好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
どうも設定を最初からかなり書くと、そこでほぼ燃え尽きてるようでして、長続きした者を振り返って可能な限り必要最小限の設定だけ作って見切り発車する方向でやってみようかとといった感じです。
なので、前に言われたことや燃え尽きたところから使える部分を組み込んで、一週間で即興かつ最小限の設定だけ作ってリスタート。
と、いうわけで神様転生タグを入れながら、これで全員死亡するお話となります。
「おめでとう。君はあまりについてなくて同情したから、ハイスクールD×Dの世界にチート特典を付けて転生することになったよ」
そう伝えてくれる自称神に、青年はすぐに頭を働かせた。
神様転生は自分達いわゆるギークにとってはよく妄想することだが、その所為かいきなり転生と言われて冷静になってしまった。
ハイスクールD×Dは、明らかな問題作だ。
サークル活動の一環で問題作について語るコーナーがあったので購読しているが、本当に問題作だ。
あまりにも非常識な異形達に、彼らに押さえつけられて余計なトラブルのしわ寄せを受ける人間達。なにより主人公が下劣な色狂いの性犯罪者であり、サークル内ではよく愚痴で盛り上がったものだ。
この世界に転生できるのなら、ぜひ自分達のチートを持って正しい方向にもっていきたい。
だが、そう簡単にはいかないだろう。
自分達は凡人だ。チートがあってもそれだけでは決して勝てないだろう。
ならどうすればいい。そう考えた時に、一つの在り方を思い出した。
超人の正しすぎる光に立ち向かう、銀色の輝きの物語。その最終章にして駄作ともいえるあの作品の、素晴らしき強敵達を思い出す。
不死の存在となりながらも、それに胡坐をかかず常に研鑽を続けてきた、凡人の極限を体現した者達。人類すべてを生産者にすることで、星の寄生虫と揶揄されることもある人間を、完全な生産者にして資源の宝庫とすることで変革をもたらそうとした神祖達。
人の新たなるステージは、ガンダム00を思い起こさせる素晴らしい在り方だった。あれはむしろ、主人公として立ち向かうべきだっただろうと常々思う。
そう、一人で無理なら、自分達の人生で足りないのなら、千年以上の時をかけて積み重ね合う仲間たちがいればいいのだ。
……ならば、まず最初に言うべき答えは決まった。
「―――仲間が、仲間が欲しい」
……その後の千年間は、本当に大変だった。
より多くを学び、少しずつ人類に力を齎し、そして何より世界を導く為の知恵を手にするのは大変だった。
何度も失敗した。何度も恨まれた。何度も泣いたし、絶望した。
何度も成功した。何度も感謝された。何度も笑い、希望を得た。
「ああ。これは、俺達が世界を救う物語だ!」
あの熱い想いが背中を押してくれた。
「異形達を止められるのはただ一つ、俺達なんだろ?」
あの真剣な瞳が、思い出させてくれた。
「無限の希望も絶望も、重ねた全てが力になったな」
あの喜びの涙が、導いてくれた。
そして、数多くの特典を束ねることで、自分達は国を作り上げた。
本来の世界には存在しない諸島群。それぞれの島に存在する鉱脈と、領海全土に埋蔵される天然ガスと上質な原油。
そして千年間の間少しずつ作り出した願望機によって、一斉に発生する高位次元の力。更に人と共にあり感情すら獲得する機械の仲間。
その力全てを束ね、作り上げたサウザー諸島連合国。
その過程で何人もの悲劇に巻き込まれた子供達を集め、将来の人界を導く者達となる為に道を指し示してきた。
ああ、だからこそ、いつか勝利を形にしよう。
人の真価は積み重ねで輝く。千年以上生きながらも、人間に足元を何度も救われる異形にはない、人間だからこその力を示す為。
全人類を神祖にする勝利を描けるものを探しながら、彼は異形達との戦いに目を向け――――
「な……ぜだ……?」
――――――今まさに、その願いが踏みにじられようとしていた。
ありえない。信じられない。
仲間達が倒れ伏し、動けないことではない。
彼らは皆魂を殺されたが、これに関してはこちらの落ち度だ。
異形達に気づかれないように立ち回っていた為、どうしてもデータが取れてない脅威はいた。その為死神の鎌は警戒対象だから、回避を重視した装備を開発する予定だった。
だが、想定外の真後ろからの攻撃により、自分もまた滅びようとしている。
それを成したのは、将来を共に支え合うだろう一人の少女だった。
「何故、君が?」
「何を馬鹿なことを言っとるのじゃ?」
