好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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というわけでエクスカリバー編のエピローグといった感じですね。


三勢合一編 第十話 戦い終わって

 

 ―ふと気づいた時、そこは木製の天井だった。

 

 体を伸ばして体調を確認しながら起き上がると、周りを確認する。

 

 窓からは林が見えるけど、その向こうには校舎っぽい建物が見える。

 

 あ、ここリアス・グレモリー眷属のアジトの、駒王学園旧校舎か。

 

 そこに気づいた時、ドアがノックされてゆっくり開けられてくる。

 

 そこからこっそり覗いてくるのはヒマリ。あといい匂いがしているから、クックスが食事の準備でもしてくれたのか?

 

「……和地っ! 起きましたのねー!」

 

「へぶぁ!?」

 

 勢いよくタックルかましてくるな。いや、冗談抜きでやめろ。

 

 まだ疲れが残ってるから。真剣にまだ体がきついから。

 

「ヒマリ様は落ち着いてください。とりあえず朝食にいたしましょう」

 

 うん、ありがとうクックス。ついでに言うと引っぺがしてくれると更に嬉しい。

 

「……む~。戦闘後に気絶なんて初めてですのよ? 心配にもなりますのよ?」

 

 クックスに促されても、ヒマリは俺の胸元に顔を埋めて離れない。

 

 いやもう、何故かヒマリに懐かれてるんだよなぁ。

 

 孤児になってから相方として選ばれてるし、ザイアが指定したそのタッグが崩壊したケースはあまりない。ついでに言うとザイアの思想上、俺もヒマリとそういうことをしているわけであるのですが……。

 

「大変でしたわね。でも、頑張って成果もあげてくれたのでよくやりましたの。良い子良い子ですのよー」

 

 ……何か方向性が奇妙なことになっている気が、しないでもない。

 

 相棒として気は合うし、懐かれている自覚もある。同時に時々こうして可愛がられてる。

 

 なんだろうか、姉貴分のような相棒のような、そんでもって子供を愛する母親のような雰囲気すら垣間見える。

 

 俺にとって、ヒマリ・ナインテイルはそういう関係性だった。

 

 素直に甘えるように体を預け、そしてあやすようにぽんぽんと背中を叩く。

 

 年齢より子供っぽいのに、極稀に俺より遥かに年上の様に感じる、どこか不思議なこの相方。

 

 ……なんというか、俺も一緒にいると落ち着くから困ったもんだよ。ザイアコーポレーションの慧眼には感心するぜ。

 

「……とりあえず、おなか減ったから何か食べさせてくれない?」

 

「おっとそうでしたの! クックス、今日の朝ごはんはなんですの?」

 

 俺の言葉に我に返り、というより空腹に気づいたのかそっちに意識が向いた感じだ。

 

 それに対してクックスは苦笑して、そして持ってきていたトレイの蓋を開ける。

 

 出来立てのホットサンドイッチが、二人前。

 

 それに目を輝かせるヒマリの横で、俺は思わず苦笑した。

 

 ……行動、読まれてるなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして朝食を食べ終えたら、簡単な健康チェックを受ける羽目に。

 

 ……どうもルイ17世の宝具は、多臓器癌の苦痛を味合わせるってものらしい。

 

 あくまで苦痛を味合わせるだけだから肉体に影響はなさそうで、とはいえ万が一があるから念の為全員検査は受けているらしい。それにノーシーボ効果って言って、思い込みは悪い方向でも作用する。本当に臓器の機能低下ぐらいありかねない。

 

 ってわけで、こうして俺は健康診断を受ける羽目になっている。

 

 異能的なところにおいては、リーネスが担当する形。そして現代医学的な科学的アプローチには、担当が一人いるわけだ。

 

「……うっし! これにて診察完了! ダメージは確認できないからめでたいってもんだ!」

 

「そうだなキュウタ。いや、ほんと手間かけさせたな」

 

「ふふ。二人ともご苦労様ぁ」

 

 医療担当のヒューマギアであるキュウタと、魔術回路研究から治癒魔術にも造詣が深いリーネスの太鼓判があるなら、まあ大丈夫だろ。

 

 念には念を入れて本格的な検査もいるだろうけど、まあ当面は大丈夫だろ。

 

