好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 灰どうも-! 感想・高評価・いずれは推薦。この三つを求めてやまずに募集し続けるグレン×グレンです。


 新たなる挑戦をしつつ、この作品も進めまくっていますが、最近PCの調子が悪いのが玉にきずな日常を送っております。


冥革動乱編 第四十二話 戦慄と衝撃

 

 アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは意外な展開になってきました! 流れから言って、おっぱいドラゴンである一誠選手が出てくるものだとばかり思っていましたが―」

 

「そうですね。リアス・グレモリー選手は、犠牲(サクリファイス)を好まない印象がありましたが―」

 

 司会のガミジンや、皇帝ベリアルが怪訝な表情をするのも無理はねえ。

 

 この出目なら、イッセーに木場かアーシアを出すのがリアスの最適解だろうからな。

 

 だが、俺は何となく分かったな。

 

「コーチングの時に、イッセー達にはゲームの心得として「仲間を見捨てる覚悟」については話していた。二人の決意に、イッセーとリアスが折れたってところだろうな」

 

 あの二人は特に気にするだろう。ましてアーシアは、二人にとって守る対象だ。自分達を優先して、アーシアが痛い思いをすることは望まないだろう。

 

 だが、木場とアーシアが決意を決めて、此処に挑んだ。

 

 ……とはいえ、アーシアの回復というアドバンテージを捨てるのは中々できない決断だ。

 

 そこまでしてでもこの戦いで、可能な限りサイラオーグを削るってことか。それだけの価値がある相手ではあるがな。

 

 リアスの方も隠し玉がある感じだったが、それがあることも踏まえてなのか?

 

 俺がその辺りを考えていると、サイラオーグは退治する木場とアーシアを、少しの間だけ怪訝な表情で見た。

 

 最大のアドバンテージを此処で切ることに疑念を持ったんだろうな。自分を少しでも削るには必須だが、それでどうにかできるアドバンテージなのかは俺も疑問だしな。

 

『……リアスの策か?』

 

『はい、お姉さまも納得してくれました』

 

『僕達二人で、貴方を最高の状態でイッセー君の元に送り届けさせてもらいます』

 

 二人の決意を込めた目と意志に、サイラオーグは壮絶な笑みで答える。

 

『ならば深くは尋ねん。……俺の全力をもって応えよう』

 

 その瞬間、サイラオーグにかけられていた封印が説かれ、全身を薄いオーラのようなものが包み込む。

 

 なんだ? 魔力……ではないな。

 

「おぉーっと! サイラオーグ選手を包み込むあれはいったいなんだぁ!?」

 

「雰囲気としては小猫が仙術を使うときに纏っている気に近いが……。サイラオーグ選手が仙術を習得しているとは思えないな」

 

 司会や俺が疑念の言葉を言うのを待ってから、隣のディハウザーは静かに頷いた。

 

「ええ、彼は仙術は使えません。あれは極限まで己の肉体を鍛え上げたがゆえに、可視化されるまでに高められた彼の生命エネルギーそのもの……いわば、闘気です」

 

 どこのジャン〇漫画だよ。かめはめ〇でも出せそうだな、オイ。

 

 だがそんなトンチキな真似をやらかした以上、今のあいつはイッセーとの模擬戦とは比較にもならんだろうな。

 

 全身を生命エネルギーが包んでいるなら、攻防ともに大幅に上乗せされてるだろう。それこそ、下手な神器の全身鎧型禁手を上回る。

 

 威力より技術の木場や、直接戦闘型じゃないアーシアでどうにか―

 

『ではこちらから行くぞ!』

 

 ―んなことを持ってる間に、サイラオーグの奴は真っ向から突撃をかけてきやがった。

 

 素早く二人同時に潰すつもりか、すれ違いざまのラリアット。

 

 だが、木場のアーシアもそれを素早く躱した。

 

 木場はサイラオーグに何とかついていける速度で回避するが、アーシアに至っては軽く伏せるという最小限の動きで回避したな。

 

 ……ディハウザーも面食らってるぞ。

 

「アーシア選手は凄まじいですね。初見で全力のサイラオーグ選手の動きを見切っています。身体能力で追いつければ、真っ向から渡り合うこともできたでしょう」

 

 ……ディック・ドーマクの奴、アーシアをどこに連れて行くつもりだったんだ?

