転生者達によるグダグダ界境防衛   作:暇人のお話

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どうも暇人です。
思ったより早く書けたので投稿します。
長くなったので前半と後半に分けます。
後半はまたいつか投稿します。


武半煌①

どうも、武半です。転生してから早18年と少し、幼少期はトリオン兵に襲われたり第一次侵攻で色々あったりとそれなりに危機感を感じた日々があったが今現在最大のピンチに遭遇してます。それは………

「さあ出来たわ。たくさん作ったからたくさん食べてね♡」

「「「い、いただきます……」」」

緑色に染まる加古炒飯が目の前に広がっているのであった。

「な、なんでこうなったんだ?」

こうなった経緯はおよそ30分前………

 

「諏訪さーん、今日もお邪魔しまーす」

「おーう武半、相変わらずよく来るなお前」

「そりゃ本読むならここが一番種類があるんで」

「お、煌君いらっしゃい。今日もコーヒーでいいかい?」

「どうも堤さん、お願いします」

武半は暇なときボーダーにいると基本自分達の隊室ではなく諏訪隊の所に行くことが多い。それでよく麻雀とかに巻き込まれるのが別にお金をかけないので気にしていない。

「んで?今日は何を読むんだ?」

諏訪が何を読むのか聞いてきた。最初は諏訪オススメの推理小説を薦めてきたのだが正直コナンくらいしか分からなかった。…え?コナンは違うって?……そんなこんなで最近は諏訪さんがストックしている本から選んで読んでいる。

「今日は電気文庫の本からオススメお願いします」

「んじゃあ戦場のワルキューレでいいか?一応ミリタリーものだ」

諏訪が適当に本棚をなぞって選んだ本を渡してきた。

「あざーす」

それを受け取ると武半はコーヒーを片手に読みふけるのだった。

……あの人が来るまでは……

「堤君いるかしら?」

「あれ?加古ちゃん?どうしたの?」

入り口にはボーダー本部所属A級加古隊の隊長の加古望がいるのだった。

「この前堤君にレポート借りたでしょ。それを返しに来たのよ。あとお礼に来たの」

手に持っている紙の束をひらひらさせながらそう言った。

「あ、加古さん。こんにちは」

「あら、武半君。あなたもいたのね。ちょうどいいわ」

ちょうどいいとはどういう意味だ?この時武半はこの言葉の意味を分かっていなかったのだが諏訪隊の二人は察していた。

「あ~俺これからランク戦行ってくるからまたn…」

「いやいや諏訪さんどこ行くんですか?今日弓場にボロ負けしたからもう行かないって言ってたじゃないですか。逃がしませんよ?」

堤が笑顔でがっしりと諏訪を抑えていた。

「いや…いいだろ別に…また行ったって…」

「早く行かないとダメになるかもやつかもしれないじゃないですか…ダメージが少ないように早く行きましょう」

堤はなんとかして諏訪を逃さないように腕をがっちりつかんで放さなかった。そしてそのまま隊室を出てどこかに向かおうとしていた。

「大丈夫よ。タッパーに入れてきたから電子レンジを使わせてもらえればすぐ用意できるから」

ここで加古がそんなことを言ってきて二人はがっくり肩を落とすのだった。

「加古さん、何をタッパーに入れてきたんですか?」

「ばっ!お前死にたいのか!」

諏訪が小声で言ってきたが遅かった。

「私特性の新作炒飯、山菜炒飯よ」

「炒飯……?………あっ」

思い出した。武半はここにきてやっと気がついた。

加古望の炒飯は神様ガチャ以上のギャンブルだということに……

「俺の分はないと思うので俺は帰りますね。諏訪さん、本はここに置いておきます。ありがとうございました」

そう言って隊室を離れようとしたが一歩遅く、諏訪に捕まった。

「おう武半、いつも本貸してるだろ?たまにはどうだ一緒に?」

諏訪が肩を組んできて身動きを封じてきた。

「取りあえず器を用意するね。加古ちゃん、3つでいいかい?」

堤に至っては回避を諦めてちゃっかり武半を巻き込むように皿を3つ用意していた。

「あら、ありがとう。堤君、レンジ借りるわね」

そう言うと加古は電子レンジのあるほうに消えていった。

「お前ら、胃薬飲んどけよ…」

諏訪はそれだけ言い武半と堤に胃薬を手渡し、トレードマークのたばこをしまい決意を決めた表情でソファに腰掛けた。

武半と堤は胃薬を適量飲み、諏訪と同じく腰掛けた。まるで死刑宣告を言い渡された受刑者のような顔で…

 

「おまたせ♡たくさん召し上がってね♡」

目の前に緑色の炒飯が広げられている。

「でもよくこんなにたくさんの山菜見つけたね…高かったんじゃないの?そ、そんな高価ものを多くいただくのはちょっと……」

「この前双葉と山菜採りに行ったときにいっぱい採ってきたの。だからお金はあまりかかってないわよ」

「そ、そうなんだ……ありがたくいただくよ……」

少しでも量を減らそうという堤の希望が撃ち砕かれて三人は目の前の炒飯に向かうのだった。

「「「い、いただきます……」」」

三人は仲良く同時に一口目を食べた……

その瞬間口の中になんとも言えないえぐみが支配した。そして諏訪と堤は倒れた。

「あら?そんなにおいしかったかのかしら」

加古は二人が倒れたのがおいしさからだと思い、喜んでいた。だから堤が二度死ぬんでしょうね…

「あの…加古さん…これ何入れたんですか?…」

倒れた二人に関して一切突っ込みを入れずに加古に聞いてみた。

「え?蕗の薹と、コシアブラとタラの芽、他にも色々ね」

(それだけでこんなえぐみの強い炒飯が出来るのか?確かに春の山菜をこれだけ詰め込んだら苦くはなるけどこんなには……待てよ??…この形……)