「……それで、俺が気絶した後はどんな感じになったんだ?」

 

 気絶してるからその辺が分からないんで、俺は念の為に聞いてみる。

 

 まあ、悪魔側の陣地に間借りできてるなら、そんな悪いことにはなってないんだろうけどさ。

 

 実際そうなのか、リーネスは微笑みながら俺の頭をなでる。

 

 褒めてくれてるんだろうけど、なんでヒマリにしてもリーネスにしても俺のことを小さい子供のように扱う時があるんだろうな。

 

「どうということもないわぁ。コカビエルが倒されたことで、当面の危機は回避したものぉ。サーヴァントの力を利用して足止めに向けられていた魔獣が消えたことで、白龍皇と銀髪の殲滅女王がこっちに来て、戦後処理は殆ど任せたわぁ」

 

 ……対コカビエル戦力が、コカビエルの足止めに見事に足を引っ張られてたってわけか。

 

 結局全部終わって漸く来れるようになったんだから、この辺はコカビエルの作戦勝ちか。イッセーが凄いことになってなかったら、かなりまずかったかもな。

 

 俺が最悪の想像をちらりとして寒気を感じてると、キュウタはうんうんと頷いていた。むしろ感動していた。

 

「あのイッセーって奴は(おとこ)だったな。……かなりスケベなのは問題だが、ああいう野郎は大好きだ」

 

 キュウタはうんうんと頷いてるけど、普通そういうのはちょっとばかりとかいうんじゃないか?

 

 ……いや、どう考えてもそんなレベルじゃない。悪魔として異常と言ってもいい魔力の低さで、普通に魔力使うより遥かに超効率で衣服を破壊する技とか、並みのスケベじゃ開発できない。

 

 まあそれはともかく。

 

「……ま、いつも助かってるよキュウタ。いやほんと、付き合い長いからなぁ、俺達」

 

「そういう意味じゃあ、リーネス様には感謝だな。態々私費まで使って、俺達を集めてくれるんだからよ」

 

 そう言い合い、俺とキュウタはリーネスに視線を向ける。

 

 リーネスもそれを受け止めて、クスリと可愛い笑顔を浮かべている。

 

「どういたしまして。私もあなた達には感謝してるから、お互い様よぉ」

 

 ……いやほんと、リーネスには感謝だよ。

 

 俺達の面倒をしっかり見てくれてるからこそ、今の俺達がここにいるんだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてリーネスやヒマリと一緒に、リアス・グレモリーに挨拶をしに来てみたら―

 

「やあ、起きたのかい?」

 

「……なんでいるんだよ」

 

 ―まさか、聖剣使いのゼノヴィアが此処にいるとは思ってなかった。

 

 あの、どういうこと?

 

 俺が視線をリアス・グレモリーに向けると、何故か自慢げな表情になった。

 

「ふふ。自慢の新しい眷属よ。デュランダル使いが眷属なんて誇らしいわ」

 

 ………俺はゼノヴィアを二度見した。

 

 ゼノヴィアもその意味に気づいたのか、悪魔の翼を広げて見せたし間違いなさそうだ。

 

 いや正気かよ。本気かよ。

 

 軽くドン引きしてると、イッセーがうんうんと頷いていた。

 

「だよなぁ。しかもついさっき神様に祈って頭痛めてたし」

 

「考えなしって言葉を体現してるな、オイ」

 

 俺が半目を向けると、ゼノヴィアは視線をついと逸らす。

 

 自覚はあるようで嬉しいよ。

 

「……いや、既に主の死を知っている以上教会にはいられないだろうと思っててね。実際その旨を伝えたとたんに、デュランダルの返却すら言わずに黙認しているのだから……」

 

 なんてことをぶつぶつ言ってるところ悪いんだけど、俺は一つ聞きたいことがある。

 

「ならカズヒ姉さんは? その流れだと、姉さんもリアス・グレモリーのお世話になってないとおかしいだろ?」

 

 俺がその辺を聞くと、今度は全員少しうつむいた。

 

 ……カズヒ姉さんは何をやらかした。

 

 俺が嫌な予感を覚えていると、姫島朱乃とか言ったグレモリーの女王が、口元を隠しながら視線を逸らしつつ口を開く。

 

