転生者達によるグダグダ界境防衛   作:暇人のお話

9 / 10
どうも相変わらず暇じゃない暇人です。
最近FGOでぐだぐだ来たじゃないですか。
もう爆死の爆死で萎えてます。
そんなこんなで久しぶりに投稿します。これが終わったら原作に入るんで気長に待っててくれるとうれしいです。
あ、今回は前回に比べて少し短いです。
それではどうぞー


速水菜桜

初夏のある日、ロン毛の長身男とポニーテールの低身長女というアンバランスな二人組が山奥の渓流で手に釣り竿を持ち、各々が釣り糸を垂らしていた。

じりじりとした夏の太陽光が川の水面に反射し木陰の下でもまぶしく、そして暑く感じる。そしてさらに朝から泣き続けている蝉が暑さを増している気がする。しかし川の水が流れる音がさらさらと心地いいように聞こえ、その暑さを和らげている気がする。だがそんないい天気とは逆に糸を垂らしている釣り竿はウンともスンともいわず、そのウキは川の流れに身を任せるだけだった。

隣で釣り糸を垂らしてはすぐに糸を引いて尺には満たないものの、25㎝近くのイワナやヤマメが釣れているのだった。

 

「いやー今日は大量でいいな~」

「東さん、私全然釣れないんですけど~」

「ん?この前のキャンプは速水の方が釣れてたし、それに今日はまだ初日だからこの雰囲気を楽しんでいこう」

「むぅ~もう少し私も釣りたいです」

「はっはっは、だったらウキを丸いのじゃなくてハネみたいのにしてずっとキープさせてみたらどうだ?」

「え?それなんて釣り方なんです?」

「それはミャク釣りってやつだ。本来こういった渓流では浮き釣りよりその方がいい場合が多いんだ」

「ほぉーなるほど」

 

東の助言通りに速水は慣れた手つきでウキを交換し再び糸を水面に垂らした。ウキとは違って常に糸を張らないといけないので思ったより腕がきついようだったが、効果は覿面で少しずつだが釣れるようになった。

そのまま二人は場所を移動しながら釣りを続け、日が暮れるまで釣りを続け、東はイワナ7匹とヤマメ3匹を釣り、速水はヤマメ2匹を釣り上げ今晩のおかずとして釣りキャンプ一日目を終えるのだった。(20㎝以下のサイズはリリースしています)

 

 

 

 

夜、現代日本はどんな田舎にも必ず街灯などがあり、全くの暗闇はない。しかしここは〇〇県の山奥、人の手が一切加わっていない場所では自分たちの焚き火以外の明かりはなく、世界で自分たちしかいないような感覚に陥っていた。そんな感覚から呼び戻すのはお互いの存在とたくさんの夜行性の動物の鳴き声がそんな感覚から呼び戻す。

そんな環境の中で二人は野営の準備をしていた。東さんは今夜寝るためのテントと食器などの準備をし、飯盒でご飯を炊いていた。私は今日釣ったばかりの新鮮な魚を捌き、それぞれ塩焼き、刺身、その辺で適当に採ってきた山菜を交えたホイル焼きを作っていた。

※こちらの山菜は下処理をきちんと行った物なのであしからず。

 

「東さん、出来たので食べましょうか」

「ああ、こっちも米が炊けたから盛っておくぞ」

「あ、ありがとうございます」

 

そのまま二人は夜ご飯を楽しんだ。山菜のホイル焼きも山菜が時期でないかもしれないと若干心配したが、山奥の方ほど春が残っていたためそれなりにいい山菜だったため問題が無かった。だが私からしたら少しいまいちだった。

 

「速水、どうしたんだ?何か悪いものでもあったのか?」

「ん~いえ、確かにおいしく出来てはいるんですけどこの前木崎君に作ってもらったホイル焼きの方がおいしく感じちゃってちょっと不満なんです」

「……いや、確かに木崎の飯もうまいがここ山奥だぞ?あいつほどは難しいんじゃないか?」

「いえ、この前木崎君達と寺島君を運動させようってことで玉狛の側の川でBBQしたんですよ。その時もこんな感じで作っていたんですけどやっぱりそっちの方がおいしく感じてしまって……」

