好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 へーい! 感想・高評価・そしていつかは推薦も欲しいグレン×グレンでっす!








 ヘラストロテスのインパクトは強かったでしょうか?

 実は後継私掠船団は幹部を五大属性にあやかった人数作ろうかと考えておりまして、そこから火属性担当を考えた瞬間にひむてんのヘラストロテスを思い出しました。
 その結果、後継私掠船団のひねった方向性に合わせて「ヘラストロテスを超好意的に解釈し、順当な成長としてアルテミスバーニングを目指す男」として誕生したのがこのヘラストロテスとなっております。

 アーネは順当に水属性の派生でいいとして、ブレイをどの属性に据えるかを決めてからあと二人ほど作りたいところですね。


冥革動乱編 第十四話 乳龍帝破れたり!?

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この手の輩に容赦をする理由はどこにもない。

 

 とりあえずぶん殴って無力化してからゆっくり尋問でいいだろう。ぶちのめす!

 

「叩きのめしたうえで八坂姫の行方を吐いてもらう!」

 

「同感ね!」

 

 速攻で俺とカズヒ姉さんは射撃体勢に入った。

 

 抜き打ち気味に放つ銃撃を、曹操は素早く槍で弾き飛ばす。

 

「狙いも早さも反応もいい。だけど俺に当てるにはまだ足りないね」

 

「チッ! 流石にこの程度じゃ……なら!」

 

 躊躇することなくカズヒ姉さんは追撃態勢。

 

 素早く展開するのは迫撃砲。

 

 二本出したうえで両手に砲弾を構えて装填体制。

 

 敵もそれに気づいて攻撃を放つが……甘い。

 

「俺の星辰光を舐めるなよ!」

 

 俺の本来護衛向きの星辰奏者でな。そんな射撃なんて通しはしない。

 

 障壁で攻撃を弾くと共に、反撃として雷撃の魔剣を瞬時に創造。

 

 常時発動状態で投げつけることで、雷撃で敵の侵攻をけん制する。

 

 魔獣達の攻撃も同時にしのぎながら、俺が腰を落とすのとほぼ同じタイミングで砲弾が発射。

 

 炸薬すくなめで放たれた砲弾はすぐに弧を描き、同時に破裂して散弾を撒き散らす。

 

「「「「「防御態勢っ!」」」」」

 

「「「「「更に突貫!」」」」」

 

 上から氷の幕がそれを受け止め、更に全身を氷の鎧で包んだ連中が、雷撃を突き破って突貫。ついでに魔剣を砕いていきやがった。

 

「後継私掠船団に負けずに行くといい」

 

 曹操が指を鳴らすと共に、英雄派のメンバー達が一気にこっちに突撃をかましてきやがった。

 

 ええい、面倒な連中ばっかり出てくるなぁ!

 

 俺が内心で歯噛みしていると、龍の鎧を纏ったアザゼル先生がすり抜けるようにそいつらを突破する。

 

 あんな真似までできるのか。総督凄いな!

 

「お前の相手は俺だ、曹操!」

 

「堕天使総督に挑まれるとは、光栄ですな!」

 

 光の槍と聖槍がぶつかり合い、二人はそのまま遠くに吹っ飛んでいく。

 

曹操(こいつ)は任せろ! お前らは他の連中を!」

 

「……分かったわ! 仕掛けるわよ、みんな!」

 

 カズヒ姉さんが真っ先に頷き、素早く二丁のマシンガンで敵に制圧射撃を行う。

 

 全員が回避もしくは防御を行うが、そんなことは問題ない。むしろそれをさせるのが制圧射撃だ。

 

 そして制圧射撃で動きが制限されたところを―

 

「一人ずつ確実にぶちのめす!」

 

『SHIELD』

 

 素早くディフェンディングタートルに切り替えて、俺は即座に変身体制。

 

『ショットライズ! It's pointless I don't die』

 

 ディフェンディングタートルに変身し、制圧射撃を変質化した星辰光で無視して敵陣に突貫。魔剣で魔獣に切りかかる。

 

