好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 予約投稿で連投している、感想・高評価・推薦が大好きなグレン×グレンでっす!

 そんなわけで前夜編の後半となっております! できれば前編と後編でそれぞれ感想が来てほしいなぁと願いながら予約投稿済みです!


冥革動乱編 第四話 修学旅行前夜(後編)

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでそれで? カズヒはどこに行きたいと思ってますの?」

 

「そうね。清水寺とか金閣寺銀閣寺とか、やっぱりまずはメジャー所を抑えたいと思ってるわ。班全体でそんな感じね」

 

 ヒマリにそう応えながら、カズヒは少し苦笑いを浮かべていた。

 

「その通り! アーシアさんやゼノヴィア、そしてカズヒに日本の良さを知ってもらいたいもの。まずは変化球じゃなくてストレートにね!」

 

「……いや、イリナも大概日本から離れてるよね? そんなに日本に詳しかったっけ?」

 

 胸を張るイリナにヒツギのツッコミが飛ぶが、もう何が何やらと言ったところだ。

 

 風呂を終えて少し涼んだら寝ようと思っていたら、ヒマリに見つかって引っ張られてこれだ。

 

 いわゆるパジャマパーティなのだが、どこから突っ込んだらいい物か。

 

「ふっふっふ。そして夜は子作りだ。修学旅行の夜が急進展というから、その勢いでイッセーとの関係に差を作らせてもらうぞ! なぁ、アーシア!」

 

「は、はぅうう~。その、リアスお姉さまを差し置いてだなんて、いいのでしょうか……?」

 

 そしてゼノヴィアは暴走超特急であり、アーシアが目を回しかけている。

 

 想像だけでそうなる辺り、純粋すぎるのか意外とスケベなのか判断に困る。というより、毎日朝にキスをして起こしているらしいアーシアは、ある意味それ以上なきもしないでもない。

 

 あとこの場のメンツは殆どが教会関係者である。もう少し清楚な方向性にするべきではなかろうか。それともだからこそのぶっちゃけトークで発散するということなのだろうか。

 

「ちょっとゼノヴィア! エッチなのはいけないわ! 信徒としてもっと純潔を尊びなさい!」

 

「っていうかそれ、フィクションの話じゃん? 本当にやったら反省文確実だと思うけど。現実と物語の区別はつけよ?」

 

「何を言うか! お約束は大事だろう? むしろイリナとヒツギも混ざるといい。信仰心もあるのだから四人仲良くといこう!」

 

 などと話がヒートアップしているが、張り倒した方がいいのだろう。

 

「ヒツギがするなら私もですの! 仲間外れは嫌ですのよぉ!」

 

「ちょぉ!? 参加確定!? 私参加確定!?」

 

 そろそろ止めた方がいいだろう。ことヒツギにダメージが入りすぎている。

 

 ため息を押し殺しながら、カズヒは切り込みを覚悟する。

 

「仮にも信徒が6P勧誘はやめなさい。ロマンチックやムードを大事にするのはいいけれど、奇をてらいすぎるのもあれでしょうに」

 

「む? ならカズヒもどうだ? イッセーはお勧めだぞ」

 

 とんでもない切り返しだが、カズヒには通用しない。

 

 というより、ゼノヴィアと自分以外の表情がぎょっとなって緊張感すら生まれたことといい、これはあれだ。

 

 ……イッセーの奴、何時の間にフラグを立てたんだろうか。

 

 気づかぬうちにフラグを建立するフラグメーカーぶりに戦慄すら覚えながら、カズヒはスパッと切り裂くことにする。

 

「和地に悪いからパス。あとイッセー相手にした場合、松田と元浜がショックで死にそうだから尚更アウト」

 

「……妙なところで義理堅いね、君も。九成に義理立てするならそもそも松田と元浜相手にあんな啖呵を切ることないだろう?」

 

 そう素早い反論がなされるが、自分には通用しない。

 

「和地ほどの男なら、私よりいい女はいくらでもいそうだけどね。鶴羽にしてもインガにしてもリヴァにしても、私より幸せにしてくれそうな気がするわ」

 

 そこに関してははっきり言えると言ってもいい。

 

