いや~中々書くのが難しくて時間かかりましたねはい。
まあ、色んなゲームに手を伸ばしてたりしたのもあるんですが一番はモチベですかね。
こんな感じにしようあんな感じにしようという展開が浮かんでも実際文字にするのが難しいので大変です。
そこそこ長いですが楽しく読んでいただけたら幸いです。
それではどうぞ
ある年越しに近い日。私は今どこにいるでしょーか?ヒントは餅です。さあシンキングターイム。
タイムアーップ! 正解はですねぇ………
「よし、お前ら焼く準備は整ったか?まず俺。七輪…ヨシ!」
「きな粉、醤油、海苔、その他調味料…ヨシです」
「お餅大量…ヨシ!!!」
「ではこれから第1回ボーダー餅パーティー(3人だけ)を開催する!焼け-!」
「「おー!」」
太刀川さん、とっきー、私の三人で猫の合図をした後に七輪に大量に餅を投下。しばらくすると段々お餅がぷっくりと膨れてきて同時に香ばしい匂いが部屋を満たしてきた。これにはついついニヤニヤしてしまいます。いつもはクールアシスタントのとっきーも少し頬が緩んでいます。これに醤油とか垂らしたらどうなっちゃうんでしょうか……
あ、クイズの答えは太刀川隊室です。みんな分かったかな??
そんなこんなしている内にとっきーが醤油と砂糖を混ぜたものをひっくり返して綺麗な格子状の焼き目が入った餅に塗っていく。お餅の焼ける匂いに追加して醤油の焼ける匂いがジュワ~という音と同時に部屋に充満していく。換気扇は回しているみたいだけど焼いている餅の量が量なので換気しきれず、隊室が段々香ばしいにおいで充満するようになりました。もう、おなかがペコペコです……
「そろそろどうだ?」
「ええ、もう大丈夫ですね。俺が取るんで二人は少し待っててください」
太刀川さんがしびれを切らし始め、とっきーが確認したところGOサインが出たので海苔に巻いてもらうのを待ちながらコップに麦茶を注いでおいて餅を待つことにしよう。
「用意できました。熱いんで二人とも注意してください」
ついにこの時が来た……
炙られた醤油が輝きお餅本体の重さで少し延びながら海苔よりも大きな餅が海苔に巻かれ、磯辺巻きが目の前に用意された。後はこれにかぶりつくだけ……いざっ!
「「「いただきます!!!」」」
かぶりつくとまずあまりの熱さに思わず口から離してしまった…でも少し触れたあぶり醤油が唇につき、舐めるとそのおいしさからまた食べたい意欲がでてしまった……
今度はしっかりフーフーしてから食べる。
その後口の中に広がったのはまずモチッ。とにかくモチッ、だ。歯にくっつきながら咀嚼すると砂糖醤油の甘くも香ばしい風味が口の中に広がりおいしさで満たされていく。食べ進めて海苔のゾーンに入ると海苔の風味も加わって全てを包んでくれるような感触になっていった。
これは……いいものだ!
「「「うまい!!!」」」
三人同時に声が出た。だがこれはそれほどまでにおいしいのだ。是非もないよね!
「なあとっきー。今からでもいいから唯我と交換で太刀川隊に来てくんねー?そんで俺に餅を焼いてくれ」
「そういったことなら丁重にお断りします。俺はあそこが大好きなので」
「他にも……部屋の掃除をしてくれ」
「……いやです」
太刀川さんがとっきーにとんでもないことを持ちかけてる……そうだ!