 

「……おっと、此処でアーシア選手に指導をしたという、ディック・ドーマクさんが観客に居られるようです。ご意見を伺ってみましょ……うぅっ!?」

 

 いろんな情報量があったが、視界のガウドが面食らう展開になってきたな。

 

 なんとあの二人、アーシアをサイラオーグの前に出したうえで、木場がアーシア越しに聖魔剣で突きかかる動きだ。

 

 アーシアはサイラオーグの打撃を回避しながら、木場の刺突すら回避している。木場が刺突より切断を得意にしていると踏まえても凄いな。

 

 しかもアーシアが壁になっている所為で、サイラオーグは反応がどうしても遅れてやがる。爪で肌をひっかいたようなレベルだが、聖なるオーラがあるならこの小さな負傷も地味に効いてくるぞ。

 

「なんと凄まじい攻防! 何より恐るべきは、味方の攻撃も回避しながらサイラオーグ選手の打撃を回避し続けるアーシア選手です! あ、ここで中継がディックさんと繋がりました。……指導者としてご意見を伺いたいです!」

 

『そうですね。最低限として治療中に妨害する敵と流れ弾を同時に捌くレベルにまでは高めておりました。その後はほぼ通信教育ですが、彼女の人を癒すことにかける熱意があってこそです』

 

 冷静に眼鏡をキラーンさせるな。

 

 あれどう考えても、アーシアが一番負担が大きいだろ。全部の攻撃完全に回避してるのが信じられん。

 

『難易度が高いと思われがちですが、実戦において攻撃とはどこから飛んでくるか分からず、また流れ弾といった殺気の無いものもある。競技試合には競技試合ゆえの深みや難しさがあるでしょうが、少なくとも今回のルールは私の指導方法からすれば比較的()()()()()ものだといえるでしょう』

 

「なるほど! 確かに人数が絞られるダイス・フィギュアは、そういう意味では気にする対象が限られる分、本領を発揮できるということですね!」

 

 ディックの奴、アーシア限定とはいえ俺達より解説してるんじゃねえか?

 

 いや、アーシア以外なら俺達だって―

 

『とはいえ、このままだとサイラオーグ選手が最終的に競り勝ちますね』

 

 ―なんだとぉ!?

 

 ディックの奴、完全にこの試合の解説担当になって着てやがる。

 

「というと? 非常に微細とはいえ、確実にダメージを受けているのはサイラオーグ選手の方に思えますが……?」

 

『いえ、負傷と難しい攻防をしながらも、サイラオーグ選手の心身の消耗はごく僅か。むしろ削っている実感を感じてない木場選手や、何より前後から直撃が敗北必須の攻撃を回避し続けるアーシア(彼女)の心身の消耗速度は、負傷分を加味してもサイラオーグ選手より遥かに多いですね』

 

 え、映像越しに心身の消耗速度の差を見切ったってのか!?

 

「映像越しにそこまでのことが分かるとは、プロのゲーム解説者でも中々できることではないですね」

 

『いえいえ。戦闘中に回復の取捨選択を行うのなら、深手に繋がり易い心身の消耗を把握するべきですから』

 

 ディハウザーにまで褒められる解説具合。正直ちょっと驚いたな。

 

 しかもそのディックが、このままなら確実に勝てるといわんばかりというサイラオーグは凄まじいな。

 

『あの肉体以上の鋼の精神、カズヒ殿にも匹敵……いえ、今はいない人物では駄目ですね』

 

 ……カズヒとサイラオーグがタイマン張ったらどっちが勝つんだろうな。

 

 仮面ライダーにならないんならカズヒが不利ではある。星辰光がとにかく邪悪特化だから、どう見ても邪悪なんて言葉が似合わないサイラオーグには効果が薄い。

 

 だがあいつのメンタルは凄まじいからな。心身の強靭さでカズヒがサイラオーグと互角なら、サイラオーグの身体能力からみてメンタルはカズヒ有利って判断なわけだ。

 

 だが、サイラオーグのメンタルが弱いってわけでもねえ。それが既に見えてきた。

 

 十分近くの攻防で、目に見えて動きが悪くなってきたのはアーシアと木場の方だ。

 

 特にアーシアの消耗が酷い。逆にサイラオーグは余裕だらけと言っても過言じゃねえ。

 

『悪いが、基礎体力というものは日々の積み重ねがものをいう。……あと一年基礎を鍛えていれば、話は変わったのだろう……がっ!』

 

 その瞬間、サイラオーグの打撃がアーシアを吹き飛ばす。

 

 反射で自分に回復をかけてしのいだが、これで一気に均衡が崩れたな。

 

 木場も聖魔剣一本では無理と判断して、聖剣創造の禁手に切り替えた……が。

 

『如何に早くとも、こう脆くてはな』

 

『く……っ』

 

 サイラオーグのポテンシャルが高すぎるな。真っ向からやりあえるのは、リアスのところじゃ鎧のイッセーぐらいだ。

 

 これは……ここまでか?