「そりゃまあ想われて思うところはあるけれど、私はこの生き方を曲げる気はないの。誰かが背負うしかない必要悪を背負うことで、尊ばれるべき正義を守護する。それを投げ捨ててまで幸せを求めたいと思わないのよ、私は……ってヒマリっ!?」

 

 不意打ち気味に抱き着かれて胸に押し付けられ、更に頭まで撫でてくる。

 

 そんなヒマリは困り顔で笑いながら、しかしカズヒを離さない。

 

「も~。カズヒってば頑固ですのね~」

 

 そんな風に顔を胸に埋められるが、強引に抜け出す気にはならない。

 

「そんなに自分を犠牲にしなくてもいいですのよ? 私達オカ研の仲間に、少しぐらいは頼っていいですの!」

 

 そうはっきりと言ってくるヒマリに、カズヒ以外の全員が頷いた。

 

 ……それにどうしても抵抗感を覚えてしまう自分自身に、カズヒは嫌悪と納得を感じてしまう。

 

 彼女達なら、きっとカズヒの全てを知ったとしても向き合ってくれるだろう。

 

 拒絶するにしても否定するにしても肯定するにしても、少なくとも命を預け合った仲間として、真っ直ぐ向き合ってくれるとは確信している。

 

 だが、それでも抵抗を覚えてしまう。

 

 それだけの事情だと自覚しているし、()()()()()()()関しては尚更だ。

 

 だから、カズヒは小さなため息でそれを隠す。

 

「はいはい。暗部としての筋を曲げない範囲で頼るわよ……その時はヒツギや皆もよろしくね?」

 

 そう、そこに嘘はない。

 

 カズヒ・シチャースチエは仮にも教会に属しており、そしてダーティジョブ専門の暗部ゆえに一線はひいている。

 

 だからこそ、暗部としての筋を通す以上の嘘を言うことはしない。

 

 そう、だからこそカズヒ・シチャースチエはその一線だけは譲らない。

 

 カズヒ・シチャースチエの罪を、彼女達のような綺麗な子によりかけさせるわけには―

 

「……カズヒ」

 

 ―思考で生まれた隙を知らずについて、ヒツギがこちらに顔を近づけていた。

 

 その表情が()()()()()()()()()()

 

「……大丈夫? なんか急に泣きそうになったけど?」

 

 思った以上に顔に出ていたらしい。

 

 カズヒは小さく一呼吸を置いて、それを呑み込む。

 

「……ごめんなさい。()()()()()()()()()()の顔が急に浮かんだわ」

 

 嘘をつかない範囲で、それを素直に答えることでそれとなくこぼす。

 

 これなら深入りされる可能性は少ないし、踏み込まれても拒絶する余地はあるだろう。

 

 幸か不幸か、自分は小さい頃からゲリラをやっているうえにダーティジョブ担当でもある。そんな過去がいくらでもあってもおかしくない来歴だ。

 

 だから大丈夫。……まだ、話せる精神状態でもないのだから。

 

「そうですか? その、何かあったらいつでも言ってください。主を信じる者として一緒にミサを開きましょう?」

 

 アーシアの気遣いに微笑で返すが、その表情をヒツギは覗き込むように見つめる。

 

 どうしたらいいのか躊躇するが、ヒツギはあえて踏み込まないことを選んだようだ。

 

「ま、いっか。……でもさ、忘れないでよ?」

 

「そうですよの~?」

 

 そんな風に、視線と感触でヒマリとヒツギから挟み撃ちにされ、カズヒはどうしたものかと思ってしまう。

 

 正義()味方で悪の敵な自分としては、相手が筋違いな真似をしていると思えない限りは強く踏み込むのがどうにも苦手だ。特にヒマリは天然善良系なので、実はあしらい難いタイプでもある。ヒツギも一見すると正反対のようでいて実は純朴よりなので、これまた意外と困る。

 

 そんな、かつての()()に似た側面をそれぞれ持つ二人に、カズヒはどうしても躊躇する。

 

 それを気づいているのかいないのか、二人は挟み撃ちではっきりと断言する。

 

「私はカズヒの友達で仲間ですもの。カズヒが理不尽に巻き込まれるなんて認めませんもの」

 

「そういうこと。仲間で友達なんだから、少しは支えさせてよね?」

 

 その言葉に、素直に頷きたい自分と頷けられない自分がいて。

 

