好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
Riliさんにそれとなく創作掲示板を薦めてみたら本当に薦めてくれて感謝しております。何かしらのお礼をしたいがわいろじみたマーケティングになるから、涙を呑んで我慢します。済まぬRiliさん……っ。
しかし自分の作品は多重クロス系列だったのか。多重クロスとなるとスパロボ並みに十作品とかぐらいいると思ってたけど、後で多重クロスタグをつけるべきだろうか……? ロボット兵器がたくさんの種類で出るから、スパロボもどきのタグにしたかったけど、タグつけきれたっけ……?
また神様転生者としては史上類を見ない始まり方をしていたのか。自分でもひねった発想だとは思うけど、そこまで珍しいとは思わなかったぞ……。
これで少しはPVや高評価・感想が増えてくれるといいなぁ……。
あと、活動報告を久々に更新しました。思いついたD×D作品のネタ的なものです。
自分の性格上、禍の団編が終わるまでは書かないですし、そこまで書いたらモチベーションが切れるかもしれないので、もし興味があるなら使ってもいいですよ?
和地Side
「うらめシャベッ!?」
「人にちょっかいをかけるなら、張り倒される覚悟を持ってから仕掛けることね」
いきなり提灯から口と目が生えてきたと思ったら、パチンコ玉を叩き込まれて悶絶。カズヒ姉さんは見もせずにぶった切った。
というか
「ルールの基本は「私はこんなことをしないから、こんなことをしないでください」よ。嫌がることするなら、やり返される前提でしなさい」
「……も、もうひわへありまふぇんれひは」
ろれつが回ってない謝罪を聞き流しながら、カズヒ姉さんは肩をすくめた。
「姫君が招いた客人に対する礼儀がなってないわね。うるさい手合いは本気で殺しにいきかねないから、少し風紀を引き締めるべきじゃないかしら?」
「申し訳ありません。なにぶん妖怪というものは、人を驚かすのが大好きなものでして……」
めっちゃ恐縮している妖怪の人を先頭にして、辿り着いたのはなんていうかでっかいお屋敷。
というか、こんな広い空間があるとは思ってなかった。
冥界に近い異空間なのだろうかと、俺は首をかしげるが、まあそこはいいだろう。
「やっほー!」
「お、来た来た」
と、そこにいるのはセラフォルーさんとアザゼル先生。
そして、小さな狐耳の女の子。
もう見て分かるぐらいシュンとしている子だけど、確かにどこか気品があって、お偉いさんの子供っぽいことが分かる。
ちらりとイッセーを見ても、イッセー自身覚えがある表情だから……つまり彼女が。
「先生、この子が例の?」
俺が尋ねると、アザゼル先生は頷いた。
「ああ。京の妖怪をまとめる九尾の狐である八坂の娘、
先生がそう言いながら、九重と言われたこの背中をぽんと叩くと、一歩前に出た。
「私は京都の表と裏を束ねる者、八坂の娘、九重と申す」
で、しっかり頭を下げる。
「先日の一件は申し訳ない。おぬし達の事情も知らず、こちらも気が立っておった故に襲ってしまった。どうか、許してほしい」
……とりあえず、春っちやベルナはしっかり自分達が下手人だと理解させてくれたみたいだな。
ちらりとイッセーの方を見ると、既にイッセーはかがみこんで九重と視線を合わせていた。
「……九重は、お母さんが心配だったんだな? で、勢い余って俺達を襲ったってわけだ」
「う、うむ……」
そう答える九重に、イッセーはにっこりと微笑んだ。
「そっか、本当にお母さんが心配だったんだな? 結果的には間違ったみたいだけど、その気持ちは大切だし、ちゃんと謝ったんだ。なら、俺は何も咎めたりはしないよ」
