好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 この話、外伝作品である狗神の話も出てくるので、首をひねった方はウィキペディアのほうをご確認ください。


神威動乱編 第十話 とある夜の複雑な親子事情

 

 そしてその日の夜のこと。

 

「……うぅ、朱乃……ぉ」

 

「まあまあバラキエルさまぁ。元気を出してくださいなぁ」

 

 凹んでいるバラキエルさんに、リーネスがそっとお酌をする。

 

「……では、つまみがいくつかできましたので、配膳をお願いします」

 

「かしこまりました。クックスさん」

 

 インガ姉ちゃんがクックスが作った各種つまみを配膳する。

 

 そんな、落ち込んでいるバラキエルさんを励ます会が行われていた。

 

「あ、これ美味しいですの~♪ ほら、バラキエルさんも食べたらいいと思いますの」

 

「ああ、いただくよ……」

 

 そして能天気なヒマリが頭をなでながら進めたことで、バラキエルさんも箸を勧めてくれた。

 

 というかバラキエルさん相手にもバブみをみせるか。怖いもの知らずってのはこういうことを言うんだろうなぁ。

 

 俺は一周まわって感心しているけど、まあここは二人とは違う方向で行くべきか。

 

 ちょっと聞きづらいけど、今後を考えるなら必要だ。

 

「……バラキエルさん。そもそもなんで朱乃さんと仲が微妙というか、リアス部長の眷属になってるなんて展開になるんですか?」

 

 そもそもそこから情報が足りてない。

 

 今後朱乃さんの味方になるにしろ、バラキエルさんの味方になるにしろ、そこをまず知らないと話が進まない。

 

 もちろんそれだけの複雑な事情、ややこしい事実が隠されているからなんだろう。

 

 それでも、これは必要なことだろう。

 

 だからまあ、此処は俺が踏み込むべきだ。

 

「それはぁ……」

 

「構わない。朱乃の仲間なら知る権利はあるだろう」

 

 リーネスが止めようと下を更に止めて、バラキエルさんは話し出した。

 

 朱乃さんの母方の実家は姫島家で、日本の異能組織最大手の五大宗家の一角だ。

 

 元々五大宗家は排他的かつ鎖国的な風潮なんだけど、そんな姫島家の才媛である姫島朱璃と、深手を負ったバラキエルさんが出会い、それ縁で恋に落ちた。

 

 これにおいて姫島達は基本的に嫌悪感を見せていた。更に生まれた朱乃さんは、炎と朱雀を司る姫島の血より、雷光を司るバラキエルさんの血が濃かったから、尚更関係が苛立った。

 

 そしてそれが爆発し、一部の連中がバラキエルさんの排除に乗り出した。

 

 これは何とかバラキエルさんがしのぎ切ったんだが、その結果として仕掛けた連中の苛立ちがピークに到達。結果として堕天使を嫌っている連中に情報をリークしたらしい。

 

 そしてタイミングが悪いことに、タイミング悪くバラキエルさんが仕事で離れている時にそいつらが襲撃。襲撃者は朱乃さんのお母さんを殺した上、堕天使と結ばれて朱乃さんが生まれたことが理由だと抜かしたらしい。

 

 で、子供故の純粋さでそれを鵜呑みにした朱乃さんは、助けに来たバラキエルさんを拒絶して家出。更に姫島家の連中は朱乃さんを汚点として排除しようと刺客を差し向け、堕天使側がカバーに入ったりと大忙し。

 

 最終的に悪魔の縄張りに入ったことでどん詰まりになったかと思いきや、そこがリアス部長と縁のある悪魔の管轄だったことで、部長が割って入って色々と交渉。最終的に「姫島という姓が同じだけの悪魔の娘」という形にし、更にグレモリー家が相応に対価を払うことで、何とか朱乃さんは安住の地を手に入れたということだ。

 

「……結果論ですけど、これ堕天使側が保護するよりはましな展開になってるのが複雑ですね」

 

「そうねぇ。この数年後にまた別の形で五大宗家と色々あったりしたから、尚更色々大変なのよねぇ」

 

 リーネスが俺に同意しつつため息をつくけど、まあ気持ちは分かる。

 

 俺は詳しく知らないけど、神の子を見張る者(うち)の阿呆が十段飛ばしの研究をする為に脱走して、五大宗家で冷遇されている者達を唆したり、聖十字架の担い手と共謀して大騒ぎしたとか。

 

 豪華客船一つ沈没させて、死亡者と思わせる形で修学旅行中の生徒を実験体として誘拐したとかなんだとか。

 

 ……日本政府の人達には同情するし、組織の一員として深く関わる時は頭を下げそうだ。

 

 そんな状況下で堕天使側が強引に保護しようとしたら、冗談抜きで五大宗家と神の子を見張る者が戦争になる。介入するのも大変だったろう。

 

 冗談抜きで博打じみた方法だけど、まあ良かったんだろう……か?

