好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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三勢合一編 八話 蒼き救済者の到来

 和地Side

 

 痛い痛い痛いが頑張れ!

 

 思わず悶絶したけど、それでも何とか振り切って立ち上がって走る。

 

 なんだこの激痛。もだえるっていうか、気絶しそう!

 

 さっきから全力で向かって、その上この激痛とか戦闘までもボロボロになりそうだぞコレ。

 

 結界の強化に回ったヒマリとリーネスがちょっと羨ましい。二人が組めば結界は三倍ぐらいの強度になるからって、俺が納得したのも悪いけどちょっと羨ましい。

 

 だけど、まあ。

 

「―惚れた女と肩を並べられるってのは、男としてちょっと誇るべきかねぇ!」

 

「―言ってなさい! 足手まといになりたくないなら、そっちも本気でやることね!」

 

 脂汗がところどころ見えるけど、カズヒ姉さんも真っ直ぐ走っている。

 

 ははっ! 俺は惚れた女の前で恥かけないってやせ我慢だけどさぁ。カズヒ姉さんは根性滅茶苦茶あるじゃねえか。

 

 なら、こっちも頑張って気合を振り絞らないと……な!

 

「そこまでよ、コカビエル!」

 

「身内の恥は注がないとなぁ!!」

 

 そう言って、校庭に突入した俺達は―

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんじゃこりゃぁあああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 ―なんか赤い龍の鎧が驚いているところを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか殴りたくなったのは俺の気の所為か?

 

 いや、周りで殆どの人達が倒れてるから、それどころじゃないことは分かる。

 

 俺って思った以上に激痛に耐性あるんだなぁとか思ってるけど、そういう問題でもない。

 

 あと、カズヒ姉さんと一緒に来た聖剣使いのゼノヴィアとか、イッセーと同じリアス・グレモリー眷属のアーシア・アルジェントに至っては、激痛で倒れてるどころか顔が凄く真っ青になってる。

 

 な、なにがあった!?

 

「というか、どういう状況だおい!?」

 

「さっぱり分からない! なんか聖書の神様が死んでるとか、ルイ十七世の宝具とか、そしたらいきなり何もしてないのに禁手になってて俺が混乱してる!」

 

 さらりと爆弾をぶん投げるなぁああああ!?

 

 っていうか、聖書の神様が死んでる!? そんなの人類社会に知れ渡ったら世界大恐慌と大暴動が起きるぞ! 大半の発言力がある国家が機能停止しなけないぞ馬鹿野郎!

 

 聖書の神様はキリスト教だけの神様じゃない。イスラム教やユダヤ教の神様でもあるんだ。つまり先進国とか石油輸出大国とかイスラエルとか、色々世界関係で中心になりやすい国家は軒並み影響受けてる。

 

 そんなとんでもない事実、変なところで大声出すなよ。

 

 っていうか、カズヒ姉さんに聞かれたのはまずいだろ。

 

 俺は恐る恐る、カズヒ姉さんの様子を窺うと、やっぱり目を見開いて固まってる。

 

「……ぅ……ぁ……っ」

 

 そして手を顔に当てて、深呼吸すると―

 

「……流石に大問題だけど、とりあえず優先順位ははき違えないわ」

 

 ―持ち直した。

 

 すげえ。カズヒ姉さんすげえ。

 

 この激痛が全身を襲ってる状況で、メンタルに大ダメージまで入ってるのに耐えたよ。

 

 本気ですげえ。俺滅茶苦茶驚いてる。

 

 あ、コカビエルもちょっと感心してる。

 

「ほぉ。他の信徒共よりは根性があるが、信徒としてそれはどうなんだ?」

 

「……そうね。確かにショックではあるけど、だけど一番大事なことは見失ってないわ」

 

 コカビエルにそう答え、カズヒ姉さんはトンファーを向ける。

 

 そこには傷はあっても揺らぎがない。真っ直ぐな決意が込められていた。

 

「例え主が死んでいたとしても……いえ、例え聖書の神が存在したことが無い虚構だったとしても、そんなことは関係ない」

 

 そう言って、そしてカズヒ姉さんは、宣言した。

 