「ねー太刀川さんあたしにはそういうのないの?」
「あ?…いやーお前にそういうのはないかな……むしろいらん」
「??!!……ま、まさか…太刀川さん…私とは、遊びだったんですか??」
「はぁっ??!!…おまっ、何とんでもないこと言ってんの?!!」
「そうなんですか太刀川さん??これは忍田さんに言わないとですね」
「ちょっっ!待て、これは芽生が適当言ってるだけだ。なー芽生?」
「そ、そんな……太刀川さん…あんなことまでしておいてそれはないですよ」
「おいー!!」
おお、我ながら迫真の演技。太刀川さんめっちゃ焦ってる。やはりこの手は有効だったか……さすが二ノさんのアドバイスだ。
「明道先輩、そろそろどうですか?太刀川さん身に覚えのない内容で混乱してますよ」
「あれ?ばれちゃってる?」
「まあ、それなりにわかりやすかったですよ?でも本当に心当たりがなかったら焦らないと思うんですけど何かあったんですか?」
「あ~実は1回バトル中に接触事故があってその時風間さんもいて色々あったの」
「……意外に前科あったんですね」
「まぁでも気にしてないからこうして揺さぶるのがいいって二ノさん言ってたの」
うーん、やはりとっきーはだませないか。しかし太刀川さんがフリーズしてる。おもしろ。
「太刀川さん大丈夫ですよ。全部明道先輩の悪ふざけなんで」
「お?そ、そうなのか……よかったぜマジで根に持っててさらされると思って怖かったぜ……」
とっきーが補足してくれたおかげで太刀川さんがめっちゃ胸をなで下ろしてる……
「そんなこんなしている間にもうお餅が焦げかけてるんで全部回収して新しいの焼き始めますね。次は二人とも何がいいですか?」
「あれ?マジか…うーわかなり焦げてらぁ…。取りあえず俺は普通に焼いてくれ。きな粉つけて食う」
「私はバターをつけて食べるんでもう一枚磯辺巻きでお願いします」
「バターですか?……確かに用意はしてますけどどうやって塗るんですか?」
「耐熱容器の中にバターと醤油を入れて加熱しながら混ぜて溶かしたものを塗るの。こうするといい感じになるの」
「へぇ、おいしそうですね。やってみますね。ちなみに俺はもう一枚磯辺巻きで食べますんで間違えないでくださいね」
相変わらずナイスアシストのとっきーの気遣いで餅パーティーが私たちは何もしてないのにサクサク進んでいく……あなたが神か?
「おだてても餅しか出しませんよ」
何で分かったの??エスパー?
「顔に出てます」
「え?本当??」
「結構芽生って顔に出るからわかりやすいよな」
「え?さっきだまされた人がそれ言っちゃいます?」
「こ、細かいことは気にすんな」
「え゛ー!気にします!!」
「はっはっはっは」
そんなこんなで第1回ボーダー餅パーティー終盤まで平和に進むのであった。
しかし、事件は起きた。
「お?とっきー電話なってねーか?」
「あ、マナーモードにしていたから気がつきませんでした。太刀川さんありがとうございます。ちょっと失礼しますね。…………もしもし?嵐山さん、どうしたんですか?……え?賢が…何したんですか?……え?赤点ですか?…分かりました取りあえず俺が見に行きます。すみません、賢のテストが赤点だったらしくてその補修対策に行くのでこれで失礼します」
「おう。これお土産に持って行け」
「ありがとうございます。後で食べますね」
太刀川から今回焼かなかった餅をいくつかお土産として時枝に渡し、時枝は太刀川隊室を後にした。一方明道は残りの餅を焼いていたが、時枝が帰ったことでこれを最後の餅として焼いていた。
「太刀川さーん、最後何食べますか?」
「おー、最後はきな粉で食べる。そっちは?」
「私はさっき食べたんでバター醤油食べます」
「おっけー」
七輪で残りの餅を焼いているときに事件は起こった。
「明道―、きな粉どこだ?」
「えー?確か七輪の隣の椅子の上に置いてあるはずですよ?」
「お?そうだったか?……おぉ、あったあった……ってあ!」
「え?」
太刀川の驚いた声と同時に手元からきな粉の袋が滑って七輪のすぐそばに落ちた。つい先ほどまで太刀川はバター醤油の磯辺巻きを食べていて少し手に油がついていたのだ。そのため手から袋が滑って落ちてしまった。
「太刀川さんどうしたの?!……ってきな粉が……」
「俺の心配はないんかい…まあ、少し舞ったくらいで大丈夫だ」
「よかった~、中身が無事で???!!!」
「だな、よかっt……????!」
ボン!!!!!
