好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
イッセーSide
あぁ、今日もなんていうか疲れたしイライラしたなぁ。
毎度毎度振り回してくれるよこの爺さんも。
俺もキャバクラを楽しみたい! 目の前でキャバクラに入る爺さんや先生を見る状況何て生殺しだ!
クソッタレ! 殴りたい!
しかもこっちが文句を言ったら「聞こえんのぅ」だの「アザゼルさんや、おっぱいはまだかい?」なんてボケ倒しやがって。
俺は正直マジギレしそうだ。
殴りたい、あの爺。
「いやほんと、お父様がごめんね?」
リヴァさんが謝ってくれるけど、むしろだからこそ爺さんは俺達にサービスをってなぁ!
ああもう。これで何か起きたりしたら泣きっ面に蜂だよったく。
アーシアちゃんなんて疲れてうとうとしてるし。そろそろ本気で勘弁してくれよなぁ。
俺はなんとなく、厭味ったらしくため息をつこうとして―
『部長、気を付けてください!』
―木場の切羽詰まった念話が聞こえてきた。
マジで何か起きやがったか!
俺が慌てて外を見ると、外で飛びながら警備をしていた木場達と向かい合う形で、なんか若い男がこっちを睨み付けていた。
な、なんかこっちに敵意を向けている感じがするんだけど。
「……まさかここに来るなんて」
「流石にここまでとは思ってなかったのぅ」
リヴァさんとオーディンの爺さんがそう言うけど、え、そっちの奴なの!?
先生も聞こえてたのか、舌打ちしながら爺さんの方を見てきた。
「おいおい爺さん。こいつレベルが出張るとか、前もって言ってほしかったぜ」
先生がそう言うレベルの奴なのか。
勘弁してくれよ。魔王の末裔が三人がかりでこっちに襲い掛かってきたばっかだってのに。
今度はなんだよ、神様か何かか!?
「先生、そいつは一体誰なんですか!?」
本当に一体誰なんだよ。
俺が聞くと、男の方が不敵な笑みを浮かべながら両手を勢いよく広げた。
「初めまして、忌々しい悪魔の諸君! 我は北欧の悪神、ロキだ!」
………。
「神かよぉおおおおおお!?」
思わず絶叫したよ。
え、マジで神様!? 魔王の末裔が終わったら、今度はマジモンの神かよ!?
本気で勘弁してくれよ。インフレ激しすぎだろ。
あ、でも神様だからって必ずしも強いってわけじゃないか。っていうかそうであってほしい。
「先生! そいつはどれぐらい強いんですか!?」
「サーゼクスと真っ向から喧嘩できるぐらいには強い!」
強かった!
世の中そんなに甘くないか。まあ、オーディンの爺さんもめっちゃ強かったしな。
ああもう! なんでこんな時に!?
「……でだ、何のつもりで来られたんですかねぇ? こっちはそちらのぼけ老人のお世話で大変なんですが?」
先生も苛立ち気味でそう尋ねてる。
それに対して、ロキは顎を撫でながらオーディンの爺さんを睨み付けた。
「なに。我らの主神が我ら以外の神話体系や
敵意満々だ!
そうですか。自分のところの主神を殺しに来ましたか。しかもこんなところでですか。
これ完璧に俺達も敵視されてるよ。狙われてるよコレは!
「ロキ様! 以下に神と言えどこれは横暴です! オーディン様に物申すのであれば正式な形にしてください!」
ロスヴァイセさんがそう言うけど、ロキは不満げな表情を隠しもしない。
というか自分のところの神様相手にこれとは、この人も根性あるな。
「戦乙女風情がでしゃばるな。我はオーディンに会いに来たのだ」
そしてこっちはこっちでバッサリ切ったし。
そしてロキは真っ直ぐにオーディンの神さんを睨み付けた。
「で、だ。我らが主神に一つ問う。この愚考、今からでも取り下げる気はないのか?」
表情も態度も気配も、返答次第で殺しに来ますって感じが見え隠れしてる。
俺はこれはまずいと禁手の準備をしながら、オーディンの爺さんの方を振り返る。
爺さんの返答次第で一気に状況が動くって感じだからな。反応が凄く気になる。
……あの爺さん。結構平然としてませんか?
「当然じゃ。おぬしらと話すよりアザゼル達と話している方がよっぽど面白いし建設的じゃ。前から日本の神話に興味があったから尚更じゃな」
……よし。良いこと言ったじゃねえか爺さん!
「よかろう。ならばここでラグナロクを執り行おうではないか」
でもこうなるよな!