「善を慈しみ、逆に虐げる悪に真っ向から立ち向かう。そんな正義たらんと己を戒めることこそが信仰であり、それによって人々が迷わず生きれるよう世界に貢献することこそ、私達信徒の誇りでしょう」

 

 そこには、迷いは一つもない。

 

 自分が常に正しいのではなく、常に自分を正しく縛ろう。そう己を戒め正しくあらんとすることを、信仰として生きる女傑の姿がそこにあった。

 

「我らが仕える正義(教え)はもう既にこの世界にある。私が正義の味方(信徒)であらんとする限り、たかが設立者()が死んだ程度で、この生き方が止まると思わないことね!!」

 

「……面白い」

 

 ちょっとぶっ飛んだ発言に、コカビエルは楽しそうに笑った。

 

 というより、何かテンションが高くなってないか?

 

「いいぞ! 信じる者がいなければろくに生きることもできんかと思えば、中には芯の入った奴がいるじゃないか! そうだ、こういうのを待っていたんだよ、俺は!!」

 

 そして、一気に大量に光の槍を展開する。

 

 おいおい、百本近くあるんじゃねえか、これ!?

 

「じゃあまずは、お前達と戦争だ! そして戦争というのは、相手だけでなくそいつが守る者を潰すことでも勝てると知れ!」

 

「て、てめぇ!」

 

 イッセーが大声でほえるけど、コカビエルは気にしてない。

 

 なるほどな。まず戦闘できない奴らを殺すことで、俺達のメンタルにダメージを入れようってか。

 

 この数をたった三人でカバーできない。だから一人ぐらいは確実に殺せる。そういう考えなわけだ。

 

 ………野郎っ

 

 その時、鎧の宝玉から声が響いた。

 

『誰か! 誰でもいいです、あの光の槍を迎撃だけしてください!』

 

 た、確かカズヒ姉さんが助けた人か。サーヴァントで、シャルロット・コルデーとか。

 

 いや、迎撃っつったって、あれだけの威力を全部迎撃するには、威力だって必要だぞ?

 

 それさえ問題ないなら俺はいけるけど、威力が問題なんだよ。

 

 そう思ったその時、更に声が続いた。

 

『当てるか防ぐかさえ出来れば、あとは私が何とかします!! 威力や頑丈さは度外視で、何とか出来ませんか!?』

 

 ………なるほど、な。

 

 なら、俺に任せろ。

 

「上等! そういう条件なら何とかしてやるさ!」

 

 ああ、それなら何とかなるって、本気で断言してやるぜ。

 

「大丈夫なの?」

 

「ああ!」

 

 カズヒ姉さんに力強く頷いて見せる。

 

「ぶ、部長達は任せていいのか!?」

 

「シャルロットがいう条件通りなら、いける!」

 

 イッセーにも、確信を持って頷いて見せる。

 

 ああ、それなら、俺なら出来る。

 

「「……任せた!」」

 

 ああ、そこまで言われたら―

 

「……任せろぉ!」

 

 ―やるしかないだろ。

 

 俺は涙の意味を変える者。

 

 今、皆が激痛で涙を浮かべている。アーシア・アルジェントとゼノヴィアは悲しみでもだ。

 

 そのまま死なせるつもりはない。せめて、生き残った安堵は齎して見せる。

 

 だから―

 

「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星」

 

『SAVE』

 

 ―いきなり本腰行かせてもらうぜ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コカビエルは、その光景を見て眉をしかめた。

 

 リーネスは聖杯戦争や魔術回路の研究者。しかしその彼女がプログライズキーや星辰光を運用する者達を二人迎え入れた時は首を傾げたものだ。

 

 ザイアコーポレーションのデミ・サーヴァント計画は失敗している。失敗には成功に繋がる要素が眠っていることまで否定はしないが、それにしては二人だけというのも、二人を被検体として扱ってないことも違和感だった。

 

 もとより、コカビエルは星辰奏者もプログライズキーもさほど重要視していない。

 

 明確に過去成果を上げた英雄に、更に人々の信仰が上乗せされたサーヴァントは強大な存在だ。しかし数を揃えられるが工業品であるプログライズキーは雑兵用の数合わせ程度としか思っていない。星辰奏者に至っては、当たりはずれが激しい曲芸師程度の認識だった。