突如太刀川隊室で原因不明の爆発が起きた。そのことをボーダー本部の火災報知器が感知し、ボーダー全体に知らせることとなった。ボーダー本部には爆発物の持ち込みは禁止されているため、上層部は近界民の新手の攻撃かと考えC級隊員にはC級ランク戦会場に集合命令を出し、本部にいた一部B級隊員には急遽任務に出ていたA級隊員と防衛任務の交代がされ、A級隊員は現場に急行した。また、今回の現場が太刀川隊室であることから迅の到着を待ってから突入がされた。しかし、そこで彼らが目にしたものは……………
「太刀川、何をしている」
「いや~、はっはっは………」
「明道…………お前も何してるんだよ………」
「餅パです」
A級B級混合部隊が目にしたのは少し黒焦げになっている太刀川隊室と太刀川、明道の両名と横に転がった七輪があったのだった。
「風間さん…それが、きな粉が七輪の上に行ったら急に爆発が起きたんだ!きっとこれは魔法だって!」
「そうですそうです!だからこれは事故です!」
「「この………大馬鹿が!!!!!!!」」
風間と武半の怒声と共にげんこつが二人の頭に落ちた。
「「痛って――――!!!!」」
「太刀川…お前は大学生になって未だに粉塵爆発すら知らんのか」
「え?なにそれ??」
「あ、モン○ンのテオ夫妻がやるアレですか?でもきな粉ですよ?何で爆発するんですか?」
「モ○ハンとやらは知らんが粉塵爆発は爆発濃度以上の粉塵量、酸素、後は火がつくのに最低限の着火源があれば何でも起きる。今回きな粉が七輪の上に大量に舞って連鎖的に爆発したらしいな」
「「へー」」
風間の解説に気の抜けた返事をした二人は全く知らないようだった。
「まあそんなことはどうでもいい。忍田さんにこれからのことを聞いておけ」
「え゛??」
「け~いー 」
「??!あ、し、しのださん?お、俺はどうしたらいいの??」
「あ、私も気になります!」
「なんでお前はそんなにのんきなの??!」
「明道……お前にも話がある」
「あ、はい」
般若のような顔をした忍田が二人の前に立っていた。その間二人は正座待機で判決の時を待つのだった。その結果…………
“私はお餅を焼いて隊室を爆破しました。そして粉塵爆発を知らない馬鹿です”
“私は理系なのに粉塵爆発も知らない愚か者です”
「ぶっ……はっはっ!!お前ら……何してんだよ」
「諏訪さん笑わないでくださいよ!」
「いや、……無理……っぷはっはは!」
「太刀川さん……さすがに粉塵爆発くらいは知っててくださいよ……柚宇さんでも知ってるんですから……」
「え?マジか」
「明道先輩、粉塵爆発くらい今時小学生でも知ってるんで少し恥ずかしいです」
「だって~化学の授業とか訳わかんなくていつも寝てるんだも~ん。あと、粉塵爆発という言葉は知ってるからね!これ、大事!」
「いや~言葉だけ知ってても意味がわかんないと意味が無いからね~。芽生ちゃん、諦めて勉強しよっか…」
「え??」
太刀川と明道の首にはプラカードかかけられていてボーダー本部のラウンジで正座をさせられていた。二人の処遇はこの公開処刑と太刀川には未来永劫隊室及びボーダー本部でのきな粉餅禁止と反省文原稿用紙10枚と二宮と加古、堤による勉強会で、明道には反省文5枚と化学の勉強が松山隊(特に武半)主導で行われるようになった。なお、特別顧問として忍田本部長が監視を行うことに決まった。
「「い、いやだー!!」」
「「いいからとっととやれ!!」」
二人の悲鳴と教師陣の怒声がボーダー中に三日三晩響いたが誰一人として同情することはなかった。
え?時枝君ですか?彼は事件前にいなくなったので無罪です。
「はぁ、勉強なんてしたくない~。なんで勉強しなきゃいけないんですか?」
勉強会が終わった後、松山隊には防衛任務があったので警戒区域で任務に当たっていた中、明道が愚痴を始めた。
「んあ?そりゃあ勉強しないと将来のためになんないだろうがよ」
「ん~よく色んな人にそう言われるんですけどあんまりピンとこないんですよね~」
『え~そう?私は結構しっくりきてるし、実際そうだったからいいんじゃないの?』
「ん~私前の世界でも勉強ほとんどしなかったんですよね~。でもそれでもそれなりに生活はしてたんですよね~」
「明道先輩そんなんでどんな生活送ってたんですか…?」
「おん?超極悪ヤクザの娘。ちなみに日本にほとんどいなくて海外で麻薬栽培とかしていたから中学校から行ってないかな?」
『「「??!」」』
明道の衝撃的な過去に思わず全員が驚愕しその場に立ち止まってしまった。だからその国の言語はしゃべれますよと言っていたが誰も聞いてなかった。
「あれ?私なんか言った?」
