好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 感想・高評価・推薦が大好物なグレン×グレンでっす!






 まぁ、今回はあんまり原作と変わらない話になりますね。


冥革動乱編 第二話 サイラオーグ・バアルという男

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「インガさん? これ差し入れだけど……何やってるの?」

 

「あ、鶴羽。……何って、家の壁の掃除」

 

「メイドがやる業務じゃないと思うんだけど、メリード厳しすぎない?」

 

「あの人が一番やってるし、この家の人達は家事を自主的にやるから、仕事をもぎ取るのも中々大変で」

 

「メイドがいるところで家事を自主的にやる、普通? ……ま、休憩時間に他のメイドさん達とこれ食べて」

 

「あ、ありがとう……あの、生卵まで入ってるんだけど?」

 

「あ、ごめん。そっちはカズヒとヒマリとヒツギとリーネス用。あの四人、卵かけご飯が大好きだから」

 

「……あの四人、日本歴そんなに長いの?」

 

「長いっていうか……うん。色々あるのよ」

 

「へ~。……っと、そろそろ手を動かし直さないとメリードさんに説教されちゃう」

 

「あっとごめんね。……で、和地達って今日は遠出だっけ?」

 

「うん。グレモリーの本城に行くんだってさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は今、凄い物を見ている。

 

「凄い、目の前で見るとこれほどとは……っ」

 

 隣の木場が息をのむのもよく分かる。それほどまでの凄まじさに、俺も内心でちょっと気圧されてる。

 

「なるほどな。流石は北欧の悪神ロキを打倒しただけのことはある。今まで交わした拳の中でも指折りの一撃だったぞ」

 

 そう称賛の声を挙げるは、元七十二柱の大王バアル家が次期頭首、サイラオーグ・バアル。

 

 そしてそんな男に称賛される拳を出したのは、俺達オカ研の主力。今代の赤龍帝、兵藤一誠。

 

 ロスヴァイセさんの紹介も兼ね、俺達オカ研は冥界のグレモリー領にまた来訪していた。

 

 そんでもって顔見世も終わったところ、たまたまサーゼクスさんが帰ってきていたので更に顔見世に。

 

 そしたらサイラオーグさんも来ていたのだが、そこでサーゼクスさんが「そういえばイッセーに興味があったね」といった感じで話しており、そこから手合わせという形になった。

 

 ……まぁ、通常禁手で殴られても平然とし、更に掠めただけで鎧にひびを入れたりしているわけだが。

 

 そこで戦車の駒に昇格して、漸く互角といったところだ。

 

 女王の駒で全体を強化するより、分かり易い戦車の駒に一点特化。そういう対応法を考えていたらしい。

 

 で、そこまでやって漸く互角。この人どんだけだよ。

 

 指揮系統の問題から、この人が対ロキ戦に直接関与できなかったのが残念過ぎる。絶対もっと楽に勝ってた。

 

 たぶんだけど、ヴァーリとやりあっても覇を使われない限り勝てるんじゃないか? 俺達で一対一で勝てるのって、たぶん変身したリヴァ先生ぐらいだろう。

 

 そんな感じでちらりとリヴァ先生を見ると、リヴァ先生も目を補足して真剣に見据えていた。

 

「……アースガルズとしては、彼ほどの戦士はやはり気になりますね」

 

「ええ全く。それに、彼はまだ本気を出してないわね」

 

 ロスヴァイセさんに頷きながらのリヴァ先生の言葉に、誰もが面食らった。

 

「……冗談だよな、リヴァ先生」

 

 俺が代表して聞くけど、リヴァ先生は静かに首を横に振る。

 

「ホントホント。両手両足に魔法がかけられてるけど、あれは強化じゃなくて抑制の類ね。たぶんだけど、一種の養成ギプスとかそんなノリじゃないかな?」

 

「きょ、巨人の〇ですのね!?」

 

 ヒマリ、何それ?

