好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 そんな感じである意味日常会です!


神威動乱編 第四話 のぼせたりひきつけたり

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、サウナ気持ちぃ~。あったかくて湿度のある空間に癒される~」

 

 ライザーのトラウマ克服に付き合い、結果として雪崩に二度も巻き込まれ、雪山で遭難寸前になった俺は、その反動で蒸し暑い空間を欲してたまらなかった。

 

 再来兵藤邸宅のお風呂は、地下の大浴場にしろ別館一階の男女別浴室にしろ、離れの夫妻用にしろ、サウナがシャワーブースとは別にサウナが必ず設置されている。

 

 地下の侍従用生活スペースにもサウナがある。浴室こそ小さくシャワーが主体となっているが、それでも小型のサウナが設置されている。

 

 ……ちなみにリアス部長の厚意で大浴場は別館組や侍従達も使うことはできるが、イッセーがこっそり使うこともあるうえハプニングもあるから基本遠慮している。とはいえ少人数で下手な銭湯を超える大浴場にも興味があるから、一週間に数時間の専用タイムを設けてもらおうかと思っている。

 

 ……そして、俺は今回大浴場のサウナをこっそり使っている。

 

 一番広いサウナを一人で使うってのもいい感じだと思い、数日かけて誰もいない時間帯を探し出し、明日の学校を考慮してこっそり仮眠を取っておくなどして、こうしてサウナに入っている。

 

 汗をかくことを考慮して凍らせたスポーツドリンクと水をそれぞれ用意して、長時間この蒸し暑い空間を堪能する。

 

「ほぉ。サウナって本当に気持ちいいなぁ。あと三十分ぐらい入っておこう」

 

 それぐらいあれば飲み干せるしな。

 

 サウナに出たらシャワーで汗を流して部屋に戻ろう。そのあと四時間三十分ぐらいは寝る時間があるから、まあちょっと眠気がするかもぐらいで済むだろう。明日も学校があるから夜更かしは最小限にしないとな。

 

 そんなことを思いながら、俺は目を閉じて湯気と熱さを堪能し―

 

「……うぇ!?」

 

 ―なんか、聞き覚えのある声が聞こえたんだけど。

 

 俺が目を変えると、その声の持ち主が確かにそこにいた。

 

「……何やってんだよヒツギ」

 

「……こっちの台詞だっての」

 

 ヒツギが俺と同じようにペットボトルを持ちながら、サウナに入ってきていた。

 

 うっわぁ。気まずい。

 

 いろんな意味で気まずい。正直ちょっとこぅ、目のやり場に困る。

 

 ・・・・・・というかちょっと待って。

 

 なんかわいわいがやがや聞こえてるんだけど……?

 

「……ヒツギ。今から何人来るんだ?」

 

「ん? 今日は五人ぐらい。あと―」

 

「―なんでここに和地君が!?」

 

 インガ姉ちゃんがいたぁあああああ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやまあ、かりにも武闘派信徒の顔でもあるデュナミス聖騎士団の一員として、今後の社会復帰も仕事と思ってね? こうして親睦会をこっそりサプライズでしようかと思ってたんだよね? で、今回第一弾でインガさんをダシに復帰できる可能性とかの説明的なあれをって感じで―」

 

 ヒツギの言い訳に、和地は何も言うことができない。

 

 聞いてはいる。理解もしている。不幸な行き違いというかばったり出くわしただけであり、むしろ和地からすれば一種の眼福でもある為、怒るつもりはない。謝る方が筋だとも思っている。

 

 だがしかし、そんな余裕を彼はもっていなかった。

 

 具体的には―

 

「……ねぇねえ。インガとは昔からの付き合いらしいけど、年齢から言って小さかったよね? インガって年下趣味?」

 

「馬鹿、こういう時はショタコンっていうのよ。……で、どんな感じ?」

 

「いやちょっと待って。インガ姉ちゃんの名誉的にちょっと待って」

 

 ―女子からの質問攻めにそれどころでは断じてなかった。

 

 それゆえに、ヒツギは苦笑すると置いてけぼりになっているインガの方に振り向いた。

 

「……で、インガさんだっけ? 和地のことはどう思ってんじゃんよ?」

 

「え、助けなくていいのかな?」

 

 自分も含めて助けてほしいという、インガの視線には笑ってスルー。

 

「むしろ勧めた方がいいじゃん? ああいう普通の女の子っぽい経験とかも、積んどいた方がいいんじゃない?」

 

 その言い分は十分正しい。

 

 更生及び刑務活動という名目による、当人達の精神的な区切りを主体とする社会復帰の一環でもあるのが、このメイド業務だ。

 

 なので、将来的に自立して新たに人生をやり直せる状況にしなければ意味がない。

 

 なので、年頃の女の子らしい行動を経験することに意味はある。具体的には恋バナとかそういった方向性。それも友人の彼氏に質問攻めといった感じのものだ。

 

 この状況は流石に特殊だが、そもそもの環境が特殊なら少しずつずらすといった方向性も有効だろう。

 

 ……結論として、咄嗟の判断でヒツギは和地を生贄に捧げた。

 

「何よりあの子達が壁になってこっちが見られないじゃん? 態々壁を外すのもあれだし」

 

「鬼かな?」

 

 鋭いツッコミは笑顔でスルーした。

 

 しかしヒツギとしては譲れない。湯着を着ていることは関係ない。なにより、裸どころかエロい関係であることを踏まえても譲れない。

 