『「「言ったわ(よ)!!」」』
「わ~お…きれいなノリ突っ込みだね」
「しっかし前世と今世でどっちかまともじゃないやつ多いな。俺と松っちは今世で速水さんと明道は前世か……」
「え?煌さん今世でなんかあったの?」
『そういえばあんまり聞かないね~。武半君の今世』
「あれ?そうでしたっけ?」
「確かに聞いたことないですね。僕らのことは入るときに大体話したんすけど煌さんのことってあんまり聞いたことなかったっすね」
「あ~あんま楽しくねーぞ?」
「え~いいじゃないですか~面白そうだし!」
「つまんないって言ってんのにな……まあ、一言で言うと後悔と危険の連続だな」
「危険は分かりますけど後悔、ですか…」
「え~なんか意外。どんなことがあったんですか?」
『ズバズバ聞くね~芽生ちゃん……』
「いやだってせっかく異世界転生したからいろいろ変えたいって言ってたんで」
「まあ、まず俺が産まれたときにその時難産で母親が死んだだろ、んで小学校入学したらイジメとかで殺されかけて、トリオン兵とかにもその頃から襲われ初めたかな?ボーダーのこと知ってはいたけど結局どこにあるのか分かんなくてやっと探したと思っても旧ボーダーの人たちが死んでいたから一瞬だけ殺されかけた。第一次侵攻の時も参加したはいいけど助けに行ったとこほぼ全員死んでいた。犠牲者とか減らそうと思って参加したのに結局死者数行方不明者数もほとんど減らせなかったからな~。したいこと、やりたいことがほとんど出来なかった。他にもあるが……まあそれは別にいいか」
『「「……………」」』
想定外。まさにそのような感じだった。三人ともそれぞれ何かしらのトラウマや重い過去がある。だが彼はその期間が長い。明道も前世と今世の分およそ50年と長いが、本人はその時は不幸と思っていなかったためあまり気にしていないが、武半はこの世界に来てからずっと前世の記憶があり、産まれたときから困難の連続。どうにかしようともがいてももがいてもその手からしたかったことが滑り落ちていく。武半は少しずつ思い出すように話をしていた。なんともないように話しているようだったがそこから喪失感や無力感がひしひしと伝わってきていた。
「な?面白くないだろ?」
皆が皆、想像以上の彼の境遇に言葉を出すことが出来ず、その日の防衛任務は終わることとなった。ただ、一人を除いて……………
防衛任務が終わり解散となったが、明道は武半のもとに訪れていた。
「どうした?明道。忘れものか?」
「いや~そうじゃなくってですね、あの~その~少し言っておかなきゃいけないことがあってですね」
「言っておきたいこと……補修か?」
「いや!そうじゃなくて!……あ、それもあるか………」
「あんのかい」
「あっ、えっと、さっきのことについてなの!」
「さっきの……?あぁ、俺の今世か?まあ、あんま気にしてないからそっちも気にすんなや」
「えっとそっちもあるんだけどそうじゃなくて………」
「??」
てっきり武半は明道が彼の過去について聞いて不快にさせたのではないかと思い謝罪に来たのかと思っていたがどうやら違うようだった。
「大規模侵攻で人を助けることが出来なかったって言ってたけどそんなこと無いと思う。私が……うんん、私の友達が煌さんに助けられたって人がいたから……その、そんな悲しい顔しないでください」
「おう。ありがとな。………ただ、勉強はしろよ」
「あ、はい……今それ言います?」
「言わないと勉強しないからな、お前は。んじゃ帰るぞ」
そう言って笑うと武半は隊室を後にした。
「もー、あの男は……なんかずるいなぁ」
明道は四年ほど前の大規模侵攻のことを思い出していた。
普通の日曜日のなんてことない日常が突如崩れ去ったあの日、明道はショッピングモールに部活の友達と買い物に行っていた。一通りの買い物を済ませて帰ろうとしたときに突如大きな音がしたと思ったら空からよくわかんない生物が降ってきた。そしてその生物は無作為に他の人を襲い始めた。明道は昔からサイドエフェクトの影響で目が良かったためそのことがよく見えてしまった。大きな虫みたいな化け物に切り裂かれる人、四足歩行のよく分からない化け物に食べられる人、そしてその化け物に胸を貫かれて捨てられていく人を。
明道は混乱している友達にその光景を見せないようにしながら逃げ続けた。しかし中学生女子の体力で逃げ続けるのには無理があった。とうとう明道とその友人は追い詰められていた。明道は化け物をにらみつけるが化け物…トリオン兵は機械的な行動しか行わないためそんなことに怯む様子は起こさない。もうダメだ。そう思い友達の上に覆い被さり、守ろうとした。しかし、コンクリートの壁すら切り裂く刃の前ではその行為は全くの無駄であった。しかし、その瞬間に奇跡は起きた。突如化け物が真っ二つに切り裂かれた。明道を除く人たちは何が起きたのか一切分からなかったが、明道はその類い希なる視力で捉えることが出来ていた。灰色の軍服のような服をマントとともに身にまとい、右手に日本刀のような武器を携え、左手に光る四角いキューブを持っている人がいるのだった。
