好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
そんなわけで京都初日の夜となります。
和地Side
アザゼル先生達に一通りの報告をしてから、俺達は一旦ホテルに戻って休んでいた。
晩御飯に舌鼓を討ち、自分達の部屋で少しくつろいでいるけど、正直気分は思いな。
春っちとベルナ。禍の団の別の派閥に属する二人が、またしても二人して活動していた。
しかも英雄派が主体で動いて冥革連合が協力している計画がある。それもこの京都における異形側の要人を誘拐してだ。
いろんな意味であれなんだが、先生からはリアス部長に連絡することを禁じられている。
まあ、俺達は今回修学旅行できているだけだからな。まずは現地のメンバーが対応するのが基本だとは思うから、その判断で口止めされると断りづらい。
断りづらいけど……どうしたものか。
そしてもう一つどうしたものかといいますと―
「大浴場大浴場大浴場九成大浴場大浴場大浴場食べ足りないから大浴場大浴場お菓子大浴場食べていいか大浴場大浴場大浴場な?」
「イッセー。お前、疲れてるんだ」
虚ろな目で大浴場と連呼しながら合間に俺と会話する、絶対自覚症状がないイッセーの姿に、俺は本気で涙が浮かんできた。
ここまで性欲が豊富だと、もう人生に支障があるだろう。新種の精神疾患とかそんな感じなんじゃないか?
「今度、病院に行こうな? きっと新しい症例ということで、感謝すらされるはずだ」
「酷くねえか大浴場! 女湯いっぱい何が女湯病院に行く必要女湯女湯大浴場!」
「そういうところだよ!」
どんだけ見たいんだお前は!
その時だ。俺のスマートフォンに、リーネスから大容量データが入ったメールが送られる。
確認すると「イッセーに見せてあげてぇ。追伸:先生から特例で許可をもらったわぁ」と書かれていた。
あ、エロビデオだ。
「イッセー。とりあえずこれでガスを抜け。会話はそれからだ」
「女湯女湯大浴場!?」
既に人語が変換されている!?
―すったもんだでその三十分ぐらいの映像を見て、イッセーは正気を取り戻した。
「……悪い。修学旅行に覗きをしないのは礼儀がなってないとすら思ったから」
「お前本当に医者に言って薬を処方してもらえ」
ここまでくると戦慄すら覚えるんだけど。
ただイッセーは自覚がないらしく、不満げな表情だ。
「そんな性欲過剰が病気になるのかよ?」
「ないとは言い切れないぞ? 医学の世界は「事実は小説より奇なり」なんて言葉が通用するからな」
実際あってもおかしくない。
そうだな、なんか具体例を挙げた方が……あ。
そういえばこのエロ動画、女優が双子で温泉旅館だったな。
ならこれがいいか。
「例えばバニシングツインってのがあるんだが」
「何それ? 必殺技?」
そう聞きたくなるイッセーの気持ちは分かる。
ただこれ、そんなカッコいいとかいうもんじゃないんだよなぁ。
「双子の妊娠初期に起こる特殊な症例でな。片方の胎児だけが死亡した際、母体の子宮に吸収されて消えたり、もう片方の胎児に宿ることが起きるそうなんだ。それがバニシングツインらしい」
「……まじか、そんなのあるんだ」
あるらしいな。
「あとは食べた炭水化物で体がお酒を造ってしまう病気もあるらしい」
「何それ!?」
まじであるらしいんだよ。
「あとエロい話だと、体が勝手に(pi-)する病気があるらしい」
「…………」
当事者は真剣に困っているそうだから、鼻血を流すのはやめような?
そんな感じの話をしていたら、コンコンとノックされた。
なんだなんだ?
『イッセー君と和地君はいますか? アザゼル先生が呼んでいます、生徒会の人達と一緒に来てほしいそうです』
「「……っ」」
どうやら、状況の説明はしてもらえるようだなっと。
そんなこんなで連れていかれた料亭で、俺達はセラフォルーさんに迎えいられた。
「……やっほーみんな! とりあえず話も長くなるから、ちょっと食べてからにしましょうね」
そんな感じで京料理を食べてから、本題に突入。
「……で、だ。イッセーに妖怪が襲撃をかけて、和地とエンカウントした禍の団が介入してきた件だが、割と面倒なことになっているらしい」
「本当なら、私が仲介する形で
ところが急にトラブルが起きたらしく、京都の妖怪側と連絡が上手くいってないという。
イッセーが言うには誘拐とかなんだとか言っていたらしいので、それはつまり―
「禍の団の英雄派が、規模こそ小さいとはいえ一勢力のトップを拉致監禁ってわけ!?」
「兵藤、お前どんなトラブルに巻き込まれてるんだよ!?」
鶴羽と匙が面食らうけど、そんなこと言われてもって話だよなぁ。
「イッセーもイッセーで大変だけど、和地くんも大丈夫?」
「確かに。カズ君の幼馴染に、あと気になる女の子まで関わってるんだっけ?」
インガ姉ちゃんとリヴァ先生の気づかわし気な視線は、正直ちょっとありがたい。
全くだよ。英雄派のベルナはともかく、冥革連合の盟主ヴィール・アガレス・サタンの眷属な春っちまでだ。
俺の精神面もそうだけど、それ以上に―
「冥革連合は禍の団と同盟結んでいるとは聞いてますけど、あいつらまで他の勢力に積極的に喧嘩を売ってるってことですよね?」
「気になりますね。彼らはあくまで禍の団と同盟を結んでいるだけで、傘下として活動しているわけではないはずですが……」
俺のボヤキに対して、シャルロットが怪訝な表情で考え込んでいる。
でもあいつら、頭のねじが外れてるからなぁ。疑問はあるけど、俺達が考えて分かるのか?