「上層部にその辺りをにおわせたところ「知っている者も少なからずいるから、ある程度の手間さえかければ大丈夫だ」と言われたそうですわ」

 

「……ついでにゼノヴィア先輩にも伝えるように言われたそうですが、時既に遅しでした」

 

 塔城小猫もそんなことを言っている。

 

 なるほど。つまり考えなしに動いて手遅れになったと。

 

「ちなみに、カズヒ(彼女)はゼノヴィアに「自分から売り込んで悪魔になったのなら、相手が契約を反古にしない限りはしっかり眷属として動きなさい。それが責任というものよ」って真っ先にゼノヴィアに釘を刺していたよ」

 

「……ぐうの音も出ない」

 

 木場祐斗の意外と上手い声真似に、ゼノヴィアが本気で肩を落としていた。

 

 いや、カズヒ姉さんはそういうこと言うよな。

 

 まあ実際、自分から売り込んで悪魔になっておきながら、即座に手の平を反して教会の暗部に寝返るとかないだろ。流石にそれは暗部側もなんか言うだろ。当然の反応だな。

 

 人間、感情のままに動いて良い時と悪い時がある。これは悪い時だな。

 

 うん。自業自得だから悪魔として頑張れ。一応敵対勢力だから応援はしないけど。

 

「クッ! だがしかし……いやでも……」

 

「ゼノヴィアさん、お気持ちは分かります」

 

 そして悩みまくるゼノヴィアに、アーシア・アルジェントがそっと手を取って微笑んでいる。

 

 いやあのすいません。貴女、その人に殺されかけてませんでしたか?

 

「……あれが菩薩、あるいは女神ですのね」

 

「……キリスト教徒の女の子に向ける例えじゃないわよぉ」

 

 ヒマリの発言にリーネスがツッコムけど、まあ確かに。

 

 見方によっては甘いともとれるし、カズヒ姉さんはそういうことを言いそうだなぁ。

 

 俺としても、涙の意味を変えるのは構わない。だがそれは理不尽に苦しめられる涙に対して出会って、自業自得の因果応報まで変える気はない。

 

 だけどまあ、いいか。

 

 俺達の勢力ではないし、俺やカズヒ姉さんの価値観が唯一絶対ってわけでもない。

 

 他人の価値観をむやみやたらと非難して否定するような趣味は、俺には全くこれっぽっちもない。

 

 だけど―

 

「「ああ、主よ……ぁう!?」」

 

 ―悪魔なんだから、むやみに神に祈るのはどうかと思う。

 

 とりあえず、友情が結ばれたようで何よりです……か?

 

 俺がそんな風に〆ようとしたとき、イッセーが思い出したかのように俺に近づいてきた。

 

「そうそう。九成には聞いておきたいことがあったんだ」

 

「ん? なんだよ」

 

 そう聞き返す俺に、イッセーは一枚の紙を見せた。

 

 ……すいません円マークの右側に、数十億円(0が9個)ほどあるんだけど。

 

「……何だこの金額」

 

「いや、その……な?」

 

 イッセーも言いにくそうにしてるんだけど、その時足音が響いた。

 

「それは私も説明します」

 

 ……あれ?

 

 そこにいたのは、たわわなおっぱいを持つ一人の女性。

 

 あ、サーヴァントのシャルロット・コルデーさんか。

 

 ……いや、ちょっと待とうか。

 

「あの、聖杯戦争って結局どうなったんだ? まだ続いているってオチ―」

 

「それはないわぁ。コカビエルが他の参戦者を撃破してたから、そのコカビエルとサーヴァントのルイ17世が敗退したことで、優勝者はそこのシャルロッテさんよぉ。だから、マスターになっていたイッセーも優勝者ねぇ」

 

 俺の疑問にリーネスが答えてくれる。

 

 聖杯戦争の研究をやっていた人だし、この辺は信頼できるな。

 

 ってことは、どういうことだ?

