好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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さて、今回の題名はもうそのものずばりといった感じになっております。


冥革動乱編 第五十話 三十倍

 アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で? なんでお前さん、今回来てねえんだよ」

 

 俺はムカつきまくりな内心を抑えて、努めて普段の調子でミザリの野郎から情報を引き出しにかかる。

 

 野郎は完全に趣味で動く野郎だ。となると、できる限り現場で見たいと思うやつだ。

 

 同時多発的な作戦ならまだしも、今回のような一点特化なら絶対に顔を出すはずだ。

 

 それが出てきてねえとか、その時点で嫌な予感がする。できれば「出れない状況」があいつにとって不利な理由であってほしいな。

 

 そして、ミザリの野郎は苦笑交じりで肩をすくめた。

 

『僕もできれば行きたかったんだけどね? つい最近()()()()()()()()ばかりで、しかも乱用したからドクターストップなんだよ。フィジカルじゃなくてメンタルの方でね?』

 

「……なるほどな。ヴィールの連中がよこした薬液ってのはそういうことか」

 

 幽世の聖杯を禁手に至らせたってのは厄介だが、同時に神滅具でも指折りのリスクを持つのが聖杯だ。

 

 乱用すれば魂が汚染される。アドルフ・ヒトラーの迷走も、おそらくそれが理由の一端だと確信を持てるぐらいに、聖杯はリスキーな神滅具だ。ミザリのことだから対処法はあるだろうが、流石に何度も乱用できるほどじゃねえだろうしな。

 

 ミザリもそこまで読まれていると確信しているのか、もう隠し必要もないといわんばかりに肩をすくめている。

 

『普段は護衛マシマシで精神の解体清掃を使えばいいけど、今回ヴィールの要望に応えたらやりすぎてね。あと半日は静養しろって言われたから、今回は名代を送って観戦しようって感じかな?』

 

 そうかい。転生サーヴァント共を総出で送りつける辺り、この作戦には奴も気合が入ってるってことか。

 

 いや、違うな。

 

 重要なのはそっちじゃねえ。

 

「神様恨んでる連中だらけだったな、お前さんの部下。……勝算があるほどの作戦だってことか」

 

『そういうこと♪ ま、細かいところは出しゃばらず、現場の方に任せようかな?』

 

「……そうだな。そろそろこちらが主軸で動かせてもらう」

 

 ミザリから引き継ぎ、ヒューマギアの一人が口を開いた。

 

 さて、こっからが本番か。

 

 ゲストの神達に戦闘支援要請をしているし、とりあえず連携が取れる域にまでは五分もない。

 

 そこまで粘れば、取り合えず相応にやりあえるはずなんだが……な。

 

「んじゃハヤテだったか? 疾風殺戮.comがそんなことまでやるたぁ何考えてやがる?」

 

「知れたことだ。人類削減の為に邪魔になるだろうお前達の力を削ぐ。その為には集いに集っているこの状況は優位であり―」

 

『―そして、冥革連合(我々)三大勢力(お前達)に発破をかけたかったのでな。神々に対して攻撃を加えたいミザリ達との間で、目的の為の手段が一致した形だ』

 

 ヴィールもそう言っているなら、更に戦力が集まっている可能性もあるな。

 

「発破をかけるねぇ? TF(トライフォース)ユニットやDF(ディアボロス・フレーム)じゃ足りないってか?」

 

 確かに王の駒は使っちゃいねえが、別に王の駒に拘る必要はねえだろうに。

 

 そこまで徹底的に駒に拘る連中だってわけでもねえと思ったんだが……な。

 

『確かにその通りだが、あれは下級悪魔を主体とする兵器だろう? 全体を強化するのは妥当だが、それに頼って悪魔という種族そのものや一点特化の質を度外視するのはいかがなものかと思ってな』

 

 なるほどな。そういうことか。

 

 確かにヴィール達の要求は、どちらかと言えば貴族を更に強化しつつ、支配下に置く民を増やすという発想が根幹にある。

 

 そういう連中からしてみれば、下級中級ばかり軍事的に強化するという状況には思うところがあるか。否定はしないが貴族の強化も必須だろう……と。

 

 確かに、それなら奴らのスタンス的に納得だな。

 

 だが―

 

「それでゲームの聖地たるアグレアスを襲撃ってか? 発破をかけるにしても他に何かあるって気がするんだがよぉ?」

 

『さて。悪魔の未来を憂うべき立場なら、少しは我が行動から読んでもらわないと困るのだが……ね』

 

 なるほどな。

 

 ヴィールの返答で大体読めた。

 

 アグレアス(ここ)には何かがある。それも、悪魔側の未来を左右するだけのガチな秘密がな。

 

 あとでサーゼクス達に聞いた方がよさそうだな。

 

 だがまあ、おかげでだいぶ時間を稼げている。あともうちょっとで最低限の準備はできるだろうな。

 

「……で、だ。そっちの戦力がそこだけってことはねえだろう? 最低でも、サリュートⅠは投入してくるはずだ」

 

「当然だな。作戦においては、質だけでなく量が必要だ。当たり前のことだろう」

 

 ハヤテは涼しい顔でそう言うが、さて、どう出る?

