好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
和地Side
俺達がちょっと沈黙していると、フロンズ氏が軽く咳払いをした。
「敵陣にジャンヌ・ダルクがいる。これが分かるのは十分すぎる情報ではある」
俺達の注目を集めながら、フロンズ氏は微笑みすら浮かべていた。
「良くも悪くも彼女は有名だ。そこに彼女と直接相対した過去を持つ者がいるのならば、保有スキルぐらいは想定可能だろう」
「それなら太鼓判を押せます。フェイカーとして召喚された私は、スキルで
フェイカーのサーヴァントってちょっと凄いな。
となると、ジャンヌ・ダルク対策はある程度はできるということか。
だが他にも厄介な連中は数多い。
それを理解しているカズヒ姉さんは、ちらりと先生に視線を送る。
「……アザゼル先生。ミドガルズオルムに情報提供を求めたというけれど、その辺りはどうなっているのかしら?」
ミドガルズオルムっていうと、ロキがフェンリルと同様に生み出した、龍王の一角であるドラゴンだったな。
何か知っている可能性はあるけど、素直に教えてくれるのだろうか。
俺はちょっと気になっていたけど、先生はそのあたりを苦笑しながらも頷いていた。
「ああ。フェンリル対策になる情報も、切り札になりそうな武器の情報も教えてくれたよ」
「そういえば、ミョルニルがどうのとか言ってましたね」
俺はそこを思い出したけど、ミョルニルって雷神トールの武器だよな。
ロキと並ぶメジャーな神様だけど、武器をポンと貸してくれるのだろうか? いや、レプリカとか言っていた気もするから行けるのか?
俺はちょっと首を傾げているけど、フロンズ氏は先生の方を見て頷いていた。
「では、
「……できるの? 現状でそこまでの戦力を用立てれるだけの余裕があるのかしら?」
リアス部長はそう聞くけど、フロンズ氏はすぐに頷いた。
「私とノアが連名で責任者となっている第一特務研究師団なら即座に動かせる。また、サイラオーグ・バアルを代表とした第四義勇師団や、シュウマ殿の長子であるハッシュ・バアル殿が責任者を務めるシュウマ・バアル領の第二遊撃師団も動かせるだろう」
……凄いこと言ってないか、こいつ。
先生やリアス部長も軽く遠い目をしている。
「何時の間にそれだけの戦力を集めたのかしらね」
「ま、いう前から下地は整えてたってことか。政治家としちゃ手回しは必要だな」
そんな評価に、フロンズ氏はどこか嬉しそうな表情だった。
「誉め言葉にしかなりませんな。……まぁ、そういうわけですので戦力は及第点規模を用意できるかと」
なんていうか、ちょっと怖いぐらいだ。
「……そういえば、サイラオーグ氏ってそちらのノア氏に負けて色々と大変だったらしいけど……よくそんな立場につけられたな」
師団規模の軍事組織を一つ任されるとか、出世ではなかろうか?
俺はそんな関心をするけど、何故か先生はため息をついた。
あれ、俺何か間違えたか?
「どうしましたの、先生?」
「いや、大王派の連中は色々とえげつないことを企んでるんじゃねえかって思ってなぁ」
……確かに。言われてみるとそういう印象があふれてるな。
フロンズ氏もちょっとため息をつきたい表情だった。
「ええ。どうも上層部の一部の面倒な側は、彼を失脚させるか戦死させるかのどちらかが狙いなようでしてね。第四義勇師団は
……本当にえげつない。
つまり必要な技術を叩き込まずに危険な場所に派遣しようってか? それで足を引っ張られて死ぬなり、足を引っ張られた結果更迭されるようなヘマを売ってくれと。
大人の足の引っ張り合いって、本当にどうしようもないな。
「……またろくでもない」
俺が思わず呟くと、何故かフロンズ氏が頷いた。
「同意見だ。その恨み辛みに妬み嫉みを利用したこちら側の言うことではないが、必要不可欠な事業で余計なマイナス要素を加えないでほしいものだ。サイラオーグ・バアルという戦力や折角増えた冥界の新しき命を投げ捨ててどうするのやら」
「そちらも苦労しているのね」
リアス部長はそんな同情の視線を向けると、フロンズ氏は苦笑しながら肩をすくめた。
「まあ安心したまえ。こちらの伝手で教導官は派遣しているし、武装についても
なら、大丈夫か?