 アンチ悪魔に特化した魔獣の相手を、数の上で主力な転生悪魔(グレモリー眷属)にさせるわけにはいかない。明らかに不利な相手にぶつけさせるとか馬鹿の行動だしな。適材適所で―

 

「木場! 皆にフリードと最初にやりあった時の魔剣を!」

 

 ―そんな気遣いを吹き飛ばすように、イッセーの声が響いた。

 

 木場がそれにすぐ気づくと、素早く魔剣を作り出して、グレモリー眷属のメンバーに投げ渡す。

 

 それが靄のようなものを展開すると、放たれる光を食らいつくすように吸収して無効化した。

 

 なるほどな。そういうこともできるってわけか!

 

 ならそこまで心配はいらない。となれば俺は―

 

「……集団戦術の定石に従うのみ!」

 

 ―まず弱い奴から優先的に叩き潰す!

 

 集団戦において最も有効な方向性は二つ。数的有利を確保するか、敵集団の士気を削ることだ。

 

 戦いは数とはよく言ったもの。一人で三人倒すより三人で一人を倒す方が簡単で、100の困難も10で分割するより100で分割する方が個人個人の負担は少なくなる。

 

 そして数を持って行動するには、ある程度の連携や目的の共有が不可欠。これが崩壊すると逆に数の多さが混乱に繋がるし、足の引っ張り合いが多発してできることもできなくなる。

 

 結果として、集団戦における最適解は二つに絞られる。

 

 士気がごっそり下がるような人物を真っ先に潰して烏合の衆にするか、弱い奴から確実に削っていって堅実に士気と数を減らしていくか。

 

 前者はそんな人物をスパッと見つけてスパッと倒す必要がある為、効果は大きいが難易度は絶大。当然ふつうは後者に重点を絞るわけだ。そして後者には裏技がある。

 

 俺は先生によって曹操が引きはがされたうえ、イッセーの機転で魔獣の優位性が削れた混乱をついてターゲットを選出。

 

 動揺が消しきれてない相手に向かい、即座に突貫を開始する。

 

『ディフェンディングブラスト!』

 

 一発放ってからそれを盾にするように突貫。

 

 敵は反応して迎撃するが、動揺していたこともあって動きは鈍い。

 

 ディフェンディングブラストは推進力を持つことで馬力に優れた頑丈な大型弾頭。その性質は一発の破壊力より、壊れず進み続ける砲撃でごり押しするのが本質だ。

 

 必然として俺はそのまま突貫し、敵を接近戦の間合いに捉え。

 

「悪いが恨んでくれていいぞ」

 

『ディフェンディングブラストフィーバー!』

 

 反発力場を脚部に展開するディフェンディングブラストフィーバーで、敵を上に蹴り上げる。

 

 反撃すら強引に蹴り飛ばしたうえで、更にショットライザーの照準を構え、同時に魔術詠唱体制。

 

「がばばばばばばばっば!?」

 

 ……空中でわざと威力の低い攻撃をつるべ打ちに食らい、ボロ雑巾になって落ちた敵を、更に掴んで敵集団に投げつける。

 

「うわぁ!?」

 

「ひ、ひぃっ」

 

 よし、いい感じに気圧されている。

 

 これが一種の裏技。簡単に言えば敵を倒す時にとにかくむごたらしく倒すことで、周囲の敵に心理的圧迫をかけて士気の削り具合を上げるということだ。

 

 我ながらやり口がえげつない。涙の意味を変える男として、正直選びたくない手段ではある。

 

 ……が、手段を選ぶ必要を理解してないなら、ザイアにいる時点でもっと派手に動いて死んでいただろう。

 

 カズヒ姉さんのようにダーティジョブを担当するほどではないが、俺だって必要悪ってものは理解しているさ。

 

 さて、

 

「次は誰がこうなりたい?」

 

 ドスを利かせた声で周囲を睨み付けると、英雄派の連中は一歩下がり気味だった。

 

 まあ、禁手に到達してイキっていたり、洗脳でやる気スイッチが入ったるだけの連中なら、これで少しは躊躇するはず―

 