……まぁ、イッセーが許すっていうなら俺達はいいんだが。
問題は……。
「言いたいことは分かっているわ」
うん、俺達の視線を受けるまでもなく、カズヒ姉さんも自覚はあるらしい。
この人デフォルトで厳しいからな。正義
こういう案件においては、憎まれ役を買って出てでもしっかり釘を刺すタイプではある。
イッセーも微妙に庇う体制で、九重の肩に手を置いた。
「……スマン、ちょっと説教タイムにはなる」
「う、うむ! それは当然だから……その……」
そんな感じで震えてる九重だけど、カズヒ姉さんも片膝をついて視線を合わせる。
「当事者がいいと言っているうえ、怪我人も出てないのは確かに事実。……だけど、
真っ直ぐに、だけど睨み付けることなくカズヒ姉さんは見つめながら告げた。
怒っているわけでもなければ、脅しているわけでもない。だけど同時に、それとなくプレッシャーを感じる威圧感がひしひしと。
むしろちょっとビビりながらでも、真っ直ぐそれを受け止めている九重を褒めてあげたい。この子、大物になれる素質があると思う。
「場合によっては、京の妖怪が戦争に巻き込まれることにもなった。それどころか返り討ちで殺されても文句は言えない。そうでなくても人によっては、詫びと称して搾り取れるだけとってくる奴だって出てきかねない」
つらつらとやばくなる場合の可能性を語ってから、カズヒ姉さんは改めて九重の目を覗き込んだ。
「
「う、うむ! 心するのじゃ!」
しっかりと頷く九重に、カズヒは苦笑しながら頭をなでると立ち上がった。
「ふぅ~。大王派、それもフロンズ・フィーニクスみたいな例外枠じゃない相手だったら、徹底的につるし上げで、政治的に属国同然の扱いの条約を結ばれていたわね。当主の娘の暴走をいさめることもできない手合いじゃ、しのぐことなんてできないでしょうし」
そんな風に、カズヒ姉さんはわざとらしい大きな声を上げる。
とてもよく通る声で響いたので、なんていうか遠くから殺気じみたものまで向けられる。
その方向に、カズヒ姉さんは鋭い目を向けた。
「子供が馬鹿なことしないようにたしなめるのは大人の仕事で、上の者が愚行を働かない様、我が身をとして戒めるのは部下の務め。私を嫌う暇があるなら、自分の至らなさを恥じ入りなさい」
……あ、やっぱりカズヒ姉さん厳しい。
幼子の九重にはあの程度だけど、部下の人達には容赦なかった。
わざと相手を選ぶ為に喧嘩売ったなこの人。まじでバトルことになったらどうするんだ―
「あと喧嘩を売るなら容赦はしないし、やりすぎることも考えているから、そこのところは覚悟しなさい。……当方に、
―脇差に毒薬*2まで持ってるよこの人。
いつものことだが覚悟完了してるなぁ、オイ。常在戦場というか、
そんな堂々とした覚悟の決めっぷりに、殺気も一気に引っ込んだ。
下手に喧嘩を売ったら、
俺達が軽く引いていると、足音が響いた。
「ははは。まったくもってその通りであり、ゆえに我が身の不徳もお詫びしましょう……」
そう言いながら現れるのは、一人の烏天狗。
古傷の跡がいくつもある、歴戦の武闘派なのがよく分かる人物だった。
その姿を見て、九重は慌てて駆け寄ると体を支える。
「
「酷い怪我……っ! すぐ治します!」
アーシアも駆け寄って回復をする中、三烈と呼ばれた烏天狗は、目を伏せて深く一礼する。
「この京都で軍事の一部隊を司る、三烈と申す。……恥の上塗りの覚悟のうえで、どうかお頼み申し上げる」
見れば分かるぐらい、この男は出来る。
そんな男がつい最近レベルで深手を負い、更に長の八坂が行方不明。
なるほど、な。
「どうかお力をお貸しいただきたい。八坂様を、
春っち、お前もこれに関わってるっていうのかよ……っ
