好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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神威動乱編 第五話 とある夜の赤龍帝

 

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朱乃さんとデートすることになったよ。

 

 デート……デートかぁ………。

 

 これが本当にデートだったら、俺は泣くほど嬉しかった。いやほんと、嬉し過ぎてショック死するかもしれない。

 

 だけど可愛がっている男の子とのデート何て、本気なわけがないしなぁ。きっと、本命前の予行練習とかそんな感じなんだろう。

 

 むしろ勘違いしたらいけないよな。そんなことをしたら、朱乃さんの信頼を裏切ることになるし、託してくれた皆にも悪い。ハーレム王を目指す身として、何よりシャルロットの相棒として、恥ずかしくない男でい続けないと。

 

 俺は、俺は涙を呑んで……我慢する!

 

「よし! 暴発しないように運動で発散しよう!」

 

 そんな風に気合を入れて、トレーニング用の地下室にレッツゴー!

 

 そして到着したら、既に自主トレをしてる先着がいた。

 

 剣と剣とがぶつかり合い、そしてすぐに手放して次の剣で戦う光景。

 

 そんなことができるのは、俺達の仲間だと三人ぐらい。

 

 そしてどっちも聖剣で、戦ってるのは女の子同士。

 

 ヒマリとヒツギが、模擬戦をしてた。

 

 どっちもちょっと笑顔だし、これはどっちかっていうとじゃれ合いも兼ねてるのか?

 

 俺はちょっと首を傾げたけど、まあそれはそれとしても俺もトレーニングをしないとな。

 

「よっ! 二人とも自主トレか?」

 

 なんで、俺は素直に入って声をかける。

 

「お、イッセーもですの?」

 

「お先してるよ~」

 

 二人とも俺に気づくと、トレーニングを一旦終了して笑顔で挨拶を交わしてくれる。

 

 くぅ~! 桐生以外の女の子が、声をかけても邪険にしないでくれるなんて最高じゃねえか。

 

 これだよコレ。俺はこういう生活を味わいたかったんだ。漸く夢に近づいたぜ。

 

 ……ま、俺は本当に目指してるのはハーレムなんだけどな。ちょっといろんな意味で残念だ。

 

 まあ、これはこれでいいけどさ。

 

「あと数日でデートなのに、疲れることしていいんですの?」

 

「数日もあるだろ? それにデートつったって、朱乃さんからすれば本命前の予行練習だろ? 調子に乗るわけにもいかないって」

 

 ヒマリにそう返すけど、何故か残念な奴を見る目で見られた。

 

「……あのさ、もしかして脳炎とかなってない? 若年性認知症かも」

 

 ヒツギまで失礼だな。

 

「あのなぁ。俺はこれでもめったに風邪をひかない男だぞ? 健康だって最近は……周りが気を使ってるし」

 

 クックスとかメリードが気を使ってくれるからさ。

 

 美味しくて健康や栄養バランスを考えた食事が多いから、体の調子も結構いい感じだ。あまりに不摂生な生活をしてるとメリードから皮肉が飛んでくるし。それでいてジャンクフードを食べれる余裕も作ってくれるしで、何て言うか至れる尽くせりで文句を言うと罰が当たる感じだ。

 

 だから尚更健康的な生活だよ。おかげでぶっちゃけ、体の調子がとってもいい感じだしさ。

 

 なのに脳炎とか認知症とか、いろんな意味で失礼じゃねえか? 俺というより、クックスやメリードに失礼だ。

 

「クックスやメリードが可哀想だろ? 俺はともかく、あいつらの努力と成果を馬鹿にしたらダメだろ」

 

「……イッセー。そういうところですのよ?」

 

「クックスもメリードも、これにはお手上げになりそうだよね」

 

 なんで二人ともそんな失礼なんだ!

 

 模擬戦で洋服崩壊でもかましてやろうか。

 

 正直ちょっと拳がプルプル言ってるけど、俺は我慢。

 

 こんなことで起こるのも問題だしな。大人の余裕を保つんだ。

 

 俺がそんな我慢をしていると、ヒマリは苦笑しながらポンポンと俺の頭に手を置いた。

 

「まあ若い子はそういうことありますわね。勘違いして調子に乗るよりはましですの」

 

 勘違いなんてしてないって。むしろ勘違いしないように気を引き締めてるんだからな?

