好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 今回は決戦の幕開け直前と開始となります。

 


神威動乱編 第二十七話 黄昏、開帳

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 作戦開始前に色々と慌ただしくなっているけど、俺達は高層ビルの屋上に集まっていた。

 

 周囲のビルにはシトリー眷属やシュウマ・バアルさんんの第二遊撃師団が待機してて、ロキが仕掛けてきた時に小島に転移させる準備と、万一突破された時の迎撃を担当するらしい。

 

 目を凝らしてよく見ると、デビルレイダーの姿もそこかしこ。屋上には最低でも三機のDF(ディアボロス・フレーム)が待機している。

 

 小島の方も外周を、第四義勇師団が警備しているそうだ。

 

 外から余計な攻撃がないようにしているって話だ。彼らに余計な負担をかけないように、俺達がしっかりロキをぶちのめさないとな。

 

「イッセー。そっちは準備できてるか?」

 

 と、ショットライザーをもう腰につけている九成が声をかけてくれた。

 

 ちなみにオカルト研究部や生徒会は、今でも制服をつけている。

 

 ただ外見は普通の制服だけど、異能の技術で結構強化されてるやつだ。

 

 グレモリー眷属にとって、この格好はもうトレードマークになってるしな。高等部を卒業するまでは皆この格好だろう。

 

 と言っても別の服を着ちゃいけないわけでもないから、アーシアはシスターの服を着てる。

 

 ゼノヴィアやイリナ、ルーシアやヒツギは教会の戦闘服だ。あれぶっちゃけエロいけど、なんだかんだで動きやすくて便利らしい。

 

「カウントはもう終わってる。何時でも禁手になれるぜ?」

 

「ならいいさ。真面目な話、今回の戦いでツートップなのはロキとフェンリルのはずだ。格上をぶちのめす方法はいくつもあるが、初手速攻で叩きのめすってのは手段があるなら有効だしな」

 

 九成はそう言うと、俺が持っているミョルニルを見る。

 

 真面目な話、俺が鎧を全開にしてミョルニルを叩き付けるのが一番威力がでかいはずだ。

 

 いくらロキでもそんなものを食らえばただでは済まない。それで速攻かまして叩きのめすのが、一番いい流れになるだろう。

 

 ただ――

 

「……ま、そう上手くいかないのが世の中ですからねぇ。俺らはそっちに備えときますぜ、先輩方」

 

 と、こっちは駒王学園の制服を身に着けたアニルが、そう言いながら近づいてくる。

 

 アニルはアニルで、なんだかんだで実戦経験がそこそこある。

 

 だから上手くいくことばかりじゃないってことを分かってるんだろう。だから最悪のパターンになることを覚悟している。

 

 最悪のパターンは速攻ができず、禍の団も含めた乱戦になることだ。

 

 そうなるともう知っちゃかめっちゃかだろう。小島では外周警備をサイラオーグさんのところの第四義勇師団に任せる形で、フロンズさんの第一技術研究師団が最新装備を準備して待機している。

 

 それでも限界はあるし、絶対に死人もでる。

 

 禍の団はロキだけじゃなくてグレモリー眷属(俺達)もだけど、ロキが速攻で倒されたのなら引くことを選ぶだろう。だけどそれができなくなれば、どっちも潰すつもりで仕掛けてくるはずだ。

 

 だから開幕速攻ができることに越したことはない。

 

 ああ、なんとしても絶対に成功させないと―

 

「イッセー先輩。一ついいですかい?」

 

 ―アニルが俺の方を真っ直ぐ見ていた。

 

「どうした? 俺も頑張るから―」

 

「多分ですけど、開幕速攻はたぶん失敗するんで」

 

 そういうこと言うか!?

 

 ちょっとむっとしたけど、アニルはなんていうか普通だった。

 

「いや、敵さんだって失敗したくてこっちに喧嘩売ってるわけじゃねえですからね。当然こっちの思い通りに動くわけがねぇですし、不測の事態なんていくらでも起こるんで。その辺は考え違いしない方がいいですぜ?」

 

 茶化す様子はなく、当たり前のことを当たり前に言っているだけ。

 

 そんなアニルに、九成はうんうん頷いていたけど俺はちょっと戸惑っていた。

 

「ま、敵は俺達をついでに殺して会談を阻止する為に全力を尽くす気満々だろうしな。準備万端の本気に慌てて準備した本気がぶつかるんだ」

 

