好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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冥革動乱編 第三十八話 浮遊都市アグレアス

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 リアス・グレモリーVSサイラオーグ・バアルのレーティングゲームは、アグレアスという都市で行われることになった。

 

 旧魔王に関連するでかい浮遊島に作られた、ファンタジーの権化みたいな都市。そこはレーティングゲームの聖地として呼ばれ、また技術担当魔王のアジュカ・ベルゼブブとその眷属が検査する遺跡が存在する。

 

 でかい湖の上にあるその浮遊島は、いくつかの移動ルートで向かうことになっている。

 

 まずは、限られた許可をもらった者達だけが使用できる、直接転移。最もポピュラーなのが、飛行船などを使用する移動方法。そして下の町とアグレアスを繋ぐ、ロープウェイじみたゴンドラによる移動の三種類に大別される。

 

 そして俺達はゴンドラで移動している。部長が以前乗った時の景色の話をした結果、満場一致で見てみたいとなったわけだ。

 

 ……確かに、かなりいい感じの景色だよなぁ。

 

 思わず外を見ずにはいられないぐらい、幻想的な光景だ。これは移動ルートの都合上、飛行船では見づらいだろう。

 

「ふぉおおおおお! これ、ファンタジーですのよぉおおおおおおお!」

 

 隣でヒマリもめちゃくちゃ興奮している。

 

 目がキラキラしているというか、一年生組よりはしゃいでないか? むしろ一年生組、気圧されてないか?

 

「……ですけど、これだけの巨大物体を浮遊させるという旧魔王の技術は、解析されてほしいですね……」

 

 ルーシアはルーシアで、もうちょっとはしゃいでいいぞ?

 

 なんていうか、此処で真面目な対応はしなくていいとすら思う。

 

 う~ん。なんていうか、肩ひじ張ってる感じがするのが大変だな。

 

 常に肩ひじ張るのも大変だしなぁ、まぁ、人それぞれの塩梅ってのがあるから大変だ。

 

「それにしても、プロデビュー前の悪魔同士がゲームするってのに、ゲームの聖地って大盤振る舞いじゃん?」

 

「それに関しちゃ、面倒くさい事情があるんだよ」

 

 と、世間話感覚のヒツギの言葉に、先生がそんな返しをする。

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、なんてったって現魔王トップのサーゼクスの妹と、血統主義派の筆頭でもあるバアル本家の次期当主だ。大王派はバアル領でしたがってたし、魔王派もグレモリー領でしたいという連中がごろごろいたのさ」

 

「……それ絶対にどっちも譲らねえ奴じゃねえですか。聖地にしたの、それ以外の代案で最適なのがなかっただけじゃねえですかい」

 

 イッセーに答える先生が語る内容に、アニルがうっへぇという表情を見せている。

 

 ああ、すっごい泥仕合になりそうな感じだなぁ。

 

「ま、そんな感じで大公アガレス家がとりなしたってわけさ。大王派と現魔王派の間に入りまくっている、中間管理職様様だな」

 

「……あの人、胃とか大丈夫なんだろうか」

 

 一応顔を見たことはあるイッセーが、そんな心配をしているようだ。

 

 映像で見たけど、クールビューティな次期当主だったな。眉間にしわが刻まれそうだ。

 

 今度顔を合わせる時があるかもしれないが、日本の銘菓でも用意した方がいいんだろうか。

 

 確か少し前に会長とゲームをしているそうだけど、そろそろ終わる頃合いだろうか。

 

「ま、旧魔王派を排斥したとはいえ、血統や階級を全部捨てるような連中ばかりじゃない。大王派はそういうものを重視する連中が多いから、俺らみたいなタイプとはソリが合わないんだよな」

 

「あらあら、確かに先生とは相性が悪そうですわ」

 

 朱乃さんが先生にそう返すけど、まあ先生は相性が悪いだろうな。

 

「そうねぇ。お爺様も最近は相性悪そうだし、真面目に魔王派には政争で勝ってもらいたいかも」

 

「難しいところですね。出生率の向上や、DFなどの軍事力強化で底上げされているのが大王派です。落日により価値が下がり消え去ろうとしてる魔王の(あざな)は、和平を結べた流れをもってしても……苦戦はするでしょう」

 

「……下手に力を借りると、内政干渉になりますしね」

 

 リヴァ先生が茶化すように割とまじなことを言えば、ある程度は内情も分かる木場や小猫がそう返す。

 

 フロンズ氏やノア氏、そして彼らを擁するシュウマ・バアル達の動きは中々だしな。和平の促進で現魔王派も追随しているが、現状では現魔王派不利といった感じだ。

 

「そういう意味では、このゲームは大王と現魔王の代理戦争になるのかもしれませんね」

 

 木場はそう、確信をつく感じのことを告げる。

 

 まぁ確かにな。現魔王筆頭の妹と、大王本家の次期当主がゲームをするんだ。

 

 政治について考える立場なら、そういう意識を向けずにはいられないだろう。少なくとも、全体のムードが左右されることは十分に考えられる。

 