 

 まあいいや。何故か誰も俺の味方をしてくれないんだよなぁ、こういう時。

 

「そういや二人は何してたんだ? 模擬戦っていうにはなんていうか、動きが微妙だったけど」

 

 うん。二人ってもっと動きがよかったはずだ。

 

 態々あんなぶつけ合いばっかり続けたりしないだろ。もうちょっと動きとかあるだろうし、わざと壊すようなぶつけ合いはしないはずだし。

 

 だからちょっと首を傾げてると、ヒツギは苦笑しながら聖剣を一本作り出した。

 

「ならちょっと試してみなよ。アスカロンを倍加加えてぶつけてみて?」

 

 ……ふ~ん。

 

 なんとなく見えてきたけど、俺は素直にアスカロンを出して振りかぶる。

 

 割と本気で倍加を溜めて、勢いよく叩き付ける。

 

 手がしびれるぐらいの音と衝撃が出た。だけど聖剣は、刃こぼれこそしたけど切り落とされるどころか、折れも砕けもしなかった。

 

 おいおい、特に魔術で強化だってしてなかったよな?

 

 それなのにアスカロン、それも譲渡までしたのにここまで防げるのか。

 

 俺が感心していると、二人は顔を見合わせてにっこり微笑んだ。

 

「努力の成果は大成功ってね」

 

「毎日鍛えてぶつけて砕いての特訓をしてましたのよ?」

 

 得意げな表情のヒマリに、俺も思わず笑顔がこぼれた。

 

 禁手にも至ってないのにここまでできるとかマジですっげぇ!

 

 頑張ったじゃねえか二人とも!

 

「マジですごいじゃねえか! 二人ともできる奴でカッコいいー!」

 

「もっと褒めるといいですのよー!」

 

 誇らしげににっこりと胸を張るヒマリ。ヒツギもちょっと得意げだった。

 

「ふふ~ん。これでも教会の精鋭部隊出身だからねッと。これぐらいはやらないとね~?」

 

「そういやそうだったな。デュナミス聖騎士団って、殆ど全員が星辰奏者の腕利きだらけだったよな!」

 

 それにヒツギだけじゃなくてヒマリも星辰奏者だし、その分のポテンシャルが結構違うぜ。

 

 これで星辰光って切り札もあるんだし、心機が二つも宿してるってこと込だとマジですげぇ!

 

 だけど、ヒマリはちょっと肩を落としてた。

 

「でも星は振えませんの。ガッテムですの」

 

「ハハハ……。まぁ、星辰光(アステリズム)って、摩訶不思議だし……ねぇ?」

 

 ちょっと遠い目をする二人。背中が一気にすすけてきたな。

 

 いやでも、そこまで卑下することもないだろ。

 

「でも俺みたいに星辰光を持ってないし、一人じゃ赤龍帝として最弱な奴だっているんだぜ? むしろ星辰光も使えないし片方の神器も不調気味だってことを考えたって凄いだろ?」

 

 それに比べたら十分凄いって。

 

 禁手無しで禁手になってるやつと肩を並べられるって、普通に禁手になるのとは別の意味で凄いしさ。

 

「いやほんと、こんな可愛くて強い女の子が仲間だってんだから最高だよ!」

 

 いやほんと、いろんな意味でありがたいです。

 

 俺がそんな気持ちを込めてお礼を言うと、何故か二人ともちょっと顔を赤らめた。

 

 あれ? 運動しすぎて体調崩した?

 

 俺がきょとんとしてると、ヒツギとヒマリが顔を見合わせて、なんかこそこそとし始めたぞ?

 

「……いやぁ、この男本当に天然ジゴロじゃん? 覗きとかエロ本をしでかさなけりゃ、とっくの昔にモテモテだったろうね」

 

「無自覚たらしですわ。変態で人生損しすぎですわ。ハーレム王になれる器を自分で汚すとか、高度な自虐プレイですわ」

 

 なんだろう。馬鹿にされてるような気も、褒められてるような気もする。

 

 俺が首を傾げてると、二人は咳払いをしてから、こっちに戻ってきた。

 

「ま、いい機会だし一緒に模擬戦でもしよっか」

 

「全くですわ。一緒に模擬戦必須ですの」

 

「ま、そうだな。ちょっと体を動かすか!」

 