皆もその辺は気になっているのか、空気の重い沈黙が辺りを包み込んだ。
……が、そこで先生が両手をパンと鳴らして俺達の視線を集める。
「一応言っとくが、これはあくまで情報共有だ。余程の事態になるようなら協力を求めるが、当分お前達は修学旅行に集中しとけ」
え、そうなのか?
俺達は戸惑うけど、そんな時にリヴァ先生は日本酒を一口飲んでから、おちょこを勢いよく机に置いた。
その音で俺達を注目させてから、リヴァ先生は不敵に微笑む。
「学生は学業が本分で、修学旅行は学を修める旅行だもの。段取りや下準備が終わるまでぐらい、大人に全部投げておいていいの。……でしょ?」
その言葉に、先生もビールが入ったグラスを掲げてそれに応じる。
「そういうこった。若いうちぐらい大人に甘えとけ。大人にも仕事させてくれよな?」
まぁ確かに。俺達一応学生だしな。
大人の仕事を奪ってまで動く必要はない。それは正論だ。
だけど……。
「―先生。一つ確認が」
そこで、カズヒ姉さんが片手を上げる。
先生がそっちに視線を向けると、カズヒ姉さんは真っ直ぐに視線を合わせる。
「英雄派はどちらにせよ、私達を敵としてみなしています。そして駒王学園の修学旅行が何時来るかは調べることは可能ですし、分かったうえでことに出た可能性がある。……なら、どちらにせよ私達を巻き込んでくるのでは?」
「……そうなのよねぇん」
と、セラフォルーさんが同意した。
まあ確かに、その可能性はあるな。
ってことは……。
「戦力としては普通に選択しとして考えていてください。どうせ仕掛けられるのなら、最初から戦うことを前提にしていた方がまだ気分よく旅行ができますから」
……そう言いながら、ちらりと俺に視線を向けていた。
というか、殆どのメンツが俺に視線を向けているんだが。
………うん。
「その、気遣い感謝します」
なんか恥ずかしい!
「……ま、その辺が落としどころかねぇ」
先生も苦笑しながら、俺達を見回して声を張り上げる。
「お前ら! どうせ奴さん達はろくでもないことをしてるんだろうから、巻き込まれたならぶっ飛ばせ! 俺が許す!」
『『『『『『『『『『はい、先生!』』』』』』』』』』
Other Side
「曹操、少しいいだろうか?」
「やあヴィール。何かな?」
「あの赤龍帝及び、
「ああ。彼らが京都に来る可能性は高かったからね。ちょうどいいからゲストとして呼びたいところだよ。……
「いや、今の冥界政府の未来を担う者達について、近い距離で見定める機会が来たことは都合がいい」
「へぇ? 転生悪魔な期待の新星とか、嫌ってそうな印象だけど?」
「別に他種族の転生悪魔そのものを全否定するつもりはない。問題は、本来の悪魔に対する優先順位だ」
「なるほどね。まぁ、俺達も特例は認めてるし、そういう言い分は理解するよ」
「問答無用で論外なら、そもそもクラウディーネ達を眷属になどせんさ。だからまぁ、奴らがどれだけの力量を持つかは気になってはいる」
「同感だね。いくつもの追加要素があったとはいえ、シャルバ達三人を同時に相手にする羽目になって返り討ちにしたんだ。油断できる相手ではないし、興味がわく上にそそる相手でもある」
「だから実験のついてにちょっかいをかけると。……慢心していないか?」
「そのつもりはないさ。特に赤龍帝の兵藤一誠は、下手な嵌め手では逆手にとられかねない気がするんだ」
「……というと?」
「消耗を加速させる神器や禁手でばてさせるという提案がされたけど、すぐにでも禁手を解除して倍化のカウント短縮に使われる……とかかな? 何より、彼は想定外の成長を遂げ過ぎているしね」
「確かにな。異世界及び、その最高神が一角の乳神は耳を疑った。そちらのサブリーダーも寝込んだのではないか?」
「それがむしろテンションを上げているよ。異世界進出ができないか真剣に考えている節があるね」
「……チャレンジ精神が旺盛で結構なことだ。……まぁいいが、あとどれぐらいで準備はできる?」
「明後日の夜には実験開始だよ。赤龍帝達もその時はまだいるし、いい夜になりそうだよ」
「是非成功してもらいたいものだ。龍神を打倒することができれば、世界の未来も明るくなるというものだろう」
「むしろ混沌の闇に閉ざされるんじゃないかい? まぁ、俺達英雄派としても龍神を打倒してみたいというのが本音だけどね」
「個人的には、いずれの前置き付きで必ず打倒すべき存在だ。その一点において全面的に協力したいと思っているからこそ、
「正気の沙汰とは思えないね。赤龍神帝グレートレッドは、世界のバランスを支えているから、冥界にとっても益があるだろう?」
「いや、この世界全ての可能性を閉ざす害獣だよ。龍神は打倒できる存在に貶めねばならないと、俺は常々思っていたからな」
伏線をしっかり張っておかないと説得力がないよなぁという話でもあります。
まぁ、どれがどの伏線かは伏線ゆえに内緒で……ね?