好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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神威動乱編 第三話

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい! 気合を入れて大きな声でー、ドラゴン!」

 

「ど、どら……ごん……っ」

 

 そんな感じにグリドに乗ったヒマリに追い回されるライザーを横目で見ながら、俺とカズヒ姉さんは反復横跳びとかをしながらトレーニングを積んでいた。

 

 ちなみに少し離れたところでは、イッセーがレイヴェルにお茶に誘われている。

 

 俺達も誘われたけど、レイヴェルの様子からイッセーに惚れていると判断したので、あえて遠慮して置いた。

 

 割と分かり易い態度なんだが、まあそれで分かるようなら既にイッセーは部長達とデキている。

 

 あのアーシアの対応すら「恋人とかそういうのじゃなくて、完璧な家族っていうのかな? へへ……照れくさいぜ」とかほざく男のことだ。絶対に気づいていないだろうさ。

 

 一発殴りたくなった俺は悪くないと思いたい。

 

「しかしまぁ、イッセーも大概ね」

 

 カズヒ姉さんもそう言うぐらい、イッセーの鈍感さはちょっと酷い。

 

「……どうする姉さん? 外野が下手につつくのもどうかとも思うけどさ……」

 

「と言っても、人って何時死ぬか分からないものだしね。なにより私達は、人よりよっぽど死に近い生活を送っているもの。あまり長く見るのもあれでしょう」

 

 カズヒ姉さんも同意見っぽいけど、俺よりよっぽど深刻な表情だった。

 

 ふむ、俺よりよっぽど実戦経験の数の多いからな。その辺は一家言あるんだろうか。

 

「……好意を抱いている相手が告げる前に死なれたことで、心を病んだってケースも多少は見たことがあるわ。まして割とストレートに伝えておきながら、断られるどころか気づかれることなく死亡ってのは……下手しなくても変なことになりそうだもの」

 

 そういうカズヒ姉さんは、かなり真剣な表情でイッセーを心配していた。

 

「前から気になったけど、イッセーって本当にハーレム作る気あるのかしら? 恋愛という一線をわざと踏み込ませないようにしてるって言われた方が納得できるのだけれど」

 

「あれだけ口でハーレム作りたいとか言っておきながらか? ちょっと考えづらいだろ」

 

 あいつに限って、いわゆるアスパラベーコン巻き男とかいう傾向は無いと思うが。まあいわゆるロールキャベツ系男子になれる能力もないわけだが。

 

 そんな男が煩悩で覚醒したり煩悩まっしぐらな技を独自に編み出したりはしないだろ。

 

 俺はそんな気がするけど、カズヒ姉さんは違う意見な要だ。

 

「自分で自覚してないっていうことはあり得るわ。無意識とか本能が拒否してるけど、自覚がないから意識的には……ってこと、意外とあるものよ」

 

 そんな風に、補足した目でイッセーを見ているカズヒ姉さんは、割と本気でそんな確信を抱いているようだった。

 

「暗部的な経験論?」

 

「そうね。そういったことで道を踏み外した人だっているし、……ちょっと荒療治をすることも考えるべきかしら?」

 

 荒療治って何をするつもりなのでしょうか。

 

 あんまり酷いことは……いや、してもいいか。

 

 流石にあの鈍感ぶりはちょっと部長達が可哀想だ。それにイッセーだってあのままだと、後ろから刺されるな。

 

 自力でかいくぐれそうな気もするけど、そもそもそんな事態を起こさずに済ますべきではあるか。

 

「いざとなったら手伝うことにするから、必要なら行ってくれ」

 

「そうね。いざという時はお願いするわ」

 

 そんなことを言いながら、俺達は軽く自主トレをし続けて―

 

「ぐわぁああああああっ!」

 

 ―ライザーの悲鳴をBGMにするのは、ちょっと心が痛んではいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな夜、俺達は吹雪く雪山で変身して待機をしていた。

 

 ……なんでこんなことしてるんだろう、俺達。

 

「なあカズヒ姉さん。ちょっと考えすぎなんじゃないか?」

 

「言いたいことは分かるわ。でも念には念を入れておきたいの」

 

 俺達が待機しているのは、俺達のベースキャンプと露天風呂の間だ。

 

 リアス部長達が俺達の様子見に来ていたけど、その露天風呂を堪能しているらしい。

 

 ……そしてカズヒ姉さんが懸念しているのは、イッセーだ。

 

「……夢遊病で覗きする可能性を警戒するって、手伝う俺が言うことでもないけど考えすぎじゃねえか?」

 

「私もそうは思うけれど、イッセーの性欲は異常だわ。本人が本能レベルで拒絶反応を引き起こしている以上、念には念を入れて警戒しておきたいの」

 

 まあ、確かに。

 

 イッセーの性欲は異常だろう。いくら性欲が強いからって、普通は覗きを我慢した結果ひきつけを起こしたり狭心症を起こしたり神経性胃炎を起こしたりはしない。

 

 そんなイッセーが性欲のままに夢遊病で動くという可能性は、確かにちょっと気になりはする。

 

「……そういえば、二重人格ってストレスが原因でなるってことがあるらしいな」

 

「そっちはそっちでありそうで怖いわね。イッセーの場合、下手するとアバターを作る亜種禁手になりそうだわ」

 

 姉さんの怖い予想もありえると思えるぐらい、イッセーの性欲は強かった。

 

 まあ確かに懸念ではあるし、念には念を入れるべきか。

 

 俺はそんなことを思っていると、ふとぶっ飛ばされていたライザーを思い出した。

 

「ライザー・フェニックスに協力を求めなかっただけ、慈悲があるって思うべきかねぇ」

 