 そういうわけで、俺達はしっかりと模擬戦をして過ごしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は俺で、トライフォース放送局の新番組の準備とかもしてた。

 

「……〇魄刀って、普通の奴は普通のままだとただの刀だしなぁ。これでいいのか?」

 

「あとで〇月を作っておきましょう。それでどうにかなると思います」

 

「あ、テスト撮影の準備できましたぁ。撮影お願いしますぅ」

 

 と、サブカルに詳しい小猫ちゃんやギャスパーの協力を得て、魔剣創造でサブカルの刀剣類を製造して殺陣をするといった奴だ。

 

 日本刀は引いてくる仕組みだからな。あとで切り方の練習も必須だろう。

 

 そういえば木場の師匠って新選組の人だったしな。あっちはあっちで練習しているはずだし、少しぐらい教えてもらった方がいいか。

 

 そう思いながらリハーサルをして、映像を確認してレフ板の位置を調整。

 

 それが一通り終わったから、俺はちょっとした団らんとして、後輩達と駄弁ることにする。

 

 適当にお菓子を持ち込んで、食べながらまあ世間話。

 

 そして今回の話の内容は、やはりイッセーのデート関連だ。

 

「……で、イッセーの奴はこれを本命じゃなくて予行演習って思っていると」

 

「……イッセー先輩、ハーレム王を目指してるのになんでそんな勘違いをしてるんでしょう」

 

 俺とギャスパーが呆れていると、小猫ちゃんも小猫ちゃんで食べるスピードが若干増えている。

 

 微妙にやけ食いになっている状態だな。まあ、イッセーに惚れているメンバーからすれば他人事じゃないしな。

 

 これで勝ってたのが小猫ちゃんだったら、食べる速度はもっと早く、更に荒い食べ方をしていたことだろう。

 

「……イッセー先輩って、罪作りな先輩ですよね」

 

「あいつ本当に後ろから刺されるんじゃないか?」

 

 俺達男組がそう呟いていると、小猫ちゃんはため息をついた。

 

「……この前、房中術をすることを言ったのですが、先輩は止めてきました」

 

 ……またすごいことを言うな。

 

「男女で房中術って聞くと、エロい雰囲気を思い浮かべるんっだけど」

 

「はい。ちっちゃいですけどそういうことはできますし、イッセー先輩の寿命を少しでも戻してあげたいですから」

 

 ここまでのレベルとは。本当にイッセーは罪作りだな。

 

 俺はちょっとため息をつくけど、ある意味確かに必要なことではある。

 

 才能がないにも関わらず、亜種禁手でブーストしたとはいえ覇龍の強引な発動。そんなことをしてただで済むわけがない。

 

 イッセーの寿命はごっそり削れた。それでも人間の寿命を遥かに上回っているけど、それでも悪魔として見れば非常に少ない。

 

 あの時はそうでもしなければまずかった。イッセーが無茶な覇龍を単独でぶちかましていたからこそ、シャルバを抑え込んでいるうちにカテレアとクルゼレイを打倒するという真似はできなかっただろう。

 

 そういう意味では俺もサポートぐらいはしたいところだ。だけどできないから、どうにかできる余地のある小猫ちゃんに頼るしかない。

 

 小猫ちゃんも小猫ちゃんなりに頑張っているわけだ。なによりイッセーに対する好意はしっかり見えてるから、なおさらだ。

 

 罪作りすぎるだろイッセーの奴。一体何があれば、現実にあんな鈍感野郎が誕生するんだ。

 

「……たまに愚痴を言うぐらいは付き合うさ。なんかお菓子とか用意しとこうか?」

 

「……ありがとうございます」

 

 いやほんと、今度のデートで少しは意識改革がされるといいんだけど。

 

 俺はその辺をちょっと気にしながら、遠い目をしてなんとなく壁を見る。

 

 ……多分、治らないんだろうなぁ。

 




 個人的に、ハイスクールD×Dというハーレム系作品が好きなこともあって、イッセーからヒロインをとるという展開は好んでおりません。むしろ逆をやりたいとは常々思っている男でもあります。

 なのでまだ本格的にするかは別方向ですが、ヒマリやヒツギをイッセーヒロインにするという方向性を模索中。リーネスは和地ヒロインでもいいですが、この二人は根幹設定上和地ヒロインにするのは実はアレなので。

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