好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
総合性能で考えるとレイダーよりライダーになることを考えると、ロキがプログライズキーに着目した際に仮面ライダーを用意しないとは考えづらいのもあったのですが、作中のキャラクターがどう考えるかを重視すると、こういうところで反感を買うことにはなりますわな。
最も、劇場版ライダーっぽいという意見は「多分これに集まるよなぁ」と思ったので、票が多いのは満足でした。
個人的にラグナロク編は、禍の団との戦いが主流になっているこの時期において一種の異例になるので、劇場版的なポジションがしっくりくると思いまして。
なので全体的に神威動乱編の本筋であるラグナロク編は、劇場版に近いノリになると思います。
イッセーSide
「面白い、ならば試させてもらおうか。……兵藤一誠、手を出すなよ?」
ヴァーリはそう言うと、一瞬でロキに迫った。
そして盛大に大きな音が響き、ロキはヴァーリの拳を左手で受け止める。
見ればフェンリルに向けて右手のひらを出していて、フェンリルが行動するのを止めていたみたいだ。
そしてフェンリルはフェンリルでこっちを警戒してるから、ヴァーリに言われるまでもなく手が出せない。
……こんなところで、神滅具を持った魔王の末裔と仮面ライダーになった神様の戦いとか、いろんな意味で凄い事になってるよな……っ!
「面白いね。神が最新の技術を使って己を高めるとは」
「我らアースガルズは戦を司ると言ってもいい。ならば未来の戦を担うだろう力を手にするのは必定だろう?」
そう言い合った瞬間、ヴァーリはロキに猛攻を仕掛ける。
もの凄い速度で振るわれる拳と蹴りの応酬を、ロキは両手だけで全て捌いている。
おいおい冗談だろ。ヴァーリのやつ、俺と戦った時より遥かに強くなってやがる。
それをああも簡単にいなすなんて、ロキは化け物か何かか!?
「中々できるな。流石は魔王の末裔が神滅具を手にしただけのことはある。それに鍛錬も積み重ねているからこその力だ。素晴らしい」
「お褒めに預かり恐縮だ。そちらも伊達に神であるわけではなさそうだ」
二人とも褒め合ってるけど、あの猛攻の中でそれができるってだけでもシャレにならない。
俺のライバルは強すぎです! 勘弁してください!
なんて思ったら、今度はロキもヴァーリも一旦距離をとった。
「ではつぎは―」
「―撃ち合いだな」
その瞬間、もの凄い攻撃の数と質の砲撃がお互いに向けてぶちかましあった。
冗談だろ、多い多い多い!? っていうかこっちにも流れ弾が―
「下がっているんだ!」
―と思ったら、俺達の目の前に炎の壁が立ち上がって、攻撃を受け止める。
いや、なんかすぐにでも限界を超えそうな気がする―
「ほっほっほ。ならおまけじゃ」
―その瞬間、オーディンの爺さんが指を鳴らすと炎が強大になって、流れ弾を防ぎ切った。
後ろを振り返ると、オーディンの爺さんはゲイルさんの肩に手を置いてた。
ってことは、あの炎はゲイルさんが出したのか。凄いなおい。
さっすがカズヒと肩を並べて戦える、それも護衛部隊の人だ。
神と魔王の決戦の余波を防ぐんだから、大したもんだよなぁ。
と言っても、このままってわけにもいかないよな。
ドライグ、シャルロット。行けるか?
『無理をするなと言いたいが、いつも無茶をしているからな。まあもう一当ては行けるだろう』
『できれば控えてほしいですが、そうも言ってられない状況だらけですね』
悪いな二人とも。
俺の部長に手を出してきやがったんだ。このままってわけにはいかねえさ!
だから俺達が立ち上がろうとした時―
「では、そろそろ遊びは終えるとするか」
―ロキが何時の間にか、ヴァーリの鳩尾に拳を叩き込んでいた。
「……がはっ!」
そのままヴァーリは盛大に吹っ飛ばされるけど、何とか体勢を立て直し―
「では終わるがよい」
『GOD!』
その目の前に、もうロキは姿を現していた。
『ヴァナルガンドディストラクション!』
ヴ
ァ
ナ
ル
ガ
ン
ド
デ ィ ス ト ラ ク シ ョ ン
気づいた時には、ヴァーリの鎧がヴァナルガンドの爪で盛大に切り裂かれていた。
「これが……神が仮面ライダーになった成果だと……っ」
「その通り。如何に魔王の血を引く神滅具使いといえど、覇も神殺しもなしに今の我を倒すことはできんよ」
崩れ落ちそうになるヴァーリを無視しながら、ロキは俺達を殺意を込めながら見る。
野郎、させるかよ!
