好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
取り合えず、パンデモニウム編及びライオンハート編を複合する章の題名は決定しました。
その名も「冥革動乱編」! 原作での英雄派が動いたりサイラオーグとの熱いバトルが発生する巻を扱う部分ですが、ここで冥革連合を動かそうと思っております。
同時に春菜とベルナも攻略する方向になります。この章ではあまり活躍できなかった和地ですが、とりあえずもう一つの派生フォームも大体の方向性が決まりましたので、激闘を繰り広げてもらい、主人公度を高める予定です。
Other Side
放たれる紫炎と斬撃を回避しつつ、クロードとピエールは四方八方から槍の攻撃を繰り返す。
それらの多くはかすり傷にとどまるが、アヴェンジャーは焦りを見せていた。
「なんでなんでなんでなんで……治せない!?」
その狼狽は単純で、しかしだからこそ当然だ。
幽世の聖杯は治癒という次元を超えた癒しを与える神滅具だ。強大すぎ魂にすら干渉するがゆえに悪影響もあるが、少なくとも恩恵を受ける者にとっては絶大だ。
神すら滅ぼしうる力の具現。神滅具という力に該当するのは、間違いなく伊達ではない。
だが、その力が大きく減衰している。
負傷を回復する速度が、目に見えて低下している。それこそただのかすり傷にすら、完全復元に十秒近い時間がかかっているのだ。
それだけの圧倒的な事象は、アヴェンジャーにとってあまりに運が悪かった。
確かに幽世の聖杯は神滅具だ。聖遺物の一角なだけあり、強大だ。
だが、聖遺物の神滅具がすべて敵に回っているこの状況下では相性が悪かった。
怨敵たるピエール・コーションが振るう、
その弟子クロード・デュ・リスが担う、最強の神滅具たる
更にあろうことか、自分が宿す幽世の聖杯までもが敵に回っている。
サーヴァントが四騎も揃っているという異例の事態故に起こりうるイレギュラーが、魔剣を会得しながらもアヴェンジャーを追い込み続ける。
ことサーヴァントは過去の再現である為、生前の死因に弱い。
生前のアヴェンジャーを殺した存在が、死の直接の要因である紫炎を振るう。あまりにも完成された死刑宣告と言ってもいい。
……だが、しかし。
「な……めるぁあああああっ!!」
彼女の全身から放たれる紫炎が、周囲の敵を尽く吹き飛ばす。
この状況下において、アヴェンジャーはまごうことなく強敵だった。
幸か不幸かピエールやクロードの手によって、ジャンヌ・ダルクの知名度は世界でも有数だ。
だからこそ、事実上の袋叩きでなお倒しきれていないと言ってもいい。
何故ならば、数の圧殺こそがピエールとクロードの本気と言ってもいい。
ピエール・コーションが至った紫炎祭主の磔台の禁手は、
逆にクロードは禁手にこそ至らなかったが、宝具によってそれをカバーする。偽ジャンヌの筆頭格である史実と、その多くが集団的な作戦で行われた事実の二重作用で発現する宝具、
この数の圧殺を、アヴェンジャーは強引に焼き尽くす。
そう、それこそがアヴェンジャーをこの期に及んでしのがせる、最期の切り札。
「聖女でありながら紫炎に焼き殺されたことに由来する、聖なるものを燃やす対神聖宝具……っ!」
クロードが歯噛みするのも当然だろう。
ジャンヌ・ダルクがアヴェンジャーの霊基で具現化する宝具。
聖処女とされながら聖なる紫炎で火刑に処されたことによる、聖なる力を焼き尽くす炎の具現化。
それを、ついにアヴェンジャーは全力で開放する。
「焼き尽くせ……
全身から放たれる、恩讐の紫炎が、固有結界全てを包み込まんと紫の花を咲かせる。
それを前に、クロードは鶴羽の体を守るべく庇う為に前に出ようとする。
だが、それより先にピエールは前進した。
「師匠!? その体は人の―」
「安心しろ。あれは私が死なずに相殺する」
その返答にクロードは腰を落とし踏み込む。
彼は必要あれば自他問わず人命を切り捨てられる、暗部に相応しい人物だ。
だが同時に、意味もなく人の命を犠牲にさせることは断じてない。非情になる時はあっても非道を当然とはしない。
だからこそ、クロードはピエールがなせると確信した。
「残念だな、ラ・ピュセル。お前がそれを持っているのは、なんでなのかを忘れたか!」
その瞬間、神聖を焼き尽くす炎は、全く同種の完全上位互換に相殺される。
「………なっ」
「これが我が第三宝具、
その驚愕と差し向けられた冥途の土産。
聖処女と称され聖遺物を宿す自分を焼いた炎。その再現を彼女が持っている以上、燃やしたピエールが同種の宝具を持つのは道理であった。
それを悟りながらも、クロードは一気に踏み込んだ。
呆気に取られるアヴェンジャーの顔を真っ直ぐに見て、そして宣言する。
「悪く思いなさい。
和地Side
急にカズヒ姉さんと鶴羽がロキとアヴェンジャーごと消えたけど、だからと言って敵が弱いわけじゃない。
戦術的価値ならフェンリル級とロキに言わしめたフェンリスヴォルフレイダー。
巨体と頑丈さにより防壁として優秀なうえ、攻撃力も上級悪魔異常なヨルムンガルドレイダーが多数。
更に補充されたエインヘリヤルマギアにヨトゥンヘイムマギア。この数に対応するのはやはり困難だ。
だが、それでも俺はやることがある。
「……インガ姉ちゃん、サポートよろしく!」
「分かってるけど! 分かってるけどこれ、
そう絶叫するインガ姉ちゃんだけど、こっちの意図を読んでカバーしてくれるからありがたい。
愛してます。後で必ず埋め合わせはしますんで!
