好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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さて、そんな感じで物語は終わり、そして別の物語が始まります。


今回はその一歩手前ですけどね。


プロローグ ある大きな事変の前

 サウザンドディストラクション。二年強ほど前に起きた、とある大災害を出す。

 

 南半球の諸島群で構成され、冷戦期に独立を表明し、ザイアコーポレーションが事実上の後援者となり、そしてアメリカ合衆国すら退けた強国。名をサウザー諸島連合。

 

 その首都にあるザイアコーポレーションの本社が、突如として大破壊した事件である。

 

 これらの大破壊は隕石の墜落などと言って誤魔化されているが、真相は大きく異なる。

 

 ……この世界には、神や悪魔が実在する。

 

 聖書にしるされし神・天使・悪魔・堕天使はもとより、北欧神話にギリシャ神話などの各種神話。ひいては吸血鬼や妖怪など、異形と呼称される存在は人類社会に存在を隠しつつも確かに存在する。

 

 そんな彼らは人間の政府と秘密裏に協定を交わし、時に人間側の術者が政府の直下となりつつ、各勢力は鎖国的かつ冷戦的に向き合ってきた。

 

 そんな中、サウザンドディストラクションの半日前にとあるリークがバチカンや冥界にもたらされる。

 

 「ザイアコーポレーションは、異形の存在を全世界に公表すると共に異形を邪悪として滅ぼす為の戦争を目論んでいる」

 

 あまりに荒唐無稽ではあるが、同時に警戒の余地が十分すぎるほどに在った。

 

 人間社会に異形の存在を公表すれば、大いなる混乱が生まれてどちらにとっても害悪にしかならない。それが異形社会全体における、人間との付き合いに対する固定観念だ。そしてこれは人間側も理解しており、政府中枢は一般社会に異形について隠すことを了承している。

 

 そんな中、政府中枢そのものが異形に対して敵意を見せている風潮なのがサウザー諸島連合だった。

 

 同時に新種の粒子である星辰体(アストラル)を利用した超人である星辰体感応奏者(エスペラント)や、最新科学技術にによって開発されたプログライズキーを保有するザイアが本気を出せば、米国と全面戦争を起こしても勝ち目があるといわれている。

 

 もし本当に対異形を考慮した世界大戦を起こす気ならば、彼らは更なる力を隠しているだろう。そして、そう言われれば納得できるだけの力を彼らは持っていた。とどめに、公表の仕方に偏向報道を入れれば、多くに人間を混乱させることも可能。最悪なことに三大勢力側にのみ送られたその情報には、文字通り世界をひっくり返す、三大勢力が秘匿している最重要事項が存在した。

 

 それゆえに三大勢力は半信半疑ながらも準備を整え、しかしそれより早く謎の襲撃によるサウザンドディストラクションが発生する。

 

 これによりザイアコーポレーションは、首脳陣を軒並み失い各種データすら喪失するという大打撃を受ける。同時にサウザー諸島連合の首脳陣が全員植物状態になり、サウザー諸島連合はあまりにも大きな打撃を受けた。

 

 たった二年と少しで諸島連合国はこれまでの勢いを失い、軍事的に強大ではあるが本質的にただの資源大国止まりにまで弱体化してしまっている。

 

 そして遅れながら到着した三大勢力は、ザイアコーポレーションに隠された設備を見て驚愕することになる。

 

 世界中から孤児を集め、星辰体感応奏者の施術を受けさせているのがジャブ止まり。

 

 脳内にAIチップを埋め込むことで、特殊な装備を運用する能力を会得させるという、人道的に懸念が生まれる措置が施されていた。

 

 そして更に、ザイアコーポレーションに残されていた資料が、彼らがとある儀式を世界各地で引き起こしていた者達だったということだ。

 

 かつて存在した歴史に名を遺す英雄達。その残影であり絶大な力を持つ存在、サーヴァント。

 

 悪魔が肉体的機能として持っているアドバンテージである魔力。その魔力を生命力から製造し、更に詠唱や礼装によって力として行使する因子、魔術回路。

 

 魔術回路を持つ者がサーヴァントを召喚し殺し合い、死んだ者達を生贄に勝者が願いを叶える絶大な力を得る儀式。それらは千年ほど前から世界各地で散発的に引き起こされ、その都度何かしらの混乱が人界や異形に引き起こされた。

