好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
さぁ、ついに! うちの主人公が、頑張ります!
和地Side
あ、やばい。
俺の視界には、いくつもの思い出が映っていく。
これってあれだな。走馬燈ってやつか。命がピンチの時に脳が対策を引っ張り出そうとしてバグるっていうあれだ。
まずいまずいまずい。これ絶対まずい。
とにかく意識を引っ張り上げないと、絶対とどめを刺され―
「……ごめんなさい」
―そんな意識を、そんな言葉が忘れさせる。
そこに移っているのは、セミロングの黒髪をツインテールにした、十代後半の少女の姿だ。
年齢はリアス部長と同じぐらいだろう。ただどこか、
視界は曖昧だ。なんていうか、視力が弱い状態だなこれは。
そんな俺のぼやけ気味な視界の中で、彼女は泣いていた。
そう。彼女は俺の原風景の人だ。直感と、そして雰囲気で俺はそれを悟っている。
彼女は絶望していた。
彼女は後悔していた。
彼女は嘆き悲しんでいた。
「ごめんなさい……乙女ねぇ。ごめんなさい……アイネス……七緒……っ」
泣きはらしすぎて涙すら枯れ果てそうな彼女は、自分の罪に押し潰されそうな
そしてなんでだろうか。そんな顔を、俺はついさっき……あ。
そうか、そうだったのか。
これは俺の記憶だ。俺が覚えていて、だけど
自分でも答えが出てこなかったわけだ。
どこかで納得しながら、俺はその光景を見ている。
視界が動き、少しずつだけど彼女に近づいていくのが分かる。
「……だぁ……ぶぅ?」
そんな言葉足らずの口調に、ふと彼女は俺の方を見る。
「だぁじょぶ……? げぇき……だし……ぇ……?」
そんな、普通物心もつかないだろう時期の励まし。
その言葉に、彼女はまるで憑き物が落ちたような表情になった。
「…………うん、そうだね。……そうだよね」
そんな風に頷きながら、彼女はまた涙をこぼしていた。
だけど、それはきっと悲しみの涙じゃない。
「……
それはきっと、決意だった。
「……私は間違えた。道を踏み外した。越えちゃいけない一線を越えた。……それでも………っ」
そっと、その手が俺の頬に触れる。
「……
感謝の笑顔と涙をもって―
「元気を出すし、頑張るよ。せめて私が不幸にした分は、君を幸せにしたいし、償いたい」
―彼女は俺に微笑んだ。
「君のおかげで、絶望したままでいいわけがないって気づけたから。だから……ね?」
その本心から救われたような笑顔が、次に告げる言葉は分かり切っている。
それこそが俺の原風景。絶対に忘れない大前提。
九成和地の原初の誓い―
「ありがとう。そして、笑顔でいて……欲しいかな」
瞼の裏に焼き付いた、その笑顔を俺は焼き直す。
「君が笑顔で入れるよう、私も……全てをかけて頑張るから」
そう、俺は……思い出すべきことを、思い出した。
イッセーSide
ぅおおおおおおおおお!? 訳が分からないぞ!?
『『『『『『『『『『おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいぱいぱいおっぱいぱい』』』』』』』』』』
なんてことを連呼しながら、行進する、俺が痴漢にした人達の残留思念。
いやちょっと待ってくれ。これ、十人とか二十人通り越して、数百人は確実にいるだろ。
どんだけ痴漢を増やしたんだ、俺の可能性ぃいいいいいいいいいいいっ!?
『警察に通報されてない類とかを踏まえると、探すのも苦労しそうですね……』
シャルロットがずれた感想を言うけど、実際どうしようかそれ。
『素直にアザゼル先生達に頼んで、聖杯戦争に挑むしかないでしょう。一人残らず補填をしなければ、可哀想すぎます』
やっぱりかぁ。まじでかぁ。そうなるかぁ。
棚ぼたで聖杯戦争に優勝した俺が、こんなことで聖杯戦争を引き起こさなきゃならないって、いろんな意味で最悪じゃね?
まじでこれ、どうしよう?