「……思い通りに行く方がおかしいわけなんで、無駄に責任を感じるとか無しで頼んます」

 

 九成に続けてアニルはそう言いながら、俺の方を向いた。

 

「こっちはこっちで俺達なりの理由や責任があって命賭けてるんで。それが大規模な戦闘ってもんでさぁ」

 

 ………。

 

 なるほどな。

 

「分かった。戦闘じゃ俺は後輩だしな。素直に先輩の言うことを聞いとくよ」

 

 これが、大規模戦闘ってやつなのかな。

 

『……兵藤一誠、こんなところにいたのか』

 

 その声に振り向くと、でかいドラゴンが俺達に近づいてきていた。

 

 っていうかタンニーンのおっさんじゃん!

 

 おっさんも参加するのは知ってたけど、やっぱりでかいドラゴンの姿を見ると心強いぜ!

 

『そこにいるのはお前の仲間か。中々いい面構えと覚悟をしているな』

 

 九成やアニルを見てから、おっさんはちょっと満足した感じだった。

 

『いい仲間を持ったな。大事にするんだぞ?』

 

「あったりまえじゃん!」

 

 ああ、仲間は全力で大事にするぜ。

 

 ……ああ、俺もやることをしっかりやって、胸を張って修学旅行と学園祭を楽しんでやるぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 時間が迫るにつれて、やはりみんな少しそわそわとしている。

 

 無理もない。ここにいる者達の殆どは、百年も生きてない若手達だ。

 

 鎖国的対応をとっていた本物の神、それも世界的に名をはせる悪神ロキだ。

 

 本来魔王様やそれに準じる最上級悪魔が眷属を率いてなお、相応の数をもって挑むべき相手。僕たち若手悪魔では、数を揃えても挑むことそのものが自殺行為になる敵だ。

 

 如何にミョルニルのレプリカを赤龍帝が装備して挑もうと、死人が出ない方がおかしい戦い。まして今回は、禍の団の大規模な横やりが入ってくることが確定しているからね。

 

 正直僕も、少し手が震えそうになる。

 

 まったく。和平が結ばれる前には、僕達が神と戦うことになるとは思いもしなかった。

 

 堕天使幹部コカビエルから始まり、魔王の血を引く白龍皇や魔王の末裔が三人がかりときて、あろうことか今度は神を相手にするんだ。

 

 僕達グレモリー眷属も、いきつくところまで来た気がするよ。

 

「……祐斗さん、ここにいましたか」

 

 と、そこにシャルロットさんが近づいてきていた。

 

 ……思えば、彼女も相当に精神的に負荷がかかっているだろうね。

 

「大丈夫ですか? こう言っては何ですが、一番実戦経験が少ないのは貴女ですし」

 

 実際そうだ。

 

 シャルロット・コルデーとはただ一度の暗殺で歴史に名を刻んだ少女。それはすなわち、殺しの経験はあっても殺し合いの経験は一つたりとも持ち合わせていないんだ。

 

 一度だけとはいえあの時点で殺し合いを経験していたイッセー君の方が、戦闘という意味では経験者だろう。ある意味で彼女は最も戦闘の素人と言ってもいい。

 

 だから少し不安に思っていたけれど、シャルロットさんは静かに首を振った。

 

「祐斗さんこそ大丈夫ですか? 肩に力が入りすぎている気がしたので、気になりました」

 

 ……まさか逆に気遣われるとはね。

 

 というより、気を張って入るけどしょい込みすぎてはいない、ちょうどいい緊張具合な気がしてきたよ。

 

「私は確かに命を奪い合う戦場の経験は少ないですが、それでも処刑された経験も、人の命を自分の意志で奪った経験もあります。あの時決めた覚悟は後悔を生みましたが、殺し合いに参加することで臆病風に吹かれては、恨む側も苛立つでしょう?」

 

 その毅然とした態度に、僕は自分の考え違いを訂正する。

 

 彼女は確かに歴史に名を刻まれるに値する傑物だ。サーヴァントという存在を、僕は改めて強く意識する。

 

 そんな彼女が支えたいと願い、その為だけの亜種禁手に覚醒させるだけのイッセー君。

 

 リアス部長や朱乃さんに小猫ちゃん。アーシアさんにゼノヴィア。あとフェニックス家のレイヴェルさんもかな? 最近だとヒマリさんやヒツギさんも意識しているみたいだし、罪作りな男だよ。

 

 僕がイッセー君のことを考えて苦笑していると、シャルロットさんは小首を傾げた。

 

