・・・しかし、中途半端に覚えた中国拳法を実戦で我流に溶け込ませつつ戦えているので、響さんの才能と努力、そしてその師匠である司令さんの力は本物だと思います・・・そんな響さんに教えることができるのは大変喜ばしいことですね・・・しかし」
「・・・何か問題でもあるのかしら?」
「いえ・・・中国拳法だけを教えるのは良いのですが、中国拳法とは本来、対人を想定した拳法・・・今回のように人が相手の時は良いのですがノイズなどの形も急所も違う相手に相対した時に中国拳法だけだとちょっと厳しいと思うんですよね・・・」
「・・・なるほど、確かにそうね」
「はい、ですので中国拳法は教えますが、完璧に覚えさせるのではなく今の戦闘スタイルである我流を主軸をした方が良い気がします」
「良い気・・・ね、貴女がそう言うのであるならば間違いないのでしょう、そうなると貴女以外にもスケットが必要になるわね・・・」
「はい、我流を教えることは難しいので響さんの戦闘センスを向上させれる人物が適任だと思うのですが・・・」
「・・・・・・何人か、思い当たる奴がいるわ・・・そこに当たって見ましょう・・・ありがとう、参考になったわ」
「いえいえ、まだなっていませんが可愛い弟子のことですので」
紫達が話していると、身体検査を終えた響が了子と一緒に帰ってきた
「紫さ〜ん!美鈴さ〜ん!」
美鈴は手を振りながら呼んでいる響とその後ろから来る了子を見る・・・そして
「・・・・・・・・・」
「了子さん響ちゃんの容態は大丈夫かしら?」
紫が響の容態を聞く
「大丈夫よ!外傷はあるけど内面はなんの異常も無いわ、だけど連日の戦闘で疲れがあるみたいだから、休息が必要ね!1日しっかり休めば大丈夫直ぐに元気になると思うわ!」
「それを聞いて安心したわ」
「うんうん、じゃあ弦十郎君の所に行きましょ!」
了子はそう言い、モニタールームへと向かう
「あ、待ってくださ〜い!」
響もそれに続き紫も続こうとした時
「紫さん・・・」
美鈴に呼び止められる
「何かしら?」
「・・・幻想郷に帰った時に少し話したいことがあります」
『幻想郷で・・・と言うことは今この場・・・二課の人達には聞かれたく無い話のようね』
「わかったわ、幻想郷で話しましょう」
「ありがとうございます」
「じゃあ私達も行きましょうか」
「はい」
紫と美鈴はだいぶ先に行っている了子達に追いつくように歩き出す・・・
響が身体検査をし、紫達が戦闘訓練について話している時・・・モニタールームでは雪音クリスについて話していた
「まさか、イチイバルまで敵の手に・・・そしてギア装着候補生であり後に翼さんや響さんと戦うはずの雪音クリス・・・」
「聖遺物を力に変えて戦う技術に置いて、我々の優位性は完全に失われてしまいましたね・・・」
「敵の正体・・・フィーネの目的はなんなのだろうか・・・」
藤尭と友里のやり取りを聞き弦十郎は考えていた・・・
『今回の雪音クリスとイチイバルの件といい、ネフシュタンの鎧のことといい・・・数年前から不正アクセスがあったとはいえ、本来二課しか知らないはずの人物、聖遺物をこうも簡単に奪われ利用されるとは・・・まさか我々二課の中に内通者が?・・・・・・』
「珍しく考えごとか?・・・弦十郎の旦那」
弦十郎が思考から戻ると目の前には奏がいた
「奏か・・・ふ、俺だってたまには考え事ぐらいするさ」
「やっぱり雪音クリスと奪われた聖遺物のことか?」
「それもだが・・・」
「なんだ?他にもあるのか?」
『奏は今まで幻想郷にいたし被害者だ・・・信用できる、内通者がいることを懸念していることを伝えるべきか?それと八雲どのにも・・・』