 乙女心は複雑なのだ。

 

 ちなみに湯着を着ているにしても恥ずかしい物は恥ずかしいが、メイド達はそこまで徹底してないにも関わらず結構平気である。

 

 ディオドラの下衆な欲望のはけ口になったことで、感覚がマヒしているのだろう。災い転じて福となすとでもいうべき展開だろう。

 

「……あれはあれで何とかした方がいいかもしれない?」

 

「……二重の意味で姉妹的なのは、できれば避けたいかな? いや、既に全員一重だし」

 

 少し遠い目をしたが、二人はとりあえず和地を生贄に捧げることにした。

 

 まずはガールズトークと異性慣れである。そこから後のことはまずはそれが終わってからだ。

 

 とはいえ、全員がディオドラの女になっていた事実を考えるとインガ的には気が気でない。和地がいい男になっていることは身をもって実践しているし、ディオドラというある意味で底辺の男に慣らされていた身からすれば、和地はどう考えてもよすぎて強烈なのだ。

 

 反動も含めてそうなる人が出てこないか、インガ的には凄まじく不安だった。

 

「……というか、ヒツギさんはどうなんですか?」

 

 そんな懸念を振り払うように、反撃としてインガはヒツギにそう返す。

 

 だがそれに対して、ヒツギはきょとんとしていた。

 

「ああ、大丈夫大丈夫。私そういう目で和地のこと見てないから」

 

 その即答ぶりに、インガは逆にきょとんとした。

 

「……そうなんですか?」

 

「そうなんだよねー。いや、うっかり酒を飲んでやらかしたんだけど、じゃあそういう目で見れるかというと全く別の問題っていうか……うん。前からちょっと不安だったけど、これは当たりかなぁ」

 

 その言葉にインガは何か気になることを覚え―

 

「……ふ、ふぉ~……っ」

 

 ―和地がのぼせて倒れたことで、話が一旦中断ということになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そんなことがあった」

 

「あばばばばばばばば。しゃしゃしゃしゃしゃルロッと……ぉ」

 

 ひきつけを起こすのが早くなってないか?

 

 野郎同士のあほタイムでそんなことを言ったら、嫉妬の視線を向けられるがまもなく痙攣をしやがったよ、イッセーの奴。

 

「イッセー先輩。そろそろもうちょっと耐性つけましょうぜ?」

 

 アニルも呆れながら、それとなく支えている当たりで来た後輩だ。

 

 俺も肩を貸しながら、とりあえずリビングのソファーにでも横たえようと思ったら、何やらリビングが騒がしい。

 

 覗き込んでみると、何やら女子達が喧々諤々となっていた。

 

「ふふふ。これで私の勝ちよ!」

 

「あら残念。私の勝ちですわ」

 

 勝ち誇ったリアス部長に対する、朱乃さんの勝利宣言。

 

 そのとたん、大声が一気に響いてきた。

 

 俺とアニルが顔を見合わせていると、給仕担当だったメイドの一人が、同じく担当をやっていたインガ姉ちゃんに耳打ちした。

 

 それで俺に気づいたインガ姉ちゃんが、とてとてとこっちに掛けてくる。

 

 そんでもってシャルロットもこっちに気づいて、イッセーを支えてくれた。

 

「大丈夫ですかイッセー? そろそろ引き付けも克服してください」

 

「……いつもこうなの?」

 

 インガ姉ちゃんには乾いた笑いで頷いて見せるしかない。

 

 はい。いつもこうなんです。

 

 どんだけ女体に飢えているんだか。それだけ飢えてるなら、恋愛にも最も積極的になった方がいいんじゃねえか?

 

 真剣にこいつの鈍感さに心配すら覚えてきたぞ、俺。

 

「で、いったい何の騒ぎなんすか?」

 

 アニルが女子達の騒ぎを見ながら聞くと、シャルロットがちょっと遠い目をした。

 

「ごめんなさい、イッセー。ヒートアップする展開に歯止めをかけられませんでした」

 

 なんか悔やんでいるけど、さっぱり意味が分からない。

 

 俺とアニルが首を傾げると、インガ姉ちゃんが苦笑していた。

 

「それが、リアス様達がイッセー君関連で盛り上がっていたら自慢合戦になって、「なら初デートは自分が!」って感じでカードゲーム大会になって……」

 

「……男女に関わらず、そういうあほ展開ってあるよなぁ」

 

 俺はちょっとため息をついた。

 

 相手の意見を聞かずに勝手にデートに誘うとか言う商品が決定するって、ラブコメとかだとよくあるな。実際に見るとは思ってなかったけど。

 

「で、優勝したのが朱乃さんと」

 

「そういうことです。七本先取の熾烈な争いの末に、今勝者が決定しました」

 

 アニルにそう答えたシャルロットは、ちらりと女子の騒ぎを見ながら、俺達の方を向いた。

 

「今イッセーを投入すると、収集が付きません。申し訳ないですが、別の部屋に寝かしておいてください。インガさんも手伝ってください」

 

「「「……はい」」」

 

 全く持っておっしゃる通り。

 

 できた相棒を持てて幸いだな、イッセー。

 

 あと後日デートを経験して、自分がモテてることを自覚しろ~。

 

 出ないと本当に後ろから刺されそうだしなぁと、俺は真剣に心配になった。

 




 こういった方向性でデートを漕ぎづけました。

 毎度毎度独自色を入れていくこともあり、この流れに持っていく手法を考えるのも一苦労です!

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