 

 割と全員が首を傾げてると、ヒツギがため息をついた。

 

「昔の野球漫画じゃんか。なんでヒマリが知ってるのさ?」

 

 お前も何で知ってるんだよ。

 

 内心のツッコミがシンクロした気がするが、まあそれはどうでもいい。

 

 イッセーも本腰を入れるのならシャルロットとの一心同体が前提だし、そういう意味ではいいバランスではあるんだろう。

 

 だけど、この調子だとどっちが勝つのやら。

 

 正直ちょっと期待するけど、そんなとき―

 

「イッセーさん、おっぱいです!」

 

 ―アーシアがすごいこと言ってきたな。

 

 思わずみんなが注目する中、シャルロットが額に手を当ててため息をついた。

 

「アーシアさん? この状況下でそういうのは―」

 

「こんな時だからこそです! 今迄みたいにおおおおっぱいを触れば、イッセーさんは勝ちます!」

 

 シャルロットの言葉を遮って、アーシアはそう断言した。

 

 それに対して、カズヒ姉さんはハリセンをいつの間にか取り出していた。

 

「馬鹿なことを言わないの。いろんな意味で空気を読んでちょうだい?」

 

 警告目的で素振りをしているけど、嵐の夜かというレベルで轟音が鳴り響いているんだけど。ハリセンでのその速度なら人の骨を折れそうだぞ・

 

 そんな警告を通り越して恫喝なハリセンを前にしても、アーシアは引かなかった。

 

「いやです! イッセーさんが負けるところなんて見たくありません! 勝ってほしいんです!」

 

 涙目でそういうけど、これ絶対ハリセンの恐怖じゃなくて負けるところを見たくないからだろう。

 

 健気な子だ。健気だけれども。

 

 そんな真剣な表情で、しかも手合わせでおっぱい使われる人の気持ちになろう?

 

「あ……すいやせん。なんか先輩が変なことを」

 

 アニルがそう謝るけど、しかしその隣のゼノヴィアは手を打った。

 

「いや、おっぱいドラゴンのイッセーは胸を触ってこそだ。部長、今こそスイッチ姫の力を見せるときだ!」

 

「ゼノヴィア先輩? あの、手合わせでそこまでする必要はないかと……」

 

 ルーシアが止めようとするけど、もはや事態は転がり落ちる大災害のごとし。

 

「そうですぅうううう! イッセー先輩ならおっぱいがあれば勝てますぅ!」

 

「確かに! エロこそイッセー君の力の源ね!」

 

「私のでもよろしいですのよ!」

 

 ギャスパーまで声を張り上げ、イリナが太鼓判を押し、ヒマリが自分から胸を張る。

 

「……プッ! ちょっとこれ……ふふ……ツボに……くふっ!」

 

「本当におっぱいで? アースガルズにはない文化ですね……」

 

 慣れてないリヴァ先生とロスヴァイセさんも、それぞれ笑いだしたり感心したり。

 

 カズヒ姉さんとシャルロットは頭痛をこらえてうつむく中、朱乃さんとヒツギの視線が部長に向けられた。

 

「あらあら。どうしまするの、リアス?」

 

「あ~……部長、ガツンを行った方がいいかと」

 

 からかい半分の友達モードな朱乃さんに、常識的な意見を提案するヒツギ。

 

 その間に挟まれる形で、リアス部長は顔が真っ赤だ。

 

 まぁ、サイラオーグさんは部長の母方のはとこらしいからな。乳房見せるとかおっぱい揉ませるとかを見せるのは抵抗があるだろうな、うん。

 

「……そういう話は聞いていたが、本当にリアスの胸でパワーアップするのか?」

 

「え、えっと……」

 

 サイラオーグさんの質問に、イッセーは思わずどもる。

 

 一度スイッチが入れば突っ走るけど、イッセーってなんだかんだで常識はしっかりあるからな。さすがにこの空気だと戸惑うわな。

 

 だが、小猫がしっかりと頷いていた。

 

「……残酷な現実です」

 

 いやまぁ、そうなんだけど。

 

 こういう時、立ち位置的に参加していない鶴羽やインガ姉ちゃんがうらやましくなる。

 

 っていうか、俺はどうしろってんだ?

 

 部長がガチ泣きしそうなら張り倒しに行くけど、そうでないならまじで逃げたい。

 

 もう部長顔真っ赤。覚悟決めるのは逃げるのかブちぎれるのか。どれなのか俺はちょっと怖い。

 

 まあ、切れたり逃げたりしたらカズヒ姉さんとシャルロットによるお説教タイムだろう。確実にそうなる。

 

「木場。いざとなったら俺たちも説教側に回ろう」

 

「あはは……」

 

 遠い目をするな木場。俺はマジで言ってるからな?