Other Side
その後、屋敷の一室にて事情が説明される。
京の妖怪を束ねる九尾の狐、八坂が須弥山の帝釈天から送られた使いと会談する為に出立したのは数日前。
しかし会議の席に八坂は姿を見せず、不審に思い調べ始めた妖怪達は、深手を負った三烈を発見する。
三烈は部隊を率いて八坂の護衛を務めていたが、しかし突如霧に包まれた結果、悪魔や人間の集団に囲まれたとのこと。更に全員が上級悪魔に匹敵する使い手であり、部下の殆どは討ち取られ、自らも聖なる力を放つ槍によって深手を負わされたという。
一心不乱に戦うも、気づいた時には八坂は捕まり用無しとばかりに霧によって放逐される。そして発見されて、今まで静養を余儀なくされた。
そしてその間に九重達が半ば暴走気味で怪しい人物を探していたのだが、そこにイッセー達を見つけて仕掛けてしまったのが例の一件となる。
英雄派や冥革連合はそういう追跡を潰す為に、わざと釣り上げる為に何人かを京都に送り込んでいたらしい。その一組が成田春奈とベルナ・ガルアルエルということになる。
そこまでがまとまり、一応は誰もが難しい表情を浮かべていた。
「まぁ、
「今回は隙をついたテロリストってことなのねん。私達と同じ感じみたいね」
アザゼルやセラフォルーが経験もあって告げれば、カズヒ・シチャースチエは額に手を当ててため息をつく。
「そして私達の時はヴァーリが内通者になったわけだけれど、今回も
その言葉に九重は目をむくが、何か言う前に三烈が手で制した。
「そうであろう。京に住まう妖怪も、百や二百では聞かない数がいる。当然、その中には一人や二人ではない不満分子がいることだろう」
「それを見つけて餌で釣れれば……ね。最悪なことに、
カズヒが奥歯を噛み締めて示唆するは、九条・幸香・ディアドコイ。
己と志を同じくしうる者を見抜くだけでなく、応用すればある程度の読心ならぬ見心ができるだろう、覇王の魔眼*3の保有者だ。彼女の存在は難敵だろう。
内通者になる者を探し出し、かつそそのかすのには相応の難易度がある。外れればそこから人が出てきかねないし、不満分子がいてもそれが火種になるほどのものかどうかという懸念事項がある。
だが、幸香なら見れば分かることだろう。何より―
「神器や術や星辰光と、そういう一品物の異能を持っている奴がいてもおかしくないもの。……イッセーの
「こいつのは特殊すぎるだろ」
「酷くない!? 二人揃って酷くない!?」
軽く茶化されたイッセーが思わずツッコミを入れるが、それで空気がなごむほどにはならない。
「既に教会からデュナミス聖騎士団が一部隊派遣されることになってるのよん。ただ、場合によっては皆にも手伝ってもらうからよろしくね?」
「おぉ、デュナミス聖騎士団か! 教会も本腰を入れるんだな」
セラフォルーの補足説明に、ゼノヴィアが目を見開く。
教会が誇る精鋭部隊、デュナミス聖騎士団。共闘した経験もあり縁者もいる彼らの存在に、少し心強くなるが、油断はいけない。
そんな風に戒めたのか、和地はちらりと三烈に視線を向ける。
「万が一見かけるかもしれないので、一応八坂姫の写真とかありませんか? 九重にどことなく似た外観だとは思うんですが、さっぱりですから見落とすかも」
「おぉ、これはすまなかったな」
三烈はぽんと手を打つと、近くの妖怪が大きめの巻物を広げる。
そこには、九重と面影が似通っている女性が移っていた。
一誠が目を見開いて微妙に痙攣しているが、オカ研関連者はいい加減慣れているのでほぼ無視した。
八坂の姿に劣情を本能で浮かべてしまい、シャルロットに対する誓いからひきつけを起こしかけているのだろう。いい加減慣れすぎて、この程度で一々騒げなくなっている。アザゼルに至っては妖怪達に堕天使パワーでプロップを出して説明していた。