「ま、裏でそういう考えをする奴は多いだろうがな。別にお前らが負けたところで、サーゼクスに迷惑は掛からねえさ。大王バアル家についてる連中が喜ぶだけだよ」

 

「……努力でのし上がってきたサイラオーグさんを、利用する連中ですか」

 

 先生に反応したイッセーの言葉には、不満が割と見えている。

 

 イッセーはサイラオーグ氏のことをリスペクトしているからな。ある程度は事情を知っている身としても、手のひらを返し胡麻をする裏側で、体よく利用してやるぜな感じだろう連中だって推測もできる。苛立つ奴はいるだろう。

 

 カズヒ姉さんもそこは同感なのか、頬杖を突きながらため息をついた。

 

「偏見だらけの意見だけれど、体よく利用するつもりなだけでしょうしね。血統と家柄を何より大事にする連中が、どんな生まれでも能力があればいい待遇を得られる悪魔社会なんて望まないでしょうし」

 

「ま、裏でこき下ろしてるのはサイラオーグも承知の上さ。例え相容れない相手であろうと、上り詰める為にはパイプが必要だと分かってるんだ。我慢強い男だよ」

 

 我慢強い。そんな先生の言葉に、俺は心底から納得する。

 

 嫌いな連中だらけで、更に劣悪な待遇に置かれながらも、ハンディキャップを乗り越えてのし上がるのがどれだけ大変か。少なくとも、俺がザイアにいた時よりよっぽど酷い環境だったのだけはよく分かる。

 

 ザイアの連中は好意的に受け取れないが、生活待遇は気を使っている。飯は上手く栄養があり、娯楽もそこそこ用意していて、健康にも気を使っている。更に強く賢く逞しい存在にしようと、英才教育だってしていたからな。俺の戦闘能力は、間違いなくザイアに育てられたことが大きく関わっている。

 

 そんな強くなる為の至れり尽くせりもなく、あそこまでの力をよく手に入れられたと素直に感心するさ。その精神力は、間違いなく傑物だ。

 

「……アザゼル、警備はどうなっているのかしら? 言いたくないけれど、禍の団がこのタイミングでテロを仕掛けてくる可能性はあるわよね?」

 

 リアス部長が、ある意味怖いことを言ってきた。

 

 でもまあ当然の懸念だ。リアス部長の気持ちはよく分かる。

 

 シトリーとのレーティングゲーム前日にテロを仕掛けられ、アスタロトのレーティングゲームはそもそもテロの土俵となったわけだ。二度あることは三度あると、懸念するのは当然だろう。

 

「うぅ……。やっぱり狙いたくなるんでしょうかぁ」

 

「あり得ますね。良くも悪くも注目されているでしょうし、現政権の上役や、和平を結んだ神話体系の上層部も直接観戦に来ていると伺っていますし」

 

 ギャスパーはロスヴァイセさんも懸念するけど、先生はなんというか余裕な雰囲気だ。

 

「ま、テロの機会としちゃこの上ないからこっちも警備は厳重だ。もっとも、杞憂に終わる可能性は割と高いがな」

 

「どういうことです?」

 

 イッセーが聞くと、先生はにやりと笑った。

 

「ヴァーリの奴からメッセージが来たんだよ。「今回の試合は注目している。誰にも邪魔はさせない」ってな」

 

「……イッセーってば、女の子だけじゃなく男からもモテモテですの!」

 

「やめたげなって。絶対望んでないから」

 

 ヒマリにヒツギがツッコミを入れるけど、確かに俺もそう思った。

 

 サイラオーグ氏からも気に入られ、匙からは超えるべき目標扱いされる。ヴァーリだけでなく英雄派の曹操からも注目される。とどめに木場からはホモホモしい雰囲気を見せられることもあるからな。

 

 ドラゴンの人を引き付ける才能は歴代でも有数と、曹操が評価していたんだったな。言い得て妙な気がする。

 

「……変態性を飼いならしていれば、稀代のカリスマとして人間界でも有名になっただろうに」

 

「うるせえよ! 男にモテても嬉しくないって!」

 

 俺に反論するイッセーだけど、まぁそれはいいか。

 

 テロをしようとしたら内部から攻撃を受けるとは。禍の団も哀れだが、こっちにとっては好都合だな。

 

「曹操もミザリも、会場に集まったVIPに加えて白龍皇まで相手取るリスクは負わねえだろう。ま、万が一があるから警戒はしておくがな」

 

 だよなぁ。

 

 たまには純粋にイベントを楽しませてほしいものだ。

 

 ……本当に楽しませてくれよな、ホント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴンドラから降りると、大勢の記者や報道陣によるフラッシュライトが浴びせられた。

 

 まぁ、僕達は今回の主役の片割れだし当然かな。イッセー君やリアス部長を見ようと、民間のファンも待ち構えていて大歓声だ。

 

 正直ちょっと戸惑ったりもしたけれど、スタッフや警備員の方々から誘導してもらって、レイヴェルさんが準備していたリムジンに乗り込めた。マスコミの車も後ろから追いかけてくるけど、これから今回の試合会場であるアグレアス・ドームまでは問題なくつけそうだ。