「なら、私が相手をしましょうか?」

 

 ―そう思ってすぐに、俺は感じた殺気を迎撃する。

 

 左腕に二重三重に障壁を展開したうえで、体を回転させてそれを迎撃。放たれた矢を受け流す。

 

 そしてその勢いのまま右腕を向けてショットライザーで反撃するが、うつぶせに近い体制で回避すると同時に特化した敵は、そのまま槍を突き出した。

 

 回転の勢いを利用して倒れるように回避すると共に、魔術を利用して体勢無視の強引な飛び跳ねで距離をとる。直後逆手で振り下ろされた脇差が、俺のいた場所に突き立った。

 

 そして俺が魔剣を創造して切りかかるのと、相手が刀を創造して切りかかるのはほぼ同時。結果としてつばぜり合いの体制になり、睨み合いになる。

 

 ライダースーツとバイクのヘルメットで姿を隠しているのは、体格から見て二十代前半の女といったところか。

 

「おお! ドゥルヨーダナさん!」

 

「下がってなさい。こいつは幹部級じゃないと苦戦必須よ」

 

 構成員を下がらせながら、ドゥルヨーダナと呼ばれた女は俺をヘルメット越しに鋭く見据える。

 

「初めまして、涙換救済(タイタス・クロウ)。私はマハーラーバタの王、ドゥルヨーダナの末裔。曹操子飼いの特別幹部よ」

 

「それはどうも。中々洒落たあだ名を作ってくれたな」

 

 俺の星辰光とスタンスからあやかってくれたのか。ちょっと気に入ってしまったな。

 

 そのままつばぜり合いといきたいが、あまり時間をかけるわけにもいかない。

 

 俺は一旦蹴り仕掛け、ドゥルヨーダナが回避して距離が空いた瞬間、素早くショットライザーで射撃戦に持ち込む。

 

 向こうも弓を創造して反撃するが、これでよく分かった。

 

 打ち合った感覚から言って、持っている神器は俺と同じ魔剣創造(ソード・バース)。そして英雄派の幹部ということなら、既に禁手に至っていると考えるべきだ。

 

 そしてさっきから使ってくる武器すべてに、魔のオーラを俺は感じている。

 

 答えは、一つ。

 

「魔剣以外の武器を作り上げることもできる禁手か」

 

「正解。魔装創造(アームズ・バース)っていうの」

 

 ……シンプルにアップグレードされた禁手に至ったもんだ。

 

 さて、神器を二つ持っている俺と、禁手に至らせている相手。

 

 それだけなら仮面ライダー分俺が有利でないといけないんだ……が。

 

「それだけってわけでも、なさそうだな!」

 

「それはもう。特別幹部は伊達じゃない!」

 

 明らかに身体能力で、俺より上じゃないか?

 

 相手はまだ本気を出してない感じだし、これはちょっと……まずいか?

 

 俺が歯噛みしたその時、何故かドゥルヨーダナは動きを止める。

 

「……なんだ?」

 

「いえ、此処がいいの」

 

 そう返答したその瞬間、俺は本能的に全身に障壁を展開する。

 

 その瞬間、障壁に包まれた体に矢が三本同時に突き立った。

 

 なん……だと!?

 

 いや、三本じゃ……ない!?

 

「……偶々視界に移ったからよかったものの、やってくれるわね!」

 

 ―カズヒ姉さんがハウリングディストピアで、二本ほど切り落としてた。

 

 危ない!? 全部もらってたらさすがに深手だった!

