好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
さて、一泊二日で家族旅行に行ってきました。ロシアのやらかしは日本も対岸の火事ではいられないとは思いましたが、しかしおかげでちょっとアイディアを獲得しました。
……その辺の設定調整を行った後、執筆を再開する予定です。とりあえず曹操が大暴れしミザリが爆弾発言をぶちかました後まで書けているため、予約投稿の都合上すでに過去話について語る予定です。
ぶっちゃけこの作品で最も評価が下降する懸念事項が「都合上これぐらいにならないと明かせない、カズヒ関連事情」なので、当面は評価を募集できないと思っております。
……裏を返せば、それを知っても呼んでくれる方々がさらに評価を下げる可能性は一気に減少するわけです。その時には、高評価の募集も再開七と思います!
和地Side
「ドライグ、会いに来た」
玄関から入ってきた
だが俺は強引に意識を切り替える。この思考停止は、下手をすると本当に命に関わる。むしろなんで俺死んでないんだってレベルだ。
速やかにバックステップをして、後ろで待機していたメイド達の方に移動。更に瞬時に発動体としての魔剣を創造し、星辰光も発動。
ショットライザーも装着するが、即座の変身をしようとして、俺は少し思いとどまった。
殺しに……でも、戦いに……でもなく、会いに来たというオーフィスの発言。更に昨夜の先生が言っていた説明の数々を思い返す。
つまり、アザゼル先生が言っていた客人がこいつってことか? だとするといきなり攻撃ってのはさすがにためらうな。
「とりあえず春っち達は下がって……っていうか、インガ姉ちゃん大丈夫か!?」
オーフィス視点では裏切り者に近いメイド達の安全確保は必須だろう。というか、インガ姉ちゃんを含めて数人は失神している。
「……冗談、だろ……っ」
「……死ん……だ……っ」
ベルナも春っちも顔面蒼白だよ。そりゃそうだ。
メリード以外の兵藤邸のメイドは、いわば懲罰としてのメイドであり、禍の団を裏切ったメンバーと言ってもいい。
目の前に大ボスが現れれば、そりゃ恐怖におののくというものだ。
ああもう! 先生は何を考えているんだ!?
俺以外のメンバーも全員が戦闘態勢だけど、カズヒ姉さんだけは武器を持ちつつも手で皆を制している。……というか、向けている相手はオーフィスではなく先生だ。
「とりあえず全員一旦抑えて! あとアザゼル総督、客人は
「……っ!? どういうこと、アザゼル!? オーフィスという存在がどういう存在か、貴方だって理解しているでしょう!!」
敬語ぶん投げたカズヒ姉さんのブチギレ気味な詰問に、リアス部長もすぐに悟ってアザゼル先生に激怒する。
そりゃそうだろう。自分の管轄地区にテロリストの親玉を連れてくるとか、これで何も言わないなんてことの方がおかしい。
というかだ、凄く嫌な予感がしてきたんだが。
「……そもそも私もイリナも知らない以上、警備をしている者達だって把握していないでしょう。……アザゼル、いったいどれだけの人員や結界を欺いたというの!?」
そうなんだよなぁ。
悪魔関連がこんな事態を知っているなら、それなりの情報は
それにイリナが何も知らないってことは、天界や教会も
そして駒王町の結界だって、オーフィスレベルの存在が入ってこようとするなら流石に感知するはずだ。警備メンバーだっていないわけではないし、三大勢力の地球側における陣地としては、駒王協定の場でもあるこの街は最上位レベルの価値を持っているんだからな。
そして、リーネスですら把握してないってことは、これはアザゼル先生の完全な独断だ。
そりゃキレる。
「協定違反よアザゼル! 堕天使が悪魔や天界から糾弾されても仕方がないほどの!」
部長はもうかんかんって言葉も生ぬるい。
「それどころか、各勢力の和平が完全崩壊しかねない暴走よ! 自覚はあるの!?」
カズヒ姉さんは、返答次第では殺しに行きかねないレベルだ。
すでに戦闘態勢を万全にして、とびかかる寸前といってもいい。
「誰よりも和平を推し進めてきたあなたが、こんなことをするだなんて全部を台無しにしかねない行為だわ! ことと次第によっては、この場で殺されても文句が言えないって分かっているんでしょう―」
「―待って」
その時、部長がカズヒ姉さんの肩に手を置いた。
まだ色々激高寸前だけど、部長は冷静になっている……?
