好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 そんなわけで、京都に出発する段階にまでは漕ぎづけれましたです、はい!


冥革動乱編 第五話 では、京都に行こう!

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで修学旅行も出発時間となりました。

 

 ここ最近は半月に一度レベルで窮地に陥っているから、本当に楽しんで心の洗濯をしたいとは思っている。本心から思っている。

 

 だけど、不安を覚えるのはなんでだろう。

 

 いや、どうも学校のイベントごとに合わさる形でトラブルに巻き込まれていることが多いからだろう。プール開きに続く流れ辺りで駒王会談もあったし、夏季休暇中に襲撃受けるし、体育祭とほぼ被るレベルで旧魔王派との決戦に巻き込まれたわけだ。思えばコカビエルによるエクスカリバー強奪事件も、駒王学園高等部の球技大会と被ってたしな。

 

 だがまあ、連鎖的に来るだけだから修学旅行が台無しになることはないだろう。帰った直後に何かありそうだけど、たぶん修学旅行自体は大丈夫だろう。

 

 うん、気分を切り替えるとするか。

 

 そんな感じで荷物を持ち直した時、リーネスがこっちに近づいてきた。

 

「なんだよリーネス。クラスが違うから車両も違うだろ?」

 

「ゴメンねぇ。念の為に渡しておく物を渡しておこうかと思うのよぉ」

 

 そう言うと、リーネスは俺にプログライズキーを渡してきた。

 

 ……新型のプログライズキー。しかもこの柄は……っ!

 

「……もしかして、試作テストした奴の……か?」

 

「そう、アレな結果だったから後回しにしたやつよぉ」

 

 またピーキーな物を。

 

 俺だってできれば使いたくない類の方向性だったんだけど。

 

 まあ仕方ないことはある。リーネスが言いたいことも分かる。

 

「最近の敵のインフレ具合だと、こういう手段も必要ってことか」

 

「そういうことよぉ。私は基本的にデスクワーカーだから、用意できるものは用意しておかないとって思ったのよぉ」

 

 確かになぁ。

 

 これはできれば使いたくない。本当に使いたくない。

 

 だけど―

 

「選べる手段がないのと手段を選んで勝つのとは、全然違うよな」

 

「そういうことぉ。私も頑張ってもっといいのを開発するからぁ、和地はできる手段で最善を掴み取って」

 

 そう言って微笑みながら、リーネスはそっと俺の手を握る。

 

 それはまるで、祈るような雰囲気だった。

 

「カズヒをしっかり支えてあげてね、和地」

 

「……ここ最近、基本としてカズヒ姉さんには助けてもらってばかりだけどな……」

 

 言ってて悲しくなってきた。

 

 惚れた女にフォローされてばっかりというのも、男としてちょっと沽券がその、なぁ。

 

 俺はマジで泣きたくなってきた。なんで楽しい楽しい修学旅行で、こんな悲しい気持ちにならないといけないんだ。幸先悪いぞホント。

 

 ただ、リーネスは本当に真剣な瞳で俺を見つめていた。

 

「大丈夫ぅ。支えるっていうのは、物理的な意味だけじゃないものぉ」

 

 その言葉は、なんていうか実感が籠っていた。

 

「カズヒが貴方の体を支えるのなら、貴方はカズヒの心を支えて? 素直にしたって、恥じないよう頑張っていることが、カズヒの心を支えているから」

 

 言いたいことは分かるし、俺もそこはしたいと思っている。

 

 嘆きの涙を笑顔で流す。涙の意味を変えることは、何も物理的に限らない。むしろ心こそ、支えて守らなければいけないものだと分かっている。

 

 それを実践してきたから。少なくとも、実践しようと努めてきたから。俺はインガ姉ちゃんやリヴァ先生に認められたのだと思いたい。

 

 ただ、カズヒ姉さんの場合はなぁ。

 

「ぶっちゃけ、リーネスや鶴羽の方が支えになってると思うけどなぁ」

 

 ツーカーの仲だしなぁ。

 

 正直、同性の友人と異性の仲間とでは、やはり距離感が違うしなぁ。

 

 むしろ二人こそが支えていると思っているんだけど、反論は後ろから来た。

 

「そういうわけにもいかないのよ」

 

 そんな感じでしなだれかかるは鶴羽だった。

 

「何時の間に?」

 

「ちょっとトイレ行ってたから。……ぶっちゃけてさ、カズヒの心を支えるのは、私達だと限界があるから」

 

 なんか凄い実感が籠っている響きだ。

 

 リーネスも真剣な表情で頷いてるし。

 

「和地にはまだ話せてないけど、私やリーネスだとどうしてもカバーできないところがあるの。特に私は……限界がある」

 

 そんな真剣な、後悔しているとしか言えない表情で、鶴羽は俺を真っ直ぐ見つめる。

 

「和地でも難しいところはあるけど、少なくとも私達じゃできないところをあなたは支えられる。……それでもできないところがあるからこそ、私達は和地に頼るしかない」

 

 そんな、本当に最後に縋るような眼で、鶴羽ははっきりと告げた。

 

「瞼の裏に誓った和地が、それを形にしようと藻掻いて、それがカズヒの救いになるの」

 

「だから、カズヒに恥じない貴方でいてね? それだけは、私達じゃできないからぁ」

 

 その言葉と表情の意味を、俺はまだ理解できない。

 

 人には隠したいことはあるし、親しい仲にも礼儀がある。

 

 だからこそ踏み込めないところがきっとあるんだろうけど―

 

「……分かった」

 

 ―だからこそ、改めて誓う。

 

「瞼の裏の笑顔に誓って、俺は涙の意味を変えて見せる」

 

 そう、それは絶対裏切らない。

 

 命を懸ける価値があると、ずっと心が信じているから。

 

 あの女性の笑顔に、そして思い起こさせるカズヒ姉さんに。そしてもちろん二人にも。

 

「カズヒ姉さんの涙の意味を、きっと変えて見せるから」

 

 その言葉に、二人はほっとした笑みを浮かべていた。

 

 ……カズヒ姉さんもなんだけど、なんだこの年長者に見守られる子供のような気分は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなしんみりした雰囲気なことがあったってのに……さぁ?

