プロローグ①
三門市人口28万人ある日この町に異世界への門が開いた
「近界民」後にそう呼ばれる異次元からの侵略者が門付近の地域を蹂躙。町は恐怖に包まれた。こちらの世界とは異なる技術をもつ近界民には地球上の兵器では効果は薄く、誰もが都市の壊滅は時間の問題だと思い始めたその時、突如現れた謎の集団が近界民を撃退しこう言った。
「こいつらのことは任せてほしい」
「この日のため我々はずっと備えてきた」
近界民の技術を独自で研究し「こちらの世界」を守るために戦う組織界境防衛機関「ボーダー」
彼らはわずかな期間で巨大な基地を作り上げ近界民に対する防御体制を整えた。それから4年、門は以前開いているが三門市を出ていく人間は少なく、ボーダーへの信頼からか住民は時折とどく爆音や閃光に慣れていた・・・
某月某日防衛任務
『門発生 門発生 警戒区域の方は注意してください』
どうも皆さんこんにちは。ボーダー隊員の武半煌です。現在防衛任務中なのだが本日4回目の門発生…多くない?
「いや~今日は一段と門多いな~。まあ、小遣い稼ぎにはちょうどいいなぁ」
「煌さんそんな不謹慎なことは言わないでください。僕たちは防衛任務をしているんですよ。もっと責任もってやってください」
そんな真面目なことを言ってくるのは我らが隊長松山慎次だ。部隊最年少なのにくじ運の無さとどっかの誰かのせいで(こいつのせい)隊長になってしまった苦労人である。
「になこと言ったってB級の出来高制じゃ体のいいアルバイトと同じだろ?未知のトリオン兵が来ない限り負けはない。だったら少しでも稼がないと今月ピンチなんだよ。苦学生なめんなよ?」
「いや、それは先輩の無駄遣いじゃないですか…今度は何買ったんですか?」
松っちはあきれているようだが買ったものを聞けば許すだろう。
「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれた。今回買ったのは松っちオススメソード・○―トオンライン全巻セットだ」
「え?マジすか?!煌さん誰押しですか?!やっぱりア○ナですか?それともユ○キですか?!ちなみに俺はリ○が一番好きなんですよ!UW行くときの演説がもう最高で他にm「長い!長い!口調変わってんぞ。1回落ち着け敵来てんだぞ」…あ、す、すみません」
予想通りだったがいささか反応が良かったな…次からは気をつけよう。
「そんじゃ終わったら話を聞かせてくれ。指揮は任せたぞ」
「了解。じゃあ菜桜さん、トリオン兵はどのくらいですか?」
『ん~とね~、バムスター3、モールモッド4、バンダー2よ。芽生ちゃんもう突っ込んでるから援護早めにね』
「了解。じゃあ煌さんよろしく…え??」
「あの馬鹿…まーた突っ込んで行きやがった。てかいつの間に?」
『門が出た瞬間に珍しくグラスホッパー使って飛んでっちゃった♡』
「「飛んでっちゃった♡」じゃないでしょ?!止めてくださいよ!」
『あの子が止まったことないでしょ。諦めているわ』
「取りあえず追いかけよう。あのくらい芽生なら倒せるけどバンダーがいる。気付かずにやられるかもしれない」
「り、了解です。ひとまずバンダーをお願いします。その後で菜桜さんの援護を。多分菜桜さんならモールモッドに突っ込んでると思うので。僕はバムスターを抑えます。菜桜さんは煌さんのサポートをお願いします」
『「了解」』
「さて、バンダーが2体、距離は大体100メートルか。バンダーの弱点は砲撃直後の目だっけか?」
銃とレイガストを握りトリオン兵の方に向かっている。バンダーの砲撃の威力は高いため当たればおそらく即死だろう。しかもここは町にある程度近いため砲撃の流れ弾も注意しなければならない。その為には周辺マップが欲しかった。なんてことを考えていたら仲間から通信が来た。
『取りあえずその辺の立体マップ送るから砲撃に注意して撃破してね』
オペレーターからマップが送られてきて敵とのしっかりとした距離が分かり、手持ちのハウンドで仕留める。そう思ったのだが……