「何やらすんごいことになっとるのぉ。いつもこんな感じなのかねぃ?」
「……今回は特にすごい部類ですが、
お猿のおじいちゃんに匙が答えるけど、いやホントそれぐらいすごいよな、うん。
乳神も大概あれだったけど、これもそういうレベルじゃねえだろ。まじどうなってるんだよこれ……。
『さぁ、準備は整ったわ』
と、そこで協力的な歴代の残留思念、歴代女性赤龍帝最強のエリシャさんが声をかけてくれる。
呼ぶって何? この状況下で何を!?
『あなただけのおっぱいよ。さぁ、サモンおっぱいと叫ぶの!』
この状況下でそんなこと叫ぶの!? え、まじで!?
「………おっぱいゾンビって感じだね。いやぁ、これが噂の乳龍帝か」
「……流石に直接目にすると、精神的に来るものがあるな」
曹操とヴィールも色々とドン引きというか気圧されてるよ。
いや、なんかゴメン。俺って何故か毎度毎度、おっぱいで何か起こしてるんだ。
自分でも引くぐらいの出来事が、最近多いなぁ。乳神様も大概だけど、おっぱいゾンビでサモンおっぱいってのもとんでもない。
仕方ない。ここはちょっと覚悟決めるか。
『『『『『『『『『『おっぱいぱいおっぱい、おっぱいぱぱぱい……おっぱいぱいおっぱい、おっぱいぱぱぱい……』』』』』』』』』』
俺がやらかしたことだけどすごいことになっているおっぱいゾンビたちが、いつの間にか魔方陣みたいになっている。
畜生、やってやるぜえええええええ!
「さ、サモンおっぱいぃいいいいいいい!!」
そして輝きが放たれ、そこに現れたのは―
「え!? ここどこ? 京都……ってイッセー!?」
―着替え中だったのか下着姿のリアス部長ぅうううううう!?
いや、まあ俺がおっぱいサモンするなら確かに部長が最適だけど……?
『リアスさん! 説明している暇がありませんが緊急事態です! たぶんつつかせてもらえば事態は好転します!』
シャルロットは何を言ってるのかな!?
部長のおっぱいは俺の覚醒スイッチじゃないんだけど!?
『いいえ、
エリシャさんも何言ってるの!?
え、これそのための儀式なの? まじで!?
「……わけがわからないけどわかったわ。イッセー、私の乳首をつつけばいいのね?」
リアス部長の方が納得早い!?
なんてすごい部長なんだ。俺は心から尊敬する。
よ、よし……。俺はまず部長に近づくと、そのままだと英雄派や冥革連合の連中に見られるからそれとなく場所をかえ―
その時、視界に映った。
部長のこめかみにあたる方向で、一本の矢がいきなり飛んできた。
あ、まずい。
誰も反応出来てない。
部長が、
殺され―
「っせるかぁあああああ!」
―そんな部長のこめかみを守るように、壁が生まれた。
魔力と星辰体で編まれた壁に当たった矢が、まるで滑るように部長からそれて近くのがれきを粉砕。そのまま一直線に100m近い溝を作って漸く止まる。
あ、危なかった。反応できなかった。部長なんて死角からだからまだ理解もできてない。
英雄派や冥革連合まで反応が遅れてるし、お猿のおじいさんもこっちに近づきかけてる感じで、まじでやばいタイミングだった感じだ。
ってちょっと待って?
この壁、もしかして―
「……どうやら、肝心な時には間に合ったみたいだなぁ!」
「悪い姉貴! 押し返されて此処まで逃げる羽目になった!」
「ヴィール様、お恥ずかしいところをお見せしました!」
そして三人ほど、俺達の間に着地する。
「……よかった、無事……だった」
消耗した体力で、朦朧としながらもインガさんが涙を浮かべ、
「ったく、惚れ直すぐらいカッコいい登場じゃない」
かろうじて起き上がれた南空さんは顔を染め上げて、
「ふふっ。流石はカズくんね」
余裕を装いながらも、リヴァさんも顔を赤くして、
「「……もぉ」」
どこか懐かしそうな、ヒマリとヒツギも声も聞こえた。
「……全く。私もしないような狂気の沙汰をよくもやったものね」
そしてカズヒが苦笑しながら、それでも顔を綻ばせる。
そして、カズヒは息を吸って、気分良く声を張り上げる。
「だけどそれでこそ私に惚れた男。さぁ、
「―もちろんだ!」
そして九成が声を張り上げ、勢いよく受け取った。
和地Side
はっはっはっはっは! タイミングが良すぎてちょっとテンションが上がってきたぜ!
