好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
新キャラ登場するんだYo♪ インパクトだけなら大増量♪ 思わず殴りたくなるYo♪
そんな感じでハイスタートぉ♪
和地Side
……急に黒い霧に包まれたと思ったら、景色が一変していた。
一見すると二条橋周辺のままなのだが、桐生達一般人の姿がどこにも見えない。向こうの木場の班も、木場だけが残っているような状態だった。
っていうか霧か。八坂姫が誘拐された時や、アーシアがディオドラとアルケードに誘拐された時のような異常事態だな。
確か、先生の推測では十中八九で
ふと気づけば、すぐにアザゼル先生も駆けつけて……あれ?
「先生、ロスヴァイセさんは?」
「酔いつぶれたんでな。結界を張って寝かしといた」
イッセーにそう答えるけど、どういう状況だよ。
え、あの人もう酔いつぶれたの!?
「……酒に弱すぎじゃない? その、ヴァルキリーってエインヘリヤルのお酌とかもするって聞いたけれど?」
「信じられないぐらい弱い上に絡み酒なの、あの子」
カズヒ姉さんの視線に、リヴァ先生が遠い目をしていた。
へ、へ~。そうなんだ……。
俺は気を取り直しながら、周囲を警戒する。
「気を付けるのだ……」
そこに、九重が震えながら俺達に告げた。
「この霧は三烈が告げていた霧の特徴と同じだ。間違いなく、母上を誘拐した者達の所業!」
「……たぶんその通りです」
アーシアも静かに腰を落としながら、周囲を警戒している。
「私がディオドラさん達に捕まった時と同じ感覚でした。
となると、仕掛けてきたのは英雄派か?
俺達は警戒しながら周囲を確認していると、急に周囲が燃え上がった。
というか、俺達の周囲を炎の壁で囲んだという方が近いな。
『『『『『『『『『『……ニン……グ…』』』』』』』』』』
というか、なんか聞こえて―
『『『『『『『『『バーニング! バーニング!』』』』』』』』』』
―というかうるさい!
『『『『『『『『『『バーニンバーニンバーニング! 朝じゃないけどグッドモーニング! 眠りを覚ますぜレッツダンシング!』』』』』』』』』』
なんか炎を突っ切ってパレード始まってるぅ~!?
『『『『『『『『『俺らの魂バーニング! 自分磨いてシャイニング! 敵は悔しくてクライング! だけど無念でダイイングゥ!』』』』』』』』』』
先頭の全身が炎に包まれている男を中心に。パレードみたいなノリでファイヤーダンスをしている連中がぞろぞろと。
なんていうかトランス状態の宗教儀式みたいな感じだ。ラップ口調で言っているのが実にムカつく。
そして周囲の連中をバックダンサーにして、先頭の二十代中盤な野郎が俺達の前で揺れ動く。
「初めましてだエブリワァン♪ 俺は幹部な英雄派ぁ♪ ヘラストロテスだいい名かなぁ? 前座で掴みは万全かぁ?」
え、ちょっと待って? え?
えっと、こいつ英雄派? ヘラストロテスとか聞いたことないけど、どっかの国のマイナー武将とか?
周りを見渡すけど、カズヒ姉さんですら呆気に取られている。
っていうかちょっと待て。
このなんか放火魔なラッパー擬きが……英雄派の幹部?
人材不足にもほどがないか禍の団! いや、テロリストが人材不足なのは良いことだけど。
「八坂は俺らが頂いた♪ ちょっと実験したいんだ♪ そろそろ準備もできたんだ♪ ついでに挑戦したいんだ♪」
えっとちょっと待て。頼むからちょっと待て。
色々情報が出てきているけど、それを理解する余裕がない!?
ゼノヴィアとかも面食らっているというか、ラップのノリについていけてない。
なんだあのバカとしか思えない男。本当に馬鹿なのか!?
「ちなみに俺は
すいません自己紹介はもっと普通にやっていただきたい!
あとお前どう見ても日本人だろ。百歩譲っても東アジア系列。
俺は全力でツッコミを入れたい。後周囲の炎が熱くて迷惑!
八坂殿の誘拐犯だって宣言しているにも関わらず、九重ですら困惑してる。どう反応したらいいか分からないって顔に書いてある。悪い意味で掴みがよすぎる。
幸い、どうやらラップは一旦終了らしい。バックダンサーも踊りを止めて水分を補給している。
え、えっと……え?