「あの、速水さん?これ違う場所のマップなんですけど?」
マップが間違っていたため敵すら分からなくなってしまった。
『あれ~?また間違えちゃった?ごめんすぐ送り直すからちょっと頑張ってて』
「えー」
何も言えなくなるが取りあえず見える範囲で近づき続けた。だがそれでは攻撃を受けたりもし避けたとしても後ろに町があったら大変だ。理想は一発だけ耐えて撃ち抜くこと。これしかないな。
「来い!」
バンダーの砲撃を一発だけ左手のレイガストとシールドで耐える。シールドは割れたがレガストが耐えきったため傷はない。そしてバンダーは弱点である目をさらしている。
「当たれ!」
ライフルの弾をハウンドに切り替えて弧を描くように銃口を横に向けて撃った。向こうはそれに気がついて避けるがその先にアステロイドに切り替えたライフルが狙いを定めている。そしてそこから撃たれた弾は若干のばらつきのあと目に吸い込まれていった。
「よし、まず1体目!次は…『警戒!!』…?!」
1体を倒したがもう1体いることを少し忘れてた。だが速水の声のおかげで避けることが出来た。
「やばいやばい…一つに集中したらもう一方緩くなるの気をつけないとな」
再び集中し直してバンダーに向かう。
『その後方警戒区域の外になるんで注意してください』
仲間からの情報を頭に入れつつどうすればいいのか考えた。
1.回り込んで倒す 2.ここから頑張って撃ち倒す 3.援護を待つ
この三つを即座に考えたが1と3は時間がかかるから明道のフォローに入ることが出来ないからダメ。2はまず当たらないから論外。そうなると…
「4、突っ込んでゼロ距離ブッパ…これだな」
そう判断するとレイガストを目に構え、砲撃に備えるようにした。
「くっ…」
バンダーから高威力の砲撃が飛んでくる。シールドではおそらく耐えきれないがレイガストなら耐えることが出来る。制作者に感謝だな。レイガストは重くて扱いづらいが機動力向上のオプショントリガー、スラスターがある。これを使えば…
「スラスターON!」
かなりの加速で敵に接近できる。
『武半君何やってんの?!』
速水が驚きの声を上げるが武半は砲撃をレイガストで耐えながら急接近していく。勿論距離が近くなるほど威力が上がるのでレイガストは割れるが十分に近づくことが出来た。そして右手にはライフルが握られていて、アステロイドが装填されている。
「いっけー!」
砲撃後の隙だらけの目にアステロイドをゼロ距離で撃ち込むことでバンダーを倒した。
『も~無理しないでよね。武半君まで突っ込んだら大変でしょ?』
速水が心配そうな声をしながら通話してきた。
「いや~時間とか考えたらこれが最適だったのでつい…」
『でも無事ならいいわ。そろそろ芽生ちゃんの方に行かないとまずいからお願いね。今度はちゃんとマップ送るから』
そう言うと今度は正しいマップが送られて来た。
「了解だ。じゃあ火の玉娘の救援と行きますか」
「そーっれ!」
一人の隊員がモールモッド4体と斬り合っている。
「やっぱり硬いね~このブレード。…切りがいがあっていいね!」
四方から来るブレードを紙一重でよけ反撃を繰り出す明道。
しかし戦闘用のモールモッド4体が相手では分が悪い。所々傷が出来、トリオンが漏れていた。しかし彼女は一切怯むことなく突っ込んでいく。
「さあ!もっとかかって来ーい!」
そう言うと彼女は高速で振り回される20本近くのブレードを腕1本を犠牲にかいくぐり、2体のモールモッドの目を切り裂き、もう1体の足を半分切った。
「よしっ、これで終りっ?!」
足を切った個体にトドメをさそうとしたら突如ブレードが襲いかかり左足を切られた。
「ありゃ??」
モールモッドの数は4体。彼女は今ので全て倒した気でいたのだが相手の数を数え間違えていたため切る数を間違えていたのであった。
「あれれ??モールモッドのブレードって8本じゃないの??6本だったっけ?どおりで数が変だとと思ったらそういうことなのね」