 

 だからこそ、はっきり言ってさほどの問題はないとすら思っている。

 

「世に悪意が尽きることなく、ゆえに悲劇は尽きること無し。ゆえに嘆きの泉は枯れることなく、悲しみの涙は沸き続ける」

 

 だが、しかし。

 

「星々の彼方より異星の神が来るまでもなく、善と正義を愚弄せんと、(よこしま)な悪意は世界を包む」

 

 だからこそ、コカビエルはその変化に警戒心を覚える。

 

「だがしかし、ならば問おう。流れる悲劇の涙を前に、汝はそれを良しとするのか?」

 

 そこに起きた変化は、魔力だ。

 

 魔術回路の存在が発見されて以降、大気中に存在するようになった魔力。

 

 体内魔力をオドと呼称することにしたうえで、マナと形容することになったその魔力が、起動音声(ランゲージ)と共に変貌する。

 

「否、否、否否否。あの日の涙とそして笑顔に、なによりそこから生まれる決意に、恥じることなどあり得ない」

 

『Kamen Rider……Kamen Rider……Kamen Rider……』

 

 そして同時に、構えていた拳銃からも合成音声が鳴り響く。

 

 どちらも警戒対象として意識を向けたことはなかった。デミ・サーヴァント計画も失敗している以上、警戒する理由も特になかった。

 

 だがしかし、既に状況は変わったと判断した。

 

「ならば我が身は身命として、涙の意味を変えるのみ」

 

「チィッ!」

 

 危険と判断して、そして即座に攻撃を開始する。

 

「鋼の体は此処にない? ならば鋼の鎧を纏おう」

 

 だが、そのすべてが防がれる。

 

「旧き神の石などない? ならば星の光を振おう」

 

 受け止められ、弾かれ、受け流される。

 

 あまねく光の槍が、全て狙った相手に届くことなく防衛されてしまう。

 

「異能と絆は此処に在る。もはや不足などありはしない」

 

 そして同時に、赤龍帝と白髪の女がこちらに攻撃を開始する。

 

 迎撃をするも、しかしおかしい。

 

 相手にとって都合がやけに良すぎる。

 

 こちらの攻撃は何故か上手く当たらない。狙ったところから微妙にずれる、誤差の範疇内のようでいて、しかしあまりにすべてがずれすぎる。

 

 相手の攻撃は上手く当たる。見事にすべて身に入り、威力が相手の思った以上に高くなる。当人が狙っていたところより威力が高くなるように当たってしまう。

 

 そして、同時に星辰奏者も攻撃に移ることを決定した。

 

「瞼の裏の笑顔に誓い、約束された勝利を刻め」

 

『ショットライズ』

 

 そして、星の光が完成すると共に、弾丸が解き放たれる。

 

 それは絶妙に味方をすり抜け、こちらに攻撃を仕掛けた。

 

 上手くいなすも、やはり何故か迷惑な入り方をし、そして更に弾丸は曲がり、撃った者へと届く。

 

 その瞬間、弾丸はプロテクターに変化して彼の全身に装着された。

 

『サルヴェイティングドッグ―』

 

超新星(メタルノヴァ)――救済の時来れり(セイヴィング)()悲劇を終える帳は此処に(タイタス=クロウ)

 

『―Oll light I'm guardian of human』

 

 そこに具現化したものは、どこか犬を模した濃い青の装甲で出来たプロテクター。

 

 全身鎧型の禁手を思わせ、しかし遥かに科学的な印象を与える全身装甲。

 

 奇しくも、シャルロット・コルデーとルイ17世がサーヴァントとしているこの場において、皮肉ともいえるコードネームが存在することを、コカビエルは知っている。

 

「仮面、ライダー……っ」

 

「ああ、仮面ライダーマクシミリアン。涙の意味を変える為に、此処に推参!!」

 

 マクシミリアン・ロベスピエール。シャルロット・コルデーの死を利用して、ルイ十七世の母親でもあるマリー・アントワネットに始まる多数の処刑を引き起こした革命派の重鎮。

 

 かつて聖書の神に代わる絶対存在として「人の理性」を掲げた男。

 

 その名を冠した、人類の自由と平和を守る存在の称号をつけられた、しかし彼らの理想の真逆を選んだ少年の力。

 

 その力が今、此処に顕現した。

 

 

 

 




 はーい! オリジナルサーヴァントが少しずつ出てきましたけど、そっから一気にオリジナル仮面ライダーとオリジナル星辰光です!

