好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
そして今回、ついに奴が来るぜぇ………!
和地Side
何とかグレモリー眷属と合流できそうになった時、俺たちは鮮血が舞うのを見た。
牙に食らいつかれ血を噴き血を吐くその人を見て、俺は咄嗟に叫んでしまう。
「……バラキエルさん!?」
バラキエルさんが、朱乃さんを庇ってフェンリスヴォルフレイダーの牙に食らいつかれた。
あれは下手すると致命傷だ。それも、すぐに治療しないと死ぬようなレベルの!?
「……てめぇえええええええええっ!!」
そこに空からイッセーが舞い降りて、拳でフェンリスヴォルフレイダーに殴り掛かる。
障壁がそれを受け止めるが、それでも僅かに揺らめいた。
なら、俺がそれを押し広げる。
『SAVE』
「離れろイッセー!」
『サルヴェイティングブラスト!』
放つサルヴェイティングブラストで、俺は更にフェンリスヴォルフレイダーをのけぞらせる。
それでも耐えるか。この―
「……いい加減に!」
「離れますのよぉ!」
『ボーイングブラストフィーバー!』
『フライングボライド!』
そこにヒマリとヒツギが同時に攻撃を叩き込んで、今度こそフェンリスヴォルフレイダーを吹っ飛ばした。
くそったれ! 幸香は近くにいるしフェンリルはヴァーリが連れて行くし、どうなってるんだ本当に!
「大丈夫ですか!」
アーシアが素早く駆け寄って治療するけど、大量の血が流れていることといい、このままだとまずい。
俺は幸香に向き直って警戒しながら、この状況を打開するすべを考える。
謎の変態軍団の所為で、プランTの発動にまだ時間がかかる。下手をするとリーネスが用意しているカズヒ姉さん絡みの切り札の方が早いだろう。
問題は、俺達がそれまでもつのかどうかといったところだよ。
禍の団が一気に流れを傾けているかと思ったら、ロキが思った以上に大暴れしているからな。
全体の流れは禍の団が掴んでいる。だが戦闘の中核を担っているのはロキだ。謎の変態集団は……そもそも前提となる知識すらなさそうなので、もう乱入してきた狂犬の群れとかそんな感じで終わらせよう。
だからこそ、プランT也リーネスの策也がそろそろ来てくれないと、こっちが終わるんだ。
さて、どうする?
そう俺が悩み出した時。
「……誰だ、お前は!?」
……イッセーが意味不明なことを言ってきた。
思わず俺達全員がイッセーを見るが、イッセーは何故か朱乃さんやバラキエルさんの方を凝視したままだ。
「いや、だから誰だよお前は!?」
何がだよお前は。
今誰も何も言ってないぞ。幻聴でも聞こえてるにしては、意識ははっきりしている風にしか見えないぞ。
真剣に言おう。……なんか嫌な予感がする。
「お、おっさん! いや、誰でもいい!!」
『この状況下で一体なんだ!?』
「私の胸がまた必要なの!?」
タンニーンさんとリアス部長が反応するが、イッセーはそこで何故か困惑が全開の疑問符を浮かべていた。
「乳神様って、どこの神話体系の神様だ!?」
『『『『『『『『『『………え?』』』』』』』』』』』
戦場の殆どすべての連中が、同じ声を上げたのは仕方ない。
『リアス嬢ぉおおおおおお! 回復をあいつにかけてやってくれぇえええええ! 致命傷だぁああああああ!』
龍王さまの判断が正解としか思えない。
「違うんだおっさん! 朱乃さんのおっぱいが、自分は乳神様の使いであるおっぱいの精霊とかなんだとか言ってるんだ!」
イッセーは本気でそんなことを言っているけど、いやホント待て。
「……日本には乳の出とか子宝とかが関わるそんな神様は確かにいた気がするけど、おっぱいの神様ではなかったような………?」
疑問符を浮かべる誰かの意見に、イッセーがなんか反応した。
「一切の不順なくおっぱいの神様だって言ってる! 名前はチムネ・パイオーツィだそうです!」
『『『『『『『『『『じゃあ知らねえよ!』』』』』』』』』』
ほぼ全員がシンクロした。これは仕方がない。
っていうか都度都度アーシアが回復しているけど、負傷はそんなになさそうだから……精神干渉?