春っちとベルナをごり押しして二条城まで来てみれば、何故かリアス部長に矢が迫っていたときたもんだ。
大方またおっぱいで何かして、空気が緩んでいたんだろう。読まない奴が遠慮なく打ったようだが、そうはいかないってわけだ!
そして都合が良い事に、会いたい奴が二人もいる。
「ヴィール・アガレス・サタン! そしてアーネ・シャムハト・ガルアルエル!」
俺は手に持った二本の魔剣を突き付けて、敵対するべき奴らに宣戦布告する。
ちなみに空気を読まずに矢を射ってくる奴がいたが、結界でカバーして強引に告げる。
「大事なことを思い出した。大事なことのその根幹を、死にかけて漸く思い出した!」
まったく。人間ってのはいい加減というか情けないっていうか。
だけど、思い出した。思い出したんだ。
「俺は嘆きの涙を変えると誓った。
あ、駄目だ。
テンションとかいろんなものが振り切れて、自分でも「端折れよ」って部分まで言ってしまう。
これ絶対阿呆なツッコミを受けそうな―
「いいわ。続きを語って頂戴」
「己の魂をかけて吠えるのならば、是非もなし。聞いてやるから言ってみろ」
あ、思ったよりも好感触。
あとイッセーが部長を連れてどっか行っているけど、どうせおっぱいだから無視だ無視。
「あの
そうだ。最初はそれすら分からなかった。
ただ可哀想で、元気を出してほしくて、ろれつも回らない頃に励ました。
それが、彼女の何かを切り替えた。
前を向こうと、何かをしようと、そんな風に考えさせることができたんだろう。
だからこその誓いだ。それをどこかで覚えていたからの誓いだ。彼女の笑顔と言葉を胸に、それを続けたいと本能が刻み込んだ、原初の誓い。
だからこそ―
「だからベルナが放っておけない。春っちのその決意は尊重しない。……踏み越えそうに、踏み越え続けるような、そんな嘆きは
―それが、俺の理由だった。
俺自身の原点であり、だからこそ、初対面のベルナを放っておけなかった。
だからこそ、それを思い出すきっかけに感謝を。
なればこそ、そんな道を彼女達に進ませないと決意を。
故にこそ、その要因となる怨敵に、宣戦布告を告げるべきだ。
「……だからこそ! 宣言する!」
言ってやれ。言ってしまえ。
どうせ今更なんだ。むしろここで堂々と言うぐらいの方が、潔いってもんだろう。
息を吸え。
カズヒ姉さんに、リヴァ先生に、インガ姉ちゃんに、鶴羽に、そしてベルナと春っちにも。
心の奥底まで届かせろ!