 エイムズショットライザーで変身する仮面ライダーは、名称に神話の存在がつけられていることは知っての通り。ただし転生者たちは神々を打倒する方向性で統一されていたので、神話ではなく西暦における人間の英雄から取ったといった感じです。面従腹背を地で言っていた和地は評価が高かったので、特に奴さんたちが評価高そうな人物にあやかった仮面ライダーとなりました。

 そして星辰光の名称にあやかったのはクトゥルフ神話。英国面がもろに出ていると評判で、とある魔を断つ剣の主人公のあやかり元でもあった、タイタス・クロウから取りました。シルヴァリオサーガに登場した場合は………ダメだ、いい当て字が思い浮かばない。





 まあそれはそれとして、後ほど設定集とかにも書くつもりですが、星辰光の詳細情報を此処に。









救済の時来れり(ガーディアン)()悲劇を終える帳は此処に(タイタス=クロウ)
基準値:B
発動値:A
収束性:D
拡散性:B
操縦性:D
付属性:E
維持性:D
干渉性:A

 嘆きで溢れる涙の意味を、救いで流れ落とすため。その意味を変えるこの決意、死力を尽くす価値がある。

 九成和地の星辰光。魔力防壁創造能力。大気中のマナを凝縮した多重防護障壁を瞬時に創造する星辰光。
 非常に高い出力と干渉性、そして優秀な拡散性の合わせ技。そこから生まれるのは、カバーに若干時間がかかる範囲内にいる、あまねく物に守りを与える特殊防壁。大気中のマナに感応することで発生する防壁は、純粋強度・受け流し・衝撃吸収といった多重防壁を魔力防壁・防壁投影によって発動する。特に脆性破壊を利用した衝撃吸収防壁と暴風や電磁誘導による受け流しを主体としており、収束性の低さからは想像できない防御力を発揮する。

 純粋なまでに守りに特化した星辰光であり、創造した防壁はその場で固定されるため攻撃には転用困難。ただし瞬時に展開できる干渉性を利用することで、相手の移動を妨害する程度ならば応用の余地がある。

 悲しみと嘆きで生まれる涙を、救いと喜びで流させるため。
 涙の意味を変える者。それを志す守護者たる、九成和地の星辰光である。

★詠唱
 創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星。

 世に悪意が尽きることなく、ゆえに悲劇は尽きること無し。ゆえに嘆きの泉は枯れることなく、悲しみの涙は沸き続ける。
 星々の彼方より異星の神が来るまでもなく、善と正義を愚弄せんと、邪な悪意は世界を包む。

 だがしかし、ならば問おう。流れる悲劇の涙を前に、汝はそれを良しとするのか?
 否、否、否否否。あの日の涙とそして笑顔に、なによりそこから生まれる決意に、恥じることなどあり得ない。
 ならば我が身は身命として、涙の意味を変えるのみ。

 鋼の体は此処にない? ならば鋼の鎧を纏おう。
 旧き神の石などない? ならば星の光を振おう。
 異能と絆は此処に在る。もはや不足などありはしない。

 瞼の裏の笑顔に誓い、約束された勝利を刻め。

 超新星(メタルノヴァ)――救済の時来れり(セイヴィング)()悲劇を終える帳は此処に(タイタス=クロウ)





 シルヴァリオサーガ原作ではあまりない、支援特化の星辰光。直接的な加害能力は劣りますが、ことに味方のサポートにおいては非常に優秀な星辰光となりました。

 将来的な応用の余地も大きくとった星辰光ですので、最序盤から出しましたけど何度か見せ場を作れるとは思っております。

今回のMVPは誰だ!

  • 九成和地
  • 兵藤一誠
  • カズヒ・シチャースチエ
  • シャルロット・コルデー

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