 

『まだです!』

 

 その瞬間、アーシアが広範囲に回復フィールドを展開する。

 

 正気か? あれではかけた消耗だって削れるはずだ。意味がない。

 

『……体力の消耗だけで良しとする気か?』

 

『……いいえ。最高の状態で、イッセーさんとお姉さまのところに貴方を届ける、その最後の手段です!』

 

 サイラオーグにアーシアが吠える。

 

 珍しいが……なるほど。

 

『……覚悟を、してもらいます』

 

『む?』

 

 サイラオーグがアーシアに気を取られた一瞬だった。

 

 木場が、一振りの聖魔剣を創造する。

 

 一見すると、自分に強化を与えるタイプの聖魔剣だが―

 

星極剣(サンライズ・アルティマ)……っ』

 

 ―そう思った瞬間、木場の肉体が爆ぜた。

 

 瞬間的にアーシアの回復がかかるがゆえに問題ないが、そうでなければこの数秒で三回は死んでいる。

 

 ありえねぇ……あれは!?

 

基準値(アベレージ)Eに発動値(ドライブ)Aの疑似星辰光だと!? そんな出力格差、使った瞬間に普通に死ぬ……っ」

 

 だからか!?

 

『ええ、研究の果てに開発したはいいけれど、こんな代物なのでろくに使えないんです……よ!』

 

 その瞬間、文字通り異常なレベルの出力格差で、木場はサイラオーグに切りかかる。

 

 その聖魔剣の斬撃は、間違いなくサイラオーグの腕に深く食い込んだ。

 

 ああ、そういうことか。

 

 確かに負傷してもすぐ治る。だが、例外はある。

 

 それは―

 

『……そういうことか!?』

 

 サイラオーグが悟った瞬間、木場は切り飛ばしたサイラオーグの腕を、全力で蹴り飛ばす。

 

 そしてそれを掴んだアーシアが、更に全力で後方に投げ飛ばした。

 

 投げ飛ばされる腕が遠くに飛んだ時には、木場はアーシアに背中から抱き着かれ、背負う形になった。

 

『……あと数十秒、付き合ってもらいます』

 

『それまでは……倒れません!』

 

『見事だ。……フェニックスの涙を使わざるを得なくなったことも含め、その覚悟に敬意を払おう』

 

 そしてサイラオーグは筋肉で出血を止め、腰を深く落とす。

 

『返礼だ。渾身の一撃をもらって逝け!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リアス・グレモリー選手の騎士(ナイト)僧侶(ビショップ)、リタイア』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 凄い、壮絶な戦いだ。

 

 文字通り死力を振り絞るサイラオーグ・バアル眷属に、感化されたかのような木場とアーシアの奮戦。

 

 そして、気丈にも耐えてリアス部長はダイスを振り、9が出たことでイッセーと相手の女王が戦場に転送される。

 

 ……そしてイッセーの奴、完璧にキレてるな。

 

「なんか、怖くない?」

 

 比較的イッセーに慣れてない鶴羽は怪訝な表情止まりだけど、他のメンツは息を呑んでいる。

 

「……全く。これは試合だっていうのに誰も彼も」

 

 カズヒ姉さんはため息交じりだけど、それでも真っ直ぐに映像を見る。

 

 そして試合が始まった瞬間、決着はついた。

 

 三叉成駒の騎士で反応されるより接近したイッセーが、戦車になっての打撃を放つ。

 

 そして当たるより先に、リタイアの光に包まれた相手の女王が敗北した。

 

 別の映像に映るサイラオーグ氏は、厳しい表情だった。

 

『俺が転送させてもらった。……殺す気だったようだったのでな』

 

『すいませんね。でも、我慢できなったんですよ』

 

 強い目で、強い敵意と殺気すら浮かべて、イッセーはサイラオーグ氏に真っ向から向き直る。

 