「……
木場の感想に凄く納得してる自分がいる。
幸香の奴も大概だし、アーネも大概あれだけど、その上を行くな。
ブレイの奴、めっちゃ常識人なのかあの性格の裏でとんでもないのがあるのかのどっちなんだろうか。
「やってくれるわね。……おっぱいドラゴンの歌で大ブレイクするイッセー君に対抗してラップで挑むなんて。これはミカエル様に頼んで、聖歌隊をバックコーラスにしたバージョンを……っ」
イリナが変な解釈をしている。
あとゼノヴィア。そうだったのかっていう顔をするな。
「なるほど! そういうことか納得だ!」
納得するなゼノヴィア! あとたぶん違うと思う!
納得する前にイリナを止めろ。カズヒ姉さんがショットガンを構えているから止めてやるのが親切だ。
「……ヘラストロテスにあやかる奴とか初めて見たぞ。お前、頭大丈夫か?」
そして先生はドン引きの表情だ。
え、知ってるの?
「先生! 誰なんですかそいつ?」
イッセーの質問に、アザゼル先生は頷いた。
「
本当にあやかるような名前じゃな無いな!
ドン引きの視線を俺達は向けるが、ヘラストロテスは首を傾げる。
っていうかちょっと待て。外観からして日本人にしか見えないんだが?
「何を言ってやがる情けねえ。ヘラストロテスは神話の英雄よりよっぽど素晴らしい栄光を成し遂げた傑物じゃねえか?」
しかもマジ返ししたけど、何言ってるんだこいつ。
いやどこが?
俺達の心は凄くシンクロした。
先生の方をちらりと見るけど、しっかり首を横に振っている。少なくとも先生の知る限りはそんなことはないらしい。
なので視線がヘラストロテスに戻ると、真剣に奴は怪訝な表情を浮かべている。
「神々を冒涜する発想に至り、そして死を恐れず成す行動力! ヘラストロテスは閃きとそれを成しえる度胸さえありゃぁ、
「「「「「「「「「「「どんな前向きな受け取り方!?」」」」」」」」」」」
俺達、ほぼ全員が大声でツッコミを入れたよ。
前向きかつ好意的な解釈にもほどがある。ちょっと目が曇ってないですか?
しかもなんかこぉ、スピンしながらポージングまでしている。ついでに言うと隙あらばポーズを切り替えてやがる。
「まさにバーニングな偉業ってやつだ。だから後進はバーニングに超えなきゃダメだろぅ? 神殿バーニングを超えるなら、神様本人バーニングってな!」
バーニングバーニングうるせえよ。
八割がたドン引きの視線を向けられながらも、ヘラストロテスはへこたれない。
「全然バーニングできねえ情けねえ奴らめ。俺の炎がバーニングして、アルテミス燃やしてお前らの魂もバーニングだぜぇファイヤー!」
すいません。お前ちょっと本当にバーニングバーニングうるさいよ。
「いや、たぶんそれで燃え上がるのは怒りの炎だと思うよ?」
「確かに。そんな簡単にはいかないって」
木場とイッセーもまじツッコミだ。
と、その時足音が響く。
あ~。これ、準備万端にする為の時間稼ぎか。
そして、何より……っ
祐斗Side
炎の壁の一部か霧に包まれ、そしてそこから数十人規模の若者達が姿を現す。
学生服にも見えるその集団は、全員が人間で、そしてほぼ全員が神器を保有しているようだ。
なるほど、彼らが英雄派の本隊というわけか。
そして先頭を歩くのは数名の男女。
一人は桃色の長髪を持つ、蠱惑的な女性。おそらく、彼女が九成君とぶつかったアーネ・シャムハト・ガルアルエル。後継私掠船団からの派遣組だろう。
そして片方は、どことなくフリードを思わせる白髪の少年。雰囲気は違うようだけど、何故かフリードを一瞬強烈に思い出した。
最後に彼らを率いる形で近づく、漢腹を腰に巻いた格好の青年は、槍を肩に担いでいる。
……寒気がするほどの聖なるオーラだ。おそらく、デュランダルに勝るとも劣らない力だろう。
何より感じるこのオーラ。間違いない、シュウマ・バアル様の子息子女が身に着けていたサークレットや、フロンズ氏が呼び出した槍と同質のもの。
ああ、これは―
「初めまして、グレモリーの諸君。ディアドコイ達
―その青年が、僕達に堂々と挨拶の言葉を継げる。
「俺は曹操。日本なら三国志で有名な、かの曹操孟徳の子孫で、英雄派のリーダーだ」
英雄派のリーダーか。
別動隊の後継私掠船団を率いる九条・幸香・ディアドコイがサブリーダーなのは知っていたし、彼女とは何度が戦ったこともある。
そしてついに、リーダーが出てくるとはね。
僕達の警戒の視線を気持ちよさそうに受け止めながら、曹操は自分の槍を注目させるように軽く振るう。
「そして最強の
そうか、あれが……っ!
