好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
さぁ~て皆さん! これからが真なるクライマックスの始まりだぁああああっ!!
Other side
サイラオーグ・バアルの耳に、声が聞こえた。
『……さい』
懐かしい声が聞こえる
『たちな……ーグ』
ずっと、聞きたかったその声は―
『立ちなさい、サイラオーグ』
―かつてのように、自分を叱咤していた。
『このようなところで倒れてはいけません。あなたの決意はそんなものだったのですか、サイラオーグ』
厳しい声で、真っ直ぐに、母は自分を見据えている。
『冥界の未来の為に、自分が味わったものを後世に残さない為に拳を握りながら、あのような男に切って捨てられたままでいるとは、それでも大王バアルの跡取りですか』
その声に、サイラオーグは拳を握る。
『生まれに関わらず能力があれば、しかるべき地位に辿り着ける世界。それを作るという決意は、あの一方的な言葉と暴力でおられるようなものではないでしょう』
そうだ、此処で倒れているわけにはいかない。
冥界の未来を開きたいと思っている。その未来の姿も見えている
そして、それを阻害する男がそこにいる。
ならば自分がやることは一つだ。
……だが、どうする?
今の自分では断じて勝てない。間違いなく敗北するだろう。
その時、自分の胸元に王の駒があることに気が付き……踏みとどまる。
自分達が切り開く未来は、ドーピングによって得られるものではない。もしこれに手を出せば、それこそ自分達の誇りと夢に唾を吐く所業だ。
それを再確認しながら意識がかぶりを振った時、一つの物体が目に留まった。
……それを見て、彼は決意を決める。
神器が想いに応える物なら。世界の均衡すら崩す想いが禁手に至るのなら。何より、禁手を作り変えることができるのなら。
そこまで思い至り、そして彼は意識を覚醒させる。
『……頑張りなさい、私の自慢のサイラオーグ』
その声が、自分の背中をしっかりと押してくれた。
意識が混濁しながらも、ヴァーリ・ルシファーは呼吸を整える。
絶大な魔力で強引に傷を塞ぎ、静かに気炎を滾らせる。
白き天龍は、明星の王は、誇り高くあるものだ。
その気高く何物にも縛られない在り方を誇るがゆえに、彼は戦意を消してはいない。
故に、彼は切り札を切る覚悟を決めた。
覇龍では勝ち目がないだろう。あの圧倒的な力は同時に質実剛健と言ってもいい基礎構造がある。常に暴走のリスクに振り回される覇龍では、性能で上回っても時間切れまでしのがれるのが関の山だ。返り討ちに遭う可能性だってある。
故にこそ、此処で示そう。
明星に輝く白龍皇。その現在過去未来において最強を体現する己が示す、覇を屈服させた力というものを。
そして意識を研ぎ澄ませた時、視界に映る者が見える。
……それでこそだ。
その喜びが、更なる活力を生み出した。
イッセーSide
……声が、聞こえるな。
『おっぱいドラゴン! おっぱいドラゴン!』
『ちちりゅーてー!』
『がんばれー! おっぱーっい』
ああ、応援してくれる、声が聞こえる。
それに、まだ仲間が戦っている。
皆が、友達が、大切な女性達が。まだ戦っている。
なら、負けてられねえよな。
そんな風に立ち上がると、そこは歴代の残留思念が集まっている空間だった。
そこにいる歴代の人達は、しっかりとした意識で恐怖の感情を浮かべていた。
その視線の先には、悠然と立っているヴィール・アガレスの奴がいる。
「覇龍……が、負けた……」
「馬鹿な……赤龍帝が……負けた?」
「化け物……勝てるわけが……」
う~ん。なんかへし折れてる感じだな。
全く、情けないぜ先輩達。
「何やってんだよ、歴代達!」
俺はなんていうか不甲斐なくて、思わず声を張り上げた。
それに気づいて唖然とした表情を向ける先輩達に、俺ははっきりと言い切った。
「一回叩きのめされたからって、なんでそんなに凹んでるんだよ! それでも赤龍帝……か……」
そこまで言いかけて、俺はふと我に返った。
あ、そういうことか。
「何を言っている? お前は、あれを見て……何を言っている?」
「
めっちゃショック受けてるな。
赤龍帝の覇道が、ヴィールの覇道にコテンパンにされた所為で心が折れてるのか。なるほどなるほど。
ただ、悪いね先代達。
「……俺は覇道なんてなさないからな。やるならもっとエッチでやらしくいかせてもらうぜ」
ああ、そうなんだよな。
だから、俺は折れない。まだ立ち上がれる。
「俺を待っている子供達の声だって聞こえる。覇道なんて選んだら、子供達が泣いちまうしな」
「何を言う!? 赤龍帝は覇道こそが本質だ! それ以外の道など―」
強引に止めようとする歴代の人達だけど、なんか急にその力が弱まった。
「いいじゃないか。少なくとも、僕は二天龍の新しい可能性だって思うね」
そこにいたのは、なんか見覚えのないお兄さん。
俺はちょっと首を傾げるけど、歴代の一人が面食らって指を突き付けた。
「……貴様は! 白龍皇の宿主ではないか!」
え、まじで!? てかなんで!?