俺は移動用の馬車の上に飛び乗ると、同時に禁手の準備も完了した。
そしてシャルロットも飛び上がると、更にリヴァさんが魔法を使って飛びながら並び立った。
「イッセー。魔王の末裔三人を乗り越えたのです。相手が神でも一柱程度なら乗り越えましょう!」
「
『oden』
『アスガルドライバー』
「「
「変身!」
『スキルヴィングゴッド』
『Welsh Dragon Balance Breaker』
『It's Providence of Asgard』
赤龍帝の鎧と仮面ライダーグリームニルが並び立つ。
できれば
相手が神だろうが関係ない。降りかかる火の粉は払ってやる!
俺が気合を入れてロキを睨むと、ロキはこっちの興味深そうに見ていた。
「そうだったそうだった。そちらには赤龍帝がいるんだったな。ならば―」
その瞬間、放たれた聖なるオーラをロキは右腕を振って弾き飛ばす。
って今のはデュランダル! ゼノヴィアか!
「……ふむ。速攻で仕掛ければあるいはとも思ったが、流石に神相手にそう簡単には無理か」
ゼノヴィアは残念そうにしているけど、ちょっと速攻すぎないか?
俺がそう思っていると、ロキも余裕満々だけど苦笑している。
そしてその視線がオーディンの爺さんとぶつかった。
「如何にデュランダルと言えど未熟者の一撃ではな。……とはいえ、護衛にしては過剰すぎるだろう、オーディンよ」
「おぬしがなにかすると思っての。結果的には大成功じゃわい」
なるほど。オーディンの爺さんはロキが動くことをなんとなく予想していたと。
だから俺達を集めて振り回してたのか。それだけ危険な相手でもあるってわけか。
……つまり俺が生殺しだったのは、ロキの所為か!
『イッセー、それは八つ当たりです』
「それに落ち着け相棒。相手がロキなら本来の俺でもてこずる相手だぞ」
俺の相棒達は容赦ないね!
俺が内心でがっくりしていると、ロキはこっちをしげしげと見ながら頷いた。
「……確かにそうそうたるメンツだ。ならば、我も呼ぶとしよう」
そう言いながら、ロキは指をパチンと慣らす。
すると隣に魔方陣が具現化して、そこから何かが現れる。
……でかい狼。だけど、ただの狼なわけがない。
このオーラ、真の姿のサーゼクス様に喧嘩売れるんじゃないか。そんなオーラの持ち主が、ただの狼のわけがねえ。
なんだ、なんなんだこいつは……っ!
「紹介しよう、こやつは我が息子である神喰狼、フェンリルだ」
……フェンリル、だって?
『相棒、腹をくくれ』
「……糞が! 全員気をつけろ!」
ドライグが真剣な声を出すし、先生は先生で真剣な表情で俺達に声を飛ばす。
「奴は俺達どころかオーディンの爺さんだって殺せる奴だ! 一切の油断をするな!」
『アザゼルの言うとおりだ。封印される前の
つまり覇龍前提でやらないといけないってことか!
主神を殺せるとか全盛期のドライグと渡り合えるとか、魔王の末裔三人がかりとかより上な気がするぜ。
勘弁してくれよ。問題を乗り越えたと思ったら、それ以上の敵がまたやってくるとか本気で嫌だ。
俺達は平和に過ごせればそれでいいってのに。なんで俺達に毎度毎度こんなレベルの敵が襲い掛かってくるんだよ。
寒気までしてきやがる。どうやって戦う?
俺達が気圧されていると、ロキはこっちを物色するような目で見回した。
「さて、北欧以外の者の血を我が子に味合わせるのは正直好まぬが……現魔王の妹などはいい経験になるだろう」
っ!?
野郎、狙いは部長か!?
ロキがほんのわずかに手を動かすのと、俺が咄嗟に部長の前に出るのはほぼ同時。
同時に寒気を感じて、直感で拳を振う。
その瞬間、鈍い音が俺の脇腹から響いて、同時に拳に手応えが。
一瞬でフェンリルが少し離れたところに出現して、その頬は少しだけ血がにじんでいた。
俺はそれを見た瞬間、何かがごっそりかけたように力が抜けかける。
……なんとなくだけど、脇腹をちょっと切ったな。フェンリルの爪か牙でも喰らったか?