「あれが、神の子を貫いた槍。その本物……っ」
「た、確かに神々しいけれど、本物までテロリストに渡ってるなんて……っ」
聖遺物の筆頭を目にし、ゼノヴィアやイリナさんが動揺するのも無理はない。
アドルフ・ヒトラーのデミ・サーヴァントという形でミザリ・ルシファーが使っていることは知っていたけれど、本当の意味での黄昏の聖槍までもがテロリストになっているなんて……っ!
「あれが、かの聖槍、その本物―」
「アーシア、見るな」
とくに茫然としていたアーシアさんの目を、アザゼル先生が手で塞いだ。
「信心深い奴はうかつに見るな、心を持っていかれるぞ!
あと転生悪魔は気をつけろ、掠めただけで致命傷は確実だ!」
先生の本気の声色に、僕達の警戒心は更に高まる。
実際問題、サーヴァントの宝具として持ち込んでいるクロードさんの強さの一端は間違いなく聖槍にある。
イッセー君が持つ
現時点で上位神滅具のうち、二つが敵側に渡っている。幸い一つは教会が保有しているそうだけれど、もう一つがどこにあるかが分かってない以上、油断は全くできない。
睨み合いになる中、アーネ・シャムハト・ガルアルエルはにっこりと九重ちゃんに微笑んだ。
「ふふ、お母さんに関してはもうちょっと待っててね? お嬢さん」
「……っ! 母上をどうするつもりだ! まさか、殺してはおらぬだろうな!?」
顔を真っ青にさせる九重ちゃんだけど、そこは曹操が首を横に振った。
「九尾の娘殿はご安心を。姫君には我々の実験に付き合てもらっていますが、命の安全は保障いたします」
……どうやら、最悪の事態は避けれているようだ。
いや、嘘をついている可能性がある以上、決して油断できる相手ではない。
それにしても涼しい表情だ。余裕があるのか舐めているのか、少し神経が逆なでされるね。
「……実験? 京都の妖怪が長を使った実験って、京都で大規模な聖杯戦争でもする気なのかな?」
「我らのスポンサーであるオーフィスの願いを叶える為、そして我ら英雄派の理念の追求にとっても有意義な実験と言っておきましょう。北欧の主神が娘殿よ」
リヴァさんの詰問にも、曹操は余裕の態度でそう答える。
しかし、スポンサーであるオーフィスの願いか。
オーフィスの目的はグレートレッドの打倒だと聞く。そのうえで英雄派独自の理念にとっても有意義となうと、嫌な予感を覚えてしまうものだ。
だけど、龍神であるグレートレッドと九尾の狐である八坂姫に何の関連があるんだ?
その辺りは疑問だけど、たぶん答えてはくれないんだろうね。
「……それで? 平和に暮らしている小さな女の子を本気で泣かせるような真似をしてただで済むと思っているのか、お前ら?」
九成君は殺意が隠せないレベルでそう問い質すけど、それに対して曹操は一瞥だけすると肩をすくめる。
「……子供の一人や二人を泣かせる程度で戸惑うなら、そもそも俺達はテロリストになってまで理念を叶えようとはしないさ」
「……そう。ならこちらも容赦をしてあげる理由はないわね」
それに対して、カズヒをため息をつきながら一歩前に出る。
「……イキり散らした糞餓鬼共が。トチ狂ったテロ活動は、説教や尻叩きで清算されないわよ?」
『フォースライザー』
『CRY!』
「同感だ、カズヒ姉さん。……
『ショットライザー』
『SAVE!』
二人がベルトを装着し、プログライズキーも起動させる。
二人とも、その心情もあって相当怒っているようだ。
そしてそんな二人を見て、曹操と白髪の少年は面白そうに笑っている。
「いい殺気だ。英雄の相手はこうでなくては……っ」
「同感だね。こいつの相手に相応しい」
曹操は聖槍を構え、白髪の少年は赤黒い魔剣を抜き放つ。
動きが洗練されているし、得物も強大なオーラを秘めている。
間違いなく、油断できる相手ではない。
そしてゼノヴィアとイリナさんは、白髪の人を見て眉をひそめていた。
「まさか、教会で名をはせる者までもが禍の団に組みするとはね……っ」
「なんてことなの。ああ、主よ! この愚行を決してお許しにならないでください!」
……悪魔祓いの上着を着ていたけど、どうやら教会の関係者らしいね。
イッセー君も鎧の準備をしながら、少し首を傾げていた。
「なぁ、あの木場とフリードを足して二で割った感じの奴って誰なんだ?」
ははは。酷いねイッセー君。
言われて見るとちょっと納得だけど、テロリストと一緒にしないでほしいかな?
