好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 予約投稿を連発しているグレン×グレンです! 感想はもちろん、6とか7とか8でいいので高評価も随時募集していまっす!

 本日はヴィールにドン引きする話が続いております! ドン引きだぜー? ドン引きだぜー!


冥革動乱編 第六十話 神性魔王が覇道の根幹

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆発によって、潰すつもりだった相手を取り逃がしヴィールは内心で警戒の度合いを高める。

 

 派手に動くにはリュシオンの存在が脅威というほかない。今のヴィールはどうあがいても、リュシオン・オクトーバーにリソースの六割を傾ける必要がある。だからこそ、リヴァに逃げられた。

 

 短い戦いだが痛感できた。この男は自分とは異なる意味で異常性を極めている。

 

 もし()()()()()()()()()()、彼はきっと枢機卿にすらなれるだろう。それだけの人を集める器を持ち、自覚の無さがそれを大きく削っている。

 

 それを少し残念に思いながら、ヴィールは爆発によって吹き飛ばされたリヴァ・ヒルドールヴを警戒する。

 

 短い戦闘ですぐに読むことができたが、同時に相手に何かを掴まれた。

 

 敵に手札を知られることは、それだけで不利に繋がりかねない未知、もしくは原理不明の手札があるということは、()()()()で戦局に影響する要素なのだ。解析されて良い事はまずない。

 

 無論、冥革連合からすれば強くなった現魔王政権が自分達を打倒してくれるのに越したことはない。むしろそれこそが悲願だが、悲願はその方向性にこそある。

 

 冥革連合の目的とは、()()()()()()()()()()()()()()()()()形で自分達を乗り越えること。その為の手法として、王の駒の()()及び、真魔(ディアボロス)及び(シビリアン)の駒の製造、そしてその開発技術を伝えることにある。

 

 態々王の駒まで大量に生産して提供したのも、冥革連合の目的は悪魔という種族の強化だからだ。

 

 和平を結ぶのはいい。失った数を増やす為に、他所から人材をスカウトするのもいい。

 

 だが、悪魔という種族が()()()()で富国強兵を成し遂げるには、悪魔という種族そのものの強化も必要不可欠だ。他種族に全てを任せるようなやり方では、悪魔という種族そのものは先細っていくことが透けて見える。

 

 だからこそ、王・真魔・民の駒()()を作り出したことにして、それらを製造できるように堂々と公表して伝えたのだ。

 

 他種族そのものを力に変えるのではなく、民の駒で転生させるのは、知識や技術を()()()()()()を取り込むことで、悪魔という種族そのものがそれを習得する為。王の駒を真魔の駒と共に広めるのは、まがい物に頼ることなく悪魔という種族そのものを強くする為だ。

 

 その為、フロンズ達大王派のDF(ディアボロス・フレーム)やデビルレイダーに魔性聖剣、また三大勢力合同のTF(トライフォース)ユニットは、価値があるとは思うがそれだけでは駄目だとすら思っている。

 

 態々王の駒まで伝え広めて流通させれるようにしているのに、未だ広まっていない状況はヴィールとしては憂慮するべきことだ。使わないにしても、代わりに悪魔という種族そのものを強化する手法をとってもらいたいと強く願う。

 

 故に、こうして発破をかける為に若手のエースたるリアス・グレモリーとサイラオーグ・バアルを打倒することを選んだ。

 

 彼らを自分達が打倒すれば、少しは意識を変えることが可能だと思ったからこそだ。

 

 だからこそ、リアス・グレモリーやサイラオーグ・バアルやその眷属以外に自分が打倒されることはできれば避けたいのだが……。

 

「種は割れたわ! 厄介すぎるわよ、あれ」

 

 ……どうやら、本当に悟られたらしい。

 

「どういうこと、リヴァ!」

 

 リアス・グレモリーがリヴァ・ヒルドールヴに尋ねれば、リヴァ・ヒルドールヴはこちらを警戒しながら、更に距離を取りつつ広範囲攻撃の構えを取る。

 

 どうやら本当に悟られているようだ。やはり何事も予定通りにはいかないものだということか。

 

「言うは易く行うはなんとやら。……手っ取り早く二つ言うわ。彼はこっちのリズムを読んで、更にそれを分身達を利用して高速でフォーマットしてるのよ」

 

「……敵ながらその慧眼はあっぱれだ。ああ、事実だとも」

 

 隠しようがない以上、ならばあえて明かすほかないだろう。

 