きょとんとした顔でそう返答する少女の手には、同胞達の魂を切り裂いた魔剣が握られている。
死神の鎌を再現した魔剣を作り出すという手法に、正直盲点だったと臍を噛む余裕もない。
何よりこの不意打ちは、彼女達が配下だと思っていたからの間隙だった。
「……終わったか。あとはそいつだけだな?」
「そうだのぉ? そちらは大丈夫なのか?」
「ああ。
「妾達の分は残すのじゃろうな? まあ、彼奴らがちゃんと確保しておるじゃろうが」
そう、後ろから近付いてきた青年と少女が会話をする。
その姿は、本当に信じられなかった。
「何故だ……。何故、君達が異形ではなく人類に牙を剥くんだ……?」
それが分からない。
彼らも彼女達も、自分達が見出した者達なのだ。
世界の真実を教え、憎むべき異形を伝え、そして共に戦う為に力を授けた。
それが、何故だ。
その疑問に、青年の方が呆れ果てた目を向ける。
「……つくづくお前達は愚かだな。何故俺達がお前の奴隷になると思ったんだ?」
「なんだって?」
その言葉の意味が分からない。
確かに上下関係はあっただろう。その過程で、厳しいことも言ったはずだ。
だが、男達に奴隷として扱う思想などなかった。
いずれ並び立つ友として、先達として振舞っていた程度なのだ。
「……本当に理解できぬ奴らよな。あそこまで見下した目でこちらの洗脳を試みて起きながら、まるで善意で育てているかのように考えおる思考回路が分からぬわ」
「恩を売って自説を語ればいうことを聞く馬鹿とばかり会っていたんだろうな。自分達の理想が全人類のそれだと思ってるんだろう」
言っていることが理解出来ない。
そして、相手もこちらに言葉を向けてこない。
本当に彼らは、道を示し先で追いつくのを待っていた自分達が、奴隷と見下していると思っているのだ。
―――この期に及んで、男は自分達の愚かさを理解してなかった。
自分達がどこまで行っても、千年経ってもなおこの世界を「正すべき創作物」と見ていることに気づいていない。
どれだけ人を導くことで積み重ねてきても、その前提として「体よく利用できる」手合いを自覚無く見繕ってきたのでは意味がないと、理解すらしていない。
そして、彼らはこちらに目を向けることもなく、最後の一撃を放とうとする。
「……無念だ。だが、種は巻いた」
その一撃が振るわれると共に、自分の魂も消し飛ばされるのだろう。
もし全員が死んだ時、溜め込んできた力はあるべき者の手に渡る。
「世界の間違いを正し、そして力さえあれば必ずそれを成そうとする者に力と知識が贈られる」ように設定した願望機は、保険でしかないので全部ではないが、半分近い力を送ってくれるだろう。
その力に最後の希望を託し、男は斬撃を受け入れる。
――――――その死の間際に至るまで、男は勘違いに気づいてもいない。
世界の間違いを知っている者は必ず自分達の同志になりえた者である。そんなありえない大前提を誰もがするほど、千年間の積み重ねは意味をなしていなかった。
大前提が間違っているがゆえに、彼らの千年間は正すのではなく乱すことしか出来ない。
世界を変えるならまず自分を変えろ。それはすなわち、己をより良く改めることが出来ない者が、世界をよりよく改めることは出来ないという認識が込められているのだろう。
改めるところを何一つ見出さず、世界を歪める力だけを磨き上げてきた彼らに、世界を変える力が宿るわけがなかった。
「おや、もう終わったのかい?」
「ああ。そっちはもう回収し終えたのか?」
「全部は無理だったけどね。どうも万が一に備えた保険が仕込まれてたよ」
「……ふむ、彼奴らから連絡が入ったぞ。全体の四割ほどが消え去ったようじゃな?」
だから、既に手が回っていることにも気付かず、彼は逝った。
「まあ、全部をどうにか出来るわけがないからね。そろそろリークで来ている三大勢力が迎撃部隊を打倒してくる頃だし、逃げた方がいいんじゃないかな?」
「ふむ。ならば
「そうだな。では、恩に着るとするか」
ただただ妄想に生きて、そしてそれゆえに現実に殺される。
これは、ただそれだけのバッドエンドである。
そして、一つの物語が終わり新たに始まる。
神様転生によって世界を変えようとした男達の物語は、ここで完全に終結する。
そう、この物語はある意味でエピローグである。
世界を乱すことしか出来ない者達の遺した力による、乱された世界であがく者達の物語。
これは、
と、いうわけでエピローグは終了。これで神様転生者の物語は終わりです。
そして次からは、転生者の残していった者たちが世界に影響を与え続ける物語の始まりです。