「あと、こちらとしても味方の強化は必要不可欠だと考えている。なのでもしこちらの技術で欲すものがあるのならば今のうちに言ってくれたまえ。派閥や勢力が違うとはいえ、足の引っ張り合いになるような出し惜しみなどはしないと約束しよう」
更に凄い大盤振る舞いだ。
……言うだけ言ってみるか?
俺がそんなことを考えていると、俺達の中から一歩前に出る奴が何人かいた。
「んじゃぁ、俺はお願いしちゃってもらいましょうか」
「……そうですね。少し真剣にお願いします」
「あ~。じゃあちょっと私も頼もうかな? っていうかヒマリも参加しなさいな」
とまあ、アニルにルーシアにヒツギの三人。
……ってちょっと待て。
「なんでヒマリまでなんだ?」
「そっちでいいのか!?」
イッセーには全力で突っ込まれるけど、俺としては特にいうことはそれぐらいだしなぁ。
「……確かに俺達はオカルト研究部という繋がりはあるけど、個人の自由意思はあるし厳密には別のチームだ。なら了承をとるべきは俺じゃなくてイリナだしな」
俺がそれとなくイリナに話を振ると、イリナもちょっと戸惑っている感じだけどすぐに我に返った。
「う~ん、一応理由を聞いてもいいかしら?」
まあ、イリナも素直だから理由さえ納得すれば問題ないだろうとは思う。
と言っても、便宜上教会関係者はイリナの部下というか使いで、イリナはなりたてとはいえ天使だ。その辺りの許可は必須だろう。
そしてルーシアはその辺りがかなりできているのか、静かに頷いた。
「単刀直入に言えば戦力増強です。私とアニル君は他の方々に比べると異能の面で一歩劣りますので、強化できるチャンスは逃したくないんです」
「あとまあ、ロキとの戦いでは同時に禍の団とも遣り合いますからね。……アーサー・ペンドラゴンと相手するときは、やっぱり俺も戦えるようにはして置かねえとって感じでさぁ」
年少組がそう言うと、ヒツギもうんうんと頷いてた。
「後輩がしっかりしてて何よりじゃん」
「そういうヒツギは、なんで私込みですの?」
当然のヒマリの質問に、ヒツギは苦笑でそれを返す。
「いや、私らって何故か星辰光が発現してないでしょ? 今後も考えるとその辺りのアプローチもしとかないとって思ったから、いい機会だし大王派流ってのを試そうかと思ったって感じかな」
なるほどなるほど。
「もちろんこちらは構わない。派閥の争いを放棄するつもりはないが、それらは冥界や和平を結んだ勢力の未来あってのことなのだから」
フロンズ氏はそんな感じだが、さて、イリナ達はどう応えるのか?
「ん~。大王派の人達とも仲良くなれるに越したことはないし、私はいいと思うわ。リアス先輩は?」
「そうね。私としてはもっと鍛錬を積んで成長してほしいけれど、イリナさんがいいというなら文句はないわ」
となると、決定か。
「なに、気になるのならばぜひ人員を派遣してくれたまえ。技術交流も兼ねて色々と試すとするさ」
ああ、そしてここからが大変なんだから……な。
そんなこんなで本格的な会議は後程担ったところで、俺は会いたい人がいるからそっちに向かうことにした。
……できればカズヒ姉さんとも話したかったんだけど、あっちはあっちで何か試してみたいことがあるらしく、リーネスや鶴羽と一緒にリーネス用の魔術工房に向かってしまった。
だからまあ、俺は行くべき人がいるのでそっちに行くことにしてるわけだ。
兵藤邸のある一室で、会議とは別の形で話をしている三人のところに俺は向かった。
「……失礼します」
ドアをノックしてから、俺は部屋の中に入る。
そこにいるのは三人の、神の領域に文字通り到達している存在。
そのうちの一人に、俺は真っ直ぐ視線を向けた。
「……リヴァ先生。その、今いいか?」
「……別にいいよ。話も今まとまってるしね」
リヴァ先生、とりあえず様子はあまり変わってないな。
……でも、きっと心中は複雑なんだろう。
とにかく今回の戦いは規模がでかくなります。いろんな意味ででかくなります。
そのため大王派も大盤振る舞いです。戦力に余裕がありまくるからこそですが、余裕があるのなら恩を売るのも一考といった感じで大王派の重鎮もOKを出すでしょう。フロンズとしても今回の件に思惑があったりします。
そしてフロンズを経由する形で教会側の強化も進みます。クロスしている作品の原作要素も、できることなら入れたいですしね。