 

「ゴメン助かったありがとう!」

 

「五分の二程度で大げさよ。……気をつけなさい、敵も戦術のせの字は理解しているみたいね」

 

 なるほどな。前衛だけでなく、後衛もきちんと用意していると。

 

 しかも、おそらく射出速度を調整することで矢が当たるタイミングを同時にして迎撃を困難にした今の射撃。ただ者じゃない。

 

「感覚からして、持っている神器は剣豪の腕(アーム・ザ・リッパー)、それもおそらく練り上げは私以上ね」

 

「人材豊富だな、禍の団……っ」

 

 カズヒ姉さんと背中を合わせて警戒する中、ドゥルヨーダナも薙刀を創造してこちらに構える。

 

 ……これ、もしかして。

 

「……カズヒ姉さん。まさか―」

 

「可能性はあるわね、おそらくドゥルヨーダナ(彼女)がマスターよ」

 

 あ~、確かに。

 

 英雄の末裔が中心となっている組織なら、英雄そのものに興味を持たないわけがない……か。

 

 思った以上に難敵だぞ、これは!

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

「すべて聞こえる、そしてすべてを破く!」

 

「「「いやぁああああああああっ」」」

 

 三人の英雄派の少女達が仕掛けてきた連携殺法を、俺はスマートに返り討ちにした。

 

 乳語翻訳で連携パターンを読み取り、そして洋服崩壊で無力化する。完璧なコンボだ。

 

『そんな!? 心を読む術の対策はしていたのに!?』

 

『なんで分かるの~! は、恥ずかしぃし!?』

 

 なるほど。心読まれない対策をしていたというわけか。流石に乳語翻訳に備えてはいたのか。

 

 ん? ならなんでおっぱいの声が聞こえるんだ?

 

『おそらくですが、イッセーの乳語翻訳は「おっぱいと対話する」異能なので、「心を読む」異能とはアプローチなどが全く異なるのでは? ……おっぱいが勝手に本体の考えを語っていると、当人の心そのものを読み取るのは別物ではあります……が……』

 

『気持ちは分かるぞシャルロット。なんで俺達の相棒は変態性で前人未到を達成するんだか』

 

 俺の相棒達の視線が冷たい! いや、一体化してるから分からないけど!

 

 糞ったれ! だって、だっておっぱいの声が聞きたかったんだ! 女の裸が見たくてたまらなかったんだ!

 

 自分の少ない才能を徹底的に注ぎ込んだのに! 特に乳語翻訳は素晴らしい軌跡を体現したのだと、シャルロットに胸を張れる出来だったのに!

 

 鎧の内側で涙を流しながら、俺は周囲を警戒する。

 

「アルテミスの前にお前をバーニン♪ 半分神ならテストでバーニン♪ これでいければ絶対バーニン♪ 本命相手も行けるぜバーニン♪」

 

「主神の娘を前座にしないでほしいかな!」

 

 リズムに乗りながら飛び跳ねて炎を放つヘラストロテスの攻撃を、仮面ライダーグリームニルに変身したリヴァさんが蹴り壊す。

 

 しかも地面から砲台をポコポコ出して反撃してる辺り、あっちは当分大丈夫そうかな。

 

 でもヘラストロテスの野郎も、全身からジェットみたいに炎を噴き出して高速移動してるから全然当たらねえ。

 

 流石に英雄派の幹部は伊達じゃないか。まして神様を燃やそうっていうなら、たぶん幹部の中でも強い部類だろうしな。

 

 そう思いながら英雄派の攻撃をカウンターで殴り飛ばして、俺はちらりと他の周りを見る。

 

「この! なんて動きが早いんだ!」

 

「攻撃があたら……へぶぁ!?」

 

 英雄派の構成員達が、攻撃を全部回避されて戸惑ったところに風をまとった細剣に貫かれる。

 

 操られている可能性もあるから急所は避けられてるけど、刺さってもすぐには死なないところを絶妙に貫かれて、敵はどんどん動けなくなっている。

 

「うぉおおおお!? め、目が回るぅ~!?」

 

「大丈夫ですか? 舌を噛むのであまり声を出さない方が……」

 

「後ろ後ろ! 三人ぐらい来てるから!」

 

 ……アーシアは大丈夫そうだ。インガさんがカバーしてることもあるけど、九重を庇いながら敵の攻撃を全部回避している。

 

 アーシアちゃんの成長に、俺は嬉しいやら戦慄するやら。ディックの野郎はアーシアをどこに連れて行くつもりなんだ? 通信教育的なトレーニングメニューまで送ってるらしいしなぁ……。