「大丈夫ですか?!けが人がいる人は直ちに言ってください。すぐに増援が来て避難させます!」
それだけ言うと左手から光の球を打ち出して他の化け物に対して攻撃を行い、近づけないように立ち回っていた。すると一人の大人が声を荒げた。
「おい!あの化け物達は何だ!!そしてお前は何者だ!!説明しろ!」
「こ、子どもがいったい何をしてるんだ!」
「そ、そうだ!警察を待ちなさい!」
その一人の声を皮切りに他の大人が次々に質問を始めた。どう見てもそんなことに答えられる状況では無いはずなのに大人達は声を荒げて質問をし始めた。しかし、戦っている人は一言、「静かに、死にますよ」とだけ言って戦闘を続けておよそ10分程度で化け物を15体ほど倒した後質問に答えるのだった。
その人曰く、先ほどの化け物は近界民と言われる異世界からの侵略者であること。自分はそれらを倒すボーダーであるということ。そして自分たち以外近界民には勝てず、既に自衛隊や警察は壊滅状態にあるとのこと。そのため邪魔をして欲しくない、逃げて欲しいと。そう言うと大人達はそんな馬鹿なといったが、少し離れて現実を見ると街が荒れ果てているのを見て現実を直視したのだ。その後は彼の指示通りに避難を開始するのだった。その人は他のボーダーの人たちに避難を任せて他の場所に行くようだった。
明道はそんな彼にお礼を言おうと近寄ったが彼は「無事で良かった。でも友達を守ろうとしたのは偉いけど自分が死ぬかもしれない状況の時は自分のことを優先しろ。もっといい方法がなかったか考えて欲しい」と言ってどこかに行ってしまった。明道は彼が去るときに目元が赤く晴れていることに気がついた。自分では泣いていないつもりで実際に涙は出てなかったけど彼は気がついていたようだった。彼が言ったことについて避難指示をしている隊員、木崎さんに聞いてみた。
「あいつは今日初めて助けに行ったところで生き残りがいたらしい。だから生き残りがいて良かったのと君が危険なことをしていたことに不安を覚えたんだろう」
それだけ聞くと自分の行動の浅はかさについて反省するのだった。しかし、明道にはその行動が最善だとしか考えられなかった。でも彼が言っていたことも正しいと思っていた。だから明道はその答えを知ろうと彼の名前を木崎に聞き、ボーダーに行ってその答えを聞こうとした。そのため、入隊募集が始まってすぐ入ろうと思った。
しかし、親から止められてしまい、入るのは高校生になってからと言われてしまった。
そして入隊試験を受け、その結果は合格だった。テストは散々だったが、トリオン量が多かったため入隊は出来たことを知るよしは明道になかった。しかし入隊できたためあのとき助けてくれた彼、武半煌にあのときの答えを聞こうとした。しかし彼と話すこと中々出来なかった。なぜなら彼は広報部隊の嵐山隊所属。忙しく会えない。そのため木崎に頼んで玉狛で会うことにしてもらった。そのおかげか、入隊してからおよそ半年で武半に会うことが出来た。そして、彼の答えは
「おい、明道。何ぼーっとしてんだ?帰るぞー」
「あ、はーい」
気がつくと武半は隊室の前に立っていて明道が出るのを待っているようだった。慌てて明道は返事をして武半の方に行くのだった。
「?明道、何か考えてたのか?」
「!……いーえ、何でも」
「そうか?気になるが……まあいいか」
「そうですゾ。乙女の秘密を聞くのはセクハラですからな」
「乙女ね~」
「む?ちょっと失礼じゃないですか?」
「いやなんでも」
「だいたいそういうのは何でも無くないもんですよ」
「それもそっか。すまん気にしないでくれ」
「しょうが無いですな~。今回だけですゾ」
「おう、助かるわ」
二人はそのまま帰路につくのだった。明道は武半に言われたことをまた思い出しながら家に帰り、なぜか今日はその日のことがよく頭に残ったことにモヤモヤしながらその日を終えるのだった。
いかがでしたでしょうか?
前回に引き続きいっぱい書けました。実際どのくらいの文章量がいいんですかね?個人的には5千から8千程度が好きなんでそんな風に書いてますが実際の所は不明です。
次回の話も構想はできているんでそんなに時間はかからないと思いたい。それでは次回をお楽しみに。
次回「速水菜桜」にトリガー・オン!