好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 と、そんな感じでデートが始まります!


神威動乱編 第七話 念願の、デートです!

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ午前中とはいえ、残暑が残っている季節だとちょっと暑い感じはする。

 

 そんな中、駒王町から割と離れたところにあるカフェで、俺は今アイスコーヒーを飲んでいた。

 

 お昼ちょっと前ということで、お腹を膨らませる為にサンドイッチも頼んでいる。

 

 野菜サンド、BLTサンド、卵サンド。それぞれ一皿ずつ注文して食べている感じだ。

 

 といっても、正直俺の食事はあまり進んでないというかなんというか……。

 

「食べないの? こういう機会って滅多にないと思うけれど」

 

 と言いながら、目の前の女の子が野菜サンドを一切れ食べ始める。

 

 白い長髪は見え麗しく、スレンダーと形容できるその体つきも、然し鍛えられているが故のしっかりとした感じを見せてくれる。

 

 ……そう。俺は今、カズヒ姉さんとデートをしているのだ。

 

 どうして、こうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 遡ること今日の朝、イッセーが朱乃さんとデートをすることになったその当日。

 

「……行ったわね! 行くわよ!」

 

「はい、お姉さま!」

 

「さて、それではしっかり見張らないとな」

 

「抜け駆けは禁止です」

 

 そんな感じで、リアス部長達女性陣はめっちゃくちゃやる気満々でつける体制だった。

 

 後帽子を被ったり眼鏡をかけたりしてるところ悪いけど、それで目立たなくなったつもりなんですか。

 

 単一民族国家の日本で、こんな髪の色が明らかに黒でも茶色でもない者達が集まって行動してたら目立つに決まってるでしょうに。

 

 俺は止めた方がいいかと真剣に思ったけど、下手に止めると全員を敵に回しかねない。

 

 ……付き合わされる羽目になった木場がこっちに片手を上げて謝ってくれるのが、それとなくあいつに同情を覚えさせる。

 

 今度、なんか奢ろう。

 

 と言っても、俺は今日何をしたもんだろうか。

 

 アニルは燻製用の獲物を確保する為、琵琶湖に外来魚を捕りに行っている。ちなみに確実に外来魚をゲットし、かつ全身運動で鍛える為に潜って銛で採るらしい。ヒマリは面白がってそれに参加。

 

 ヒツギとルーシアは、教会側の拠点として復活した教会に顔見せに。お土産としてクックスがお菓子を作っていたので、後であまりを貰おう。

 

 インガ姉ちゃんは今回一日フルで侍従業務だし、リーネスはなんか真剣に頑張りたいらしく、地下に作ってもらった魔術師の研究施設ともいえる魔術工房に籠っている。

 

 ……鶴羽のところにでも顔見せに行こうか。何故か最近、学校でも避けられている気がするし。

 

 でも手土産は必須だよなぁと思っていた時、階段からカズヒ姉さんが下りてきた。

 

「あら、和地だけ? リアス部長は?」

 

「……イッセーと朱乃さんのデートを監視する気満々だった」

 

 俺が遠い目をしながら答えると、カズヒ姉さんはため息をつきながら額に手を当てて俯いた。

 

「……全くもう。デートはグダグダになること間違いなしね」

 

 だよなぁ。

 

 絶対部長達、自分がこの国じゃあ目立つってことを理解してない。尾行に全く向いていない格好をしている事実に気づいてほしい。

 

 イッセーと朱乃さんには同情する。いや、朱乃さんはSなところがあるから、むしろからかって楽しみそうだ。

 

 とは言ってもこのでかい豪邸でメインメンバーがいなくなると、急に寂しくなるな。

 

 そしてふと気づくけど、俺は今、カズヒ姉さんと二人っきりに近い。

 

 ……え、これどういう状況?

