好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! ……あれ? 感想と高評価くれた人がいなくなってね? な感じになってるグレン×グレンでっす!




 うん、何話か感想を書いていたからそこを見てみたら、存在が消滅している感じですな。平均評価が下がった気がしてましたが、そういうことか……そっかぁ……。






 ちなみに感想で不安視されていましたが、現段階ではディハウザーは冥革連合とかとつながりはありません。

 あと王の駒も「冥革連合が作り上げ、そしてアジュカ・ベルゼブブなら作れるもの」というのが周囲の認識です。ヴィールは意図的にそういう方向に勘違いされるよう、演説とかでも嘘をつかない範囲で誘導していましたが、ちょっと言い方が足りなかったようですね。

 ヴィールたち冥革連合の理想的な勝利条件は「王の駒や真魔の駒で強化された冥界政府が自分たちを打倒する」ことになるので、よほどのことがなければ冥界政府が内ゲバを起こすような手法は取らないスタンスです。


冥革動乱編 第四十五話 灼熱ぶつかり氷雪語られ

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 振るわれる業火を紙一重のぎりぎりを見極めて避けながら、カズヒ・シチャースチエは呼吸を整えつつ戦闘を継続する。

 

 普通の炎として放たれる業火は、すなわちある程度拡散する。その性質ゆえに、当たりやすい警戒必須の攻撃と言えた。

 

 内心でカズヒは感心すらしている。

 

 禁手に至り、更に複数を使い分ける。そんな偉業を成し遂げてなお、彼女は基本も決して疎かにしてはいない。

 

 基本とは根幹であり、下地である。一見すると華やかかつ奇抜で難易度の高い技の方が強い風に見えるが、それはそれを使えるほど使い手が優れていることも大きい。それだけの技量をもってすれば、基本系ですら強大な技になりえる。

 

 オーソドックスこそが最強とまで言うつもりはないが、基礎というものはそれゆえに頑健で突破されにくい。必然、奇抜な策に頼る者は嵌れば強いが、逆に基礎を重視する者は嵌めれなければ強いのだ。

 

 ヴィールが、決して王の駒やその系譜だけに頼っている男でないことがよく分かる。春菜自身もそうなのだろうが、主が基礎鍛錬を軽視していればこうはいかない。難敵であることをいやというほど痛感する。

 

 だが、悪祓銀弾(シルバーレット)とまで敵に称される女傑は、それで崩れるほどやわではない。

 

 最上級悪魔との戦闘すら生身で行ったことのあるのが彼女だ。ただでさえ基本性能で上回り、固有の異能を持っている場合もある。加えて彼女自身が持つ神器は、武器の強化と格納という、持っているだけで圧倒的な力を得られるタイプでもない。

 

 絶大な邪悪特攻の星辰光も、絶大な反動や自身に対する負荷を踏めれば、決して圧倒的と言い切れるものではない。むしろデメリットやリスクも大きく、凡人が振るって圧倒的な成果を上げるような真似は到底不可能と言っていい。

 

 魔術回路も五大属性という稀少な才覚を持ち、また固有結界すら保有しているが、それも決して無敵ではない。固有結界は長時間の戦闘は不可能に近く、またその性質上、元の段階でどれだけの魔術が使えるかが大きく左右されるものだ。そして固有結界を抜きにしたカズヒの魔術回路保有者としての才覚は、五大属性以外では決して優秀とは言い難い。

 

 徒手空拳から武器の戦闘術。戦闘における勝利を目指した戦術的判断力。基礎を重点的に研鑽した魔術の組み立て。そして何より、絶大な反動や無理のある戦闘を可能にする、基礎身体能力と運動技術。

 

 星辰奏者という次元に限定すれば、カズヒ・シチャースチエは間違いなく最高峰の使い手だ。既に最上級悪魔に届くである、相性の悪い兵藤一誠と肩を並べられるのは伊達ではない。彼女自身が強いからこそ、仮面ライダー道間は強いのだ。

 

 だが―

 

「な……めるなぁ!」

 

 ―カズヒの反撃を、春奈は灼熱の刃で叩き切る。

 

 成田春奈もまた、絶大な戦闘能力でカズヒに食い下がっていた。

 

 仮面ライダーマクシミリアンになっていた状態の和地を、二対一とはいえ追い込み気絶させたことがあるのは、決して運で出来たことではない。

 