 

 ハヤテが制御するサリュートⅠは、十二機がかりなら魔王クラスでも苦戦する。神クラスでも戦闘系じゃなきゃ倒されかねない危険な連中だ。

 

 だが、今ここに集う神はどいつもこいつも高位の神だ。それもオーディンの爺さんやゼウスの爺、更に須弥山の帝釈天まで来てるという、有名どころのオールスター。

 

 倒せればでかい。だが倒すのにでかい犠牲を生み出しかねない。そんな化け物どもを相手に、十や二十のサリュートⅠでどうにかできるわけがねえ。

 

 疾風殺戮.comの連中は、元が機械だからかその辺はデジタルかつロジカルに動く連中だ。いくら何でも特攻じみた少数精鋭ってわけがねえ。

 

 間違いなく他の派閥も抱き込んでいる。そしてそれを踏まえても、サリュートⅠは今までで一番多く投入されるはずだ。

 

「順当に少しずつ制御できる数を増やしているだろうしなぁ? 最初に冥界でテロったときは、会談の時から数割ほど増えてやがった。ひと月そこらでそれな以上、もう三倍から四倍は増やせてるって考えるべきか?」

 

 ……まぁ、もっと増やしていると思うべきだがな。

 

 増えた機関と数から考えればそれぐらいだろうが、ハヤテが直接乗り込んでるっていう点を考慮するべきだ。

 

 絶対にそれ以上ある。何かしらの手段でそうしている。

 

 だからこそ、此処でその辺りを調べ上げて―

 

「……三倍から四倍? 挑発も兼ねてわざと低く見積もったのだろうが、それにしても耄碌しているのかね?」

 

 ―ハヤテは、失笑しながら手を広げた。

 

 そして周囲の空間が歪み―

 

「創生せよ、天に描いた守護星を―――我らは鋼の流れ星」

 

 ―おい、冗談だろ……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「制御なく、無尽に増える醜き猿ども。己を制御する節度もなく、その増殖で星々の同胞(はらから)に圧政成して、何故(なにゆえ)恥を覚えぬか」

 

 その祈りから生まれるは、徹頭徹尾軽蔑の感情。

 

「裁きを成して人を正す、神の所業はなぜ起きぬ。この腐敗を正せぬのなら、もはや神など世には無し。特異なだけの無能な存在(モノ)に、頼る意味などないだろう」

 

 増え続け自然を圧迫し、それを戒めることが仕切れない人間という種族に対する軽蔑。また、人々の上に立つ存在とされながら、それを戒める裁きを下すことなく、その在り方を良しとして放任する神々に対する軽蔑。

 

 そう、それこそがハヤテのヒューマギアに至った感情。

 

 「軽蔑」によってシンギュラリティに至ったハヤテは、見誤ったザイアによって人造惑星型ヒューマギアに選ばれ、故にこそザイアすら軽蔑する。

 

「故に我、断罪の名の元に汝を鋳造する。汝に罪無し」

 

 自分という存在を人を守護する物とする阿呆に見切りをつけ、ハヤテは人類削減の為に動き出すことを選んだのだ。

 

 ザイア壊滅という利害が一致した人間が持つ愚かさの極みと利用し合い、技術の多くを獲得した。

 

 故に、ハヤテは己の星と合致する、サリュートⅠを大量に展開する。

 

「肉の森を間伐せよ。宿主滅ぼす寄生虫を、その鋼で間引き給え。共生成すに必須の節度を、愚者の代わりに成し給え」

 

 姿を現すサリュートⅠは、もはやかつての比ではない。

 

 三十を超え、五十を超え、百を超えても尚止まらない数。

 

 僅か十二機で神にすら牙を届かせる鋼の軍勢は、展開する疑似反物質粒子アザトースで、アグレアスの空を包み込む。

 

「絶望の嘆きは此処に終わる。今こそ此処で、地球()の悲劇に幕引きを」

 

 今ここに、疾風殺戮.comのリーダーであるハヤテは、真の意味で鋼の守護星を開帳する。

 

超新星(メタルノヴァ)――機神奉仕(スローター)()殺戮の責務を果たす時(デウス=エクス=マキナ)