 

 その名は聖杯戦争。その根幹である聖杯のデータが、破損こそしていたがザイアから発見された。

 

 千年以上前から何かを起こしていた。それだけはわかるが、しかし明らかに不自然というほかない。

 

 その千年前から、世界にはいくつも不思議なことが起きていた。

 

 その一つが、星辰体(アストラル)

 

 大気中に満ちる新種のエネルギー。その運用方法こそ、諸島連合が近年編み出した星辰体感応奏者(エスペラント)のみだが、千年前から突如現れたそれは、まるで何かしらの繋がりがあるかのようだった。

 

 それらを把握した数多くの異形達は、しかしだからこそこの数年間苦労することになる。

 

 これまでは数年に一度あるかないかだった聖杯戦争が、一年に数度の割合で発生するようになった。

 

 突如として天啓のように、星辰体感応奏者及び運用の為の合金アダマンタイトの製法が頭に宿る。

 

 それどころか、国家を敵に回してでも己の理想とする世界を作ろうとする危険人物にばかり、諸島連合が独占的に運用する兵器――プログライズキーとレイドライザーの組み合わせて変身する超人―レイダーがどこからともなく現れる。

 

 これにより、人間社会も異形社会も、混乱が急激に進むことになる。

 

 そう、それは此処においてもおかしなことでも何でもなく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星」

 

『『『『『『レイドライズ!』』』』』』

 

 その言葉と音声が響くと共に、銃声が連続して鳴り響く。

 

 場所は日本のとある地方都市の片隅。そのマンションの一室だった。

 

 ホームレス狩りを嬉々として楽しむどころか、むしろホームレスを合法的に排除することこそが正しいと考える危険思想集団の集合場所。

 

 本当に政治家や警察組織の幹部にまで上り詰めたものがおり、警察側の不正を探ったことで発覚した彼らを逮捕する為に急行したが、このような大規模な戦闘になってしまった。

 

 本気でクーデターでも考えていたのか、相当な人数が集まっている危険集団。その為当然の如く警察側もSATを投入したが、情勢は一気にひっくり返る。

 

『『『『『『We are revolutionary army of earth』』』』』』

 

 蟻を模したライドモデルを身に纏う、レジスティングアントレイダー。サウザンドディストラクションを機に、突如として世界各地に偶発的に表れる、サウザー諸島連合の主力強化装甲。

 

 それにより、大口径ライフル弾に匹敵する光弾の一斉射撃に、突入した部隊はすぐに離脱。

 

 即座にフラッシュバンを投げつけたことで、一瞬だけ隙を作ることが出来た為死人はゼロ。

 

 だが、頭部ユニットが瞬時に過剰な光や音を防ぐ為、文字通り一瞬だけ隙を作るにとどまっている。

 

 そして厄介なことに、敵の一人は星辰奏者。

 

 平均的な領域ですら、時速100km以上の速度で走ることができる。くわえて高い自己修復能力により、歩兵戦闘車レベルなら単独で打倒することも可能な力量を持つのが星辰奏者。

 

 そしてレイダーも攻防共に戦車に匹敵する領域。くわえて変身に必要なプログライズキーとレイドライザーは、拳銃より少しかさばる程度の隠匿性で発揮できる。

 

 この双方を組み合わせた敵の筆頭格を相手にするには、それこそ戦車数台と同規模の随伴歩兵部隊が必須だろう。

 

 何よりアントレイダーは基本として、自信を護衛する人型ドローン「レジスティングアーミー」を八体具現化する。

 

 分隊支援火器感覚で狩猟用ライフル弾並みの火力を発揮し、有事においてはライフルグレネードを運用可能で、必殺技ともいえる「レジスティングボライド」は対戦車ミサイル級の火力を二発発射する。そこに必殺技抜きなら八人分のレジスティングアーミーが更なる火力を提供する。

 

 それが六体も出ている時点で脅威であり、そこに星辰奏者も組み合わされば厄介でしかない。

 

 冗談抜きで中隊規模の軍事戦力が必須の敵に対して、SATは即座に最終手段の投入を決意する。

 