「……そうね、考えておくわ」

 

 そう、誤魔化すことしかできない自分に嘆息した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだよセラフォルー。こんな夜更けに急な連絡って」

 

『ごめんねアザゼルちゃん。ちょっとソーナちゃん達に気を使ってほしいのよん』

 

「修学旅行の件か? ちょうどその頃、そっちも京都で会合があるって聞いちゃいるけどよぉ」

 

『それがねぇ。日本政府からちょっと不安なことを言われちゃって』

 

「なんだよ。一体何が起きたってんだ?」

 

『それが、星辰奏者(エスペラント)が行ってると思われる謎の犯罪が多発してて、赤龍帝ちゃんが心配なのよん』

 

「なんでイッセーがピンポイントで不安なんだよ。何があった?」

 

『……その、呆れないで聞いてね?』

 

「あ? 一体何をどうすりゃ―」

 

『修学旅行中の男子生徒や女子生徒がほぼ同時に、視界をハックされてお風呂に入っている異性の盗撮映像を流されたって事件が起きたのよん』

 

「………あの変態集団が関わってる気しかしないんだが」

 

『あ、それと公安に黄色人差別主義テロ組織の幹部が京都に密入国したっていう匿名のタレコミがメールで入ってたのよん。念の為にそっちもね?』

 

「普通はそっちが優先しそうなんだが。ま、あの変態集団ならどう考えても戦闘能力はあっちの勝ちだろうしなぁ……頭痛いぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「バーニン-」

 

「-グッ!」

 

「……相変わらず見ていて暑苦しいのぉ、その鍛冶風景。それでよいのかブレイ?」

 

「構わないさ。こいつの炎は役に立つしな」

 

「おぉ頭領! 今日も野望に燃え上ってるかぁ! 俺はもちろんバーニングッ!」

 

「もちろんじゃ。まあそれはそれとして、曹操達の方に人員を少し派遣したいのじゃが、志願する奴はオルカ?」

 

「俺はパスだ。カミナキの問題点や改善点が見えたからな。当分はそっちに集中したい」

 

「なるほどのぉ。曹操達が集めた奴からエンキドゥ候補を見繕う為、アーネがベルナと一緒に行くのじゃが、本隊の本格的活動故、もう少し人を送りたかったのじゃが―」

 

「だったら俺に任せなぁ! 京都には一度行きたいって気持ちがくすぶってたんだ! 燃え上がらせるぜ!」

 

「おぉ、行ってくれるのか。……で、目的は?」

 

「神社仏閣燃やしまくりツアーだ! 手当たり次第に十件は燃やしてくるぜ!」

 

「それはやめろ。本隊の作戦を妨害する気か」

 

「まったくじゃ。妖怪どもだけでも厄介なのじゃから、神まで敵に回すな」

 

「え~? 木造建築を燃やす方法や時限発火装置も準備万端なんだけどよぉ? 俺の炎をボヤにすんなよぉ?」

 

「……異能を直接使わないなら、三つぐらいは陽動になるんじゃないか? 例の連中も行くんだろう?」

 

「なるほど、ブレイの意見も一理あるな。……よし、その辺にしておくのだぞ?」

 

「せめて五軒!」

 

「ダメじゃ。……まあ安心せよ、その代わりといってはなんじゃが―」

 

 

 

 

 

 

 

 

「―運が良ければ、須弥山の仏を燃やせるかもしれぬぞ?」

 

「うっひょぉおおおお! 俺のやる気にイグニッション! 燃やしてぇえええええやるぜぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、火力が上がりすぎだからもう少し下げてくれ」

 

「あ、悪い」

 

「しまらぬのぉ」




 はーい、そんな感じで不穏度急上昇なお話でした。





 特に後継私掠船団の新キャラですが、こいつ(いろんな意味で)めちゃくちゃなやつです。

 後継私掠船団はあやかる英雄が一癖も二癖もある選出にしておりますが、こいつはある意味でブレイやアーネをはるかに上回る奴を選んでおります。
 そして戦闘スタイルやキャラもまた、癖が強すぎるインパクト重視。ふっふっふ。リゼヴィムとは異なる意味で青リスキルが高いこ奴に、果たしてムカつかずにいられるかなぁ?

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