好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
以前活動報告で書いたネタ、こっちの片手間にちょっと設定資料を作ったりとかしているんですが……。
……気分転換で収まっているけど、ネタを温めていったら原作とはスタートからして全く異なる飛んでも展開になりそうだぞ? 具体的にはPIXIVでMSV的なやつを書く必要になりそうだぞぉ?
まぁ、こっちの執筆意欲をかき消すようなほどではないのでご安心ください。
あと感想の返信でも書きましたが、イッセーの恋愛恐怖症は、悟るのが何気に大変ですなぁ。
恋愛恐怖症を発症しているくせに、煩悩まっしぐらでハーレム王を目指すスタンスは一切変わっていない。むしろ女湯を覗きたいがために命を懸ける方向性は現存しているわけですから。
ついでに言うとオカ研のメンバーは、イッセーがレイナーレに殺されてからイッセーと縁を結んでいるわけですからね。直後ですらハーレム王を目指して悪魔街道に燃え上っているのだから、人生経験も高校生レベルのリアスたちで悟るのは困難です。
……実際、指摘できる連中は、説得力を持たせられる人物だけにしている気はしますね。付き合いが長かったり、恋愛関係でトラウマレベルの過去を持っていたり、どっちも兼ねそろえていたり。
……まぁ、そんな感じです。
Other side
屋上で黄昏ていたリアスは、隣に座ってくる人に気が付いて、視線をちらりと向ける。
「……大変ですね、部長」
と、そこに映ったカズヒは、ペットボトルに入ったミネラルウォーターをリアスに差し出した。
あと間にポテトチップスの袋が置かれている。
一瞬困惑したリアスに、カズヒは同じくミネラルウォーターのペットボトルを開けながらため息をついた。
「とりあえず、まずはちょっと愚痴を吐き出しながらやけ食いとやけ呑みをしてください。流石にお酒は学内なので無理ですが、三十分ぐらい付き合います」
「……そうね。なら盛大に吐き出させてもらうわ」
そして本当に三十分愚痴を語り続け、リアスは盛大に息を吐いた。
勢いよく水を飲んでから、ポテトチップスをバリ掘りを食べて、人心地つく。
心のささくれだった感情が、発散したことで少しは落ち着いたことを自分でも理解できた。
それを理解しているからか、カズヒは珍しく柔らかい表情で苦笑を浮かべていた。
「……まぁ、大抵のストレスはやけ食いやけ飲みをしながら愚痴を吐いていれば、少しは落ち着くものです。アルコールで流すと八割は収まりますけど、それは流石に
「……そうね。自分でもびっくりするぐらい、すっきりしているわ」
そうカズヒに答えながら、リアスはもう一回ポテトチップスをバリボリと食べる。
ふと気づけば、袋は三つ目に突入していた。どうやら考えなしに食べている時にも、カズヒが気を使っていたらしい。
自分に常に厳しいがゆえに、他者にも基本厳しいカズヒにしては珍しい。それほどまでに自分はメンタルが追い込まれていたということだろう。
素直に反省し、リアスは苦笑する。
「悪かったわね。最近ちょっと焦っていたのか、冷静じゃなかったみたい」
「いえいえ。恋愛沙汰っていうのは、良くも悪くも理性のタガを外しますから」
意外なまでに理解を示しながら、カズヒは水を一口飲むと息を吐きだした。
「自分の想いが報われないと、世界が自分を嫌っているのかと思いたくなることぐらいは分かります。……まして、思いが届くどころか知られることなく、自分はともかく相手が死んだらと思うと、気が気じゃないですよね」
「……そんな経験があるの? やけに実感が籠ってるわね」
あまりに実感が籠っている様に見えて、リアスは思わず目を丸くする。
今の言葉を放ったカズヒは、どこか涙を浮かべたくなるぐらい悲惨な雰囲気が漂っていた。
カズヒはそんなリアスに答えることなく、ふと地面を見る。
「……自分の想いが破れて、それに納得するのも大変です。まして相手が何一つ悟ってくれないと、何時の間にか愛情が呪怨に変わることだって……ある」
その言葉に、リアスは返答がどうしてもできない。
今までにもカズヒという女の側面を見てきたが、それとはどこか異なる異質な雰囲気であるがゆえに、リアスはそれがカズヒの根っこにある物ではないかとすら思ってしまう。
それほどまでに言葉に重みがあり、凄味もあり、実感があまりに籠っていた。