実際は6本あるのだがそんなことはさておき4体目がブレードを振りかざし身動きがとれない明道にトドメをささんとしていた。
「やっば…」
次の瞬間、彼女の体を真っ二つに切り裂かんとしていたブレードは彼女の体に届くことはなかった。
「あれ?」
目を開けるとそこには仏頂面でレイガストのシールドモードでブレードを防ぐ頼れる(?) 先輩がいた。
「よぉ、無事か?火の玉娘ぇ。ったく~毎回勝手に突っ込んでんじゃねーぞ。フォローする俺らの身になれや全く」
「あははー、いや~敵が見えたらやっぱり突っ込んだ方がいいじゃないですか~。ほら、私切り込み隊長ですから!」
「あほ!切り込み隊長っても基本サポートがあるから出来るんだよ」
「太刀川さんなら出来るじゃないですか~」
「あのバトルジャンキーと一緒にすんなし。ってか今結構辛いんだけど?倒してくんない?」
「あ、そうでした。それっ!」
武半が抑えているモールモッドを一瞬のうちに切り裂いた。
「お、もう1体来た。先輩、ガードよろしくです」
「いや、もう大丈夫だろ」
「え?先輩何言っているんですか?4体いるんで後1体です。ほら、こっち来てますし」
モールモッドが足りない足を駆使して二人に突っ込んでいった。しかしその刃が二人に届くことはなかった。なぜなら…
「松っち~」
「旋空孤月!」
松山の旋空によりモールモッドの胴体は輪切りにされたからだ。
「先輩方無事ですか?」
孤月を鞘に収めながら松山が合流した。
「おーう隊長。馬鹿が左腕と左足無いくらいだ。問題ない」
「いや、それ大丈夫じゃない奴じゃないですか。明道先輩、大丈夫ですか?」
「うん。ちょっとバランス悪いけど大丈夫。まだトリオンあるしね」
「そうですか。菜桜さん、敵の増援はありますか?」
現状の敵は排除したが増援があっては大変なのでオペレーターに確認を取るとしばらくして返信が帰ってきた。
『んーとね~。うん、今のところは大丈夫。そろそろ交代の時間だから来たら交代してね』
「次ってどこのチームですか?」
『うちは香取隊と交代ね。華ちゃんにはもう連絡してあるから後は現地でよろしく』
「そう言ってたら来ましたね」
基地本部の方からハイネックが特徴の紫色の隊服の4人組が近づいてきた。
「お疲れ様です。交代の時間です」
真面目そうな眼鏡の少年が話しかけてきた。
「若村か、お疲れ。後は頼めるか?」
「大丈夫だ。それよりもそっちも大変そうだな」
「まあ、なんとかなってるからいいんだけどね」
「でもすごいよね。最年少でチーム率いているんだもん」
「要所は先輩が助けてくれるからな」
「そりゃ何よりだ。うちは健也がいなかったらどうなってることやら…」
「いやいや、こっちはこっちで大変なんだよ。特に明道さんとかが…」
いやいや香取なんかはなどと松山は若村、三浦とお互いの問題児について談笑をしていた。一方リーダー(?) 達の方では…
「カトリンおひさ~元気してる?」
「ぎゃー!芽生さん止めてください!」
シャシャシャシャシャ
明道が香取を撫でまくってわちゃわちゃしているところを加藤は写真を激写していた。
「お前香取の写真何枚撮る気だよ…ってかそれ何枚目だ?」
「取りあえず滅茶苦茶かわいいんで撮れるだけっすね。ちなみにそろそろ写真のストレージ5GB超えるくらいですかね?」
「お前の携帯の画質知らんからあれだけどざっと五千枚以上かよ…通報されんなよ?」
「御両親の許可取っているんで問題ないです」
「両親の許可とかやべーな…籍でもいれんのか?」
想像以上にしっかりと対策を取って写真を撮る加藤に若干引きながらからかってみた。
「籍いれるかどうかはよくわかんないです。正直恋愛脳だけで決める結婚は合理的ではないんで」
「恋愛くらい心で判断しろや…あれか?恋の証明でもすんのか?」
「さすがにそこまではしないですけど、ある程度の見切りはつけますよ。特に稼ぎと性格は」
「まあ、幸せが一番だからな」
「あ゛―!また撮ってるなー!いい加減止めろー!」
「じゃあこれで交代でいいですよね?」
「聞けー!」