神の子を見張る者(グリゴリ)の部隊に連絡! 急いで助っ人を送り込んで―」

 

「――そこか」

 

 その時、寄りにもよって星辰奏者のアントレイダーに発見された。

 

 星辰奏者は超人である。専用に調律されたアダマンタイトという合金を、星辰体と感応する為の媒介として保有することが必須ではあるが、それさえ成せば総合的にアントレイダーより上の性能を発揮する。

 

 膂力・生理機能・五感などがもれなく常人をはるかに超える。必然的に治癒力も増大化する為、過去起きた二度の世界大戦水準ならば、戦車の砲撃すら致命傷どころか戦闘不能にすることが困難だ。優秀な存在になれば、歩兵一個中隊を返り討ちにすることも可能だろう。

 

 何より恐ろしいのは、保有する異能である星辰光(アステリズム)だ。

 

 自身を最小単位の星として、異なる星の法則を具現化する異能。当人の肉体的素質や精神性を反映するが故、肉親ですら完全に同一のものを発現することはない。その文字通り唯一無二の切り札の保有こそが真骨頂。

 

 使いこなせなければただの初見殺しだが、習熟すれば文字通りオンリーワンの必勝パターンを確立することも可能。その力の特性は必然的に凶悪なのだ。

 

 そして、目の前の男が発現したのは分かり易い力。

 

 炎拳具現能力。左腕に絶大な灼熱を纏わせるという、単純だが明確に強大な武器である星だった。

 

 とっさに散開するがするが、そのまま直進した拳は、あっさりと鉄筋コンクリートをぶち抜いた。

 

 更にその炎は、鉄筋コンクリートを文字通り熔解させる。

 

 その灼熱はまごうことなく、絶大な威力を持つことの証明だろう。

 

「……冗談だろ」

 

 SATの一人が唖然とする中、星辰奏者のアントレイダーは彼らに振り返り―――

 

「―――そこまでにしてもらおうかしら?」

 

 ―――その声に、男は振り仰いだ。

 

 向かい側のマンションの屋上に、一人の少女が立っている。

 

 更に見れば、別動隊が保有していたレイドライザーを破壊した状態で持っていた。

 

 そして警戒するべきは、彼女の背中に翼が生えているという点。

 

 星辰奏者という精鋭であることから、男は政治家の構成員からある情報を受け取っていた。

 

 それは、人間と似通った姿をしながら、人間をはるかに超える力と寿命を持つ異形の存在。

 

 加えて黒い翼を生やしていることから、男は一瞬で正体を看破する。

 

「堕天使かぁ!!」

 

「正解よ」

 

 飛び掛かって灼熱の拳で殴り掛かるが、少女はそれを素早く回避する。

 

 銀の髪に赤いメッシュを入れ、そしてツインテールにしたその少女は、不敵で蠱惑的な笑顔を浮かべながら、光の短槍を生み出すと、素早く星辰奏者に攻撃を開始する。

 

 それを灼熱の腕で弾き飛ばしつつ、しかし星辰奏者は冷静だった。

 

 星辰奏者がレイダーとして戦う。そのポテンシャルは文字通り圧倒的であり、はっきり言えば双方を保有していない軍事組織なら単独で大打撃を与えるレベルだ。

 

 それに対して攻撃を対処できるポテンシャルは確かに恐るべきだが、僅かな攻防で相手の力量を見切っている。

 

 てこずるがその程度。まず間違いなく確実に勝てる。

 

 それを理解したからか、星辰奏者は余裕を持ちながら戦闘を行っている。

 

 少しずつ、確実に、相手の体力を消耗させて有利に立ち回る為に行動する。

 

 それを五分ほど続け、ついに堕天使は動きを止めた。

 

「……この程度か? 偉そうに出てきたくせに、大したことができないんだな?」

 

 そう挑発も兼ねて告げると、少女は少しだけ苦みを混ぜつつも、どこか余裕を思わせる笑顔を浮かべていた。

 

「いえいえ。結構できたと思うわよ? 個人的には80点ぐらいあげようかしら?」

 

 その言葉に、星辰奏者は怪訝な表情を装甲の裏で浮かべる。

 