表情すら、普段とは思えないぐらい寂しげで悲し気で、何より打ちのめされた人間のそれだと、リアスは多少なりとも色々な人間と関わってきた悪魔の経験則で理解する。
「……イッセーがなんであそこまで悟れないのかは分かりません。ただ、あそこまで鈍感なら間違えようがない形で直接的に叩き付けることも考えるべきです」
「リーネスにも似たようなことを言われたわね。サイラオーグとのレーティングゲームが終わったら、そうしようとも思っていたんだけれど……ね」
だが、あまりにレイヴェルがイッセーに推されたことで、少し冷静でいられなかったようだ。
心底反省していると、カズヒはため息をついた。
「……ただ何となくなんですけど、イッセーは恋愛にトラウマでもあるのかもしれません」
「……実感が籠っているけど、貴女の経験則?」
リアスはそう返すが、カズヒはそこには答えない。
もとより人に弱みを好き好んで見せる方ではないと、リアスも理解はしている。だからそこはいいと思いつつ、ただいうべきこともある。
「……あなたに恋愛のトラウマがあるからって、それが和地に当てはまるとは限らないでしょう? ……イッセーに何か恋愛を避けたい理由があるからって、私がそんな理由と同じみたいに思われたくはないわ」
「……なら、力強く見せつけて叩き付けるべきですね」
カズヒはそう答えると、今度は上を見上げる。
「私は、割と叩き付けられてます。正直な話、見事に条件をクリアしたうえ、あそこまでけなげな好意を向けられると……ぐっと来てます」
「……この流れで惚れ気を語られるとは思わなかったわ」
お前は私の愚痴を聞きに来たんじゃなかったのか。恋愛で我慢の限界に気かけている女に、そんなことを語るとは宣戦布告と受け取っていいのだろうか。
思わず殺気が漏れ掛けるが、カズヒは盛大に肩をすくめた。
「……まぁ、回避できない絶対攻撃を、拘束した状態で叩き付けたらどうですか? 女として男に告白されたいと思う気持ちは分かりますが、本当に好きなら自分から告白する気概があってこそですよ?」
そう切り返したうえで、カズヒは盛大にため息をつく。
「……とはいえ、それで断られるとメンタル地獄ですけどね。泣きたくなるほど凹みますし、そんな時に更に酷い目にあったら人格が歪んで淀んで捻じれて腐りますから」
「これまた実感が籠り切ってるけど、貴女の人生がどうなってるのかさっぱり分からないわ」
混乱すらし始めるが、言いたいことはそこではないのだろう。
そう、彼女が言いたいことは―
「失恋する覚悟込みで、自分から挑むことも重要ってことね」
「……まぁ、イッセーの反応を見る限りは大丈夫でしょうけどね」
そう答えるカズヒに、リアスは最適な言葉が浮かばない。
普段から弱みを基本見せないうえ、過去に関しては同にも不透明というかおかしなところが多いものだ。
元ソ連の政情不安定地域出身。にも関わらず世界的に見て日本含めたごく一部限定の卵の生食を好み、日本文化に意外なほど詳しく、更に繋がりが見えないのにリーネスや鶴羽とツーカーの仲。
ただ、それを此処で少しとはいえ語ったということは―
「……いつか、話してくれるのかしら?」
「……覚悟はまだですけど、近いうちにリーネスや鶴羽と一緒に、必ず」
なら、今はいい。
話そうと、歩み寄ろうとしてくれるのなら、今はそれで十分だ。
色々とあったし、これからも色々あるだろう。スタンスが明確に違う以上、揉めることがなくなることはない。
だが、共に死線を潜り抜けてきた。手を取り合って困難を乗り越えてきた。
だから、今はいい。
「……で、もう一袋いきます?」
「流石に甘いものが食べたいわ。……奢るから喫茶店に行きましょう? いい紅茶とケーキのお店を知ってるの」
今は、これぐらいで構わない。
イッセーSide
ふぅ~。なんていうか、心地よい疲れって感じがするな。
……自分で漸く自覚できたよ。俺、恋愛するのが怖かったんだってな。
レイナーレに色々言われたりされたりして、トラウマになったのか。
でも、皆はアイツとは違う。違うなら、きっと大丈夫だ。
まだ怖い。っていうか、自覚したからこそ怖い。
だけど、皆はそれを受け止めてくれた。それが嬉しくて、ありがたくて、愛しいから。
……次のレーティングゲーム、どんな結果になっても俺は一歩を踏み出そう。
リアス部長に、俺は―
「あ、イッセーいましたの!」
―と、そこで元気な声が聞こえてくる。
この声はヒマリだなと思った時、ふにょんと柔らかい感触がぁあああああ!
うぉおおおお! おっぱいぱい!
