好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
和地Side
心底面倒くさいけど、こういう時有利なことがある。
今回、俺は休み!
いや、今回は遠出するということで、空を移動することになったわけだ。
一応空中戦闘は可能なメンツが集まっているけど、移動も踏まえて考慮した結果、悪魔や堕天使や天使といった、デフォルトで飛行能力を持ったメンバーが主体になっているわけだ。
俺も空中戦はできるけど、主体ではないからな。
だからこうして自主トレ中というわけだ。仕事がずれたからってさぼってはいけない。休憩時間は取りすぎてはいけないのである。
そんなわけで俺達は、トレーニングルームで鍛錬中だ。
時間的にあれだから、まあやりすぎずに適度なところで切り上げることも必要だけどな。お風呂に入ってリラックスすることも必要だしな。
「……さて、そろそろハードなのは切り上げた方がいいわね。睡眠の質が低下するわ」
「分かりました。それじゃそろそろペースを落としますね」
と、カズヒ姉さんに頷きながらルーシアがランニングマシーンの設定を調整する。
まあ、夜も遅いからあまり肉体に負担をかけるわけにもいかないしな。
「……となると、座学もした方がいいんじゃないかな?」
ヒツギがそう指を立てると、即座にヒマリが反応する。
「そうですのそうですの! お勉強会も立派な鍛錬ですの! 頭の!」
「うっす! 座学も己を鍛えるには必須っすしね!」
アニルもそんな感じで気合を入れるけど、ちょっと待てお前ら。
「あんまり頭を使うと頭が覚醒するぞ? そうなると結局睡眠の質が悪くなると思うけどな」
「それもそっか。じゃ、どうする? 完全にフリータイム?」
俺に言われてヒツギも気づいたみたいだけど、さてどうしたもんか。
イッセー達がある意味緊張する時間を過ごしているみたいだし、あんまり遊び惚けるのもちょっと気後れするしな。
俺がそんな感じで首を捻っていると、とんとんと壁を叩く音がした。
振り返ると、そこには微笑をたたえたクックスが。
「夜食の準備が整いました。そろそろ遅いですし、鍛錬を切り上げてはいかがでしょうか?」
……凄い良い匂いが漂っている。
ちなみにクックスはザイアが俺達の食育用に用意したヒューマギアなので、トレーニングをしている物向けの料理には造詣が深い。
そして必然的に、過剰なトレーニングを中断させる目的の、胃と食欲を猛烈に刺激する類の心得ている。
うん、これは無理だ。
「じゃあ、とりあえず肉体の鍛錬はこの辺でと」
「賛成ですの!」
俺に即答するヒマリに、俺達は思わず苦笑した。
「しっかしどいつもこいつもハード一歩手前のギリギリな奴を毎度毎度やれるもんだなぁ」
夜食を食べてからそれぞれ体のメンテナンスをしていると、そのチェックをしていたキュウタがそんなことを言ってくる。
まあ確かに、ここまでのレベルてトレーニングをする奴ってそうそういないよなぁ。
鍛えていても死にかねない軍人だって、仕事としての鍛錬以上は自己裁量だ。そして必然的に、仕事としての鍛錬すら適当に切り上げたいタイプだって少なからずいる。
皆努力しているから、努力すれば夢が叶うわけではない。それは決して嘘ではないけど、十分積める努力を積んだことがない奴はごろごろいる。
だからまあ、そういう意味だと俺達は結構な成長株なんじゃないだろうか。
ザイアで育てられた時だって、ここまで鍛錬を積んでいるやつはそうはいなかったしな。
……ちなみに俺は結構ぎりぎりのラインの鍛錬を積んではいた。なにせ脱走するチャンスを窺っている身として、脱走する為の備えはしておかないといけなかったからな。
頑張った。頑張ったぞ俺。それが今の俺に繋がってると思えると、胸を張って断言できる。
まあそんなわけだから、俺はかなり高水準で鍛えている自信がある。
それについていける練習量なんだから、全員努力家が集まってるとは、俺も思ってるな。
「……ええ、悪の敵としては悪に負けない為にも努力は必須だものね」
「私の兄はリュシオンですから。これぐらいはしておきませんと」
さらりとカズヒ姉さんとルーシアは言い切るけど、それだけで言い切れるところでもないだろう。
やっぱりうちのメンツ、努力家が多いな。
「ま、本家のアーサーに一発かますつもりなんで、鍛錬を欠かしてたらできることもできゃしませんからねぇ」
アニルはアニルで目標がでかいからな。これは努力必須か。
「皆と一緒に努力するのは楽しいですのよ?」
ヒマリさんは努力と遊びの区別がついてますか~?
俺、相方としてちょっと不安になってきたぞ。
「精鋭部隊はガチで鍛錬するのも仕事の内じゃん? そりゃ自主鍛錬は積むって」
ヒツギはギャルっぽい見た目の割に真面目なんだよなぁ。
まあ、本当に俺達は努力家が多いということか。
「実際、ザイアでもこのレベルの自主鍛錬してるやつは少なかったな」
「ったくだ。ああいう環境だと思考が固まりやすいそうだけどよ、それ以上に自分から鍛錬できるとかすげえだろ?」
俺とキュウタはうんうんと頷くけど、然し全くそうだと思う。
ただ、キュウタはちょっと寂しげな表情を浮かべていた。
「……ま、鍛錬積んだから必ず乗り越えられるってわけでもねえのが現実ではあるんだがな。無茶して死んだり後遺症を残したりすんなよ?」
そうだな。
敵だって勝つ為に努力はしてる。それが俺達より上の可能性だってある。
それに敵にだって素質や才能の差はあるんだ。俺達より才能がある連中だって、探せばいくらでもいるだろう。それが俺達より鍛錬を量も効率もいい場合だってある。
引き際を見極めたいところではあるな。ただ……。
「逃げさせたり避けさせてくれないことが多いのが難点だけれどね」
カズヒ姉さんがはっきり言っちゃってるけど、実際そうなんだよなぁ……。
いやほんと、そういう避けようがない死線とかもうちょっと少ないといいんだけど―
「……なんだ?」
アニルが真っ先に気づいたけど、なんか慌ててる感じの足音が響いてるな。
なんかタイミングがあれなんだけど。嫌な予感しかしないんだけど―
「……みんな大変!」
―まさにそのタイミングで、慌てたインガ姉ちゃんが駆け込んできた。
顔面蒼白ってレベルなんだけど、今度は一体何が―
「オーディン様を狙って、アースガルズのロキ神がフェンリルを連れて攻めてきたって! しかもヴァーリチームまで割って入って共闘を提案とかなんとか!?」
―なんか凄いことになってるなオイ!?
というわけで、ちょっと短いですが今回はここまで。
次の話で対にロキ登場です。
毎度毎度何かしらの形で盛っているロキですが、今回も盛大に盛っているうえにちょっとした実験的な要素もあるので、戦いはすごいことにしたいと思っております!(まだ書けてない