 どう考えてもこちらが有利だ。空を飛べば逃げることはできるだろうが、遠距離戦闘も可能なレイダーゆえに勝ち目は十分残っている。

 

 にも関わらず、何故か少女は予想通りと言わんばかりの表情だ。

 

「何ができるってるんだ?」

 

 そう、思わず訪ね―

 

「……お・と・り♪」

 

 ―その言葉と共に、後ろから足音が聞こえた。

 

 とっさに振り返ったその瞬間―

 

『SAVE』

 

『FREE』

 

 ―自分達が敗北することを、本能で理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻、一人の少女が上級悪魔と対峙していた。

 

 女性と少女の中間を思わせる、やけに胸が薄い純白の長髪を持った少女。だが彼女がただ者でないことは、相対する悪魔の表情がひきつっていることから確定できる。

 

 そもそも、この上級悪魔は悪魔社会においても悪質な部類である。

 

 ギリギリのライン、それも三大勢力の睨み合いという状況を巧みに利用し、悪辣な方法で人間を追い込み転生悪魔にさせることを趣味としている人物だ。

 

 可能な限り担当地区の法律すら考慮して合法的にしている為文句は出てこないが、目的が「どうしようもなく追い詰められた人間が悪魔にすがるところを見たい」というものである為始末に負えない。レーティングゲームにおいての素質がある者を選び、そして趣味ゆえにその人間と相性が良さそうな上級悪魔を見繕って早急にトレードさせているという、完全な娯楽としての行動なのも拍車をかける。

 

 結果的に多くの悪魔が優秀な下僕を得られることからコネによる影響力が強く、また現地の国の法律すらクリアーしていることもあって、現悪魔政権も手出しができないという質の悪さを誇っている。

 

 そしてだからこそ、彼の眷属は皆が優秀だ。

 

 変な反感を持たれても困るので、自分と相性が良い者に関してはスカウトの過程を合法的どころか善良なスカウト、それもかなりの好待遇で行っている為反旗を翻される心配もない。むしろ自分と同様の楽しみを覚えて協力までしてくれる。その上彼は最上級悪魔でこそないが上級悪魔として、レーティングゲームでは高いレートを誇っている。

 

 だからこそ、教会側であっても即座に仕掛けてこないと判断していたのだが……。

 

「さて、悔い改めて信仰の為に生きるなら、見逃してもいいけど」

 

 そう最後通牒のように告げる少女に、その悪魔は吠えた。

 

「ふざけるなよ、この化け物が……っ」

 

 今、自分は一人である。

 

 眷属は全員殺された。念には念を入れ、小規模な魔法使い組織と個人的に契約を結び、彼らに研究設備を提供する代わりに警備員にしているのにだ。

 

 仕掛けてきたのは十人足らず。しかも、自分と眷属を相手にしたのは目の前の女だけだ。

 

 なのに、全員が打ち取られている事実に悪魔は歯噛みするほかない。

 

「私はこの国の法律も守っているんだぞ!? 優先的に倒すべき悪魔はもっと他にいるだろう!?」

 

 教会から攻撃を受けない為にこそ、現地の法律も考慮して立ち回ったのだ。

 

 あの人間でもそうはいない善良さを持つ魔王達に、眉をしかめられても直接裁かれない程度の慎重な立ち回りを行ってきた。

 

 にも関わらず、目の前の女達は容赦なくこちらを攻撃し、追いつめている。

 

「法律に則った行動をとっている我々を裁くと!? 神の信徒であろうと、この国の法律を過度に無視しては問題になるし、何よりそんなやり方で天の国に行けると」

 

「―関係ないわ」

 

 そう、はっきりと少女は告げる。

 

 あっけにとられる悪魔の前で、少女はライフル銃を構えた。

 

 光の銃ではなく、法儀礼済みのタングステン弾頭を使うライフル銃。旧式と言ってもいいそれを向け、少女ははっきりと告げる。

 

「最悪私が()()()()()()()で済むことでしょう? まして私が天の国に行くなんて()()()()()よ。地獄に行きたいわけじゃないけど、天国に行くよりはまだましだしだもの」

 

 そう平然と告げる少女は、引き金に力を籠める。

 

 そして、悪魔は自分の勘違いを悟っていた。

 

