好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
最も、シリアスムードはそのままなのですがね。
Other Side
大切な眷属である木場祐斗が行方知らずになり、リアスの胃には多大な負担がかかってしまっていた。
加えて愛するイッセー達が、とんでもない情報を持ち帰ったことで、リアスは真剣に胃痛を感じている。
「……うどんは美味しいけど、特にこういう時にとても優しい食べ物だって初めて分かったわ」
「うどん美味しいわよねぇ。……ことが落ち着いたらクックスに頼んでみるべきねぇ」
そんなことをリーネスと言い合いながら、即座に視線を前に向ければ―
「………分かった、分かったわよ。全部白状しないといけない流れなんでしょう?」
―正座するカズヒが、そうはっきりと宣言した。
正座も堂に入っているが、発言も堂々としている。
怒られる側のそれではないが、まあそこはいいだろう。
共同戦線を張っているが、三大勢力が三つ巴の敵対関係なのだ。隠し事の一つや二つがあってもおかしなことではない。
だがしかし、リアスはこれに関しては詳らかにしないわけにはいかなかった。
件の博物館はリアスのお得意様が所属しており、お得意様でこそなかったが死人が出ている。
しかも死人は国際的にも多少は名の知れた男であり、必然的に後始末に苦労する状態だといってもいい。
しかも最悪なことに、その男を殺したのはカズヒと考えるほかない状況だった。というより、体内から発見された銃弾の線条痕が、カズヒが提出した拳銃のそれと同一だった。
隠すつもりもないということだろう。状況が隠しづらいとはいえ、納得できる理由をぜひ聞きたいとリアスは思っていた。
「単刀直入に聞くわ。何故殺したの?」
「まず簡潔にまとめるわ。彼が堕天使に手を貸していたからで、私の本命の任務はその確認と処断なのよ」
はっきりと、結論から述べたと言ってもいい。
そして事情についても隠す気はないのか、カズヒは真っ直ぐにリアスの目を見て続きを話し始める。
「あの男はフランスの教会で不正をしていた司祭に賄賂を渡して、三か月前から強引に今のフランス革命博覧会の準備を行っていたわ。不正追及の過程で金をもらって口利きしたと白状したことからそれが発覚したの」
「……だからって、殺す必要まであったというの? それも悪魔祓いのあなたが」
不正な金の流用ならば、警察が動く内容だろう。国際的なことを加味したとしても、態々教会の悪魔祓いを動かす必要性はないと思える。
しかし、リアスのその言葉にカズヒは首を横に振る。
「その過程で、聖杯戦争の触媒に使えることから厳重管理されていた物をすり替えて送られていたことも発覚したわ。しかも追跡調査の結果、ちょうどエクスカリバーを強奪した時期にコカビエルとの繋がりがあることまで発覚した。その為、この一件は場合によっては汚れ仕事になると上は判断したの」
「なるほどねぇ。あの二人には向いてないわぁ」
リーネスが納得する。そしてリアスもすぐに理解できた。
信徒として真っ直ぐであり、基本として「自分達=教会という正義」を前提にしている節がある彼女達だ。真っ直ぐかつ過激に行動しかねないし、仮にもエクスカリバーの使い手を汚れ仕事にするというのも、教会全体の意識に悪影響を及ぼすだろう。
そして、だからこそカズヒが押し込まれたのだとも分かる。正教会からの派遣というのも、二人が納得しやすいカバーストーリーの可能性もあるだろう。
そこに思い至ったことに気づいたのか、カズヒは少しだけ言い淀みながらも、すぐに腹をくくったらしい。
「正教会っていうのは表向きの所属。私の本来の所属は、教会暗部組織「プルガトリオ機関」のリマ部隊」
聞き慣れない言葉に、リアスとリーネスは首を傾げる。
プルガトリオとは煉獄を意味し、煉獄とは地獄に行くほどではないが天国に行くことはできない者が行く場所だ。教会の組織に冠するような名称ではない。
だがそれも織り込み済みなのだろう。カズヒはすぐに補足説明に入る為、口を開く。