「お前は相変わらず木崎にライバル心燃やしてるな」

「それは当然です。やっぱり女として男に料理負けたくないです」

「まあこれからは男女関係なくとかあるけど速水はそんな感じなんだな」

 

そんなこんなで夕食を楽しみながら時間は過ぎていき、時間は夜の10時を過ぎていた。

 

「ところで東さん、話しって何なんですか?わざわざこんな山奥で話す内容なんてありますか?」

「ん?ああ、忘れていた。そういえばそうだったな」

 

今回のキャンプはいつも行っているようなキャンプ場ではなく山奥で、誘ってきたのは東であり、私に話しがあるとのことだった。それならわざわざこんな山奥に来る必要は無いのだが、東さんがせっかくだから源流行をしながらでもいいか?と聞いてきて、私はそれを了承したのである。

 

「それでいったいなんなんです?あ、これどうぞ」

「おお、ありがとう。実はな……」

 

焚き火を挟み、イワナを入れて即興で作ったイワナ酒を渡し、飲みながら語るのだった。

東さん曰く、お弟子さんの鳩原未来ちゃんがトリガーを一般人に渡すボーダーの規律違反をしただけではなく、本人も近界に逃亡したとのこと。このことは当事者の二宮隊、追撃に出た風間隊、後は師匠である東とたまたまその場にいた兄弟弟子の木崎君だけらしい。なぜそのことを私に話したのかというと、私と鳩原は家が近所でそれなりに交流が深かったため情報を与えて鳩原におかしな行動がなかったのかを聞き、捜索に役立てようと上層部は考えたらしい。ちなみに私は未来ちゃんがボーダーを規律違反で止めたと言うことは聞いていたがよもやそのような無いようだとは知らなかった。

しかし私はスナイパーではなかったため鳩原とボーダーでの関わりはさほど多くは無く、また、日常生活でもあまり変わっている様子はなかったことを伝えた。

 

「そうか、変わった様子はなかったか……」

「そうですね、そんなに変わった様子はなかったかと…」

 

東さんはやっぱりかと呟くと少し気を落としたようだったが、私はそう言えばといなくなる数日前の不思議な状況について語った。

 

「その日の数日前に未来ちゃんを訪ねた人がいましたね」

「訪ねた人?いったいどんなやつだった?」

 

なにか進展があるかもしれないと思った東さんは身を乗り出して聞いてきた。

 

「確か少し明るめの髪の毛で背はある程度大きかったと思います。年齢は20歳くらいの確か男性だった気がします。他にも3人ほどいましたけどフードをかぶっていたので顔とかは分からなかったですね」

「…いや、大きな進展だ。後はそこから探すことが出来るかもしれない。ありがとう、速水」

「いえ、問題ないですよ。………あ、後もう一人いました」

「もう一人?どんなやつだったか覚えているか?」

「確か、青紫色の髪の毛をした仮面をした女性だったと思います」

「仮面?」

「確かしていたと思います。ただ、記憶が曖昧なんです」

「どういうことだ?」

「青い髪の毛の女性かと思ったら丸坊主の男性にも見えましたし、やたらに右腕が大きい人にも見えたのです。その時は気のせいかと思ったのですけどいざ思い出すと自信がなくなってきてしまって…すみません」

「………」

 

 

 

 

 

その謎の人物については何か怪しいものを感じた東だが、今は情報が少なすぎて判断が出来なかったため話しはこれまでとした。しかし、鳩原に協力者がいた情報と、人数や性別などの情報を入手できたのでこれはこれでよしとした。

 

「東さん、あまり気を詰めすぎないでくださいね」

「ん?どうしたんだ急に」

「東さんがこの話をしてからずっと思い詰めているような気がしたので」

「………ばれていたか……」

「それはもう…とてもわかりやすかったですよ」

「ははは、やっぱりか…」

「ここに呼んだのは機密の話しをしたいだけでなく、他の人にみられたくなかったからですね。特に自分の隊の人には……」

「…ああ、あいつらにはこんな姿見せたくないからな。それに、少し愚痴も聞いて欲しかったんだ」

 