「どうしましたか?」

 

 ……そうだね、しいて言うなら―

 

「いえ、イッセー君と仲間になれたことは、()()にとって本当に喜ばしいことだと思いまして」

 

 その言葉に、シャルロットさんはちょっとだけ呆気に取られ―

 

「……ええ、本当に望外の幸運です」

 

 ―心底同意するように、綺麗な微笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 九成Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それは良いことなのか悪いことなのか」

 

 俺はイッセーに、朱乃さんに夜這いされたことを聞いてそう返した。

 

 いや、本当にどう答えたらいいのかちょっと悩む。

 

「思い残しがないようにしたいという意味でも、精神的な不調を死戦に向かう前の何とかしたいという意味でも、そういうことをするというのは一つの選択肢だしなぁ」

 

「何言ってんだよ。そんな理由でそんなことするなんて可哀想じゃねえか!」

 

 イッセーはそう言うが、しかしなぁ。

 

「常に大規模な戦闘で全員生還ってわけにはいかないだろ? 心残りがないようにするっていうのは、割と大事なことだと思うぜ?」

 

 いやホント、そこは大事なことだと思う。

 

 人はいつか必ず死ぬし、こんなことをしていると本当に何時死ぬか分からないんだから、心残りを作らないように備えるのは大事な気がするんだが。

 

「死んでもいいようにする暇があるなら、絶対に生き残る為に頑張る方がいいと思うけどなぁ」

 

「それで必ず生き残れるほど、現実は優しくできてないって話だよ」

 

 イッセーにそう返してから、俺はふと気づいた。

 

 そういえばこいつ、本当に周りの恋慕に気づいてない節があるからなぁ。

 

 俺がなんていうか冷めた目を向けていることに気づいたのか、イッセーがむっとした表情を向けてきた。

 

「……なんだよ」

 

「いや、お前はもうちょっと周りの女性陣に真摯に向き合った方がいいって思っただけだ」

 

 いっそのこと今指摘したいが、指摘して困惑するとロキ相手に致命的な隙になりそうだ。

 

 どうしたものかと思ったんだが、その時気配が変わった。

 

『正面からくるとはな』

 

「中々剛毅なようだ」

 

 タンニーンさんとバラキエルさんがそう呟く中、俺達の前の空間が歪み、そこに巨大な狼を従えた男が現れる。

 

 そして俺達が身構えようとしたとき、更に別の個所の空間が歪んだ。

 

「はっはっは! 妾が来たぞ!」

 

 そんな声を響かせて、巨大な飛行船と先端近くに立つ幸香の姿が現れる。

 

 フェンリルが鼻先を動かしながらそちら向くと、それに呼応するようにヴァーリを含めた数名が姿を見せた。

 

 ヴァーリと共に現れるのは、ローブを纏った細身の男と、北欧風の鎧を付けた一人のごつい男。

 

 細身の男は僧侶二駒で転生したロッキーで、ごつい男は騎士二駒で転生したザンジュだったな。

 

 その姿を見て、ロキは怪訝そうな表情を浮かべる。

 

「覚えがありそうな気配だが、何者だ?」

 

 その問いに、細身の男が苦笑を浮かべる。

 

「まあ、悪魔に転生してるから肉体面は別物だしねぇ。分からないのは無理ないか」

 

「それはそれで不満だがな。オーディンには俺にしたことを後悔しながら死んでもらいたいのだが」

 

 そんな正反対の反応をした二人を見て、ロキは何かに気づいたのか不快そうな表情を浮かべた。

 

 つまり知り合いか何かなのか?

 

「……なるほど、貴殿はホグニ王か。逆恨みはいただけんな」

 

 ホグニ王……って! アースガルズの神々によって永遠の殺し合いをされる羽目になった、あのホグニ王か!

 

 そういえば、オーディン神に振り回されている時にイッセー達と話したな。

 

 俺が思い出していると、ホグニ王は憎悪の表情を浮かべ、一歩前に出る。

 

「はっ! 恥もなくそう言えるとは、やはり貴様らアースガルズの神々は死ぬべきだな! 貴様を殺したら次はオーディン、そしてその首を土産にフレイヤを切り刻んでくれる!」

 

「戦士としていつまでも高められるようになったことを恨むとは、しょせん人間などこの程度か。蘇り続ける殺し合いで洗練されたと思ったのだが、残念だな」

 

 ……流石和平反対派。思考が保守的すぎる。

 

 あとホグニ王は流石にオーディン様に任せたい。責任取ってくれません?