 それをもって相手の士気にダメージを与える方向に繋げる為、ヴィールは堂々と宣言する。

 

「その通り。俺の星辰光は星辰分身製造及び()()()()能力。……雑に日本人が分かるような例えをしてやろう。NARUT〇の()()()だ」

 

 日本人と縁深いことからそういう例えをするが、一手からこれで本当に分かるのか不安になった。

 

「……そ、そんな!? 影分身の術なんてチートです!」

 

「なんて、厄介……っ」

 

 どうやら分かる人がいたらしい。

 

 リアス・グレモリーの眷属であるハーフヴァンパイアと猫魈が知っているとは幸運だった。説明が楽になるだろう。

 

「どういうこと、ギャスパー、小猫?」

 

「……ヴィール・アガレスが強い理由はあの星ですぅ! 毎日星を使って特訓して、人の何倍の訓練時間を獲得してますぅ!」

 

「NARUT〇の影分身の術は、分身の()()()()()()と本人や他の分身を含めた()()()()に一人が得た知識や経験がフィードバックされます。……全員が戦闘しているわけではなかったのは、俯瞰視点で戦場を把握して戦術的判断をしたうえで、消えることでそれを統合させる為です」

 

「大体そういうことだ。この星は直接戦闘能力よりその運用の方が便利でな」

 

 リアス・グレモリーに答える眷属達の判断を、ヴィールはすべて肯定する。

 

 ここまで悟られているのなら、最初から()()()()()()()()()()()士気を削りに行くという手法をとるのがベターだと判断した。

 

 そう、ヴィールの星は分身による多角戦闘以上に、分身の情報を統合することによる技術や情報のフィードバックにこそある。

 

 

 

 

 

 

 

 ヴィール・アガレス・サタン

 

神聖魔王が化身、覇道を成せ(ディアボロス・ポナパルト)

基準値:C

発動値:AA

収束性:

拡散性:B

操縦性:D

付属性:

維持性:B

干渉性:D

 

 

 

 

 

 

 

 

 直接戦闘においてこそ、星によって生み出される分身の身体機能や強度が本人ほどでない為、雑に戦って強いというものではない。

 

 だからこそ、この星の真骨頂は情報統合。経験した情報を本体と他の分身に統合することによる、情報伝達と即時反映に他ならない。

 

 分身をすべて戦闘に投入しなかったのもその為だ。岡目八目という言葉が日本にあるように、離れた視点で物を見るということはそれだけで大きな優位性を与えることになる。その情報を速やかに統合できるなら尚更だ。

 

 また非戦闘時においても効果は絶大と言っていい。

 

 一日は基本として()()()()()()()存在しない。これだけは大半の生物にとって()()()()()()であり、それゆえに生物にはどうしても時間的リソースに()()()()()

 

 その制約が解き放たれればどうなるか。もし、一時間を同時に()()()()()()()ことができればどうなるか。学生で例えるなら、同時に行われる選択制の授業を()()()受けることができればどうなるか

 

 その答えが此処に在る。

 

 肉体の反映こそできないが為、ヴィール本人は体力や魔力を中心に鍛える。同時にその時間帯で、数多くの研鑽を積む。それにより、ヴィール・アガレス・サタンは驚異の成長を遂げる。

 

 各種格闘術・各種武器戦闘術・各種身体操作技術・各種座学・各種魔法・更に複数の有識者を招いての、様々な視点からの帝王学や、人材を見抜くための直接的な軍事や運営に関わらない農学・医学・工学といった知識まで。もちろん予習や復習にも使用する。

 

 非常時の戦闘も踏まえ、一日に一時間ずつを数回程度だが、それだけでも驚異的な成長*1を遂げる余地はある。

 

 これにより、ヴィールは文字通り時間的制約を乗り越え、驚異の成長を遂げた。

 

 それこそが、ヴィール・アガレス・サタンの強さの一角。

 

 そして、それを下地として掴み取った奥義が、この戦いを大きく動かしている。

 

「……そして、こっちが行動するタイミングを凄い正確に読んでるわね。「相手が何かするタイミング」を()()()読んでいるから、相手の()()()()()()()正確にタイミングを合わせてカウンターを叩き込める

 

「実に慧眼だ。正確には、俺が読んでいるのは()()()()()()と言った方が近いがな」

 

 つくづくリヴァ・ヒルドールヴは脅威であると痛感する。

 

「素直に称賛しよう。主神の遺伝子をただ継いでいるだけで得られる見識ではなく、自らの経験と研鑽といった己自身の鍛え上げたあってこその強みと厚みがある」

 