それだけでこれとか、奴の牙は聖剣か何かかよ……っ
『大丈夫ですかイッセー! 咄嗟に対応しましたけど、これが限界で―』
それもシャルロットが頑張ってくれたからこの程度で済んだってことか。
本当にいい相棒を持ったぜ。なら頑張らないとな。
俺は膝に気合を入れて構えを取り直すと、ロキはちょっとだけ目を見開いていた。
「……我が子に反応するだけでなく、その被害を最小限に押さえるとは。魔王の血を引いた白龍皇も凄まじいと思ったが、別の神滅具使いを従える赤龍帝も中々だな」
そうかい。神様に褒められるぐらいには凄いってか?
でも、そうなると絶対―
「なら容赦はできぬな。ここで始末するのが最適か」
―本気で来るってことだよなぁ!
「させると思うか、ロキぃ!」
「好きにはさせん!」
先生とバラキエルさんが同時に光の攻撃を放つ。
「同じ北欧の者として、狼藉は見過ごせません!」
更にロスヴァイセさんが魔法攻撃を大量に放つ。
それをロキは魔法の防壁で完全に受け止めると、同時にフェンリルに支持するように腕を振り上げ。
「いや、それは困るね」
その時、俺の前の前に俺を庇う様に、白い光が舞い降りた。
っていうかこの声は―
「ヴァーリ!?」
「……白龍皇か。これはこれは」
俺が驚き、ロキが興味深そうに呟く。
そして割って入った白い龍―白龍皇ヴァーリ・ルシファー―が、なんかすっごい堂々とした態度でロキと向き合った。
「初めまして、アースガルズのロキ神よ。唐突で悪いが、貴殿を屠りに来た」
な、なんかかっこいいタイミングでかっこよく登場しやがったよ、俺の宿敵。
俺達がそんな乱入者に面食らっていると、ロキは不敵な表情のまま、首を横に振った。
「なるほど確かに。魔王の血筋と神滅具が加わり覇龍すら戦術に組み込める貴殿なら、我を滅ぼすことも不可能ではないだろう」
その割には、なんか余裕があるような―
「だが、貴殿はあまりに古すぎる」
『アスガルドライバー』
―は?
「……まあ、そうなるわね」
「なるほど、そう来るか」
リヴァさんとオーディンの爺さんが納得した感じで何か言っているけど、正直頭が理解してない。
あれって、リヴァさんがつけているアスガルドライバー!? ど、どういうことなんだよ!?
「我らアースガルズは闘争を尊ぶ神話。ゆえに最先端の戦争にも理解を示すし、何よりプログライズキーは神にこそ相応しい。洗練されずただ旧いだけのカビ臭い力で、今の我は倒せぬよ」
『Ragnarok』
プログライズキーを即座に装填して、ロキは不敵に微笑んだ。
いや、いやいやいや。
ちょっと待て。いやほんとちょっと待って。
「変身!」
『アースライズ』
その瞬間、フェンリルをライダモデルにしたような奴が出てきて、それが装甲になったロキに装着される。
『ヴァナルガンドウルフ』
『I'm Providence』
なんていうか神々しい、そして厄介過ぎる奴が現れやがった。
「―これぞ、アスガルドライバーの本命、仮面ライダーヴァナルガンド」
そう告げるロキは、装甲で見えないけど間違いなく得意げな表情を浮かべてるだろう。
今のロキからはフェンリルに近いオーラが漂っている。
クソッタレ、冗談だろ……っ
「……よもや、貴殿がプログライズキーに手を出していたとはな」
「因みに
ヴァーリに対してとんでもないことを答えながら、ロキは右手を掲げて俺達を招く。
「さあ来るがいい。もう少しだけ遊びに付き合ってやろうではないか」
Other Side
「………っ!?」
「……どうかしましたか、南空?」
「……なるほど、そういうことか……っ」
「南空? どうしましたか?」
「……はっ! すいません生徒会長。なんか急に意識が飛んでました!」
「……この気配は、まさか!」
「どうしますか、長官」
「どうやら仕掛けられたようです。合流地点にいては間に合わないでしょうし、行きますよ!」
まさかロキが仮面ライダーに変身するとは思ってなかった人は多いかもしれません。
ですが神具アスガルドライバーは、もともとロキの魔改造用に設計したものでした。
しかし和地のサブヒロインを作るにあたって、カズヒの魔術属性である五大属性を五分割して設計しようと発想しまして、その際この作品の各種要素を混ぜ込む形で作ろうとした結果、リヴァを仮面ライダー担当にし、ちょうどいいからもう一人のアスガルドライバー変身者にしました。ちなみにインガは風属性担当で、そこから星辰光担当にして能力の設計を行いました。
アザゼル杯編でヴィーザルがミドガルズオルムを鎧にするのではなくアスガルドライバーを使わせるかどうかは考え中です。