 この女は敬虔な神に仕える者ではない。神に仕えている気の狂信者でもない。

 

 神が(自分)を裁く者だから、その一因として自分達(邪悪)を裁きの場に叩き込んでいるだけなのだ。

 

「………この、気狂いめ」

 

「当然よ。私がまともなわけがない」

 

 その返答と共に、少女は悪魔を撃ち抜いた。

 

 そして、ふと何かに気づいたかのように、窓にちらりと視線を向ける。

 

「……さて、さっさとやることはやったし、上の指示に従いますか」

 

 上層部から緊急連絡が作戦開始直前に届いており、一応さらりと確認はしている。

 

「最上級堕天使コカビエル。エクスカリバーを強奪して悪魔の領地に逃げ込んでるとか、悪魔と共闘して主を滅ぼそうとでもいうのかしら?」

 

 そう呟いた少女は、明確な敵意を込めて虚空を睨む。

 

「いい度胸ね。なら、例え死んでも後悔させてやるわ……っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……これは、困ったことになったわねぇ」

 

 同時に、レイダーを打倒した堕天使の少女は困り顔になった。

 

 それに応えるように一人の少女が小首を傾げた。

 

「どうしましたのー? 晩御飯にお寿司ですのよー! ヤッホーですのよー!?」

 

 明らかに目をキラキラせているのは、茶髪をポニーテールにした一人の少女だ。

 

 口調こそお嬢様っぽいが、そのテンションは外見年齢よりはるかに下に思える。

 

 そんな少女のテンションを下げかねないが、しかし銀髪の少女はデータが転送されたタブレットを見せる。

 

「緊急事態よ、この近くで悪魔が管轄している駒王町にコカビエル様が勝手に侵入したようね。……何故か教会からエクスカリバーを三本も強奪して」

 

 その発言に、更に一人の少年が苦笑いを浮かべる。

 

「いや、確かに緊急事態だよな。……それはそれとしてエクスカリバーを三本とか、普通に考えたらパワーワードだよな」

 

 そう返す黒髪の少年の乾いた笑いに、少女達は苦笑を返す。

 

「確かに。伝承でしかエクスカリバーを知らないとそうなるわよねぇ」

 

「ですわね。まあ、もう千年以上昔の話ですから、現代ならだいぶ色々あるものですわ。むしろ七つに分かれた伝説の力とかカッケーですの」

 

 気分を和らげるジョークが半分、本音が半分のその言葉に、確かに気分が和らいだ。

 

 だが、それで止まるわけにもいかないのが実情だ。

 

 銀髪の少女は静かに首を横に振ると、すぐに意識を切りかえる。

 

「まあ、私達の仕事は本命の繋ぎだから気にしすぎないようにしましょう。まずは任務終了のお祝いにお寿司を食べるわよ、SATの方が何割かカンパしてくれるそうだから、たくさん食べましょう?」

 

「よっしゃーですのー! 大トロ食べますのー!」

 

「……俺、高いの食べていいかな?」

 

 そこに意識が向いている二人に微笑みながら、銀髪の少女はふと空を見上げる。

 

「……あなた達も、またこの世界に生を受けているのかしら? だとしたら、二人を会わせてあげたいわねぇ」

 

 その為にも、死なない程度に頑張らないといけない。

 

 そう意識を切り替えて、少女は明日からのことに意識を咲き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これより数日後、運命はより大きく集まっていくことになる。

 

 時期は六月後半。日本の高校が衣替えの季節になる頃。

 

 その最初の大いなる戦い。聖剣エクスカリバーを巡る、三大勢力が共闘する争いが始まろうとしていた。

 




さて、今回は可能な限り名詞を抜いた感じです。





 いくつかのエタった作品の要素を入れるとは言いましたが、混ぜ合わせ切るべきところを切り取り掛け合わせる過程で、いろいろと大きくした手直しを加えております。




 そしてまあ、グレンさんの作品では定番ですが、この話も本編は原作におけるエクスカリバー編です。

 ほんと、インフレが急激に上がるからここから始めるのが一番やりやすいんですよねぇ……。あとライザーとのひと悶着はレーティングゲームが重要だから、オリキャラをからませにくいのもありまして。
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