「それはどうも。最も、今日中に貴方にカウンターを喰らわないってのは無理だけれどね」

 

 そこまで読まれているのは、やはり警戒に値するだろう。

 

 呼吸やリズムを読む。言葉にすれば単純だが、これは習得することも対応することも容易ではない。

 

 生物は生きていくにしたがって独自に成長を遂げていくものだ。この個人差の一つがリズムや呼吸と言ってもいい。

 

 これらは行動のタイミングやレスポンスと言い変えることもできる。基本的に大半の者は意識せず、また人生の積み重ねによって形作られるものだ。故に大半の人物は自ら自覚することはないし、また気づいたとしてもすぐに変えられるものではない。

 

 故に、ヴィールはそれを読めるようになって以来、最も優先することをその把握に努めている。

 

 記録映像により事前にある程度のあたりをつけ、成長による変化を戦闘で修正すれば、大半の敵はそれで圧倒できる。行動のタイミングを把握することができれば、必然的に大きなアドバンテージを得る。カウンターの連続攻撃を叩き込めたのはこれが非常に大きい。

 

 そしてよしんば悟られたとしても、対応される余地が非常に少ないのが最大の利点だ。自らの人生経験が作り出した大きな地盤を改変することは、常に意識して切り替えることができない限りは困難の極みなのである。

 

 だからこそ、一周回って呆れを感じながら、ヴィールは称賛の念を隠すことも放棄する。

 

「……故にこそ、心底感服しているぞ、神の子の後に続く者(ディア・ドロローサ)。こちらがリズムを把握するのに対し、速やかに()()()()()()()()()()()ことで対応するとはな」

 

「……そこまで驚かれることかい? ()()()()()()()できる人は多そうだけどね」

 

 だからこそ、その返答が惜しいと感じてしまう。

 

「自分の動くタイミングが読まれているというのなら、切り替えればいいのは当たり前の発想だ。完全に大きく異なるのは困難でも、少しずつ変えていく程度ならコツさえ掴めればできるだろう?」

 

 自然体と言ってもよく、気負うこともなく断言する。

 

 その言い回しに気取ったところはなく、当たり前なことを当たり前に告げているといわんばかりの言い回し。それが、嘘偽りのない本心からのものだと痛感させてしまう。

 

 その反応は、大きく分けて二つに分かれる。

 

 納得し、感服する。

 

 驚愕し、畏怖する。

 

 前者は基本としてデュナミス聖騎士団に多く、後者の方が敵味方問わず圧倒的に多い。

 

 その光景に対し、リュシオンは不思議そうに首を傾げる。

 

 同じ光景に対し、ヴィールは同情の感情を浮かべて周囲に苦笑する。

 

 その明確な違いを前に、ヴィールはリュシオンに宣言する。

 

「はっきり言ってやろう。……自分が普通だとでも思っているのか?」

 

「コツを掴むのが得意だとは、流石に自覚しているさ」

 

 その返答が、何より両者の反応を色濃くする。

 

 まあそうだろうと思いながら、ヴィールは肩をすくめた。

 

「……自覚のあるなしで()()は迷惑の度合いが変わるというが、貴様の場合はまさにそれだな。俺を参考にするといい」

 

「……心外だね。俺の本質は真っ当な人間なら誰でもできることを、人より理解して突き詰めているに過ぎない」

 

 本心から不満だったのか、リュシオンの表情が不快気に変わる。

 

 同じように、デュナミス聖騎士団からも不満の色が強くなる。

 

「てめえ……っ! リュシオンさんを馬鹿にする気か!」

 

「俺達の誰よりも真っ当に前を向き続ける、リュシオンさんを……っ」

 

「……同感。兄さんは誰よりも、真っ当に成長することを極めて―」

 

「だからだよ、阿呆が」

 

 更にグレモリー眷属の仲間である少女が不満を語ろうとしたところで、ヴィールは断言する。

 

 はっきりと、真っ直ぐに、偽りなく。

 

「教えてやろう。異常というのはあり得ない方向性だけでなく、()()()()()()()()()()()()()ことでも至るものだ。そして異常者の突き抜けた進行速度に追いつこうとしても、それができるのは一握りの傑物が無理をしてか、同じ異常者にしか不可能だ」

 

「……俺がそこまで異常かい? 何より、なんでそれが断言できる」

 

 リュシオンのその詰問に、ヴィールは平然とするほかない。

 

 自分がそれをよく理解しているのは、極めて単純なことだ。

 

「決まっている。俺自身異常者であることを自ら理解しているからな」

 

 自分を客観視して異常性を理解しているのなら、この程度のことは把握できなければいけないのだから。

 

*1
十二人体制で四回やれば丸二日全てを自己研鑽に費やすことになる




 とまあ、ヴィールのカウンターと成長率の説明会でした。ドン引きしていいのよ?