 

「……ふ、ふはははははははははっ!!!」

 

 と、サイラオーグさんもツボにはまったのか豪快に笑った。

 

 少しの間相していると、サイラオーグさんは構えを解く。

 

 戦意も消えているし、これは手合わせは終了だろうか。

 

「乳龍帝というだけのことはある。……だが本当にそうされると、ここで全部を味わってしまうだろう。それは少しもったいないな」

 

 そう言いながら、サイラオーグさんはイッセーを真っ直ぐに見つめ、手を出した。

 

「この続きは、試合にするとしよう」

 

「……は、はい…っ!」

 

 イッセーと握手をしあうと、サイラオーグさんは上着を拾って軽く羽織る。

 

「俺達もお前達も、譲れない願いや夢があるだろう。上役や観客が観戦する試合の場でそれをぶつけ合うわけだ。その日まで更に研ぎ澄ませて末から、お前達も鍛え上げてぶつかってこい。全力のお前達と戦うことを楽しみにしているぞ」

 

 そんな男らしいという感じの言葉と表情で、サイラオーグさんは観戦していたサーゼクスさんに一礼すると、手合わせの場を去って行った。

 

「……でもまぁ、あのイッセー君を相手に封印をかけたまま戦うなんてね」

 

「そう、それがサイラオーグ・バアルだよ」

 

 感心していたリヴァ先生に同意しながら、サーゼクス様は目を細める。

 

「非才を血反吐を吐くような鍛錬で補い、バアル家次期当主の座を掴み取ったのが彼だ。彼が率いる第四義勇師団は多くの戦果を挙げ、軽い手合わせですら自慢の魔力を破壊されて心を折られた上級悪魔は数多い。彼がレーティングゲームの本格参戦すれば、すぐにタイトルの一つや二つは取ることだろう」

 

「……そんなに……」

 

 イッセーはそう言いながら、サイラオーグさんが去って行った方を見つめる。

 

 そんなイッセーに、サーゼクスさんは問いかけるような目つきだった。

 

「君達の壁は、とても分厚く高いということだ」

 

「……それでも。俺はやります。ライザーの時も会長の時も、ゲームじゃ負けっぱなしですから」

 

 そういえば、イッセーは二回のレーティングゲームでリタイアしてたんだったな。

 

 特にシトリーとの一件では、盛大に嵌めてを食らってリタイアだったしな。

 

 乳語翻訳(パイリンガル)などという技で注目集めまくったけど、思うところはあるんだろう。禁手に目覚めて注目喰らってたところに、言っちゃ悪いが完全下位互換の匙に時間差で相打ちに持ち込まれたわけだしな。俺なら凹む。

 

 そんな強い決意を込めた目で、イッセーはサイラオーグさんが去って行った方向を見据える。

 

 挑戦者のその姿に、リアス部長達は熱っぽい視線を向けていた。

 

 まあ、今の姿は男の俺から見てくるものがある。こういうところはいい男なんだよなぁ。

 

「……そういえば、リーネスくんはどこかね? オカ研のメンバーがほぼ揃っているのに、彼女がいないのはちょっと違和感を覚えるんだが」

 

 と、サーゼクスさんがそう首を傾げる。

 

 まあ確かに、リーネスだけがいないわけだからな。気にはなるんだろう。

 

 リアス部長はそれにはっとなると、少し苦笑を浮かべていた。

 

「彼女はアザゼルと一緒に神の子を見張る者(グリゴリ)の研究施設です。なんでも急ピッチで開発したいものがあるそうでして」

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何とか、近日中には量産体制に持って行けそうですねぇ」

 

「まったくだ。禍の団とやりあって以来、あいつらに大きく水をあけられていたからなぁ」

 

「そこにあの変態集団までもが、ですからねぇ」

 

「しかも大王派も別ベクトルで開発してたからな。いい加減俺達も本腰を入れねえとよ」

 

「ええ、神器関連の研究は神の子を見張る者(グリゴリ)のアドバンテージ。いい加減に反撃を入れないといけませんからねぇ」

 

「そのうえプロジェクトリスタートもだ。手が空いてる時ぐらいは参加しねえと、部下に示しがつかねえってもんだ」

 

「ええ。それにぃ……私も後方支援だけっていうわけにはいきませんからぁ」

 

「……そうだな。それで、処置の予後はどうだ?」

 

「とりあえず落ち着いてます。まぁ、データは揃ってますから大丈夫ですよぉ」

 

「だが、俺達がやるのは初めてだ。何かあったら遠慮なく言えよな?」

 

「ふふふ、了解でぇす。……本当に、我が儘を聞いてくださって感謝しますよぉ、総督ぅ」

 

「ま、その分期待には応えてくれよ、リーネス」

 




 神の子を見張る者の反撃が、京都で始まる(かもしれない)!

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