 

「やれやれ。女性では赤龍帝を打倒するのは不可能か」

 

 と、そこでジークとか呼ばれた英雄派の幹部が俺の前に来る。

 

「相手の心を乳房から伝えられることで聞き取り、瞬時に衣服を破壊して恥辱で悶えさせる。鋼の精神力がなければ、女性では戦いを挑むことすら不可能とは恐れ入るよ」

 

 馬鹿にされてるのか感心されてるのか分からないけど、とりあえずあっちも本気ってことか。

 

 っていうか、あれは魔剣か? ジークの奴が持ってる剣、明らかにやばいオーラがするんだけど。

 

 寒気も感じる。なんていうか、俺があいつとやりあうのはやばいって肌で感じるっていうか……。

 

『気をつけろ相棒。あれはおそらく、グラムだ』

 

 ドライグが警告してくれるけど、グラムって?

 

『北欧神話においてファーブニルを倒した英雄シグルドが持っていた剣のことです。そんな伝承を持っていることから見ても、おそらくエクスカリバーやデュランダルの魔剣版と考えるべきかと』

 

 ありがとうシャルロット、そしてやばいな!

 

 つまりあれも龍殺しか。俺の天敵ってわけね。

 

 なら、かなり本気で挑まないと―

 

「いや、そういうわけにはいかないね」

 

「ふふ、同感ね」

 

 ―そこに、敵も味方も割って入ってきた。

 

 木場が聖魔剣を構えて割って入れば、桃色の髪の女も、ジークの前に割って入る。

 

 確か、アーネ・シャムハト・ガルアルエルだっけか?

 

「あの惨状を見てから、女で赤龍帝に挑むのかい?」

 

「あら、ちょっと違うわね」

 

 ジークが怪訝そうに言うと、アーネは微笑みながら首を横に振る。

 

聖継娼婦(シャムハト・セカンド)は戦士じゃない。戦士を育てる聖娼よ? だから―」

 

 そしてアーネが指を鳴らすと、そこには十人ほどの女の英雄派が。

 

 なんていうか、海賊っぽい意匠の改造制服だ。ってことはこいつらも後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)なのか?

 

「……何だか知らないけど、ジークさん相手は教会の戦士だった私がけじめをつけたいわね」

 

「何より龍殺し相手にイッセーをぶつけるわけにはいかないさ。イッセー、アスカロンを貸してくれ」

 

 そこにイリナとゼノヴィアも来る。

 

 ……となると、此処はそういう感じか。

 

「分かった。任せたぜ、みんな」

 

 俺はゼノヴィアにアスカロンを投げ渡しながら、アーネが率いる女達に向き合った。

 

 さっきの女子たちの惨状を見ても、それでも突っ込んでくるといはいい度胸だ。

 

 全員、剥いて―

 

「行くわよ、みんな!」

 

 ―やろうと思った時、戦闘の女が服に手をかけながらそう声を張り上げる。

 

 そして気づくと、全員が服に手をかけて力を入れた。

 

「「「「「「「「「もちろん!」」」」」」」」」

 

 そして服を脱ぎ始めたぁあああああ!?

 

 ストリップ……じゃない! 普通に脱いでる。

 

 丁寧に畳んで魔法か何かで異空間に収納しながら、全裸の女子十名が俺と向き合って氷を生み出していくぅううううう!?

 

 発動体を持ちながらってことは、全員星辰奏者(エスペラント)か。でも全員全裸でいいから出してるから、集中したくても鼻血が止まらない!?