 リズムを読んでのカウンターというのは、依然読んだ少年漫画のキャラクターがやっていたものです。これがなかなか厄介だったので、使えるキャラクターを出したいと思っておりました。
 そしてそれすら可能とする根幹こそが、この努力チート(文字通り)。努力という行動において文字通りずるをしているからこその圧倒的成長率こそが、ヴィールの強さの秘訣です。

 その秘訣である星辰光の説明文がこちら。





 ヴィール・アガレス・サタン

神聖魔王が化身、覇道を成せ(ディアボロス・ポナパルト)
基準値:C
発動値:AA
収束性:
拡散性:B
操縦性:D
付属性:
維持性:B
干渉性:D


 魔性の覇道を築くため、その在り方に偽りなし。
 媚びず縋らず偽らず、その在り方を天に示すことこそが、覇道を示す唯一の方法と知るがゆえに。

 ヴィール・アガレス・サタンの星辰光。星辰分身製造及び情報統合能力。星辰体そのもので分身を作り出し、その情報を統合制御する存在となる星辰光。

 分身の単純性能はさほど高いものではなく、それゆえに超一流の異形ならば対応可能。技術を完全に取り込むことができるという利点を持つが、出力が明確に劣っていることが分身一体一体の脅威度を明確に下げているという難点を持つ。

 しかしその真骨頂である「分身消滅時にその分身が習得した経験を取り込むことができる」という利点がそれを補って余りある。これにより分身に別々の修練や座学を背負わせることで、驚異的な学習速度を発揮することができるという点。これこそがこの星辰光の最大の脅威である。

 一人につき一日は24時間しかない。その絶対的な平等原則を破棄するこの星は、所有者の成長率という一点において規格外といってもいい力を発揮する。この星を習得したことこそが、ヴィールが計画を早める最大の力ともいえるだろう。

 強さをつかみ覇道を成す、魔王を超える大魔王。ヴィール・アガレス・サタンの星辰光である。

★詠唱

 創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星。

 恐れるがいい老害共よ。革命の炎は汝らを焼き尽くし、その果てに悪魔(彼ら)は昇華される。
 そして我らが敗北を踏み台として、新たなる世は訪れるのだ。栄光を磨かぬ怠惰の罪は、斬首によって禊とせよ。

 無知蒙昧たる愚者共に、勝利の栄光は訪れない。鍛錬精進研鑽などは、最低限の下準備。大いなる力を手に宿さんとする研究と改良こそが、覇道を成す礎となる。
 故にこそ、怠惰を広める愚者に死を。我が命捧げる献身を、愚者の怠惰で汚させはせぬ。

 先を行く者たちの辞書から、不可能の文字を消すために。我らの命を捧げる御恩をもって、勝利を掴む奉公に繋げん。

 超新星(メタルノヴァ)―――神聖魔王が化身、覇道を成せ(ディアボロス・ポナパルト)





 とまぁ、こんな感じとなっております。

 NA〇UTOの影分身の設定は知ったときめっちゃ目からうろこだったので、そんな感じの能力を持った超努力チートを出したいと思っていたのでこんな感じで出してみました。

 ヴィールの強さの秘訣は九割がたこれといっても過言ではありません。自分が基礎トレをしている時間に十人以上の分身がいろいろな技術を特訓し、終了と同時に己にフィードバック。さらに手間がかかるだろう冥革連合の業務も、これを使えば十数分の一で終わるというあらゆる意味で時間短縮を可能とする星辰光です。

 これによりヴィールはサイラオーグ以上の時間を肉体と魔力の基礎トレに当て、同時に十数人の分身がテクニックや戦術を鍛え上げたり、見取り稽古や映像記録を読んで成長しているわけです。この(正真正銘)努力チートの前には、正攻法の順当なトレーニングでは決して追いつけない。

 この厚みによるリズムを読んでの正確なカウンターにより、生半可な連中は何もできずに撃沈するテクニックタイプのある種の極致がヴィールの持ち味。サタンなんて名を自ら名乗るのは伊達ではありません。

 で、此処は能力面でのドン引きっぷり。

 次の後半はメンタル面でのドン引きとなります。

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