いや、それにしたってかなり具体的だ。これ、もしかしてマジなんじゃ……?
『……涙が出るが本当だ。今までに感じたことのないオーラから言って、どうやら本当に異世界の神に接触を受けたようだ』
ドライグが絶望をにじませた声でそう補足するけど、やっぱりかぁ。
「まさか!?」
「ドライグまで!?」
「おのれフェンリル!」
あれ? 俺以外誰も信用してない?
あれ、俺もダメージが結構入ってたのか?
『うぉおおおおおん! 相棒の所為で、俺まで変なイメージがぁあああああ! 本当なのにぃいいいいいいい!』
ドライグの精神が致命傷になりそうだぞ!?
「……イッセー! 具体的にどんな異世界なのか聞いてくれ! 本当ならすらすらと答えてくれるはずだ!」
流石に可哀想なので俺がフォローを入れると、イッセーはちょっと上を見上げてから振り返った。
「乳神様が最高神の一角を務める精霊側と、機械生命体を率いる邪神達が戦っている世界だって! なんか邪神達は異世界を滅ぼしたりしてて、乳神様達が抵抗する側に力を貸したりしてるらしいぜ?」
具体的かつ簡潔な説明だ。
これ、ちょっと冗談抜きで本当なんじゃないか?
っていうか、別の意味で懸念事項が多すぎるんだが!?
「なんていうことだ!」
「敵
「いや、
流石にそろそろ真実と思っていいだろ。
ちょっと真剣に可哀想になってきたぞ。
俺はちょっと同情すらしそうなんだけど……。
『えっと、朱乃さんのおっぱいを解放すれば乳神の加護がイッセーに与えられるとか訳の分からないことを言ってます! あと最初の方ですが、イッセーの胸好きに感銘を受けたとかなんだとか言ってました!』
シャルロットもついにフォローを入れたよ。
『……なんてことだ。信じられんが、本当なのか』
「シャルロットが言うのなら、そうなのでしょうね」
さっきとは別の意味で、タンニーンさんとリアス部長が愕然としている。
シャルロットが言うなら信じるんだ。
ちょっとイッセーとドライグが可哀想じゃないか?
『うぉおおおおん! なんでシャルロットは信じて俺は信じられないんだぁああああ! 天龍がこんなことで虚言を言うわけないだろうがぁああああ!』
ドライグのメンタルがゴリゴリ削れてるな。加護が来たら発狂するんじゃないだろうか。
「俺の望む奇跡……? よ、よく分からんけど、俺だけが朱乃さんの本音を聞いても意味がない! せめて朱乃さんとバラキエルさんにも聞こえるようにしてくれ!」
あとイッセーが何を言っているのかがさっぱり分からない。
『なんでも朱乃さんの本音を乳語翻訳の力で聞くことで、乳神とやらの加護がイッセーに宿って、イッセーが望む奇跡が起こるそうです!』
シャルロット。もういい。
こんな訳の分からない展開を解説しなくていい。シャルロット自身も俺達も疲れるから。
と思ったら、今度は朱乃さんのおっぱいが輝いた。
……そして気づいたら、なんか朱乃さんが泣いているんですけど。
あとなんかイッセーのオーラが凄いことになっているんだけど。
「お、おっしゃぁあああ! 訳分らないけど、チャンス!」
何があったイッセー!?
とりあえず、加護が今の俺達に都合がいいことであることを祈る。
お前だとこの期に及んでおっぱい関係な可能性があるからな。加護を与える神がおっぱいの神様だと尚更だ。
『みょ、ミョルニルが使えます! 一度だけミョルニルレプリカが振るえるそうです! あと何故か加護の量が予定以上にブーストされているとか!!』
「……おっぱいの神様の力で? マジで?」
ヒツギがなんとか絞り出して声を出すけど、まあ気持ちは分かる。
これはもう訳が分からねえよ。
あとブーストって何が起きた?