 

 ちょっと不安になるけどまあそこはいいとしよう。

 

 俺は強引かつ無理やりに抑えると、ため息をついた。

 

「なあリーネス。これ、とっかかりさえできればすぐに和解できるんじゃないか? もっとも……」

 

「そのとっかかりが難しいのが難点よねぇ」

 

 俺とリーネスは盛大にため息をついた。

 

 この問題、ちょっと強引だけど「朱乃さんが相手の暴論を壁面通り受け取っている」ことが理由と言ってもいい。

 

 三大勢力が和平を結んでいる状況が今だ。まして五大宗家側のそれも暴走したような連中の言い分を、一方的に鵜呑みにする必要はない。堕天使の組織とも接して客観視はできているだろう。

 

 でもできないってことは……その……。

 

「意外と子供っぽいんですのね、朱乃さんって」

 

 ヒマリ。そこはっきり言わないでくれ。

 

 俺はどう答えたらいいかちょっとよく分からなくなっているけど、リーネスは苦笑いを浮かべていた。

 

「幼少期の痛烈な経験ってそういうものよぉ? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ものぉ」

 

 あ~。そこはなんとなく分かる。

 

 俺の行動原理も、物心つく前レベルのあの言葉と笑顔にあるからな。これは俺の芯だから、変えろと言われても変えられないレベルだ。

 

 そうなると、強制は意外と大変なことになりそうだな。

 

 俺が悩んでいると、ヒマリはうんうんと頷きながら何故かにっこり微笑んだ。

 

「でもまあ、イッセーがいるなら何とかなるんじゃないですの?」

 

「……いや待ってくれ!」

 

 何故かバラキエルさんが喰らいついた。それも何というか反対的なあれで。

 

「あ、あの年で同衾しようとするような男など信用ならん! 高校生で娘をラブホテルに詰め込もうなどと……っ!」

 

 その言葉に、俺達は顔を見合わせた。

 

 ヒマリと見合わせて頷き合い、リーネスと見合わせて理解し合い、インガ姉ちゃんと顔を見合わせて納得した。

 

 非常に、非常に言いづらいことが分かった。

 

 娘に夢を見ているバラキエルさんに、いったい誰が言えばいいのかという内心の争いが怒っている気がする。

 

 インガ姉ちゃんに言わせるわけにはいかないが、できればリーネスに言ってほしい。でもリーネスも誰かに言ってほしいと思うだろうし、そうなると立場的なところからインガ姉ちゃんが自ら言いかねない。

 

 となるとやっぱり俺―

 

「それ絶対朱乃さんの方から連れ込もうとしてますのよ?」

 

 ―ヒマリ、スパッと行くなや。

 

「う、嘘だ! いくら友人を庇いたいからって、言っていいことと悪いことが―」

 

「いえいえ。イッセーは何故か恋愛対象として自分が見られてるなんて想像することができない肉巻きアスパラ系男子*1ですの。むしろ常にリアス部長や朱乃さん達が貞操を狙って鞘当てをするのが兵藤邸(ここ)の基本ですのよ?」

 

 思わず俺もリーネスもインガ姉ちゃんも、話を振られたくないので全力で顔を背けた。

 

 だがそれで現実を理解したらしく、バラキエルさんは崩れ落ちた。

 

 いや、その、本当なんで……すいませんフォローできない。

 

 もはや何も言わない方がいい。今何か言ったら、絶対に墓穴を掘る。

 

「でもまあ、欲望を司る悪魔や欲望で天使からなった堕天使だから納得ですのよ」

 

「ぐはっ!」

 

 とどめを刺すなヒマリ!

 

「……まぁ、スケベではあるけど良い子よねぇ」

 

「あ~まぁ、悪意とかで行動しない分、ディオドラとは比べ物にはならないかな?」

 

 リーネスとインガ姉ちゃんがそうフォローするので、俺も言うべきことは言っておくべきだろう。

 

「大丈夫ですバラキエルさん。イッセーは性欲が過剰すぎるだけで優良物件です。少なくとも、朱乃さんにしっかり寄り添ってくれる好青年だと断言できますから!」

 

「そ、そうか? 大丈夫なのか?」

 

 めっちゃ弱弱しく言ってくるけど、そこは大丈夫。

 

 俺は力強く頷いて、バラキエルさんの肩に手を置いた。

 