「成田春奈とベルナ・ガルアルエルは、いずれ! 必ず! 俺が! この手に! もらい受けるっ!!」
……あぁ、一周回って爽快感すら覚えている。
どいつもこいつも音に聞け。近くにいるなら目でも見ろ。
俺は、
「文句があるならかかってこい! 問答無用で……叩き潰す!!」
その瞬間、後ろから何かが迫り―
『『『『『『『『『『―よく吠えたぁ!』』』』』』』』』』
―ハッ! いいタイミングじゃねえか。
その時、俺の後ろから舞い降りたのは、9機の航空機と一セットの列車。
なるほどな。これが……リーネスが来た最大の理由か。
ついに完成したんだな、切り札が。
『増援のタイミングとしちゃぁ最高じゃねえか! 援護するぜぇ、和地ぃ!』
「サンキューキュウタ! 悪いが後でぶっ倒れるから、診断と応急処置もよろしく頼む!」
最高のタイミングで来たキュウタに、俺は堂々と宣言する。
そんな俺に、リーネスがいつの間にやら近づいてため息をついた。
「まったくもぉ。凄い無茶苦茶をしてるじゃない」
たしなめるを通り越してハラハラしている目で、俺が持っている魔剣にリーネスが視線を向ける。
ああ、俺がここまで二人を押し切ったのはこの狂気的発想が理由だ。
この期に及んでも禁手に至らなかった以上、頭を捻って狂気的方法を考えつかなければ死んでたからな。
そう、この魔剣は特別性だ。
「魔剣創造で疑似的に
「そうでもしないと逆に死んでたんでね。死中に活ありって感じで、今回だけは流してくれよ」
星辰体感応合金であるアダマンタイトを遥かに超える、神話の金属を名前に付けられた完全上位互換の合金、
理論上はスパコンレベルの演算機器と併用しての
常人がこの膨大な星辰体の感応量に耐えることはまず不可能。
賭けてもいい。終わったら俺は絶対にぶっ倒れる。
だから……こそ!
「更に上乗せさせてもらう。……ごめんなリーネス。後で世話をかけまくる」
「まったくもぉ。カズヒの悪いところを真似しちゃ駄目よぉ?」
そう言いながら、リーネスも一歩前に出る。
どうやら覚悟完了済みみたいだな。ま、キュウタが来たってことはそういうことだ。
「仕方ないから手伝ってあげるわぁ」
『スラッシュライザー!』
なるほど、それで凌ぐのか。
「そっちも大概やらかしてるじゃん」
『ショットライザー!』
ったく。脳内のAIチップはどうやったんだか。
「魔術回路と錬金術を舐めないでよねぇ。私、これでも魔術回路はオーソドックスに優秀なのよぉ?」
『VEHICLE!』
独自開発のプログライズキーを起動しながらそう答えるリーネスだけど、発想がだよ。
まさか脳内に直接錬金術でAIチップ作ったのか? そっちの方がどうかしてるだろ。
「悪かったな、ピーキーすぎる魔術回路で。てかオカ研そっちのが多いだろ」
『GANTLET!』
そして俺も、できれば使いたくなかったプログライズキーをとどめのダメ押しに起動する。
さぁて、そろそろ仕掛けさせてもらう。
『『Kamen……rider……kamen……rider……』』
お互いに覚悟を決め、前を向き―
「「変身!」」
行くぜ新兵器!
『スラッシュライズ』
『ショットライズ』
展開される装甲を、俺達は同時に身に纏う。
『ライディングエレファント! Ride on the super robot!!』
リーネスが装着するは、象のライダモデルを組み込んだライディングエレファント。
『チャージングリザード! Are you redy? I'm Ok』
俺が装着するのは、ディフェンディングタートルとは異なる形に星を変える、チャージングリザード。
さぁ、覚悟はいいか? 俺は出来てる。
「仮面ライダーアイネス、初陣よぉ?」
「涙の意味を変える為、仮面ライダーマクシミリアンの全力突撃、喰らうといい!」
そして、そこに赤が並び立つ。
「俺も混ぜろよ。反撃タイムだ」
ああ、その方がいいってもんだ。
……ここからが、反撃の時だ!
走馬燈でスイッチ入って、ガチで突貫した和地による華麗なインターセプト! おっぱいは守られた!
そして和地、めちゃくちゃ無理をするの巻。この期に及んで至れない男だから仕方ないので、理論的にできる無茶をして反撃開始です。
人間の脳はある意味でスパコン並みとどっかで呼んだので、デジタルな動作を脳内AIチップとの同調で突破し、さらに魔剣創造で自分を強化する&安全対策マシマシの神星鉄制魔剣を作って、強引に性能を底上げ。なんとか二対一を押し返し、さらに空気を読まない覚醒潰しを華麗に……シャットアウト!
そしてリーネスと一緒に新たな形態に変身し、増援まで突貫する大盤振る舞い。
さぁ、ここからが……反撃だ!