香取は自分の写真を撮っていることにようやく気付き、苦情を言ったが完璧にスルーをされたのであった。
「今日はトリオン体を損傷した人もいるんでベイルアウトで帰りましょう」
「ほーい」
「了解だ」
「「「ベイルアウト」」」
そう言うと三人は光の筋となって本部へ帰還するのであった。
ボーダー本部 松山隊隊室
防衛任務を終えた隊室から突如と大きなげんこつの音が聞こえた。
「いったーい!」
隊室には大きなたんこぶを二つ両手で抑えている明道がいるのだった。
「お前はこれで何回目の独断専行だ?いい加減怒るぞ!」
ちなみにげんこつを落とした主は武半である。
「う゛~暴力反対です…っていうかもう怒ってるじゃないですか~」
涙目で訴えてくるが誰一人として気にしていない。
「さすがに擁護は出来ないっす」
「まーね~これで芽生ちゃんの特攻記録記念すべき50回目だものね」
「え?もうそんなにいくんですか?どんだけ反省してないんですか…」
「実際防衛任務中は滅多に負けないからかもね~」
「ちなみにどれだけ負けてないんですか?」
「ん~だいたい勝率9割くらいかな~?」
「えっへん!すごいでs…あいたっ!」
3度目のげんこつが武半によって振り下ろされていた。
「お前な~!戦力が3分の2になったら作戦続行は困難って言われてんの知って…るわけないと思うけどそのくらい人手は大事なんだよ。だから無理するなよ」
「頭を1回殴ると脳細胞たくさん死ぬから馬鹿になるんだぞー!それに3分の2って1人落ちたらダメじゃないですか!それで勝ててるのはなぜ?!」
「安心しろ元々馬鹿だからこれ以上馬鹿にはならん。むしろ突然変異でよくなるかもしれんぞ。ランク戦は乱戦だからあんまし関係ない!」
「うわー鬼がいるよ~。それに説明雑だ~」
などと供述しているが頭を殴るのは良くないので4発目はなかった。(皆もしないようにね)
ひとまず反省会が続くがほとんどは明道の行動についてだった。
「取りあえず明道先輩は突撃してもいいんで何か一言言ってからにしてください。じゃないとこちらも対応できないんで」
「う~ん、出来たらやる!」
全く聞いていないようだった。
「それをしてくださいとの話だったのですが?!」
「はっはっは、通信機の使い方が分かりゃ「行きます」でいいんだよ。取りあえず注意はしてくれ」
「煌さんも笑い事じゃないですよ。いい加減ガンナーらしく戦ってくださいよ。どこにゼロ距離でライフル撃ちまくるガンナーがいるんですか」
「ここにいる。あと諏訪隊とか」
「そうじゃないんですが…それに諏訪隊は近距離であってゼロではないです。確かに諏訪さんは何回かやってますけど真似はしないでください」
「うえ~煌さんも怒られてやんの~」
「確かに武半はまともだけど若干おかしいよね~」
「ん?そうか?」
明道は若干小馬鹿にして、速水はよくわかんないことを言っているが言われているが武半本人は特に気にしておらず、こちらも反省の色が一切見えないのであった。そのため松山は「はぁ」とため息を漏らすのであった。こんな感じで気疲れがひどい松山なのであった。
「ん?どうした松っち、疲れたのか?」
「まあ、それなりに…取りあえず今日は解散しましょう。明後日また任務なんで忘れないようにしてください」
「おう」
「分かったわ」
「あ、明後日補修なんで行けないけどどうしよう?」
「了解です……え?」
ここに来てやっかいの種をまいた明道なのだが本人は気がついていない。
「……今度は何の科目だ?」
「物理と地理!」
「よし物理は面倒見てやる。地理は速水さんお願いしていいですか?」
「うん。オッケ~。芽生ちゃん今日と明日は寝かせないわよ~??」
「ぴゃあ!松山さん助けてください!」
年長者二人組が笑いながら魔の提案をして明道は助けを求めたが松山は「頑張ってください」、とだけ言って報告書の作成などを行うのであった。なお、このあと3時間明道は拘束されたのであった。
いかがでしたでしょうか?
久しぶりに書いていたのでアレかもしれませんが感想等あったらお願いします。