「あいつは変態なだけで良いやつです。恰好だけ取り繕った奴より何十倍もカッコいいです! 断言できます安心してくれ!」

 

 いやほんと、そこは断言してもいい。

 

 仲間の信頼に応える為に全力を尽くせるし、自分の身を犠牲にしても仲間を助けようとできる性根は生まれついての物だろう。

 

 だからまあ、たぶん大丈夫だ。

 

 ……そういえば、今イッセーは何をしてるんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういうわけなんだけどさ、バラキエルさんがちょっと可哀想な気がするんだよなぁ」

 

 俺はちょっと困ったので、相談をすることにした。

 

 朱乃さんはとにかくバラキエルさんを拒絶している。普段のニコニコ笑顔も全然出てないぐらい、不機嫌な態度だった。

 

 たまたま出くわした時なんて、話だけでもしようとするバラキエルさんをとにかく徹底的に拒否してたしな。

 

 だからまあ、そのあとヒツギに会ったから、ちょっと吐き出す感じで相談してたんだけど―

 

「……そもそもですが、彼女はバラキエル様の娘なら神の子を見張る者(グリゴリ)でも歓迎される立場ですよね? 和平前に転生悪魔になることがまず妙では?」

 

「それもそうだね。しかも姫島っていえば五大宗家の一角じゃん? なんていうか、すっごい複雑な家庭環境な気がするし」

 

「あ~、確かに。ペンドラゴン家(ウチ)もっすけど、由緒正しい力のある一族ってのは、どうしても何かしら背負わないといけないっすから。こりゃひと悶着ありそうですぜ?」

 

 ……アニルとルーシアも参加して、ちょっとした会議になっていた。

 

 ついでに言うと、シャルロットも一緒にいたから参加してる。

 

「……冷静に考えると確かにそうですね。私は詳しく知りませんが、五大宗家の(あざな)を持った堕天使幹部の娘が、魔王の妹に眷属として仕えている。……ある程度の知識を踏まえて考えると、何かあるとしか思えません」

 

 考えこみながらシャルロットがそう言うけど、本当に何かあるとしか思えないなこれ。

 

 いや、そもそも―

 

「部長の眷属って、結構色々あるのが多いからなぁ。朱乃さんも何かあって当然だよな」

 

 ―リアス・グレモリー眷属ってそういう人多すぎだよな。

 

「俺だって眷属になったのは、堕天使に殺されたのが原因だし、他の皆だって色々あるから、朱乃さんもそうなのは当然かもしれない」

 

「あれ、そうなんですか?」

 

 あ、アニル達には言ってなかったっけ。

 

「ああ。俺は神滅具を持ってるだろ? それで堕天使が様子を見に来て、制御できないと思われたから殺されたんだよ。で、たまたま悪魔を召喚するチラシを持っていたから、俺が最後に「せめて生おっぱいを見たかった」って思いに反応して召喚が成立したんだ。それで部長が俺が駒価値八だったことで、転生悪魔になったんだよ」

 

「……流石、今でも数日に一回から一日に数回は発作を起こす煩悩じゃん」

 

 照れるぜヒツギ。

 

「あの、ヒツギ先輩は褒めてませんよ?」

 

 そうなのかルーシア!?

 

 ちょっと凹んだけど、まあそんなわけだからなぁ。

 

「……で、姫島って姓は五大宗家以外にもあったはずっすけど、もしかしてそっちの可能性は?」

 

「おそらくは無いと思います。彼女は兵藤邸(こちら)に来るまでは、日本の神々から許可を貰って管理者のいなくなった神社を生活拠点にしていました。おそらく元々そういう職業に縁があったのかと」

 

 アニルとシャルロットがそう話し合ってから、ヒツギが首を捻って唸りだした。

 

「う~ん。私達だとちょっと事情が分からないところもあるからなぁ。やっぱり縁が深いイッセーが直接……も駄目か」

 

 え、ダメなの?

 

「そうですね。どうも朱乃さんは意固地になっているようですし、逆にバラキエルさんの側から聞くのも、どうしても客観性に欠ける展開になりそうです」

 

 ルーシアがそう言うけど、そういうこともあるのか。

 

 とすると、やっぱり今の俺達だと無理なのか?