 振るわれる絶大な炎は、同じく最上級悪魔にすら通じる出力と火力。それを時に放ち、時に砲撃にし、時に斬撃にするその戦闘は、一つを極めるがゆえに攻撃力によりカズヒに喰らいつく。

 

更にに基礎をしっかりと鍛え上げているからこそできる粘り強さもあり、カズヒですら決して楽に勝てる相手ではない。

 

「……なるほど。読めてきたわ」

 

 そしてカズヒは、拳を交わし異能をぶつけて、少しずつ理解を深めていった。

 

 やはり、和地ではなく自分が挑んだ意味はあった。

 

 目を見て、攻撃を躱し、本気の意地をぶつけ合うことで、カズヒは急速に春奈を理解していく。

 

 すべてが分かるなどという馬鹿なことは言わない。全てを理解できるなどという妄言もたれない。彼女の全てを見透かすなど、僅かな時間で悟ってやれるなどという、そんな過信をする気はない。

 

 だが、分かり理解し見透かせることもある。既にカズヒは、成田春奈という少女が持つ問題の、その根幹を悟っていた。

 

「……そうね、そこだけは分かってやれる。少なくとも、ある程度は共感すらできるでしょうね」

 

 そう、カズヒは戦闘中とは思えないほど穏やかな声色で、はっきりと言い切った。

 

「何が……分かるって……っ!」

 

 それに激昂する春奈は、両手に灼熱を纏い―

 

「分かるわよ。特に大事なことを取り違えて迷走しているってことぐらいはね」

 

 ―その余波で自分が焼かれることもいとわず、カズヒは一気に接近した。

 

 それを理解しきれない春奈だが、此処にカズヒ・シチャースチエの経験の差が生きる。

 

 幾度となくゲリラとして命がけの戦いを繰り広げ、また生物として格上の異形と戦い、また卑怯卑劣を地でいく器用な手合いを殺す汚れ仕事も経験してきた。そんなカズヒ・シチャースチエは、真っ向勝負以外にも強い。

 

 今迄の戦闘中全てにおいて、彼女は罠を張っていた。

 

 相手にわざと動きを覚えさせることで、相手の行動予測や反射の反応に固定パータンを作り上げ、一気に切り替えることで滑り込む。心身の消耗でポテンシャルが低下することを逆手に取り、わざと低下速度を大きくすることで、本命の攻撃時に急に動きをよく見せさせることで隙を作る。更に戦闘の蓄積で微弱だが読め始めていた相手の動きを、わざと反映せずにいることで、一気に読んで動くことにより一撃につなげる空白を作り出す。

 

 真正面からぶつかりながらも、少しずつ張ってきた罠と仕込みを使い、カズヒは一気に攻勢に出た。

 

 そして、それは決して春奈を殺す為ではない。

 

 むしろその逆。春奈の()()()()()()()為、カズヒは歯を食いしばり―

 

「今すぐとっとと……目を醒ませっ!」

 

「あっ()ぅっ!?」

 

 渾身の頭突きが叩き込まれ、春菜の視界に火花を盛大に散らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……魔術的な阻害が酷くて、動きたくても動けない。

 

 体中が割としびれているというか、力も入らないから戦闘なんて不可能だ。今敵が仕掛けてきたら、確実に殺される自信がある。

 

 だからまぁ、ベルナが攻撃しないでくれるのは、本当にありがたい。

 

 それはともかく、カズヒ姉さんと春っちは大丈夫だろうか?

 

 二人とも強いからな。下手しなくてもガチな大激突になるだろうしな。カズヒ姉さんは面の突破力がシャレにならないし、春っちも面制圧がシャレにならない。

 

 ここは普通の町だったら、更地になる大惨事は確定的に明らかだろうなぁ。

 

「のんきなこと言うけど、取り込まれた結界で本当に良かった」

 

「だな。ヴィールの旦那にゃ感謝……いや、しなくていいか」

 

 ベルナがそう言うけど、同感だ。

 

 野郎、アグレアスをレーティングゲームの終了後に仕掛けるらしいしな。

 

 確かにヴァーリは試合の邪魔をするなといっているわけだが、試合直後に仕掛けるとか、とんちか。

 

 絶対ヴァーリはキレるだろうし、何より市民のメンタルがゴリゴリ削れること確定だろ。

 

 しかたない。ここは腹をくくるとするか。春っちはカズヒ姉さんに任せて、俺は情報収集に努めよう。

 

「……で、どんな形で襲撃するんだよ? どうせヴァーリが納得しないことも織り込み済みなんだろ?」

 