「八坂姫は京都からはまず出てないと考えていい」
と、アザゼルがはっきりと告げる。
「なんで分かるんです?」
「九尾の狐は京都一体の気の流れを統括してバランスを保っているからだ。彼女が殺されてたり遠くに連れ出されているのなら、バランスが崩れて大騒ぎになってるはずだ」
イッセーに対してアザゼルはそう告げる。
それだけ八坂が重要な存在であり、強大な存在であることの証明。裏を返せばそんな相手を連れ去るほど、禍の団は本気で活動していることの証明でもある。
それでも安全が確保されているという保証にはなる。それゆえに空気が僅かに緩み―
「……いえ、
―カズヒ・シチャースチエはそう釘を刺す。
注目を集める中、カズヒは少し表情を険しくしながらも地脈の流れを指でなぞる。
「超一流の魔術回路持ちなら、地脈の
「なるほどな。それに魔術回路持ちは一芸特化になりやすいし、得意分野じゃ俺達の度肝を抜いてくる。……他に懸念事項はあるか?」
納得したアザゼルに、カズヒはちらりと九重を見る。
涙を浮かべている彼女を見て、カズヒは奥歯を食いしばった。
これだけで、最悪の予想を浮かべるには十分すぎる。
「……三烈さん、その、九重を―」
「構わぬ」
一誠の気遣いを、九重はあえて遮る。
そして小さく震えながらも、まっすぐにカズヒを見た。
「……今ここで伝えてくれ。覚悟をした方がいいのじゃな?」
「……その覚悟に敬意を」
カズヒは目を伏せ頭を軽く下げると、真っ直ぐに九重を見つめながら、あえてはっきりと言う。
「いわゆる
その言葉に、九重は目を伏せ和地達も息をのむ。
それを可能とする魔術回路保有者の恐ろしさも痛感し、そして事態は決して楽観視できないということも理解できる。
そのうえで、更にカズヒは覚悟を求める。
「……続けて言えば、要人を誘拐して
八坂そのものが目的である場合、カズヒの懸念は更に可能性が高くなる。
八坂が協力を拒否した場合、英雄派が手段を択ばないことはこれまでのテロで誰もが悟っている。まして魔術回路保有者ならそういったことができる場合があると分かっているのなら、最悪の予想はこの場の誰よりも重く受け止めているだろう。
だからこそ、そんなカズヒの懸念は十分考慮するべき事態であると誰もが痛感する。
「……可能な限り楽観視して、奴らが
アザゼルがあえてそれぞれの方向で極まったパターンを告げ、そして目を伏せる。
「……すまねえが、妖怪側もこっちも人手が足りねえ。対禍の団ではお前達の協力を求めることは確実だ。ここにいないメンバーには俺が伝えておくから、旅行を満喫してもいいが、心の準備だけはしておいてくれ」
アザゼルの言葉に、決意は誰もが決まっていた。
涙を目じりに浮かべながら目を伏せて耐える九重の姿。
自分達の修学旅行を乱し、京の妖怪達を不安にさせ、小さな子供を泣かせている。
オカルト研究部は、そこに義憤を浮かべることができる者達だ。
「「「「「「「はい、先生!」」」」」」」
仮にも教会の暗部のくせして、大罪確定な自決を引責でする準備万端なカズヒ。ある意味無敵な説教でした。
そして神様転生で組み込まれた型月型の魔術関連は出力以上にできることの種類がえぐいというお話。
じっさい地脈をつなげることは事件簿であったので、超一流なら離れたところに誘拐しても何とかできそうな気がするし。一流の死霊魔術師ならある程度時間を稼げればいいならそういうことで競うだと思ったので組み込みました。頭
……まぁ、この作品はアンチじゃないからやらないけどね? そこまで下劣なことはしないけどね!!