弦十郎が内通者がいるかもしれないと奏に伝えるか迷っているとモニタールームの扉が開き了子達が入って来る
「深刻になるのはわかるけど、シンフォギアの装者は2人とも健在!幻想郷の力も借りれているし、頭を抱えるのはまだ早すぎるわよ!」
弦十郎は立ち上がり
「了子、響君の容態は?」
「外傷が目立つだけで他は特に問題無かったわ!1日休養すれば大丈夫よ!・・・そういえば、響ちゃんの胸にあるガングニールの破片が以前よりも体と融合しているわ、それによりエネルギーが増しているので響ちゃんの体は驚異的な回復をするようになっているわ」
「なるほど・・・わかった、融合による問題は出ているか?」
「いいえ!さっきも言ったとおり今のところ特に問題はないわよ!」
「よし、では八雲どの、美鈴どの響君の戦闘を見た感想をお聞かせ願いたい」
「わかったわ・・・」
紫は先程、美鈴と話したことを弦十郎に伝える
「ふむ・・・わかった、響君の戦闘センスを向上させるための相手は?」
「既に目星は着いているわ、予定が合い次第紹介するわ」
「それはありがたい・・・では今回はこれで解散とする!」
その日は解散となり響は寮に紫達は幻想郷へと帰って行った・・・
響は自室の前で深呼吸し美鈴に言われたことを思い出していた
『誠心誠意、謝ることがだいじですよ』
『よし、まずは謝ろう・・・話はその後だ!』
響は扉を開け、そして
「未来!!」
部屋で本を読んでいた未来は響の声に驚く
「な、何?」
「巻き込んじゃってごめん!!あと、隠し事しててごめんなさい!!」
響は全力で頭を下げる
未来は巻き込まれた事よりも響が隠し事をしていた事、そして響が危険な事に関わっている事・・・何より自分が響に何もしてやれない事がぐちゃぐちゃに混ざり合い怒っていた・・・しかし響の全力の謝罪に未来の怒りは吹き飛んでしまった・・・
「・・・・・・」
「み、未来?」
返事が帰ってこないので恐る恐る頭を上げると未来は
「響・・・」
「な、何?」
「私ね巻き込まれた事は何にも思ってないの・・・むしろ助けて貰って感謝してる・・・でもね、隠し事していた事、響が危険な事に関わっている事・・・そんな響に何もしてやれない自分に怒っていたの・・・」
未来は心の内を吐露する
「ッ・・・未来!!私ね!隠し事してた事も、危険な事に関わっている事も悪かったって思ってる!!でもね!私、未来にとっても助けられているんだよ!!」
「!?・・・本当?」
「うん!2年前のあの事件の時も未来だけが私の味方をしてくれたし!!今だって!隠してたけど・・・戦った後に帰ってきた私をいつも優しく迎えてくれた事とても感謝してる!!あと、それから・・・それから・・・・・・え〜と、いっぱいあり過ぎてどう説明すれば〜!?」
「ぷっあははは」
突然笑い出した未来に響はびっくりする
「み、未来・・・どうしたの?」
「あははは、はぁ〜何だか悩んでたのがバカ見たい・・・響?」
「は、はい!」
「ありがとう・・・」
「未来・・・こっちこそ!ありがとうだよ!!」
響は満面の笑みを浮かべ、未来も微笑む
「よし、じゃあこの話はおしまい!・・・そういえば響」
「何?明日が期限のレポート終わったの?」
「あぁ!?忘れてたぁ!!」
「ふふふ、手伝ってあげるから、一緒にやろ?」
「うん!!ありがとう!!」
『本当にありがとう・・・未来・・・』
その日響達の部屋は遅くまで灯りがついていたのだった・・・
幻想郷にて・・・
「・・・では美鈴、話を聞かせて貰えるかしら?」
「はい・・・フィーネの正体の事なんですが」
「ッ!?正体ですって!?・・・詳しく聞かせてちょうだい」
「はい、実はフィーネの気と二課の了子さんの気が全く一緒だったんです・・・」