とはいえ、確かにフリードを思わせる白髪も気になるところだね。
カズヒも白髪だけど、フリードは思わせない。となると何かしらの縁があると思うんだけど。
「奴はジーク。教会の若手悪魔祓いでも名うての使い手で、
ゼノヴィアが警戒し、そして英雄派の一員なだけはある。英雄の末裔で若き実力者か。
「あとフリードとは同じ戦士育成機関の出身らしいわ。白髪なのはその育成機関出身者の基本らしいわよ?」
イリナさんの説明には少し気になるところもあるね。
白髪か。僕と同じ研究施設にいた子にもいたけど、もしかして……いや、今はいいか。
「英雄派ではジークフリートとも呼ばれているよ。呼び方はお好きにどうぞ?」
そう冷たい微笑みを浮かべながら、ジークフリートは一歩前に出る。
そして英雄派の戦士達は戦闘態勢を取る。
「レオナルド。対悪魔用の魔獣を頼むよ」
その言葉に反応するのは、後ろにいたメンバーの中でも小さな少年だった。
彼は無言で頷くと、足元から闇を展開する。
そしてそこから、単眼かつ人型の魔獣を具現化した。
独立具現型の神器か? いや、それにしても数が多い。禁手に至っていると考えるべきか。
そう推察していると、アザゼル先生が舌打ちする。
「くそったれ! 全員気を引き締めろ、あれも
「その通り。所有者のイメージした魔獣を作り出し使役する
曹操の説明に応えるように、魔獣達は光力を砲撃として放つ。
「今回はアンチデビルモンスターだよ?」
これは、流石に厄介そうだ―
「―そう、吠えたわね糞餓鬼共が」
「―上等だ。なら俺達が動かないとな?」
『Kamen……Rider……Kamen……Rider……Kamen……Rider……』
―怒り振るえるカズヒと九成君が、素早くプログライズキーを装填する。
合わせるように魔獣達が砲撃を放つが、二人は素早く回避しながら、それぞれライダモデルを展開する。
「「変身!」」
『ショットライズ! サルヴェイティングドッグ!』
『フォースライズ! ハウリングホッパー!』
仕掛ける魔獣達をライダモデルが弾き飛ばし、そして二人は装甲を纏う。
『Oll light I'm guardian of human』
『I am a supporter of justice and enemry of eviel』
そして次の瞬間、速やかに魔獣達を刃をもってして薙ぎ払う。
『Break down……!』
仮面越しの視線が、英雄派達にぶつけられここに戦線は本格化する。
「テロに走った以上容赦はしない。死ぬ覚悟はできてると判断するわ」
仮面ライダー道間、ハウリングホッパー
「嘆きの涙は認めない。精々無様な負け方で喜劇に変えろ」
仮面ライダーマクシミリアン、サルヴェイティングドッグ。
二人の仮面ライダーの敵意をぶつけられ、曹操は不敵な笑みでそれ答えるる。
「いいね。そういう外連味は、英雄譚らしくて大好きだ!」
そして、本格的に戦端は切って落とされた!
と、そんな感じで後継私掠船団の新キャラ、ヘラストロテスです。もちろん後継私掠船団なのでフルネームはありますが、語呂と韻を理由にまだ語ってないだけです。
後継私掠船団はその性質上「大半の幹部はあやかり元がひねっている」を基本としており、なので「どんな奴出すか」はいろいろ考えております。
そんなわけで考え付いたのが、氷室の天地で知ったヘラストロテス。
こんな阿呆を肖るとか何考えてるのと思わせておいて、とんでもない解釈でそれを上回らんとするとんでもないのが誕生しました。
寺社仏閣を燃やしていたのはつまりそういうことです。あやかり元を数で超えようとかそういう感じのとんでもない奴です。
戦闘中にラップ口調で、しかもポージングやダンシングするメンタルをあおっていくスタイルです。リゼヴィムとは違った意味で煽りの天才といってもいいでしょう。
そして次の話はバトル100%。さて、激しい戦いを提供するぜぇ?