焚き火の火を見て、アルコールが回っており今日一日の疲れからか東はぽつりぽつりと語り始めた。

自分はなぜ鳩原のことに気がついてやれなかったのか。なぜ彼女は近界に行くまでに至ったのか。他にもいくつか愚痴をこぼしていた。

 

「俺はどうしてやれば良かったのか…考えても分からないんだ。俺が鳩原に出来たことは何だったのか、もしかしたら俺は気がつかないうちに相談を受け、そしてそれが鳩原のためになることが出来なかったんだろうか、そんなことばかりを考えるんだ」

 

東は師匠として、またボーダー戦闘員の年長者の立場として多くの悩みや相談を受けてきてそれを解決してきた東だからこその悩みだった。

 

「存外他人の意見なんて決断には関係ないのかもしれませんよ、特にいつもそんなことしそうにない人が急に何かをなした時って…」

「どういうことだ?」

 

悩みに悩んでいる東からしたら予想外の答えがきて、少し混乱した東だったが速水は気にすることなく続けた。

 

「私が思うのに人が誰かに話を聞いて欲しい時って自分が考えて悩んだ末に何か他の人からの後押しをして欲しいときに行くものだと思っているんです。…確かに課題とかを他の人に聞いたりして頼ったりはあります。でも、本当に切羽詰まったとき、誰かを危険にさらすかもしれない時は特に人は誰かを頼りません。なぜならそれは一時しのぎでしかないから。根本的な解決にならない以上中途半端な助言や助けは結局本当の助けにはならないことを本能で悟っているから。そして、未来ちゃんのような優しい子は迷惑をかけたくないって思って話しかけづらいのも余計に影響を与えます。だから東さんが悩む必要ってあんまりないのでは?」

「……意外に速水ってドライだよな」

「え?そうですか?」

 

自分の悩みが速水にしたら全く見当違いだった内容に東は少し困惑しつつも納得している部分もいくつかあった。特に、鳩原の性格について考えた上での彼女の決断については。

 

「……そうか、そういう考え方もあるのか、今まで解決とかそれに繋がることを考えていたから盲点だったな……ありがとう、速水」

「いえいえ、この程度だったらいくらでも聞きますよ。まあ私だったら本当に困ったときは東さんとかに聞きますかねぇ?私って基本的にどうでもいいことしか身内に頼らないので本当に頼るときは頼りがいがある人がいいんです」

「……頼ってくれるのはうれしいがそれあんまりあいつらに言ってやるなよ?絶対めんどくさいことになるから」

「ふふっ、分かってますよ。それじゃあ東さん、また明日もよろしくお願いします。おやすになさい」

「ああ、おやすみ」

 

そう速水はにっこり笑うと残っているイワナ酒を飲み干し、テントに戻って寝る準備を進めていた。一方東は火を眺めつつ自分のことを振り返っていた。

もしかしたら自分がしてきたアドバイスはその場しのぎにしかなってなかったのではないか、もっと言うことができたのかなど。だがそれでも鳩原のことに関してはむしろ言わない方がよかったのだと。

しかし一方で速水について、

 

「…あいつって結構天然たらしみたいなところあるよな。この前諏訪も麻雀で「あいつ自分が女なの分かってるようで分かってない発言するんで正直めんどくせーって」言ってたし…まあ、気をつければいいか?」

 

などと自分から女性を誘ったことを全く覚えていないようなことを言っており、テントで寝るときも予算の都合上テントが一つしか無かったため寝顔に少しドギマギしていたのは本人のみぞ知る話しである。

 

 

 

 

 

源流行二日目、二人は昨日より上流に向かいながら今日も釣りを楽しんでいた。東さんは少し寝不足みたいだったけど、渓流の冷たい水で顔を洗ってたから目は覚めてたみたいだから、いつも通りの様子だった。

