好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
イッセーSide
な、な、なんだこりゃぁああああ!?
俺の目の前で、すごい勢いで戦闘が繰り広げられている。
っていうかドライグ!? あの目の前の赤い方、俺がライザーとの戦いでなった
『いや、確かにあれは俺達の通常禁手に似ているが違う物だ』
そ、そうなの?
『あれは確かに俺達を模しているがそこ止まり。正しい禁手に到達すれば、性能でも完成度でも圧倒できる。そもそもあの疑似禁手ですら完成度は上だぞ?』
そ、そうなのか。
ライザーはそんな俺と戦ったのか、すごいなオイ。
そう思うぐらい、目の前の戦いは激戦だった。
具体的に言うと、割って入れない。
「チィ! 此処で盛大に花火を上げるとか、正気の沙汰じゃないわね!!」
カズヒは真っ向から赤い方と戦ってる。
徐々に強くなっていく赤い魔獣に対して、カズヒは武器を切り替えて戦い方を変えることで対応してる。一対一であそこまで戦えるって、ライザーと一対一で戦っても勝てるんじゃないか!?
「防御効果を切らすなよ! 一気に押し切られるぞ!」
「分かってますの! 本気で戦いますもの!!」
九成とヒマリは二対一で、白い方と戦ってる。
両手にそれぞれ魔剣と聖剣を具現化して、連携で叩き込むことで相手に反撃をさせる隙を与えてない。
っていうか魔剣の方は木場の神器と同じ感じで、聖剣の方は部長が言っていた似たようなものってわけか?
『だろうな。神滅具でもない限り、神器は複数あってもおかしくない。白いのと縁があるようだし、奴の力に対抗する迎撃能力を持っていたんだろう』
マジかよドライグ。で、俺はどうやって手伝えばいい?
『……当分待っていた方がいいだろう。今の相棒が割って入るには、それこそ今度は右腕を代償に差し出す必要があるぞ』
……俺の左腕は、ドラゴンのそれになっている。
部長の元婚約者だった、ライザーを倒す為の切り札だった。ついでにそれだけでも勝てなかったけど、ドラゴン化したことで悪魔の腕じゃなくなったから、アーシアから借りた十字架や聖水も使ってなんとか勝った。
それだけのことをしないと手伝えないって、ちょっとシャレにならないだろ。
ああくそ! とりあえず、俺にできることをするしかないだろ、これは!
とりあえず、カズヒが助けた女の人のカバーだ! 他にやることがねえ!
「と、とりあえず大丈夫です……ですか!」
『なぜそこで言いよどむ、相棒』
素晴らしいおっぱいに意識が持っていかれたからだよ、相棒。
落ち着け俺! おっぱいおぱいがおぱいぱい……じゃない!
とりあえず、安全圏まで引っ張るぐらいはしないといけないだろ。
カズヒも九成もヒマリも、戦闘に手いっぱいでこっちに気を向けてるのが負担になってるっぽいからな。俺達がいったん離れた方が、まだやりやすいだろ。
だから、俺は急いでへたり込んでる女の人の方を担ぐと、そのまま後ろを気を付けながら避難する。
横乳がぁああああああ! 落ち着け、今鼻血が出たら出すぎて失血で倒れる! そしたらマズイ!
「と、とりあえず離れよう! ここは流石に危ないし―」
「いえ、大丈夫です。貴方こそ離れてください」
と、お姉さんがそう言い返した。
いやいや、体を持った感じだと、特に鍛えられてるって感じでもないぞ。
こんな体であんな激戦に巻き込まれたら、本当に危ないからね!?
「いいから! こんなところにいたら、お姉さんほんとに死にますよ!?」
いやほんと不味いってあの戦い。
三人とも周囲に被害が出ないように立ち回ってるけど、それでもちょっとかすめただけでコンクリートが吹っ飛んでる。人間が触れたら不味いって。
あんなの、一応悪魔の俺だって死ぬ。だからここから離れないと―
「私は一日程度で消えますし、それに既に死んでます」
―え?