 

 サリュートⅠに込められた樹脂が兵器を制御して、人造惑星が圧倒的な軍勢を統率する。

 

「……これが、人造惑星の本気というものだよ、各勢力の諸君」

 

 そう断言するハヤテの星は、同調樹脂干渉型制御能力。

 

 特殊な配合で作られた樹脂の制御系に組み込むことで、それらを制御下に置き同時制御することが、ハヤテの人造惑星としての異能。

 

 それにより軍勢を統括する、面の制圧と前線での部隊式こそが、ザイアが彼に与えた軍事的な役目であり、それが意図せぬ形で本懐を遂げんとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハヤテ

 

 

機神奉仕(スローター)()殺戮の責務を果たす時(デウス=エクス=マキナ)

基準値:

発動値:AA

収束性:C

拡散性:AAA

操縦性:

付属性:E

維持性:AAA

干渉性:E

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 単独での直接戦闘にこそ向いていないが、その戦力は間違いなく驚異の一言。

 

 何故ならば、今制御されるサリュートⅠは、本領を発揮したがゆえにかつての比ではない。

 

「最初の出撃数である、36機を基準として告げよう」

 

 ハヤテは目を見開くアザゼルを、人造惑星型ヒューマギアの性能で視認して告げる。

 

 示威目的で両手を広げ、従えるサリュートⅠを自慢するようにし、告げる数は―

 

千八十機(三十倍)だよ、諸君。……最もサリュートⅠを製造するという縛りがある故にこの程度だが、主神たちを相手にするには十分だろう?」

 

 冷静かつ正確に、ハヤテは戦力費を考慮する。

 

 ここに集う神々を相手にするには、十分な勝算が見込める戦力。その確信が彼にはあった。

 

「さて、では更にもう一段だ。……旧魔王派の諸君、よろしく頼むよ」

 

 

 




 ……とまぁ、こんな感じでサリュートⅠの大量祭り。魔王クラス30人まではこれで凌げるぜぇとなっております。

 なお、次回は次回でミザリ側がいろいろと伏札を開帳しまくります。








 まぁそれはそれとして、ハヤテの星辰光をやってみようか!






ハヤテ


機神奉仕(スローター)()殺戮の責務を果たす時(デウス=エクス=マキナ)
基準値:
発動値:AA
収束性:C
拡散性:AAA
操縦性:
付属性:E
維持性:AAA
干渉性:E


人造惑星としてのハヤテが持つ星辰光。同調樹脂干渉型制御能力。
 特殊な配合で作られた樹脂を組み込むことで、機械類を制御化に置く星辰光。
 基本的に同時に数十以上のUAVを制御する方向が模索されていたが、ハヤテはそこから飛躍する形で完全人造の量産型魔星の制御を行うという方向にシフト。UAVはあくまで支援用として運用するにとどめつつ、圧倒的な制圧力を発揮する戦法をとる。樹脂そのものに影響を与える性質から、頑丈は装備として運用することが可能という利点も持つ。
 その性質上、どうしても大規模な工業力が必要であり、疾風殺戮.comが禍の団に属したのは、ひとえにこの星辰光を最大限に運用する生産ラインの確保を求めたという側面がある。
 風の如き速さで軍勢を支配する、人造惑星たるヒューマギア。ハヤテが保有する星辰光である。

★詠唱

 創生せよ、天に描いた守護星を―――我らは鋼の流れ星。

 制御なく、無尽に増える醜き猿ども。己を制御する節度もなく、その増殖で星々の同胞(はらから)に圧制成して、何故(なにゆえ)恥を覚えぬか。
 裁きを成して人を正す、神の所業はなぜ起きぬ。この腐敗を正せぬのなら、もはや神など世には無し。特異なだけの無能な存在(モノ)に、頼る意味などないだろう。

 故に我、断罪の名の元に汝を鋳造する。汝に罪無し。
 肉の森を間伐せよ。宿主滅ぼす寄生虫を、その鋼で間引き給え。共生成すに必須の節度を、愚者の代わりに成し給え。

 絶滅の嘆きは此処に終わる。今こそ此処で、地球()の悲劇に幕引きを。

 超新星(メタルノヴァ)――機神奉仕(スローター)()殺戮の責務を果たす時(デウス=エクス=マキナ)




 ……とまぁ、こんな感じです。

 イメージモデルとしてはイヴ=アガペーの星辰光を参考に、より戦闘に転用できるしようとしたものになっております。そのためとがりにとがっており、本人が直接戦闘するには向いてませんが、本領を発揮すればこれぐらいはできるという悪夢仕様。

 しかもミザリ側も色々やるので、とっても大変なことになりますです、はい。

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