 

 俺がそう思っていると、ロッキーの方は相手の馬鹿にする表情を浮かべる。

 

「おやおや、面倒な奴を誤魔化す為に、自分扱いされた人は言うことが違いますなぁ」

 

 そんな挑発に、ロキの肩がピクリと震えた。

 

 なんだ? 凄い殺気が漏れ出ている……ぞ?

 

「そうか。貴様……ローゲか」

 

 ろ、ローゲ?

 

 聞き覚えの無い名前に、ロスヴァイセさんが何かに悟ったかのように声を張り上げた。

 

「ローゲ!? 千年以上前の、例の男が転生していたというのですか!?」

 

「知っているんですか!?」

 

 イッセーが声を上げると、ロスヴァイセさんは歯噛みしながらうなづいた。

 

「かつて優れた幻術によって、アース神族だけでなくヴァン神族や巨人達すら振り回した魔法使いです。ただ人一人に振り回されたことを隠す為、意図的に伝承でロキ様と同一視されるようにしていたと聞いています」

 

「……そういえば、そういうサガだったか戯曲だったかがあったわね。そう、そういうこと」

 

 リアス部長が感心していると、ロキは苛立たし気にしながらもため息をついた。

 

「よもやサーヴァントという形で呼ばれるとはな。忌々しいことだ」

 

「えぇそれはもう。神々を翻弄したっていうのに、あんな変則的な真似をされれば一発かましたくもなりますからねぇ?」

 

 殺気と殺気がぶつかり合う睨み合いが始まる。

 

 な、なんかややこしいが……これはチャンスだ。

 

「いいでしょう。では戦いを始まる前に、場所を変えるわよ!」

 

 リアス部長が声を張り上げると共に合図を送り、転移術式が発動する。

 

 ……さて、それじゃあそろそろ本番といくか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、アヴェンジャーのサーヴァントたるジャンヌ・ダルクは、ロキから離れたところにいることに気が付いた。

 

 その島は水滴のような形をしており、ロキ達は膨らんだ部分の中心近くだが、こちらは狭まった部分に位置している。

 

 そして、アヴェンジャーは因縁の相手を視界に収める。

 

「ピエールの狗。なるほどねぇ、私の相手をしてくれるってわけ?」

 

「……申し訳ないですが、暗部の長として正々堂々とするわけにはいきません」

 

 その言葉と共に、クロード・デュ・リスの周囲に数十名の戦士が現れる。

 

 それは教会の戦闘服を着た者だけでなく、デビルレイダーすらいた。

 

 そんな彼らのカバーを受けながら、クロード・デュ・リスは聖槍を具現化する。

 

「貴女の好きにはさせません。私の責任は果たさせてもらいます」

 

 それに呼応するように、ジャンヌ・ダルクは炎を身に纏う。

 

「そう。ならあんたを殺してから、思う存分復讐するわ!」

 

 そして、戦闘は開始される。

 




 ミザリ配下のサーヴァントのうち、セイバー:ホグニとキャスター:ローゲが明かされました。

 ホグニは魔術師たちの狂騒曲の時点で設計しておりましたが、キャスターのローゲは今回において設定したキャラです。狂騒曲の時点ではアースガルズ絶対許さねえサーヴァントでいいのがなかなか思いつかず、しかいギリシャはあれな逸話が多くて埋まりそうだが全部はいかんだろう……といった感じで頭をひねった結果、D×Dでは襲名性になっているヴァルキリーに着目し、八重垣的な展開で殺された、過去のブリュンヒルデ襲名者をつけるというハサン方式でこじつけました。……場合によってはファニーエンジェル辺でやってみようか。

 ですがいろいろと調べていた結果、ローゲという存在を知ることになり、ロキ相手にぶち込みやすいし決着前に顔だししやすいしということで、こっちになりました。来歴的に対神宝具を設定できたのも乙ですね。

 ちなみに狂騒曲とこの作品ではミザリのサーヴァントは大きく異なっていたり再設計しているのがほとんどだったりします。例えばホグニはバーサーカーで、普段は理性ありだけど宝具の発動で狂化と不死性を獲得する予定でしたし、セイバーのサーヴァントとしてデュランダルをひっさげたヘクトール、ライダーのサーヴァントとして桃太郎を英雄派のメンツメンタルでぶっこむなどやってました。また準候補として日本を恨むサーヴァントとして鬼蜘蛛の真名をもつサーヴァントを考えたことも。

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