思わぬ人物に俺の方が訳が分からなくなっていると、白龍皇の人は朗らかに笑っていた。
「以前今代と戦った時に宝玉を取り込んだだろう? その影響で残留思念がコピーされたようなものさ。本来の僕はちゃんと白龍皇の方に宿っているよ」
そう告げると、歴代の白龍皇の人は半減の力を展開する。
「さぁ、時間を稼いでいるうちに行きなさい。今代の二天龍は、僕達とは違う道を行くべきだ」
……っ
俺は涙すら浮かべたくなるけど、それを堪えて真っ直ぐに上を見上げる。
たぶんだけど、至れる力はある。今ならきっと至れるって、なんとなく思う。
だけど、ヴィールはそれだけじゃきっと勝てない。それ以外にも何かが必要なんだ。
それを考えて……俺は、悟った。
ああ、俺は孤独な覇道なんて歩まない。だから、俺の答えは決まっている。
そう、俺はアイツに恥ずかしくない男になるって、誓っているんだからな。
だから、俺は腕を突き出す。
「令呪に命ず! 応えてくれ、シャルロットぉおおおお!」
だから力を貸してくれ。
きっと、このアイディアを形にするには……お前の力が必要だ!
「……イッセーっ!」
そして、手が手に触れる。
「まったくもぅ。凄い事を考えたり実行したりするんですから」
「ゴメン。いろんな意味で心配も苦労も掛ける」
俺はちょっと申し訳ないけど、シャルロットは微笑みながら首を横に振ってくれた。
「構いません。その分、しっかりと見せつけてあげましょう」
ああ、そうだな。
ヴィールに……皆に……そして……!
俺は振り返り、歴代の人達に声を張り上げる。
「一緒に見ようぜ、夢に輝く未来ってやつを! 俺が……見せてやる!!」
「……夢」
「未来……?」
ちょっと呆ける歴代の人達に、俺ははっきり言ってやる!
「ああ! おっぱい一杯夢いっぱい! 俺の夢を、未来を! 絆を! 皆も一緒に見ててくれ!」
そう言いながら、俺の視界は紅の光に染まっていく。
ああ……ここから、反撃だ!
和地Side
……ああ、やっぱりこれでは駄目か。
分かっていた。春っちから聞いていた内容と、そこから感じる奴の凄味なら、これぐらいはやってのける。
それでも勝算があるとは分かっていた。だからこそ、まずはやった。
だが勝てなかった。ヴィール・アガレス・サタンは上を行った。乗り越えた。
痛感したさ。奴は間違いなく化け物だ。あり得ないような困難を、決意と信念と気合と根性で乗り越えてきた、意志力の怪物だ。そこに鍛え上げられた身体能力と技量を持っているのだから、同年代で限定すれば間違いなく化け物だ。
追いつけれるわけがない。それだけの積み重ねの密度を持っている奴を打倒できるものがいるとするなら、それは数倍を超える経験を持つ者だけだ。しかも追い抜かれればまともな方法では絶対に勝てない。
だからこそ、まともな方法では勝てない。嵌め手をもってしても、それ以上の執念で乗り越えてくる。それがよく分かったとも。
……
諦めるなどありえない。
春っちを引きずり戻す為、奴の打倒は必須だろう。そうでなければ、崩れ落ちてミイラのようになる春っちをとどめた、
証明しないといけない。春っちにも、ヴィールにも、全てに対しても。
九成和地はヴィール・アガレスが託すに足る、成田春菜を支える柱の相応しいのだと。
それを此処で示してやろう。全身全霊全てをもって。
すべてを振り絞れ。その誓いを死ぬ気で果たせ。
九成和地という男は、彼女の笑顔に交わした誓いを、守り通せる男なのだと、三千世界に示して見せろ……っ!
Other Side
故に、ここからが決戦となる。
刮目せよ。真の戦いは此処から始まるのだと知れ。
連続覚醒準備完了。いいタイミングなのでここで切ります。
さぁ、真のクライマックスは、此処からだ!
VSヴィールのMVPは誰だ!?
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イッセー
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和地
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カズヒ
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サイラオーグ
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ヴァーリ
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リアス
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春菜
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ベルナ
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シャルロット