 

「松田、お前本当に病気だよ。イッセーもだけど性欲旺盛すぎだぞ? 精神科医とか脳外科にかかれ」

 

「畜生! 今回ばかりは何の反論もできやしねぇ!?」

 

 絶望の表情で崩れ落ちる松田に、俺は流石に同情した。

 

 さっきの言葉も罵倒とかじゃない。本気で心配になっているから出てきた、友人に対する労りの言葉だと胸を張れる。

 

 ちょっとイッセーが今後の成長の為に神器の中に意識を潜らせている間にだ。ついでに俺がちょっとトイレに行っている間にだ。そんな僅か数分の間にだ。

 

 松田の奴、元浜の胸に顔を埋めていた。

 

 野郎の悪ふざけというわけじゃない。松田は記憶が飛んでいるし、そもそもイッセー達は女好きのスケベが病的なレベルゆえに、男相手のそういうのは大っ嫌いだ。

 

 本気の嫌がらせにホモ同人のネタにさせるだけのことはある。ガチでホモ的な扱いにされるのを嫌がるし、どうあがいても男とホモいことをする精神性を持ち合わせていない。

 

 そんな奴が正気を失って男の胸にだいぶとか、ちょっと冗談抜きでやばいと言っていい。

 

 そんなに女湯を覗きたいのか? おいおい、ここ数日は女子は集団でお風呂に入るんだぞ?

 

 ……気づいた瞬間に床や天井を突き破って女湯に突っ込みそうで怖い。何かの拍子に変な覚醒をしてそうで怖い。

 

「……仕方がない。別のクラスのリーネス(友人)に相談して、ホテルのテレビのエロチャンネルを何とかできないか相談してやる」

 

「そこまで心配されるのかよ!?」

 

 うるさいよ松田。

 

 エロビデオを勝手に見て軽犯罪で補導されるのと、暴走して覗きで捕まって心神喪失で無罪判決喰らうまで裁判するのとではどっちがいいかなんて分かり切ってる。

 

 やられる側も心が傷つくがやった側もトラウマだろう。これは流石にガスを抜かせないと、まじで起きそうで怖い。

 

 あとで先生方にも相談しておこう。アザゼル先生に相談すれば、それとなくお目こぼしを引き出せるはずだ。

 

「松田の奴、そこまで女体に飢えてるなんて……」

 

「まぁ、兵藤も毎週毎週あれだもんね。その同類なら……」

 

「最近は覗きもやめて毎度パシってたけど、努力に免じて金と引き換えにビキニでも着てやるべきかしら?」

 

「金額は一万円未満にしておいてやるか……」

 

 ………星辰奏者の五感が察知した女子の会話は聞かないでおいておこう。

 

 松田達が知ったら本気でバイトに励みそうだ。というよりイッセーの性欲に由来する、我慢の拒絶反応に慣れすぎて判断基準がおかしくなってる。

 

 っていうかカズヒ姉さんどこだよ? こういう時こそ出番だろ。俺としては複雑だけど、ここまで追い込まれているならガス抜きは必要だろ。

 

 ……いや、本当にどこだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃そのカズヒは―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「精神が追い詰められるほど我慢し続けている以上、旅先ではしゃぐことで思考が変な方向に向かいかねないので、松田と元浜に添い寝をしてやりたいのですがいいでしょうか?」

 

「気持ちは分かるが自己犠牲精神が酷過ぎないかね? いや、気持ちは分かるが?」

 

「先生、性欲というものは人の精神を堕落し腐らせる麻薬になりえるんです。気づけば人間の精神は腐るなり堕落して、見る影がなくなることもある以上、段階を踏んでコントロールをする為にも、相手の性欲と状態に応じた処方は必須です」

 

「君は性犯罪者や被害者専門のカウンセラーか何かですか? いえ、私達も旅先で我慢の限界による暴走なんて避けたいですけど……そのですね―」

 

「その油断が暴発の元なんです! 生存必須の睡眠欲や食欲に、死のリスクなしに三大欲求として並び立つ性欲は油断できません! うっかりセックスが上手な連中に引っかかった結果、跡形もなく醜く歪み果てる奴は、ごろごろいるんですよ!?」

 

「シチャースチエ君。落ちついて? ここは新幹線だから、変態三人衆(彼ら)に慣れてない人もごろごろいるのよ?」

 

「誰かアザゼル先生を呼んで来い! いや、エグリゴリ(リーネスの便宜上ファミリーネーム)か南空でもいい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―自己犠牲精神を全力で開放し、松田と元浜の暴走を防ごうとしていた。

 




 まあ今回はこの辺で。ちょい短いですがご容赦を。

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