……あ、下世話だけどシャルロット補正か。ぶっちゃけ史実に残るおっぱいだし。
「おぉおおおおお! これは勝ち目が見えましたのよぉおおおお!」
ヒマリはストレートにやる気を出せて言いな。ちょっと羨ましいぞ。
「……なんだこのオーラは。ここまで未知のオーラなら、確かに異世界の神格というのも信じられるが……今の赤龍帝は不思議で一杯だな!」
ロキも戸惑っているけど、どうやら納得しているらしい。
凄いな。慣れてないのに信じられるとか、一周回って尊敬すら覚えるぞ。
腐っても神は伊達ではなかった。こんなことで理解したくなかった。
そして状況は更にこっちに好転する。
転移の魔方陣が展開されたかと思うと、黒い炎が放たれて、敵部隊を拘束するように焼いていく。
その中心部には炎で出来た蛇のような龍が。
『おーい! 兵藤、どこだ―!』
ってその声は匙か!?
「匙!? ど、どうしたんだよその姿は!」
イッセーも困惑するけど気持ちは分かる。
いや、本当に何があった?
『
「「何やってんの堕天使!?」」
思わずイッセーとシンクロしてツッコミを入れてしまったよ。
『だがその出力、かつてのヴリトラに迫るな。正直に言って頼りになる増援だ』
『
ドライグが唸りシャルロットが苦笑いする中、一気に形成はこっちに傾いている。
「……ふむ。面白そうだしちょっと見物させてもらおう。海賊の準備をせよ!」
幸香はどうやら、余計な手出しをする気はないようだ。そこは安心。
気になるのは変態集団だが―
「……素晴らしい。やはり性託は真実だった」
―なんか感動の涙を流している。
『おぉ……! おっぱいの神が、それも異世界の神がいるなどとは!』
『真の神はその方の為にある。今こそ奉納をせねば!』
『任せて! 男どもは〇ンポを出しなさい! 奉納の〇イ〇リするわよ!』
「「「「「もちろん!」」」」」
『こうしてはおれん! 我らもレフ版を持て! 写真を撮るのだ!!』
兵器から巨乳の持ち主が服を脱ぎながら出てきたり、歩兵の巨乳が上着を投げ捨てたりしている。
……そっとしておこう。関わりたくない。
そして気づけば、ヴリトラの炎でロキは一瞬だが確実に動きを封じられていた。
「ぬぉおおおお! 龍王風情が……なめるなぁ!」
強引にロキは炎を吹き飛ばし、それに合わせるようにヨルムンガルドレイダーやフェンリスヴォルフレイダーが脱出する。
が、合流しようとするロキに、雷光が叩き付けられ一瞬動きを止められる。
朱乃さんとバラキエルさんが、渾身の一撃を叩き込んだのか。
そして、イッセーはロキの目の前に届く。
「喰らいやがれぇええええええ! 赤龍帝と乳神様のミョルニルレプリカだぁあああああああ!!!」
よっしゃぁあああ! 行けぇええええええええ!!!
と、いうわけで乳神が降臨するお話でした。なんというかもう一話丸ごと乳神主体でした。
原作でもそうでしたが、敵ゆえにイッセーの乳に慣れてないはずのロキが、一番乳神を信じていたわけですね。腐っても神ゆえに神に敏感だったとかそういうことなのでしょうかと深読みしたりしなかったり。
さぁ、これでロキを打倒した禍の団や変態どもと向き合うのか! それともロキが乗り越えるのか!
あと小ネタレベルですが、匙が普通に自我を保ったまま邪龍化してます。
これはマルガレーテという「まったく別の種別の神器を複数宿している」という実証データがあるからです。複数宿す経緯こそ異なってますが、ヴリトラの魂を宿しているという意味では仲間の神器を一緒くたに集めるのは、数を考えなければマルガレーテよりは易しいことにつながります。書いている途中で気付いたので、ちょっとだけ変えた感じですね。