「プルガトリオ機関は煉獄の名を冠す通り、「天の国に行けないグレーゾーン達」の居場所と言ってもいいわ。転生悪魔や堕天使といった者達と、事情を知って手を貸すことを決めている者達、あとは関係者として流れで入っているけど自分自身は信仰に生きているわけではない者とかね」
「……また、節操がないともいえるわね」
そう皮肉を返すが、それ以上に驚愕が勝る。
よもや教会に、暗部とはいえ転生悪魔の居場所があるとは思わなかった。
はぐれになった転生悪魔は数多くいるが、この様子では未発見のはぐれ悪魔の一割ぐらいは所属しているかもしれない。それに同様のパターンで、吸血鬼になった者達も関わるかもしれないだろう。
そして、そんなリアスの驚愕を知ってか知らずかカズヒは続けた。
「ただし、リマ部隊は例外。ダーティジョブ担当ゆえに「教義的グレーゾーンの存在」を配属しない。「ダーティジョブをするからグレーゾーン」者達だけの暗部の中の暗部。通称「辺獄騎士団」」
「辺獄……
リーネスのその言葉で、リアスもリマ部隊がそう呼ばれることを理解する。
辺獄、それは地獄に落ちるようなことはしていないが、天国に行く為の洗礼を受けてない者が流れ着くとされる死後世界。そしてリマはフォネティックコードでLの文字を担当する。
あやかりとしては納得物だ。おそらく、大規模暗部組織を作る過程で当初からそう設立されたのだろう。
思った以上に大規模な暗部組織があることに、リアスは内心で戦慄する。
そして、リーネスはそんなリアスに目を向けず、辛そうな目をカズヒに向ける。
「……背負いこみすぎよぉ。そこまで―」
「そこまで背負わなければ、私はまた腐るのよ」
リーネスの言葉を遮り、カズヒはそうはっきりと言った。
その光景に、リアスは違和感を覚える。
思えば、これまでの情報交換でもそうだ。リーネスとカズヒは何故か会話がスムーズに進んでいる印象がある。
まるで、二人の間でしか通じない何かがあるようだ。
だが、二人は初対面だったはずだ。それも敵対勢力である教会と神の子を見張る者なのだ。聖書の神も堕天使総督も、そんなことを見逃すのだろうか?
其の違和感を覚えながらも、リアスは思考を切り替える。
そう、問題はそこではない。
「……そして、確保の為に博物館に潜入したら先客がいたと」
「ええ。聖杯戦争に参加すると同時に、別件で恨まれていたそいつを殺す為に潜入していた女魔術回路持ち」
そう、聖杯戦争は既に始まっている。
リアスとリーネスが警戒していたように、コカビエルはこの駒王町で聖杯戦争を起こしていたのだ。しかもどうやら、既に殆どのサーヴァントが討ち取られていると思われる状況だ。
そしてその聖杯戦争を隠れ蓑に、女暗殺者は仕事を果たすべく行動を開始。しかし同じように潜入していたカズヒと鉢合わせ、更に男が護衛と共に更に出くわした。
乱戦の末、カズヒが男を殺すことには成功するが、女暗殺者は戦死。その後、カズヒは女暗殺者のサーヴァントを情報収集も兼ねて回収し、離脱を測ったところでイッセー達と合流した。
……そう、今サーヴァントが一騎いる。
単独行動というマスター無しでもある程度存続できるスキルを持っていた彼女は、ある意外な人物を依り代にしている。
カズヒはもちろん、リーネス達も和地やヒマリが魔術回路を持っていたそうだが、あえて彼女達にしなかった理由は単純。
魔力供給が少ない方が、現状味方と断言できない彼女を拘留する分には都合がいいという、現実的な判断だ。
「でもまさか、イッセーに魔術回路があったなんて」
下級悪魔の子供よりも少ない魔力量のイッセーに、魔術回路という魔力精製機関があるという事実に、リアスは少し苦笑いを浮かべるしかなかった。
「……じゃあ、私達は和地達と合流するわぁ」
「そうね。流石に貴方は待機してもらわないと困るけど、私達はゼノヴィア達を探さないと」
「そうね。本当は私も探しに行きたいけど、領地を放って行くわけにもいかないもの」
そして、三人はやるべきことをやる為に動き出す。
イッセーSide
リアス部長、遅いなぁ。
木場が行方不明になって大変なのは分かるけど、リーネス達が「この状況で主が離れるのはまずいから自分達で探す」と言ってたから、戻ってくるとは思うけどさぁ。
「木場さん、大丈夫でしょうか」