炒飯の中にある渦を巻いたような山菜を発見した。

「あの…加古さん。この山菜は?」

「え?これってこごみでしょ?ちゃんと茹でて下処理したわよ?」

と言って首をかしげているが武半はこれの正体を知っていた。

「加古さん、これは確かにこごみに見えますがこれはゼンマイです」

「お団子ダンダン?」

「それは巻く方のぜんまい。ってか侍じゃないですか」

素なのかどうかは分からないがゼンマイについて分かっていなかったようだ。

「ゼンマイっていうのはゼンマイ科のシダ植物で春に山で採れる高級な山菜です。こごみと非常に似ていてよく素人は間違えやすいものです。ただこごみは加古さんの行った通りに茹でるとかの灰汁抜きでいいんですけどゼンマイは違うんですよ」

「え?そうなの?灰汁抜きって茹でるんじゃないの?」

この人の料理がゲテモノになる理由ってそこそこ大事な料理工程が抜けているからじゃないかと思い始めた武半だが説明を続けた。

「詳しいことは省きますけど簡単に言えば重曹を使って茹でますね。…それで灰汁抜きって何でするか知ってますか?」

「ええ、苦みとかを減らすためでしょ?」

「まあ、だいたい合ってます。正確には毒素を抜くためですね」

「え?!山菜って毒があるの?!」

自分が知らずに毒を盛っていたかもしれないことに驚いて目を丸くした。

「大丈夫ですよ。毒って言ってもチアミナーゼとサイカシンです。どちらも生で大量に摂取しない限り危険は少ないです」

「よかったわ~」

一応安全だということを伝えるとほっと胸をなで下ろしていた。

「でも一応しっかり調べてから作ることをオススメします。……それとこの炒飯はゼンマイを避ければ大丈夫なものが多いんで二人の代わりに食べておきます。これがあるから少し食べにくいだけで他はとてもおいしいです」

「ごめんなさいね。今度は調べてから作ることにするわ。……でも二人が倒れたのは何でかしら?そんなに食べてないから毒じゃないと思うのだけど…」

「……きっと疲れてたんですよ……」

まずかったなんて言えるわけないので取りあえずそう言って二人の名誉を守るのだった。

「何か悪いことをしたわね。じゃあ今度は元気なときに来るわ。またね武半君」

さらっと次の炒飯の予告を言うと加古は隊室を出て行った。

諏訪と堤は相変わらずダウンしているので食べることはできなので一人で1時間程時間をかけて苦い炒飯を食べるのであった。

2時間後に諏訪と堤は目が覚めたのだがそこには武半が某団長のように希望の華が咲いていたのだった……

(※山菜はものによってはきちんとした処理をしないと危険なので正しい下処理を行った上で食べてください。)

 

数時間後何とか炒飯のダメージから復活したから暇つぶしに個人ランク戦をしようと訓練ブースに行った。対戦相手を探そうとしたが今日は珍しくいつもいる3馬鹿や餅川がいなかった。そういえば新学期だから忙しいのかと思っていたらとても野太い声が後ろからかけられた。

「よう久しぶりだな武半ァ。暇ならちょっと付き合えや」

そこにはグラサンをかけたオールバックの男がいた。

「おーっす。何だ?ランク戦か?」

太刀川ほどではないが数多くのランク戦をこなしている猛者、弓場がいた。ランク戦の誘いかと思って聞いてみた。

「いや、迅と柿崎が暇だってんでなァ。2対2の相手探してたんだ。そこにお前がいたから声かけただけだ」

「珍しい組み合わせだな。…面白そうだな、やるか」

いつもとは全く違う組み合わせにワクワクしつつ会場に向かうのだった。

 

「よっす。久しぶりだな武半」

「元気してた?」

「おう、ザキに迅。卒業式以来か?だいぶ久しぶりかもな。まあそれなりに元気してるぞ」

柿崎と迅が爽やかな笑顔で挨拶をしてきた。それにまあまあ適当に返しつつどうチームを組か考えていた。

「チーム分けどうする?」

「取りあえず俺と迅、弓場と武半は分けた方がいいんじゃないか?」

「案外迅とザキで組んだ方が面白いかもよ」

「俺ァ迅と戦ってみてェな」

上から迅、柿崎、武半、弓場の順番で相談をした。数分の談義の結果柿崎と弓場、武半と迅という組み合わせになった。

「じゃあ一本勝負でいいか?後迅、お前は風刃使うなよ」

「もちもち。使わないから安心してよ」

「それでマップは市街地Aの昼でいいな?」

「あァ問題ねェ」

確認が取れたので4人はアナウンスとともに仮想訓練室にワープしていった。

『転送開始』

 




いかがでしたでしょうか?
次話では隊員同士の戦闘を書こうと頑張ってます。戦闘描写苦手なんで遅くなります。

それでは次回、「武半煌②」にトリガー・オン!
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