 

「……何を考えているんだ、彼女達は?」

 

「服がもったいないから脱いだだけよ?」

 

 面食らってるゼノヴィアに、アーネがきょとんと首を傾げながら答える。

 

 うん、それは分かった。

 

 ……そういう問題じゃないと思うのは俺だけなのだろうか。

 

「……確かに恥辱に耐える精神があるなら、さっさと脱げば何の問題もないけど。それでいいのかい?」

 

「なんて破廉恥な! 恥じらいを覚えなさい、貴方達!」

 

 ジークやイリナも突っ込むを入れるけど、何言ってんだこいつって顔が返ってきた。

 

「失礼ね。戦闘中に衣服が破れて肌が見えるなんて当たり前じゃない」

 

「そうそう。女が男だらけの戦場で捕まれば、テンションのままに犯されるぐらいは当たり前よ」

 

「我々に強姦被害の覚悟在り!」

 

「視姦程度で怯むような、腑抜けな女は戦場に立つ資格なしよ」

 

 後継私掠船団の女達が次々にそう言うけど、俺はちらりとアーネを見た。

 

 あんたそれでいいのかって視線を向けたと思うけど、アーネはにっこりと微笑んだ。

 

「もちろん、倒したのならお好きにどうぞ。戦場で女が強姦されるなんて、珍しい話じゃないもの。……ふふ、冥界の英雄に抱かれて自慢になるってのも、それはそれでね」

 

 な、なんてことだ。

 

 え、そういう方向性もありなのか?

 

『無しです無しです! 正気に戻ってくださいイッセー、子供達が泣きますよ!』

 

 シャルロットの声に、バグっていた俺の頭がしゃっきりする。

 

 は! そうだ、俺を応援してくれる子供達に会わせる顔がない。

 

 シャルロットにも恥じるし、部長の名誉にも瑕がつく。正気に戻らねば。

 

 助かったぜシャルロット。お前は頼れる相棒だ。

 

『いえいえ。とはいえ気を付けてください、後継私掠船団の方々は、どうやら頭のねじが外れているようです』

 

 ですよね!

 

 既にフォーメーションで囲んでいるけど、ならばこっちも考えがある。

 

 何よりどれだけフォーメーションを組もうが、それを教えてもらええばいいだけだ!

 

「いくぜ、乳語翻訳! さぁて、お姉さんたちのおっぱいよ、作戦を―」

 

「フォーメーションA……フォーメンションD……と見せかけてCで今度はB!」

 

 なんかリーダー格が急にしゃべり始めた。

 

 そしておっぱい達の声も聞こえるけど―

 

『まずは前衛が突撃すると見せかけ……あ、壁になる……と本当に突撃―』

 

『前衛が止まったら……っと、前衛を突破されないように隙間から……じゃなくて牽制を―』

 

『後衛の警護が私達の……って、前衛の上からちくちく……じゃなくて前衛と攻撃を合わせて―』

 

 ―リーダー格の声に合わせておっぱいが作戦を切り開けてしゃべっている!

 

 そしてその間に攻撃がどんどん切り替わってるから、声を聴いているより敵の動きの方が早い!?

 

『練度が早い! これではしゃべっている間に行動が完了します!!』

 

『というより、あのリーダー格もフォーメーションをどうするか決めてないな。おそらく遠距離からランダム設定されている映像を見ているんだろう』

 

 慌てるシャルロットと冷静に分析するドライグには悪いけど、俺大ピンチだよ!?

 

 な、なんてことだ。

 

 行動の切り替えや作戦の変更が早すぎて、おっぱいの声が追い付かない。更に既に全裸だから、脱がすまでもない。

 

「……こんな簡単に対応できるのに、なんでそんなに脅威なのかしら?」

 

 アーネが真剣に首を傾げるけど、たぶん出来る人少ないと思います!

 

 うぉおおおおおおお! 大ピンチだぁあああああ!!!

 

 

 

 

 

 




 破られる乳技(ただし破り方がアレ)なことになりました。

 実はこの作品、イッセーの乳技対策をガチで研究して幾つか出す予定です。ぶっちゃけこれはまだまともな方です。

 ぶっちゃけ乳語翻訳っておっぱいに語らせるという性質があるから「しゃべる時間より早い対応の連発」でどうにかする余地はあるんじゃないかと思っております。

 なにせ九条・幸香・ディアドコイを強大なままにするには、どうしてもイッセーが厄介ですからね。何とか無力化できる戦力にしたいところです。

 あと本命は本番の戦いで明かされます。ただできる奴はごくわずかなトンデモ技となっております。

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