「何ですって!?それは本当なの?」
「はい・・・間違いありません・・・」
紫は考える
『了子がフィーネとするならば、今まであった謎が一気に解決するわね・・・消えたイチイバル、ネフシュタンの鎧、全てに関わっておりその扱い方を完璧に理解している、一応了子以外にもアメリカがシンフォギアの技術を持っているが、生みの親である了子には到底及ばない、パッと手に入っただけの聖遺物をたった2年で装者まで見つけて、運用するなど今のアメリカにはできないはずだ、しかし了子ならできてしまうのではないか?・・・他にも二課しか知りえないはずの響ちゃんの融合症例についてフィーネが知っていたり、工場地帯の爆発に巻き込まれた時に使っていたの謎の力・・・他の二課の面子の反応を見るにどうやら、あの力については知らないようだし・・・怪しい事や了子を内通者およびフィーネと仮定すれば今までの疑問が解消される事が多すぎる・・・』
「・・・これは、非常にまずいわね・・・美鈴」
「はい」
「この件については私達が正体に気づいた事を悟られない様に普段通りに振る舞いましょう、今フィーネを倒すのは簡単だけど、他に仲間がいて姿をくらまされると厄介だわ・・・やる時は一気にやりたいわね・・・美鈴は一旦紅魔館に帰ってちょうだい・・・私はどうにかして了子・・・いえフィーネに気づかれないように司令達に伝える方法を考えて見るわ」
「わかりました」
紫は紅魔館へと繋がるスキマを開く
「紅魔館へと繋がっているわ・・・」
「わざわざありがとうございます・・・では失礼します」
美鈴はスキマの中へと消えていった・・・スキマを閉じながら紫は考える
『しかし、了子がフィーネだとして、なぜ響ちゃんや翼ちゃんのシンフォギアに細工をしなかったのだろうか・・・やろうと思えば戦闘に不利になるような細工をするぐらい簡単にできたはず・・・これについては、もしかしたら細工しなかったのではなく、できなかったのかもしれないわね・・・とにかくどうにかしなければ・・・・・・そういえば、響ちゃんの特訓相手を探さなきゃだわ・・・』
紫はスキマを開き特訓相手第1の候補がいるであろう博麗神社へと向かうのだった
二課にて了子は自分の研究室で1人考え事をしていた・・・
『・・・装者が使うフォニックゲインにはエネルギーの増幅に限界がある・・・だから2年前、ネフシュタンの鎧を起動させるためにツヴァイウィングと足りない分を観客達のフォニックゲインを使ってやっと起動させることができた・・・その限界を無理やり超えようとすれば、装者達は傷つき蝕まれていく、その最たる例が絶唱・・・人と聖遺物に隔たりがある限りこの性質は改善されないと、私は結論づけている・・・しかし、融合症例である立花響・・・あの娘はたった1人でデュランダルを起動させることに成功している・・・これは立花響と聖遺物が融合し、とてつもないフォニックゲインを生み出していると言う証明になる・・・立花響がこのまま聖遺物と融合し続ければ、絶唱を負荷なく歌えるようにまでなるだろう・・・それはつまり、はるけき過去にカストディアンに施された呪縛から解放された証・・・真なる言の葉で語り合い、ルル・アメルが自らの未来を切り開く時代の到来・・・過去からの超越・・・・・・妖怪共が邪魔だが、皆が呪縛から解き放たれた時、人々は恐怖、信仰をする必要は無くなり妖怪、神は自然と消滅していくだろう・・・わざわざ私が手を下すまでもない・・・そして待っていてください・・・エンキ様・・・』
「ふふふ・・・・・・」
研究室には了子の笑い声だけが響くのだった
どうにもハーメルンのシステムを上手く利用できてない今日この頃、どうにかしたいです!