そう心の中で決意しながら、俺はショットライザーの射撃と星辰光による援護防御をしながら屈み込む。
そして、空いた手でリヴァ先生の手をそっと握った。
「カズ……くん?」
焦燥しているけど、リヴァ先生は変身を試みようとしている。
変身して戦おうとしているんだ。先生は、まだ心で負けてない。
それでもやっぱり激痛でつらいのか、その眼には涙が浮かんでいる。
だから、有言を実行する。
「大丈夫だ。俺も手伝う」
それと同時に魔術回路を起動。質の問題であまり役に立たないだろうが、魔術的にリンクすることで負荷の影響を俺も喰らう。
うん、結構きついな。
魔術回路の質の問題で、背負える負荷は一割もない。だけどかなり激痛で、正直悶絶しかけてる。
だけど、リヴァ先生はこの何倍の痛みを、体の負荷込みで耐えているんだ。
なら、少しぐらいの痛みは我慢しないとな……っ
「カズくん!? ちょっと、痛いから離さないと―」
「リヴァ先生の何分の一か痛いだけだろ? それぐらいは支えるさ」
ああ、支えるに決まってるだろう。
今もリヴァ先生は頑張ってる。
命がけの戦いだからこその状況だ。
そして何より―
「支えてくれる人がいるってのは、少しでもつらいのを共有できるってのは、それだけでも力になれることがあるって知っているから……っ」
そして、それを実感させてくれた
だからこそ―
「命を懸けて誓いは果たす。その涙を、できなかったなんて嘆きで流させるものかよ!」
―ああ、だから。
Other Side
―頑張れ、カズヒ姉さん。
そんな声が聞こえた気になりながらも、カズヒは一歩前に踏み込んだ。
放たれる絶大な数の魔法攻撃に対し、カズヒは魔術攻撃でそれを受け流す。
同時に神器によって格納している武装を瞬時に呼び出し、もう一つの神器によって強化して撃ち放つ。
仮面ライダーとしての性能は大きく水をあけられているが、相手が悪神であることもあって
更に性能差と技量を十全に生かして包囲圧殺を図るロキの魔法攻撃に対しても、一小節で瞬時に100m近い距離を転移することで回避する。
奇跡と言っても過言ではない。
星辰光の総合的な性能でも、仮面ライダーとしての性能でも、生物としての性能でも、カズヒはロキに劣っている。
それを、固有結界による大幅な強化があってこそとはいえ単独で競り合うことに成功していた。
「……凄まじいな。貴殿が我らの勢力圏に生まれていたのならば、英雄として迎え入れられたことは間違いあるまい」
ロキは感嘆すら覚えている。それだけの偉業をカズヒは成していた。
だが、同時にそれは余裕の表れだった。
「だが残念だ。あと何分時間を稼ぐことができる?」
「……さて、あと何分かしらね」
その返答に、ロキは仮面越しに笑みすら浮かべた。
「余裕がないな。分単位だと言っているようなものだぞ?」
それゆえに、ロキは決して焦らない。
固有結界には大きな弱点がある。
それは世界の具現化と浸食を行う都合上、元に戻らないようにする為に多大な魔力消費が必要だという点だ。
魔術回路がどれだけ優秀だろうと、人間では数時間も持続することはまず不可能。それこそ分単位が基本なのだ。
そして何より、彼女の固有結界の性質がそれを悪化させている。
「自身の魔術回路を超強化するということは、それを最大限に生かす為には基本的により多くの魔力消費が必要になる。貴様の固有結界は、それゆえに極端な域の短期決戦以外に使用することができない欠陥品だ!」
そう、それこそがカズヒの固有結界が持つ最大の欠点。
魔術回路を超強化することでより複雑かつ大出力の魔術を行使できるとしても、その際に魔力を消費するという当たり前の代償が存在する。