 

 思わず顔が赤くなるけど、カズヒ姉さんは少し考えこんでいた。

 

 なんだろうと思ったら、カズヒ姉さんは時計をちらりと確認すると、少し頷いた。

 

「和地、もしかして今日は暇?」

 

「ああ。だからどうしたもんかと思ったんだけど」

 

 素直に答えると、カズヒ姉さんは少し微笑んだ。

 

 綺麗だなぁ。惚れ直すなぁ。

 

 俺がそう思った時―

 

「和地が良ければ、私達もデートしてみない?」

 

 ……………。

 

 なぁにぃいいいいいいいいいっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな訳で、俺達は今、駒王町から割と離れたところに遊びに来ている。

 

 適当に色々な店を見つつ、後で映画を見る感じだ。そしてその前の軽い腹ごしらえも兼ねている。

 

 その後は別のお店でおやつも兼ねてお茶をして、お土産を買って帰るといった感じになる。ちなみに映画は痛快娯楽系統のアクション映画にしようかって感じだ。

 

 ……いやほんと、何て言うか意外な展開。

 

「カズヒ姉さんから誘ってくれるってのは意外だけど、正直戸惑ってるけどマジで嬉しいかな」

 

「そうね。私も頑張ってる子にご褒美ぐらいはあげるのよ?」

 

 そう微笑するカズヒ姉さんは、コーヒーを一口飲むとほっと息を吐いた。

 

「頑張って昔出会った女性を引っ張り上げて、更には私の要望を見事クリアーしたもの。少しは何かしてあげないと可哀想じゃない」

 

 そう言って実際にしてくれるのは嬉しいけど、ちょっと残念なところもあるな。

 

「つまり、本気でOKってわけじゃないってことか。そこは残念」

 

「そこはあなたの努力次第ね。条件はクリアしてきているんだから、頑張って成果を上げなさい」

 

 これはまた、難易度が高いことで。

 

 でもまあ、ご褒美をくれるぐらいの勝ちはある相手って扱われてることだな。

 

 頑張っていけば……行けるか? そもそもその方向で頑張っていいのか?

 

 いや、別にハーレム全否定するつもりないし、俺も男だからそういうのにちょっと夢を感じない訳でもない。だけど「カズヒ姉さんと付き合う為」に「女の子を惚れさせてハーレム生成」は何か違うしなぁ。

 

 なんか微妙な気分になったけど、まあ今はデートを楽しもう。

 

 俺はサンドイッチを一切れ採ると、それを頬張った。

 

 あ、これ本当に美味い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして映画は映画で楽しかった。

 

 頭を空っぽにして見ればいい感じに楽しめる映画だったな。

 

 そして映画で白熱したからか、ちょっといい感じに小腹が空いた。

 

「で、カズヒ姉さん。どこに食べに行く感じなんだ?」

 

「そうね。サンドイッチは美味しかったけれど、今度は甘いものが食べたいから……」

 

 そう言いながらガイドブックを取り出そうとしたカズヒ姉さんの動きが、急に止まった。

 

 というか、あらぬ方を見て固まっているけど、どうしたんだ?

 

 俺がその方向に視線を向けようとした時だった。

 

「ほほぅ? よもやよもやの出会いではないか」

 

 ……冗談だろ。

 

 俺が目を見開く先、そこには黒髪ツインテールの女が一人。

 

 白髪ロングのカズヒ姉さんと視線をぶつけ合い、周囲の人達の視線が集まる中、俺はそいつの名を口に出す。

 

「……九条・幸香・ディアドコイ……っ」

 

 寄りにもよって、此処でお前が出てくるのかよ。

 

 後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)、九条・幸香・ディアドコイ!

 




 ―イッセーのデートだと思った!? 残念、和地です!

 ……まあ、他人のデートをのぞき見だなんて無粋もあれですし、イッセー以外の視点や描写も組み込んでいかないといけないのでこんな感じになりました。あとカズヒは基本原則として正義に味方をする必要悪であり、彼女の正義は「まず自身を引き締める」なので、なしえた和地にちゃんとした報いを与えようとは思う人です。

 最も残念なことに幸香と出くわしてしまったので、イッセーのデートとは別の方向であれなことになってしまいましたが。

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