「……もう朱乃さん達が励ましたんですのね? ちょっといい感じに思えますの」
「はいはいいきなり抱き着かない。その年ですることじゃないからさ」
ヒツギも来てたのか。っていうか、俺のことを探してくれてたんだ。
「……なんか、悪かったな、心配かけて」
「いいっていいって。トラウマ発症している仲間を気にかけんのは、当たり前のことじゃん?」
ヒツギはそう言いながら、なんか電話番号が書かれた一枚の紙を俺に渡してきた。
「これ、悪魔祓い専門の心理カウンセラー。事情は先に伝えといたから、まあ気休めぐらいにはなるんじゃない?」
あ、そういったのあるんだ。
でもカウンセラーか……。
「ドライグも、俺のおっぱいで心を病んでいるって聞いてたけど……こういう感じなのかぁ」
「……深刻度が似たり寄ったりなのに、過程がアレすぎてちょっと引くかな」
いや、なんかゴメン。
俺も時々困惑するぐらい、おっぱいおっぱいで事態何とかしてたからなぁ。先生が言うには二天龍がおっぱいで進化するとかショックでしかないって感じらしい。
いや、乳神とかおっぱいゾンビは流石に俺に言われても困る。どっちも俺がきっかけだけど、あんなの想像できるわけねえだろ。
っと、今はそっちじゃなかったな。あとヒマリは抱き着いてすりすりしすぎだろ。
「でもまぁ、何とか俺も一歩前に進んでみるよ。サイラオーグさんとのレーティングゲームを終えたら、リアス部長と……向き合ってみる」
ちょっと震えたりしたけど、それでも何とか言えた。
しっかりと、人前で言うことで、腹も少しはくくれたと思う。
俺も、覚悟を決めないとな。
「俺はリアス部長が好きだ。愛してるから、ハーレム王の第一歩は、やっぱりあの人から始めたい」
ああ、まずはそこからだ。
今度こそ、真剣に、覚悟を決めてハーレム王を目指してやる。それぐらい、本気で俺は決意した。
「皆にも、そこから改めて考える。ハーレム王を目指す身として、真剣に愛する皆に向き合ってやるさ!」
ああ、まずは……そこからだ!
「「……おぉ、おぉう……」」
あれぇ?
ヒツギが顔真っ赤だし、抱き着いてるヒマリもなんか熱いぞぉ?
え、これって、つまり……?
「そういう勘違い、してもいいの?」
「え? 勘違いも何も、割と当たって―」
「うわぁああああああああああ! ちょ、ヒマリストップ!」
うぉおおおおい! これは勘違いじゃなくて当たりそうだぞぉおおおお!?
想定外の方向から想定外の一撃をもらったぁあああああ!?
「いや、グっと来てるけど! ポイント高いけど! まだ届いてない、届いてないからね!?」
「今のでポイント急上昇ですの。もうちょっとでハートを打ち抜けますのよー?」
おぉおおおおおっい! 俺が考えなきゃいけないこと、更に増えたなぁ、おい!
和地Side
……そっとしておこう。
俺はイッセーを探していたけど、なんか大丈夫そうだからそっとその場を去る。
あとヒマリやヒツギに春が来た感じだな。おめでとう、なんか寂しいけどほっとしてる自分がいるよ。
さて、とりあえず他のメンバーにも連絡しておくか。
LINEでオカ研のメンバーに「イッセーは大丈夫そう」と送りながら、俺は軽く背を伸ばした。
先生は先生でカウンセラーとか準備できないか動いているけど、案外必要なくなるかもな。リーネスはキュウタに連絡して音楽療法のメンタル回復とか考えてるけど、こっちはしておいて損はないだろう。
とはいえ、サイラオーグ氏とのレーティングゲームは何とか問題なく始められそうだ。
……とはいえ、ちょっと不安がないではないがな。
なんたって、俺が駒王学園と縁を持ってから、学園のイベントごととタイミングを合わせて大事が巻き起こってやがる。
球技大会から少ししてコカビエルさんがやらかすし、終業式に滑り込むように駒王会談で大規模テロ。夏休みには冥界でテロが起きるし、体育祭直前に旧魔王派の大規模テロだ。とどめに修学旅行は、対英雄派と同時進行ときたもんだ。
サイラオーグ氏とのゲームも、学園祭直前に行われる。言いたくないけど、タイミングが微妙にかち合っているのが不安になってたまらない。
……警戒はしておくべきだろう。それに、だ。
「春っち、ベルナ」
あの二人は、必ずこちら側に引っ張り込む。
嫌われてもいい。憎まれることも覚悟の上だ。春っちにおいては縁を切られることも踏まえてもだ。
あの二人の表情を、俺は瞼の裏の彼女と照らし合わせる。
……まだ、あそこまで入ってない。踏み越え切って、手遅れになってしまった絶望には落ちていない。
そう、だからこそ。
「……必ずだ。いずれの前置き付きで、必ずもらい受けてやる」
腹をくくれよ、九成和地。
お前の誓いをお前が汚す、そんな阿呆は絶対するな。
そして、レーティングゲーム当日がやってきた。
さて、次回からは冥界に移動する感じですね。
今回、グレン×グレンの作品としては変化球の入った流れになっておりますので、長い付き合いのあるかたほど新鮮な感じになるんじゃないかと思っております。
グレン×グレンも、成長や改善は致します。特に今回は感銘を受けたある作品がありますが、まぁそれは変わっているところが見えてきてから……と、言うことで。
今までと違うライオンハートのやり方、どう思います?
-
いいじゃんいいじゃん!
-
う~ん、微妙
-
今までの方がよかった
-
完璧にダメ!