 

 そんなマスコミの方々の様子を見てから、アザゼル先生が僕達の方を振り向いた。

 

「……グレモリー眷属の連中、特にイッセーはマネージャーをつけとけ。今後は間違いなくテレビ出演の機会も増えるだろうし、おっぱいドラゴン関係もある。……学生生活と両立させるには、そういった支援が必要不可欠になるだろうからな」

 

「……部長、私が駒王学園を卒業するまではおっぱいドラゴン関係に関与させないでください。補修を通り越して卒業ができなくなりそうです」

 

 凄い真剣というか切羽詰まった表情で、カズヒがそんなことを言ってきたものだから、皆少し噴き出した。

 

 カズヒの頬に冷や汗が伝っていることに気づいた人数は少ないようだ。どうやら本気で言っているらしい。……学業、割と苦労しているのかな?

 

「大丈夫ですのよー。カズヒはやればできる子ですし、勉強会もしますもの」

 

「むしろ、今回もお願い。……特に数学が、赤点と補修の危機に直面しているわ……っ」

 

 ヒマリさんに抱きしめられると、俯きながらカズヒはそんな弱音まで吐いてきた。

 

 相当心配になるレベルらしい。後で僕も勉強会に参加しよう。

 

「リヴァ先生、数学も教えられるレベルだっけ?」

 

「年齢三桁目前の私を舐めないで。大学卒業レベルの学力は持ってるわ」

 

「いや、リヴァ。勉強ができるのと勉強を教えられるのはまた別な気が……」

 

「和地もインガも安心しなさい! カズヒとの勉強会は私も参加するから! ザイアの連中に珍しく感謝したいわね!」

 

 と、九成君達は仲が良いようで何よりだね。

 

「真剣に、真剣に教えを乞うわ。……弾道計算とか経験則と直感でやってたから、数式になると環境の差が……モロに……っ」

 

「相当キてるわねぇ……。今度、一緒に勉強会しましょうねぇ?」

 

 そしてカズヒは本当に追い詰められているらしい。学内の風紀においてはトップクラスに引き締めているけど、勉学においては苦労する側のようだ。

 

 リーネスに頭を撫でられながら、頭を抱えている姿は失礼だけど新鮮に映るレベルだ。

 

「ふむ。確かに学園祭が終われば中間テストも近いしね。私達も勉強会をするべきか」

 

「そうね、ミカエル様の(エース)として、何より信徒として恥ずかしい真似は出来ないわ!」

 

 ゼノヴィアやイリナさんも、割と本気で勉強の方に意識が向いている。

 

 ……うん、今はゲームに方に意識を向けた方がいいからね?

 

「……そういえば、テストの問題作成もそろそろ進めないといけませんね。アザゼル先生も、そろそろ始めた方がいいのでは?」

 

「おーい。今はゲームの方に意識を向けとけよな?」

 

 先生方も大変ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 到着しましたアグレアス・ドーム!

 

 冥界ではゲームだけじゃなくライブ会場にも使われるっていうし、しかも東京ドームよりでっかくて豪華! ……いや、直接行ったことはないけどね!

 

 内装も豪華絢爛というか貴族的というか。しゃんでりらだけじゃなくて、なんか有名そうな感じの絵画まで掛けられてる。

 

 いや、夏休みにグレモリーのお城で過ごしてなかったら、緊張で右手と右足が一緒に出てきちゃいそうだな。慣れててよかったぁ。

 

「……グレモリーのお城ほどでないと思った辺り、感覚がマヒしているわね」

 

「少し普通の生活水準に感覚を戻した方がいい気がするな……」

 

 カズヒと九成がそんな感じで首を捻ってるけど、ちょっと分かる気がする。

 

 京都グレモリーホテルの時も、感想が周りとずれてたしなぁ。部長の眷属やってるなら金回りもよくなるだろうけど、その辺しっかり気を引き締めないと。

 

 そんな風に思いながら、俺達は控室に向かって歩いていく。

 

 と、そこでローブと仮面の集団が向こうから歩いてきた。

 

 っていうか、中心にいる豪華なローブの人なんか骸骨じゃん。それも、アザゼル先生やサーゼクス様より凄いオーラを纏ってる。……オーディンの爺さん並みって感じだし、神様か何かか?

 

 っていうか、アザゼル先生やカズヒの雰囲気がちょっとピリついてる。

 

 ……テロリストじゃないよね? 不安になるんだけど。

 

『これはこれは……グレモリーの娘に堕天使の総督殿か』

 

 と、すれ違う距離になったとたん、口を動かさずに骸骨が声を放ってきた。

 

 すいませぇええええ! なんか敵意が見え隠れ手しているですけど! 特に近くにいる若い雰囲気の人達から、殺気レベルの敵意が見え隠れしているんですけどぉおおおお!

 




 そんな感じで、例の骨が出てきたところでいったんヒキとなります!

今までと違うライオンハートのやり方、どう思います?

  • いいじゃんいいじゃん!
  • う~ん、微妙
  • 今までの方がよかった
  • 完璧にダメ!

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