そのお姉さんが言ったことに、俺はちょっとぽかんとした。
「サーヴァント……と言っても分からないでしょうが、私は過去生きてそして死んだ人間の残影……コピーと言ってもいいです。依り代となるマスターが死んでしまったので、特性上一日は持ちますが、それで終わりです」
お姉さんはそう言うと、俺を安心させるように微笑んだ。
「だから、私が消えてもあなたが気にすることはありません。すぐに逃げて―」
「―いやどうでもいいからそういうの!」
よく分からないけど、俺はとりあえずはっきり言う。
ああ、俺はサーヴァントとか言われても分からない。
なり立ての悪魔だし、結構馬鹿なところもある。だから、難しいことを言われてもよく分からないってのが本音だ。
だけど言えることは一つだけある。
ああ、決まってる―
「死ぬのは怖いに決まってる。一度目も二度目も関係ない! それに、そんな顔してる女の人を見捨てるような奴が、ハーレム王になれるわけがない!」
ああ、それだけ分かってれば十分だ。
だから、俺はお姉さんを離さない。
「だから、お姉さんを見捨てるとかしないんで、お姉さんも諦めないでください!!」
こんなところで女の人を、それも自分より俺のことを優先する人を見捨てたら、部長にもアーシアにも仲間達にも顔向けできない。ハーレム王になるなんて言えるもんか!
だから、俺は急いで走り出し―
『相棒、上だ!』
―ドライグの焦った声に、慌てて飛びのいた。
お姉さんも抱えて飛びのけるとか、俺も鍛えてるんだよなぁ。
そんなことを思ったのは、目の前の脅威が滅茶苦茶ヤバい奴だっていうことが分かったからだ。
色は何というか紫色。そんな明らかに悪者っぽいカラーリングで、今カズヒ達が戦ってる赤と白にそっくりな鎧が、こっちに襲い掛かってきてる。
しゃあねえ、やるしかねえよな!
「ドライグ! 右腕差し出すから、頼むぜ!!」
「――待ってください! 何をする気か分かりませんが、浅慮はいけません!」
その時、俺を庇うように前に出ながらお姉さんが俺を止める。
いつの間にか包丁を構えていたお姉さんは、敵をまっすぐに見据えながら声を上げた。
「死人が生者の足を引っ張るわけにはいきません! ここは私が食い止めますから、貴方は安全な場所に逃げてください! こんなことで代償を払わないで!!」
いやいや、できないからね!
「そんなわけいかないって! こんなところでお姉さんをほっとくわけないだろ!?」
ああ、それは聞けない相談だ。
っていうかさっきから、俺はそういうことしないししたらハーレム王になれないって言ってるのに!
それでも、お姉さんは食い下がるように大声を上げてきた。
「私は残影です。その私が、生きている人の足を引っ張るわけにはいきません。どちらかが死ぬというのなら、それは私が―」
「んなわけあるか!」
ああもう! なんでそんなめんどくさいこと言うかなぁ!
ああ、そんなことは関係ない。
助けることができず、アーシアを一度死なせた時を思い出す。
まだ死んだことが無い、リアス部長が一度泣いたことを思い出す。
そして、俺が一度死んだ時を思い出す。
ああ、そうだ……そうだろ!
「一度死んだとか、残影だとか、そんなことが関係あるか!! 死ぬのは怖いし嫌だし、目の前で死なれるのも、死ななくても泣くところを見るのもまっぴらごめんだ!!」
だから、溜まった倍化で体を強化して、俺は拳を握り締める。
「……ハーレム王になる男が、それを女の子に押し付けられるかってんだ! そうだろ、ドライグ!!」
『ハハハハハッ! 確かに、ドラゴンはもっと自由で我儘に行くべきだ。理屈より感情で動いてこそ、天龍の宿主に相応しい!!』
と、ドライグが答えてくれたその瞬間、相手が動き出す。
くそ! 禁手になってる余裕がないなら、とりあえず一発ぶん殴る。
あ、でもこれ一発くらいそ―
ボコッ
―うだと思った時、鎧の足元がいきなり崩れた。
そしてそのままバランスを崩して、頭から倒れこんで……。
「『あ』」
バキィッ!
なんて音が響いて、いいところにいい感じでいい勢いで、顔面に拳がめり込んで、吹っ飛ばした。
Other Side
その後、リアス・グレモリーに緊急連絡が届いた。
送ってきたのは、周囲を調べて敵を探っていた班からの連絡だ。
眷属である祐斗に、聖剣使いのイリナにゼノヴィア。そしてシトリー眷属からも匙元士郎が派遣されていた班。その中の匙元士郎からの連絡だ。
―聖剣使いであるフリード・セルゼン、及びバルパー・ガリレイと接触したが相手は逃亡。自分以外が激情に駆られて追撃してしまった、と。
さてさて、ついに登場シャルロット・コルデー。
以前の短編祭りで出してから、長編化を望まれたこともありました。なのでいくつかのエタり作品の統合もかねて、こうして登場させました。
其の連続短編祭りを知っている方ならこれで分かりますが、本作におけるイッセーはかなりの魔改造祭りになるでしょう。まあ細かい設定は書きながら即興で作る方針ですので、思い付き重視になります。