「木場がそう簡単にやられるとは思わない。だから大丈夫だよ」
アーシアにそう答えるけど、俺もちょっと不安だ。
イリナや聖剣が写ってた写真を見てから、木場はいつもと調子が違うからなぁ。
いや、仲間を信じなくてどうするんだ。
木場は必ず生きて戻ってくる。その為にも俺が頑張らないとな。
さて、そして。
俺達は俺の部屋に入ると、中にいた人に声をかける。
「……シャルロットさんだっけ? 待たせてすいません」
「あ、お飲み物をお持ちしました」
俺達の声に、女性が振り返る。
……おっぱいが素敵すぎる。部長や朱乃さんよりもサイズだけなら上回ってるだろ、これ。
「あ、気を使わせてすいません」
しかもにっこりと微笑んだその笑顔は本当に素敵だ。見惚れそう。
俺、部長の眷属になってから美少女や美女を至近距離で見ることが多くなったなぁ。
そんな感じでほっこりしていると、女性がゆっくり優雅に一礼する。
「この度は、本当にありがとうございます。このシャルロット・コルデー、この現界の間だけの記憶ではありますが、忘れることはないでしょう」
……ほんと、びっくりだよなぁ。
この人が既に死んでて、しかもサーヴァントっていう部長達が目を剥くような存在だっていうんだから。
『全くだ。何度か歴代の宿主が聖杯戦争に関わったことはあったが、それが原因で死んだ奴もいる。逆に参戦者になっちまったのは、相棒が初めてだぞ』
そうなのか、ドライグ。
……確かに、今俺はマスターってのになってるんだよなぁ。
理由が「万が一も考えて、魔力が少ないイッセーにマスター権を預けるのが最適」ってのが泣けるけど。
魔術回路って、悪魔でなくても魔力が生み出せる例外なんだろ? なんでそんなの持ってるのに、俺は魔力が悪魔の子供より低いんだよ。
俺がちょっと黄昏てると、アーシアとシャルロットさんが少し気づかわし気に俺を覗き込んでた。
「イッセーさん? 先ほどから黙って、どうしたんですか?」
「大丈夫ですか? あの、私の現界を支えていることで負担でも―」
「あ、大丈夫大丈夫。ただ、ちょっと自分の才能のなさに涙が出てきて……」
いや、シャルロットさんは負担が少ないから大丈夫なんだけどね?
それはそれとして、やっぱりちょっとショックだなぁ。
『まあ、歴代でもトップクラスの才能のなさではあるな』
ドライグ、傷口に塩を刷り込まないで
「大丈夫です。イッセーさんはダメな人じゃないです。私もシャルロットさんも助けてくれたじゃないですか」
「そうですよ。むしろ才能がなくてもそれだけのことができる、それこそ讃えられるべきことではないですか」
アーシアもシャルロットさんも、俺を慰めてくれる。
うん、でも才能がないことは認めるんだね、シャルロットさん。
ただ、シャルロットさんは俺を励ましているうちに、更になんか凹んできた。
な、なんだ、この幸薄そうなオーラというか、落ち込みムードは。
「……ええ。それに比べて私は、マスターを守れなかったどころか、世界に戦争を引き起こす片棒を担いだも同然で………」
「シャルロットさん。わ、悪いのはシャルロットさんではないですよ!」
アーシアが励ますけど、シャルロットさんは静かに首を横に振った。
「いえ。生前の失敗を結果的に繰り返そうとしていたんです。……恥じるべきですし、恥じるしかないです」
シャ、シャルロットさん?
なんだ? なんだこの幸薄そうなオーラは!?
マスターになったことで、俺はシャルロットさんのステータスが分かる。
マスターによってある程度分かり方が変わっていて、でもある程度の目安として、E~Aで特例としてEXとかがあるらしい。
シャルロット、幸運は評価規格外って感じなんだけど?
「あの、むしろ幸運が高すぎるぐらいに見えるんだけど? ほら、実際前のマスターが殺されたけど、俺がマスターになって何とか無事だし」
「いえ、既に死んだ自分がどうなるかより、マスターの命を守ってこそのはずなんですから……」
シャルロットさんはそう言って首を横に振って、そしてなんかうつむいて肩を震わせる。
ど、どうすればいい? シャルロット・コルデーって人のことはさっぱり分からないから、どうしたらいいんかわからねぇ!?