 

「まず先に言うと、私が願ったのは「マスターを兵藤一誠としている場合に限っての、単独行動スキルの強化」です。結果としてイッセーをマスターにしている限り、よほど異常な魔力消費がない限りは魔力的負担も聖杯の加護も無しに持続できます」

 

 なるほど。

 

 よく知らないけど、受肉ではなくイッセーをマスターとして現界し続けることを選んだわけか。

 

 俺はそこで、イッセーをちらりと見る。

 

 もはやこれ可能性は一つだけだろ。間違いなくイッセーも分かってるはずだろう。

 

 だから言え。ハーレム願望持ち(お前の性格)なら、自慢したいんだろう。

 

 羨ましがってやるからさっさと言え。実際あのたわわなおっぱいに好かれるとか、年頃の青少年として羨ましいから。

 

 そしてイッセーは、凄く照れくさそうに鼻の辺りをこすっている。

 

「……へへ。俺ってば、主的な感じに相応しいって思われたみたいでさ。へへ、もてたい男としてはちょっと複雑だけど、部長やアーシアで慣れてるから、大丈夫さ」

 

 ………。

 

 俺は、ちょっとグレモリー眷属の方々を見る。

 

 呆れ半分って感じで、皆が苦笑いしていた。

 

 うん。

 

「お前、馬鹿だったんだなぁ」

 

「どういう意味だよ!? いや、馬鹿であってもシャルロッテに恥ずかしくないように頑張るしかねえからな! 覗き断ちから始めるからな!!」

 

 それは最初からやめろ。

 

 いい歳こいて覗きをするな。警察に通報されたら一発アウトだぞ普通。

 

「……もー。男の子はエッチで普通ですけれど、そんなことをして迷惑を掛けたらいけませんのよ!」

 

 ヒマリもそうツッコミを入れるけど、たぶん今はそこじゃない。

 

 軽くため息をついている、シャルロットやらリアス・グレモリーやら約数名。

 

 うん、同情します。あとイッセーは自覚だけすればハーレム完成するだろコレ。

 

「……で、この数十億円はいったいどういうことで?」

 

 俺はそこに話を戻す。

 

 いや、ほんとどういうこと?

 

「それがですね。その、コカビエルの作った聖杯の制度では、可及的速やかに願いを叶えないと大惨事が確定するようだったので、マスターのイッセーにも願いを叶えるよう促したんです」

 

「聖杯の精度とかの問題もあったから、ちょっと急いで叶えてもらおうとせかしたのよねぇ」

 

 と、シャルロットの補足をリーネスがしてくれる。

 

 頬に片手を当てて困り顔をしているところ悪いんだけど、ちょっと嫌な予感がしてきたぞ?

 

 そんなわけで、ちらりとイッセーを見ると、イッセーもちらりと視線を逸らした。

 

「……ハーレム王や上級悪魔には、甲斐性が必要だと思ったんだ」

 

 あ~。即物的に財源をお願いしたと。

 

「……そしたら結果的に漠然としたイメージを拾って、大量の石油が落ちてきたのよ。……そのまま」

 

 グレモリーのその疲れた言葉に、俺はちらりとイッセーを見る。

 

 もの凄くいたたまれなさそうにしているけど、なんとなくイメージは分かる。

 

「現代でハーレムっていうと、イスラム圏とかがイメージしやすいからな。石油王か」

 

「……せめて、家の土地から噴出して欲しかった」

 

 融通が利かない願望機だ。同情するぜイッセー。

 

「……で、なんで俺に? お前の石油なんだろ?」

 

「いや、お手間をかけちゃったし部長や魔王様達にも分けることにしたけどさ? 俺がコカビエルの倒せたのは、シャルロットやカズヒやお前のおかげじゃん。だからその分とかだよ」

 

 ………律儀だ。

 

 おいおい。俺達、一応まだ敵対勢力だぞ?

 

 態々用意してくれるとか、良い奴だなオイ。

 

「そういうわけだから遠慮はしなくていいわよ。特にあなたはバーサーカーを直接討ち取ったのだから、私としても文句をつける気はないわ」

 

「ちなみに、カズヒ・シチャースチエは「じゃあ此処に全額寄付して」と言って「性犯罪被害者救済ネットワーク」のURLを見せてきたよ。……悪魔から施しを受けない上に皮肉まで効かせてきたね」

 

 グレモリーと木場祐斗がそう言うけど、確かに皮肉が効いた返しだな。

 

 ………んじゃまあ、俺は―

 

「じゃ、俺もカズヒ姉さんに倣うか。いいかな、リーネス」

 

「構わないわよぉ。人の報酬にとやかく言うわけないじゃない?」

 