「なら同じプログライズキーで!」
『Oden!』
リヴァさんが素早く突撃し、俺もそれに合わせて突貫する。
『スキルヴィングディストラクション』
リヴァさんが必殺技を叩き込むのに合わせて、俺もアスカロンのオーラを左腕に込めて殴り掛かる。
二方向から挟み撃ちなら―
「ふむ、二重で甘い」
―その瞬間、俺の目の前に紫の炎が立ち塞がった。
「―邪魔よ悪魔ぁああああ!」
女!? っていうか熱ぅ!?
しかもダメージがあまりにでかい。これ、聖剣で傷つけられたぐらいの痛みとダメージだぞ!?
くそったれ! あとリヴァさんは―
「ぬるい」
「―あぅ!」
―まじかよ。
魔王血族にすら通用したリヴァさんの一撃を、ロキは力を込めてたとは言っても普通の攻撃で弾き飛ばした。
これが、正真正銘の神がプログライズキーを使用した底力だってのか!?
俺が面食らっていると、ロキはつまらなさそうに鼻を鳴らす。
「まさかオーディンの娘に真の力を使わせると思ったか? そもそも貴様の本領は地上戦だろうに、空で勝てると思われるのは心外だな」
ロキはそうあっさり答えると、同時に肩をすくめながら割って入った紫の炎に顔を向ける。
「よくやったなアヴェンジャー。約束通り、オーディンを殺したら天界に殴り込みだ」
「そうしてくれると嬉しいですねぇ、偽神さん?」
そう答える紫の炎は、やっぱり女の声がする。
なら
「……サーヴァントまで召喚しているうえ、天界に殴り込みとはな。しかもその紫の炎は、まさか
先生が動揺してるけど、そんなやばい神器の力だってのか!?
くそ、このままだと、流石に何人か死ぬんじゃないか!?
俺が正直歯を食いしばっていると、ロキは何故か肩をすくめると後ろに下がる。
フェンリルと紫の炎が同じように一歩下がると、空間が歪んでいった。
「オーディンの意志は知れたし、二天龍と一当てできたのもいい経験だ。それに免じて今日は引こう」
……今日はってことは、諦める気はないってことか。
俺達が睨み付けていると、ロキは変身を解除すると不敵な笑みすら浮かべている。
「だが日本神話との会談の日、今度こそオーディンには死んでもらう。邪魔をするなら
そう言い捨てながら転移するロキを睨んでいると、ふと強い聖なるオーラを感じた。
「大丈夫ですか、総督、オーディン様!」
この声、クロードさんか!
―その瞬間、魂まで凍り付きそうな寒気を覚えた。
「……お前は……ぁああああっ」
その瞬間、紫の炎が凄い出力で放たれる。
あれ? 位置的に俺もやばい―
「おっと危ない!」
その瞬間、今度はしたから凄い勢いで海水が浮かび上がって炎を受け止めた。
え、今度は何!?
「危ないところでしたね、クロード長官。ですが、海の上ならそう好きにはさせませんよ」
「ええ、ありがとうございますアニアス」
見ればクロード長官の隣に、神々しい女の人が立っていた。
な、なんかオーラが凄いけど誰だ?
「……ほぉ。オケアノスが教会の狗になっているとはな」
ロキがなんか、複雑な表情をその女の人に向けていた。
「神の末席にいる者が汚らわしい。他神話のものとはいえ見るに堪え―」
そう言おうとした時、咄嗟にロキは結界を張る。
その結界に矢が当たって、もの凄い衝撃が走った。
「大丈夫でござるか長官殿。相手は上位の神ゆえ油断めさるな」
「……動揺していました、手間をかけさせてごめんなさい、玄隆」
こ、今度は神父服を着たおっさんが来たぞ!?
クロードさんのことを長官って言っているからには、たぶんだけどプルガトリオ機関の人なんだろうな。
あ、ロキがめっちゃくちゃ嫌そうな顔をしてる!?
「更に日本の八百万めが。つくづく神の恥さらしが集まっているものだな」
な、なんか俺が追い付けてない状況なんだけど、ロキは戦う気はないようだ。
紫の炎はいきなり攻撃をしてくるぐらいに苛立ってるけど、一発かましてスッキリしたのか、炎をかき消して俺達を睨みつける。
……その姿を見て、俺は思わずクロード長官の方を振り返った。
二人の顔はとってもそっくりだった。もしどっちかしかいない時にもう片方だって言われたら、信じてしまうぐらいに。
そしてクロード長官は辛そうな表情をしながら、それでも真っ直ぐに炎の女に向き直った。
「……やはりですか。あなたが敵対するのなら、私が相手をするべきですね」
「……そうね。まずはあなたを殺してあげるわ。ピエールの飼い犬め……っ!」
ぴ、ピエール?
俺がよく分からないでいると、ロキと一緒にその女は消えていった。
………え、どういうこと?
この作品がハイアポ要素を入れているのなら、彼女の正体はすぐにわかるかと思います。
ちなみに次から、これまでの自作品とは毛色の違う方向性になります。