『木場、ギャスパー、朱乃さん、小猫ちゃん、ロスヴァイセさん。……そしてアーシアを、試合とはいえぶちのめした相手に、無心で挑めるほど人間出来ちゃいないんです!』

 

『いい殺気だ。そんな表情もできるとはな……試合会場にいるすべての者に問いかけよう!』

 

 声を張り上げるサイラオーグ氏は、周囲を見渡して更に続ける。

 

『これ以上、この男をルールで縛る意味を感じられん。俺は次の戦い、双方全メンバーによる総力戦を提案する!!』

 

 おいおい、まじかよ。

 

「まぁ、ルールの都合上、このままだと余程のことがない限り、サイラオーグとイッセー君が激突することはないわね」

 

「あ、なるほど。それだとこの試合、観客の人達も楽しめないか」

 

 リヴァ先生の発言に鶴羽が納得するけど、まあ確かにな。

 

 連続で同じ人物を出せない以上、このままだといやでもリアス部長が削り殺される雰囲気が見えている。よしんばイッセーが出れるときでも、12なんて早々出てこないのは明白だ。

 

「……でも、総力戦だとリアスさん達の方が不利じゃない? まだ人数が絞れる今のルールの方が勝ち目はあると思うけどなぁ」

 

「……とはいえ、部長もイッセーも乗るタイプでしょうしね。観客もそういった流れの方を好みそうだわ」

 

 確かに、インガ姉ちゃんに答えるカズヒ姉さんの意見が答えになるだろう。

 

 見えている戦いの流れより、このテンションでの最終決戦の方が、部長やイッセーもポテンシャルは出てくる。サイラオーグ・バアルも武人肌だから、イッセーと真っ向勝負が終わるまでは部長が倒されるリスクも減る。観客もそういったのに燃え上がっている。

 

 となれば、だ。

 

『……運営からの判断がおりました。サイラオーグ選手の提案、リアス選手が受けるなら受諾するとのことです!』

 

 司会の人の宣言に、観客が一斉に沸き立った。

 

 そしてもちろん、此処で断る部長じゃない。

 

『構わないわ。サイラオーグ、決着を次の試合でつけましょう……!』

 

 その宣言に会場が一斉に沸き立ち、そして最終決戦の火ぶたが切って落とされようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―の前に、ちょっとだけ休憩時間だ。ちょうどトイレ休憩をはさむタイミングだった。

 

 俺も急いでトイレを終えて、駆けだそうとしたその時だ。

 

「……いたわね、和っち」

 

 ……おいおい、冗談だろ。

 

 聞き覚えのありすぎる声に反応して、俺が振り返ったその瞬間-

 

「和地!」

 

 ―しかも別の意味で聞きなれている声が響くと共に、空間が変化した。

 

 それはレーティングゲームのフィールド技術を使ったと思われる、広大な空間。

 

「和地、どうやら最悪のパターンみたいね」

 

 隣に張ってきたカズヒ姉さんが、俺の隣で鋭い視線を前に向ける。

 

 ああ、俺もまったくもって想定外さ。

 

 仕掛けてくる可能性は確かにあったが、こういう形でやってくれるか。

 

「……あ~、悪いな。気が緩んだタイミングでよ」

 

「やる気を入れ直していいわよ。……そのうえで、私が強くなったって証明して見せる!」

 

 ベルナ、春っち。

 

 ……妙なところで気を使ったみたいだな、アーネとヴィールは!

 




 グレモリー眷属も負けてばかりはいられない。アーシアと木場だけでサイラオーグの腕一本を何とか切り落としました。

 そしてさらりとディックが出演。フィジカル魔改造なアーシアがいるため、市販薬のディックは割と出てきやすい感じです。そして鬼トレーニングによりアーシアは体力が尽きるまで生身サイラオーグの攻撃を回避しまくれる鬼スペックです。

 そして木場の隠し玉に関してですが、完全に和地の無茶を参考にしております。本来は発動した瞬間に死ぬのでさすがに使いませんが、死兵を見すぎて「同時に直し続ければ問題ないや」と、どっかのOFAみたいな発想でトンデモ行動を連発しやがりました。





 そして最終決戦のタイミングで和地がエンカウントしました。

 ……つまり、最終決戦を妨害されるのか?

 ふっふっふ。そうじゃないんだなぁ、これが。

今までと違うライオンハートのやり方、どう思います?

  • いいじゃんいいじゃん!
  • う~ん、微妙
  • 今までの方がよかった
  • 完璧にダメ!

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