魔術回路の質だけでなく量も超強化されているだろうが、それによって上昇する魔力生成量如きでは、固有結界の維持と本領発揮に必要なそれぞれの魔力量には全く追いついていないのだ。
固有結界を使う必要がある相手に対して、その短期決戦の極みは間違いなく致命的。よしんば大魔術の連発が必要ない相手がいようと、なら固有結界を使う必要がないので無駄撃ちになる。
極論、この固有結界は極めて繊細な魔術行使を彼女自身がする必要がない限り、数分程度の短期決戦しか使えないという、固有結界そのものとこの固有結界の性質のかみ合わせの悪さがあまりに目立っている。
星辰光の意味をなさなくする手練手管は見事だが、このレベルの強化なら星辰光がなくとも数分しのぐ程度は決して難しいことではない。
故にロキは、無理に勝とうという発想を持っていなかった。
―そして、カズヒはだからこそ内心でほくそ笑む。
固有結界の持続は、おそらくあと数十秒が限界だ。
だが、ここに至るまでの三分と少しは、大きな価値を持っている。
本当なら固有結界と同時に使用したかった、カズヒとリーネスの最後の手段。
本当ならもっと早く投入できるはずの、フロンズ達の最終手段であるプランT。
固有結界と共に叩き込めないことは一抹の不安だが、しかし本命までの繋ぎであっても価値は大きい。
その覚悟を決め、だからこそカズヒはそこまで時間を稼ごうとし―
―到着したわぁ、カズヒ―
―その念話に、勝負所を理解する。
だからこそ、この一瞬ですべてを出し切って勝利の布石を一つ置こう。
「全身全霊で喰らいなさい。これが貴方を倒す第一歩よ!」
そう吠えると共に、フォースライザーを素早く二度開閉する。
同時に宝石を大量に展開し、固有結界を利用して数十の大魔術を一斉に発動体制に持っていく。
それに呼応するように、ロキは素早くアスガルドライバーを操作した。
『Ragnarok』
下手に回避するより真っ向から迎撃する方が安全と判断したのだろう。油断なくダメージを減らすための魔法を展開していることもあり、決して警戒を緩めていないことは分かる。
だからこそ、この一撃は外さない。
自分が勝つ為ではない。皆の勝利に繋げる為に―
「真っ向から、叩き潰す」
「愚かな、返り討ちだな」
『ハウリングユートピア』
『ヴァナルガンドディストラクション』
と、どこもかしこもあわただしい状況でした。
鶴羽-というよりピエール-とクロードにより、アヴェンジャー撃破
対聖宝具なんて言う代物を持っていたことによってクロードを一回は退けたアヴェンジャーですが、その由来が由来なため、ピエールが同様のものを持っていたことから相殺されて撃破されました。
……実はここから派生形を思いつきまして、とりあえず設計を煮詰めようかと考え中です。
そしてロキが見抜いたカズヒの固有結界の欠点は「燃費の効率が最悪すぎる」という点。
固有結界は展開と維持にそもそも魔力を莫大に消耗するのですが、さらにカズヒの固有結界は「魔術回路を超強化=強大な魔術を自在に使える」なので、全力戦闘をする場合大魔術をポンポンぶっ放す必要から消費速度がさらにドカンと増えるわけです。
小規模な魔術にするならそもそも固有結界として効率が悪く、大魔術でやる場合は強化された魔術回路でもすぐに枯渇するという、ある種の鬼コンボです。
そのため固有結界の中でもとにかく短期決戦に特化した仕様となっており、本命の奥の手抜きで挑めば確実にロキにしのぎ切られるとはカズヒもわかっておりました。
……だからこそ、カズヒもちゃんと考えております。暗部はただの情だけでそんな簡単に博打を起こしたりしないのですよ。
そして今回は、もはやヒロイン的な動きになっている和地。
感想で指摘されたこちらも反省しまして、次の章では和地のバトル方面にも力を入れなおす予定です。