「私は非道になることはあっても外道じゃないわよ? ドラゴン恐怖症になっている男を迎撃する為に引きずり出すなんて論外だし、まして万が一の懸念なら必要悪でも何でもないでしょう」

 

 それもそうか。

 

 ああ、仮にも貴族ともあろうもの、それもハーレムを作る奴ならその辺りの一戦は引けるだろう。だから協力してくれる余地はある……というか妹巻き込まれるだろうしな。

 

 だけど一生懸命荒療治のショック療法でトラウマを克服させられているんだ。それぐらいの慈悲は―

 

「……ぐ……ぁあ……」

 

「「……え?」」

 

 俺達二人がその悲鳴を聞いたのは、偶然に近い。

 

 吹雪いているから尚更だ。だからこそ、聞こえるか聞こえないかのぎりぎりだった。

 

「今の声、もしかしてイッセーか?」

 

「……まさか本当に来るだなんて。それもこれって、つまりライザー・フェニックスと戦って―」

 

 姉さんが俺に頷きながら警戒した時、炎に包まれたイッセーが、斜面に叩き付けられる。

 

「……クソッタレ!? ってカズヒに九成もなんでここに!?」

 

 こっちに気づいたイッセーは、だがしかしすぐに首を横に振って気合を入れ直す。

 

 さて、この様子だと本当に夢遊病か二重人格か。

 

 まあそれともかく。イッセー自身の為にも覗きは止めないとな。俺もカズヒ姉さんもその為にいるんだし。

 

 そんな感じで俺達が戦闘態勢をとると、イッセーは何故か喜びの表情を浮かべた。

 

「ちょうどよかった。頼む、二人の力を貸してくれ!」

 

 ……人格同士がせめぎ合ってる?

 

 俺がそんなことを思ったとき、炎が俺達を照らした。

 

 そして降り立ったのはライザー・フェニックス。

 

 強い決意を目に灯し、イッセーに立ち向かう戦意が燃え盛っている。

 

 まさか、妹の危機にトラウマを克服したのか。

 

「……どうやら、窮地に奮起するタイプだったようね。結果オーライと言っておきましょうか」

 

 カズヒ姉さんも仮面越しに頬がほころんでいるだろう。

 

 イッセーが暴走したのは残念だけど、その結果としてライザーが復活したのならそれはそれでって感じだな。

 

 俺とカズヒ姉さんがほっとしたその瞬間、二人が俺達に別々の感情を向けた。

 

 ……あのすいません。なんでイッセーが頼りになる味方的な視線で、ライザーが目障りな敵を見るような視線何でしょうか?

 

「助けてくれ! 今の野郎、前に戦った時より手ごわくなってる! 部長やアーシアやシャルロットの裸を守る為、力を貸してくれ!」

 

「ふん! 男の成すべきことを邪魔するつもりなようだな。ならば全てを焼き尽くし、俺はリアスの裸を見る!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ライザー(そっち)覗き目的(そっち)ぃいいいいいいいっ!?」」

 

 思わずシンクロで絶叫したよ。

 

 

 ―ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 ………あ。

 

 衝撃と大声の連打に、雪山が雪崩を引き起こしやがった。

 

「「「「うわぁあああああああああ!?」」」」

 

 て、展開があれ過ぎて反応が遅れたぁああああああああ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前だけが、俺の婚約者の、裸を見ようなどと許せるかぁあああああっ!!」

 

「俺の、部長と、家族と、相棒の、裸をお前に見せるわけねえだろうがぁ!!」

 

 這い出た俺の視界に映るのは、そんな全力で殴り合いをするライザーとイッセー。

 

「……いろんな意味で歯を食いしばる間すら与えないわ。私が、這いつくばらせて後悔させてやる……っ」

 

  

 

爆     烈

  

 

『ダイナマイティングユートピア』

 

 そしてブチギレて必殺の一撃をかますカズヒ姉さんの姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もちろん衝撃で雪崩第二弾。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「うわぁあああああああああ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……仕方ないわ。全裸(マッパ)でサウナに入ってやるからそれをガン見して我慢しなさい。二度の雪崩の詫び込みの特別大サービスよ。とにかく覗きは我慢しろ……っ」

 

「カズヒ姉さん。ライザーとイッセー、もう失神してるから。その自己犠牲大サービスの必要ないから片方持ってくれない?」

 

 そんな感じで、俺達は遭難一歩手前になりながらもなんとか生存した。

 

 そしてこれがきっかけとなり、ライザーはドラゴン恐怖症を克服したらしい。

 

「……俺は更に強くなろう。何時の日か、リアスの裸を拝む為にな!」

 

「ホントにふざけんなよ!? あんたそれでも貴族か!?」

 

 克服ついでにイッセーと死闘まで繰り広げたけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 後余談だが、マジで言ってたらしく星辰奏者やプログライズキーを真剣に利用するつもりで色々と動いているらしい。

 

 ……俺は周囲にうるさい奴の目がない限り、奴に敬語は絶対に使うまいと心に決めたことを此処に宣言しておく。

 




 ライザーを魔改造してめちゃくちゃ強化しようとしている作品って、たぶん少ないだろうなぁ。

 まあそれは置いておいて、次の話からラグナロク偏となります。

 自作品においてロキは魔改造が毎度毎度苦労しています。禍の団とは別口なので、禍の団の強化がそのまま使うわけにはいかないもので。

 ただこの話は転生者が自滅した後に技術流出している一種のエピローグなので、比較的楽にできるという利点があります。
 ぶっちゃけこの作品におけるラグナロク偏は、今まで自分が書いていた作品とは一味違うのでお楽しみに!

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