 よし、言質取った。

 

 なら俺は―

 

「……んじゃ、とりあえず此処と此処と此処とあと此処と此処にも。おっと、つい最近此処も義援金募集してから、ついでに此処も含めて。で、それに俺の直接の取り分に神の子を見張る者(ウチ)に上納する分を含めて等分という感じで良いか?」

 

「多いな配るところ! っていうかお前、なんでそんな寄付金募集しているところ知ってるんだよ!?」

 

「悲しい涙を嬉し涙に変えることがモットーでな。これでも組織の給金は三割ぐらい常に回してるんだ」

 

 いや、自分の生活を投げ捨てるってのもどうかとは思うし、俺にも欲望ぐらいあるぜ?

 

 ただし、それはそれこれはこれ。こういうところに義援金を送ることは胸を張って善行だ。自分の人生をきちんと送ることも否定しちゃいけないしな。

 

 あといきなりこのレベルの大金が入っても、自分を保てる自身がちょっとないから。そもそもこれだけ分割しても、人間の一生なら余裕で賄える金額は要ってるしなぁ。銀行に貯金すれば、普通貯金でも利子で一生食っていけるだろ。

 

「……でもまあ、願望機にする聖杯の質が悪かったのかしら? どうも五騎規模でやってたはずなんだけれどぉ」

 

「「これでもまだ甘いのかよ!?」」

 

 リーネスのトンデモ発言に思わず、俺とイッセーは同時に絶叫した。

 

「……悪魔側についたことの告解も込みで、教会に全額寄付してよかったですね」

 

 あとシャルロットにも渡してたのか。

 

 シャルロットは願いを叶えているわけだから、別にいいかとも思うんだけど。

 

 俺がそんな気持ちを込めて視線を向けると、イッセーもその意図には気づいたのか首を傾げた。

 

「なんだよ? シャルロットがいたから俺達は勝てたんだから、その分はちゃんと渡さなきゃだろ?」

 

 ……なるほど、これがハーレム王になれる男の器か。

 

 ………実をいうと、ちょっと興味がないでもない。

 

 まあ、日本円換算で数億円をゲットしたうえできちんと生活に困らないレベルを仕事をしてゲットしているわけだ。

 

 うん、俺も数人ぐらいなら侍らせれる甲斐性あるかも。……疲れた体を体で癒してくれる、可愛いお嫁さん達かぁ………。

 

 ちょっと妄想してしまう、年頃の青少年なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……へぇ。コカビエルを赤龍帝が倒したのか」

 

「サーヴァントのマスターとなって……のぉ? しかもエイムズショットライザーとは、これはまた」

 

「気になるかい? 君も昔はいたんだろう?」

 

「体よく利用していただけじゃ。最も、良くて利用しあえて、下手をすればいいように使われるだけと思っておったがのぉ」

 

「実態はいいように利用するだけで済めた辺り、君は英雄の才能があるよ。流石はかの王にあやかった名を名乗るだけのことはある」

 

「まあのぉ。最も、肝心の本人はただの腑抜けじゃったが」

 

「手厳しい。で、白龍皇からの返事は色よかったと。どうするんだい?」

 

「開戦の号砲に顔を出さぬのも無粋なのでな。それに、奴も宣戦布告をするという」

 

「なるほどね。じゃ、今回は君たちに任せるか。カテレア達には待機してもらうんだっけ?」

 

「あまり幹部が軒並み顔を出してものぉ。カテレアには「とどめを刺す前に「よろしくと伝えるように言っておいた」とか言われた方が屈辱的じゃろう?」と言って許可をもろうたわ」

 

「プッ! 確かにそうだけど、そんなことでよく乗ったねぇ。あいつら本当に馬鹿なんだな」

 

「相手がバカだと思ってばかりな奴も、案外はたから見ると馬鹿なものじゃぞ? まあ、馬鹿をやるぐらいで覇道にはちょうどいいがのぉ?」

 

「怖い怖い。鼻糞を笑う目糞にならないよう、精々気を付けるとするかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、宣戦布告は妾達に任せてもらうぞ、曹操?」

 

「了解だ、聖杯戦争を幾度となく勝利した我らがサブリーダー。九条・幸香・ディアドコイ」

 




そんな感じで、次からはヴァンパイア編に入ります。

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