 

 俺はちょっと残念に感じるけど、シャルロットは俺の肩に手を置いた。

 

 その顔はちょっと笑みになっていて、何か思いついた感じだった。

 

「大丈夫ですよ。二人の事情を把握していて、一歩離れたところから聞ける人達がいるでしょう?」

 

「「「ああ!」」」

 

 ヒツギ達も一斉に気づいたけど、もしかして―

 

「アザゼル先生とか?」

 

「リアスさんでも大丈夫でしょう。おそらく二人から聞けば、視点の修正も含めて客観的な形で事情は聞けるはずです」

 

 そっか。確かに二人なら事情は知ってるだろう。

 

 なら、今度時間がある時に聞いてみるか。

 

「……でもまぁ、イッセーも面倒見がいいねぇ」

 

 と、なんかヒツギが俺を感慨深げに見てた。

 

 え、どういうこと?

 

 俺達がきょとんとしていると、ヒツギはなんていうか、うんうんと頷いていた。

 

「前から思ってたけど、イッセーって割と踏み込みづらい所も、仲間の為ならあえて踏み込めるでしょ? 普通は中々できないよ、そういうの」

 

 そ、そうか?

 

 俺はそう言われても、あんまりしっくりこない。

 

「俺は馬鹿だから聞かないと分からないし、何より朱乃さんが暗い顔してるのは嫌だしさ。皆だってそうじゃないか?」

 

「そうであっても……だと思いますよ?」

 

 そうなのルーシア?

 

「……そういうことは、踏み込むのに躊躇するのが人というものです。しなくちゃいけないと分かっていても、どうしてもすべき行動ができない人って意外と多いですから」

 

「あ~確かに。映画とかでもあるな。言うこと聞いたら殺されるの確定だから反撃するしかチャンスねえのに、そのまま抵抗せずに引っ張られてくって奴」

 

 あ、アニルの言う感じは分かる分かる。

 

 そういう展開って、アニメでも実写でもあるよな。

 

 俺が納得してると、シャルロットが俺を見ながら微笑んだ。

 

「確かにそうです。人によっては嫌うかもしれないですが、好感を抱く人も多いでしょう。稀有な気質ですしね」

 

「褒められてる感じでちょっといい気分だな」

 

 なんていうか、ちょっと俺は照れくさい。

 

 いやぁ、相棒にここまで褒められると照れくさいなホント。

 

 俺がちょっとニマニマしていると、皆もちょっと微笑ましい表情になってる。

 

「……うん。踏み込んでくれるってのも、ありがたい時はあるもんだよね」

 

 なんていうか、結構マジな感じで感慨深げだ。

 

 ……ふと思うけど、ヒツギにも踏み込んでほしい所があるんだろうか。

 

 いや、今は朱乃さんだ朱乃さん。

 

 なんていうか、あのままだと朱乃さんにとっても良くない気がするし、バラキエルさんも可哀想な気がするし。バラキエルさんはずっとここにいるわけじゃないんだから、今のうちに何とかできる慣らしておきたい。

 

 でも……。

 

「……もし皆にも何かあるってんなら、俺も馬鹿なり頑張るからさ。何かあったら言ってくれよな?」

 

 皆だって仲間だから、そこは変わらないぜ?

 

 あれ? なんか皆面食らってるな。

 

 俺がなんか戸惑ってると、シャルロットがクスリと笑ってヒツギはお腹を抱え出した。

 

 え、なんかおかしなこと言ったか!?

 

「……そうですね。それがイッセーらしいです」

 

「ど、同感だけどお腹痛い……っ。ほんともぅ、気持ちのいい馬鹿ってこういうこと言うじゃん?」

 

 馬鹿って言った!? シャルロットに同意しながら馬鹿扱いしてきたのかよヒツギ!

 

「ひっでえなぁ! 確かに俺は馬鹿だけど、そんな言い方することねえだろぉ!?」

 

 いやちょっと、自分で言うのと人に言われるのとは違うんだよ!?

 

「……そもそも駒王学園、馬鹿が入れるような偏差値だったか?」

 

「アニル君、勉強ができる馬鹿って言い回しがこの国はあるらしいの。……でもイッセー先輩はちょっと違う気がします」

 

 一年生コンビはいい子だなぁ。

 

 そして全身振るわせてるヒツギは、涙すら浮かべながら俺に笑顔を向けてきた。

 

「うんうん。今度相談したいことがあったら、まずはイッセーに相談するから」

 

 本当に?

 

 なんかその態度だと、相談してくれるのか逆に不安になるんだけど?

 

「……本当に、そういう奴がいるって中々安心できるってもんだよね」

 

 ……本当に、相談事があるならしてくれよな?

 

*1
肉食系男子に見えた草食系のこと。逆パターンをロールキャベツ系男子という




 とりあえず、この話におけるロキ陣営の強化プランが大体まとまりました。

 この調子なら執筆ペースはだいぶ上昇すると思うので、更新速度も上がると思います。
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