「悪いが、アタシは今回春奈の付き添いだ。英雄派がノータッチだってことぐらいしか知らねえよ」

 

 ベルナはそう言い捨てると、ため息をつきながらどっかりと地面に座った。

 

「……ぶっちゃけ、やることなくて手持無沙汰なんでな。責任取ってもらっていいか?」

 

「……分かってる。行動には責任が伴うし、自分の責任は自分で何とかするべきだしな」

 

 ああ、ちょっと方針変換だ。

 

 まずは、ベルナの話を聞くとしよう。

 

 こいつに涙を流させないと、そう決意している。貰い受けるとまで堂々と宣言しているんだ。受け止められるだけ受け止めるさ。

 

 真っ直ぐ目を見て言い切ったのが良かったのか。ベルナもそれを真剣に受け止めてくれたらしい。

 

 どこか憑き物が落ちた表情で、少し遠い目をし始めた。

 

「……アタシとアーネ(姉貴)は、元々ちっとばかし裕福な出だった」

 

「……以外と納得が半々ぐらいあるな」

 

 そして悪いとは思うが、納得はアーネによるものが多い。

 

 よく言えば男勝りで、むしろ男よりな態度のベルナだけを見ていると、意外と思うところは多いだろう。

 

 だが姉のアーネは態度も雰囲気も、それだけなら育ちの良さが見えている。そしてベルナはベルナで、なんだかんだで常識的かつ良識的だ。

 

 真っ当な教育を受けれて、礼儀作法なども教えられるような幼少期を送ってきた可能性は、言われてみるとなんだかんだで納得できる。

 

 ベルナも自分がどう見られているのか分かっているのか、特に反論はしてこなかった。

 

「親父は零細貿易会社の社長だったがサウザー諸島連合国と大口の契約を長期で結べたことで、一気に中の上から上の下ぐらいに跳ね上がった。……ま、食う物や生活は良くなったけど、良いことばかりじゃねえんだがな」

 

「そこは分かる。名門の令嬢(リアス部長)とか、しがらみとか体裁とか、結構苦労してるしなぁ」

 

 ちょっと前の面倒ごとも、それが理由で爆発したところはあるし。

 

「ったくだ。男に交じって泥だらけになってサッカーする、アタシみたいなやつには面倒だらけさ。ま、姉貴はすぐに習得するどころか、ものが違ったがな」

 

 ベルナはそう言いながら、軽く肩をすくめる。

 

「……本当に凄かったよ。半年そこらで完璧にできるだけじゃなく、相手に応じて度合いまで使い分けてやがった」

 

「……礼儀作法なんて、完璧にこなせて悪いことないと思うんだけど」

 

 なんというか、意味が分からない。

 

 そりゃ、人を馬鹿にしたい奴とかの前で完璧にやると嫌われそうだが、そんな奴の前で悪くしたら、むしろ大ダメージじゃないか?

 

 だが、ベルナは苦笑しながら首を横に振る。

 

「……目上の相手の子供がどれぐらいできるかで、自分もある程度下手にしたのさ。そうすりゃそこのガキは恥をかかねえし、偉いさんが小物でも嫌がらせはされねえだろ?」

 

 ……あぁ、なるほど。

 

 つまり悪目立ちしていじめの標的になったり、変なプライドを傷つけて因縁をつけられないように、テストの点をわざと悪くしたのか。

 

 ああいうのって、ある程度悪くするのには相当勉強ができないと駄目だからな。何とか平均点を取れるレベルだと、間違いの数で点の調整とか絶対できないしなぁ。

 

 あの女、まじで優秀だったんだな。

 

 俺が正直したくもない関心をしていると、ベルナもそれに気づいたのかまた苦笑した。

 

「本当に、姉貴はそういうのが得意なんだよ。……だからこそ、なんだろうが……な」

 

 そこから、ベルナの話は本格的に始まっていく。

 

 それは、アーネ・シャムハト・ガルアルエルの狂気を見せる話でもあった。

 




 と、今回はこんな感じです。


 あとちょっとスランプ気味かつ、今日コロナワクチンの三回目接種を受けたので、ちょっと更新速度は激減するかと思います。

 ……これまでに二回とも副反応が起きて、二回目は一回目よりだいぶ凶悪でした。三回目の方が副反応は大きいとも聞くので、明日は休日を取れる準備を万端にしております。

 皆さんも、コロナワクチンの接種はいろいろあれですけどした方がいいでしょう。できる範囲で対策は取っておくに越したことはないですから。

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