そして今回の源流行での大目玉であり最終目的地、魚止めの滝。地域や釣り用の雑誌などには別名イワナ止めの滝や狢返しの滝とも言われ、落差はおよそ10メートル、魚はおろか、陸上動物ですら登り切ることは困難なほどに大きな滝が目の前に広がっている。ここは魚が住むことの出来る限界の場所だから、大小含めかなりの魚群が見て取れる。餌となる川虫や小魚もこれ以上上流へ行くことは困難なため必然的に多くの餌となるものも多い、まさに魚の楽園のような場所である。ここで釣りを行うことは釣り人にとっても一つの目標とされるところである。そのような知識を知っていても実際に来てみると大間違いで絶景だった。

 

「さて、今日はここだな」

「そうですねーここに来るのはとても大変なので来れただけでも感無量になりますね~」

「一応今日で釣り自体は最後になるから何匹か持ち帰えるか」

「そうですね、せっかくなので皆にも食べて欲しいですからいっぱい釣りましょう」

「…いや、一人30㎝以上のサイズで5匹までにしよう」

「なぜですか?」

「生態系の保護っていうのもあるけど他に人が来ることを考えると釣りすぎも良くないからな」

「来ますか?こんな山奥に…」

「さあ?」

 

来るかも分からない人への気遣いをしながら開始。今日こそはと思っていたが相変わらず東さんの方がどんどん釣り上げ、あっという間に目標数釣っていた。一方私はは相変わらず釣れておらず、メダカサイズのを何匹か釣り上げただけですよ。……この差ってなんですか?

 

「東さん、どうやったらそんなに釣れるんですか?」

「ん?ああ、俺はいつもやっている感じと同じにやっているからな。スナイパーなら釣りもうまくなると思うぞ?」

「…それ絶対無理なやつです」

「はっはっは、まあ頑張れ」

「む~~」

 

結局私は2匹しか釣る事は出来ず、東さんが暇で余分に釣った魚をもらいその日を終えるのだった。

二日目の夜は昨日釣った分の残りを焼き、簡単に済ませた後少し早めに就寝をして三日目、帰宅を迎えるのだった。

 

「さて、帰るか」

「はい、しかしいっぱい休み取れて良かったですね。おかげでかなりリフレッシュ出来た気がします」

「まあ、速水に聞いた内容の事情聴衆ってことも含めての休暇ってのもあるけどな…」

「え?それ初耳なんですけど…」

「初めて言ったからな」

「………」

 

楽しいはずの休暇が思いも知らないことが目的だったため開いた口が塞がらなかったが、東はクックックと笑っていたのだった。そんな彼の笑いと共に来た道を戻るのだった。

途中で3人の釣り人とすれ違い多少会話をした。一人は麦わら帽子をかぶった高校生くらいの少年、二人目は頭にバンダナをつけた大男、そして三人目はサングラスに帽子をかぶった長身長の男性と、少し異様な組み合わせだったがとても仲が良さそうな三人組だった。釣りポイントについての話を東さんがしていたら麦わらの子が「にしても親子で源流行なんて最高だやなぁ」と言ってきたときは驚いた。どうやら他の二人もそう思っていたらしく慌てて訂正したら逆に驚かれた。確かに私の背は小さいですよ…でも東さんが父親は無理があるのでは?と思ったがやっぱりそう見えるよなーって言っていた。………解せぬ。

そんなこんなで釣りキチ三人組と会話を終えると再び帰路についた私たちは東さんの車に乗り込んで三門市に帰るのだった。

 




いかがでしたでしょうか?
今回は今後に繋げたいちょっとした伏線と完全にほのぼのした回にしてみました。
取りあえずこの次は原作に入るからそのまま大規模侵攻までは原作通りに進めて、それが片付き次第第二のキャラエピソードに入るつもりではいるんで原作に追いつくのは何年先になることやら………
ってなわけでまた次回。

次回「出会い」にトリガー・オン!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。