「……シャルロット・コルデーという女は、愚か者としか言いようがありません」
シャルロットさんは、そう言い始める。
そこから聞いたのは、シャルロット・コルデーという女性が何故英霊として名を記されたかの話だった。
フランス革命で、革命を起こした民衆は恐怖政治を敷いていた。少なくとも、シャルロットさんはそう思った。
それに憤ったシャルロットさんは、その時の革命側のリーダーの暗殺を決意。その足でパリに行って包丁を買って、そして堂々の乗り込んで暗殺に成功する。
やるべきことをやったと胸を張れたシャルロットさんは、処刑されるその時も堂々として、これで恐怖政治は終わると、少なくはなると思って死んだ。
……だけど、事実は全く逆だった。
とっくの昔に主導権を奪われていた人だったから、恐怖政治は止まらなかった。むしろその所為で熱が入り、それどころかロベスピエールという次のリーダーはそれを逆に利用して燃え上がらせた。
その結果、フランス革命では大量の処刑が蔓延った。
「……私が聖杯に願いたかったのは、「今度こそ間違えない人生を」です」
そう言いながら、シャルロットさんは泣いていた。
「……私の愚かさの所為で死んだ者への鎮魂でもなく、間違いをやり直したいでもなく、私は利己的な理由で聖杯戦争に参加することを選びました」
震える手に、水滴が落ちるのが見えた。
「そのくせ、どのような理由であれそれに手を貸してくれたマスターを……。本来なら、既に死んでいる私が先に死ぬべきなのに……」
……何だろうな。
俺、ここ数か月女の子の涙を何度も見てるよ。
アーシアは泣いた。そして、一度死んだ。
部長も泣いた。そのあとなんとかできたけど、本当ならそうなる前に何とかするべきだった。
そして、今俺の目の前でシャルロットさんまで泣いて………いや。
「……シャルロット!」
違うよな、それは。
泣いてるなら、せめて俺が何とかしてやらないと。
何度も何度も泣かせっぱなしなんて嫌だ。女の子を泣かせっぱなしなんて、ハーレム王として論外だしな。
だから、まずはマスターらしくしてみよう。
「シャルロットは俺を助けようとしてくれた。あったばかりの俺を、自分より優先してくれた優しい女の人だ」
うん。そこは間違いないよな。
「シャルロットはもう死んだのかもしれないけど、今サーヴァントとして生きてる。俺も一度死んでから悪魔になったし、お互い様だろ?」
ああ、そうだ。
俺もシャルロットも、一度死んでるけど此処にいるんだ。そこは何も間違ってない。
だから―
「お互い「一度死んでるんだから」で遠慮しないってことで行こうぜ? それと一つだけ約束する」
俺は、マスターとしてこれだけは絶対にやって見せる。
「シャルロットが俺を助けようとしてくれたことは、絶対に間違いじゃない。俺がそれだけは間違いにさせない。そこだけは、絶対に約束する」
シャルロットの願いが間違えない人生なら、シャルロットが俺を助けようとしたことは絶対に間違いにしちゃ駄目だ。
一生懸命頑張って、上級悪魔に昇格して、むしろ最上級悪魔にだってなってやる。ハーレム王にはもちろんなるし、女の子を泣かせたりしない。あと、コカビエルはぶったおすし、聖杯戦争も優勝してシャルロットに願いをかなえさせる。
全部やる程度出来なけりゃ、ハーレム王なんてなれやしない。
「だから、シャルロットも俺が間違えないように手伝ってくれよ。そうすりゃ、シャルロットもそこだけは絶対に間違いじゃないんだからさ?」
「………マスター」
お、女の子が頬を赤らめてるのはめっちゃ可愛い! 涙目なのが最高だ。
くっそぅ! これが主って立場になる約得か!
あ、でも……。
「それとさ、マスターって呼ばれるの恥ずかしいから、名前で呼んでくれよ。みんなからはイッセーて呼ばれてるからさ?」
ちょっと気恥しいからそこは頼むと、シャルロットはクスリとほほ笑みながら、涙をぬぐった。
いやほんとかわいい。胸もいちいち揺れるしほんとにかわいい。
落ち着け俺! シャルロットは俺のサーヴァントなんだ、勘違いしたらいけない! これはきっと、相棒に対する感謝とかそんな感じなんだから!
と思ってたら頬が痛い!
あ、アーシアちゃんどうしたの!? お兄ちゃん的な人がとられると思ってるの!?
「イッセーさん、そういうところは治した方がいいと思います! 部長さんのようにおっぱいが大きくないとダメなんですか!?」
「ま、まってくれアーシア! おっぱいが大きいのはいいことだけど、シャルロットのおっぱいが大きいから俺はマスターになるわけじゃないんだ!!」
俺が涙目のアーシアに謝ってると、シャルロットは思わず噴き出した。
「……プッ! もう、格好いいことを言ってくれたんですから、できればもうちょっとそのままでいてくださいよ、
………うん。
ま、これぐらいはできないとハーレム王にはなれないよな?
「あ、ああ。じゃあ、とりあえずこれからも―」
そう思ったその時だった。
『――イッセー、アーシア! 念話越しで悪いけれど、緊急事態よ!』
なんか、コカビエルがこの町を丸ごと吹き飛ばすとか、宣戦布告してきたとか言ってきた。
しかもボロボロのイリナを手土産とか言ってきたんだけど!?
木場、お前大丈夫だよな!?
と、いうわけでイッセーがシャルロット・コルデーにフラグを立てる話及び、カズヒについての諸事情説明です。
プルガトリオ機関は自分の作品でよく使う設定ですが、あえて各部隊については作らずその時々で作る方向です。そして今回、カズヒの―厳密には元ネタの大幅変更-設定を煮詰めるにあたって、一つ追加いたしました。
シャルロット周りにおいては特に変更なし。そしてイッセーが盛大にフラグを断てておいたことで、魔改造の準備段階にすでに到達しました。
さて、もう少しで主人公である和地のマジ戦闘も見れますので、その辺お待ちくださいな。