「……和平を推し進めてきたあなた
真っ直ぐに部長が向ける目を見て、先生は静かにうなづいた。
「ああ。成功しても社会的に首が飛ぶだろうし、失敗すりゃ物理的に俺の首は飛ぶ。だが、それだけの価値があると思ったからこそいろんな奴らを騙して
……なるほど、な。
確かにこの人はトラブルメーカーであり、人を引っ掻き回すは勝手に人体実験をするわ、しかも能力がある聖である意味成果が出て面倒なことになるは、そのくせろくに反省すらしないわで色々と迷惑な人だ。
だが、あくまで悪ふざけレベルでとどめている。好き好んで世界を揺るがしたりはしないだろう。
その辺は天然で悟っているのか、比較的慌ててない組のヒマリは指を口元に当てて考えたうえで、うんと頷いて微笑んだ。
「ん~。まぁ、先生は人に迷惑をかけることはあっても、世界を破滅に導いたりはしませんのよ? 信じてもいいと思いますの!」
「てめえなんて酷いことを!? 天然だから流してやるが、今度言ったらお前を破滅に導くからな!?」
「いやいや。これだけのことやってんだから、むしろ先生が破滅に導かれるんじゃない?」
怒る先生に鋭い現実を突き付けながら、ヒツギもため息交じりで苦笑した。
「ま、此処で戦闘しても勝ち目はほぼないし、街が跡形もなく吹っ飛ぶじゃん? 向こうが戦闘する気がないなら、様子見してもいいんじゃない?」
そう言いながらイッセーをちらりと見ると、イッセーも少し戸惑いながらも構えを解いた。
「……そうだな、ヒツギ。俺は先生を信じます。これで禍の団がどうにかなるかもっていうなら、話ぐらいはしてもいいです」
「助かる。まぁ、オーフィスそのものはグレートレッドが関わらねえならこっちに敵意を向けたりはしないだろうさ」
先生もほっとしているけど、確かに。
さっきから敵意や殺意どころか、戦意すら見えてないからな。
そして戦闘になれば十中八九どころか百中九十九でも足りないぐらいまず負ける。しかも周辺被害が、都市規模どころか地形規模で出てくることも間違いなし。
なら、様子見ぐらいは……いいか。
そんな感じで戦闘態勢は緩むなか、リヴァ先生が手を上げる。
「で、オーフィス以外はどこにいるのかしら? 昨夜の話だと、ヴァーリチームもってことでいいと思うけど?」
あ、そうか。
ヴァーリチームで半分正解と言っていたから、ヴァーリチームも一人は来るとみていいだろう。
あいつら苦手なんだよなぁ。オーフィスとは別の意味で胃や神経に悪いというかなんというか。
俺が内心でげんなりしていると、魔方陣が展開して何人か出てくる。
……すいません。どこかで見たような狼が、ダウンジングサイズされているんですが。
「やっほ~、赤龍帝ちん! 白音はいないのね?」
「お久しぶりです、赤龍帝さん♪ 試合、感激しました♪ サインもください」
……黒歌とルフェイか。
……相応に因縁があるのに笑いながら来る黒歌もそうだが、ルフェイはルフェイで自分が敵対勢力だって自覚があるのか分からない。
こいつら、基本的に社会不適合者だよなぁ。縦社会とか規律重視の組織とかと相性が悪すぎる。
ちらりとアニルを見ると、俯いて背を曲げて腹を抑えていた。
あとで胃薬を差し入れしておこう。俺はそう決意した。
そしてあまり人が多くても空気が悪くなると思い、俺は一旦席を外してトイレに向かった。
そのあと手をしっかり洗って消毒してから、色々と過負荷でストレスが溜まったので、何か食べて発散しようと別館のミニキッチンに向かった。
一応俺、料理は出来なくはない。というか、家庭科の授業や野営の指導を真面目に受けたので、どっちかといえば作れる側だ。自炊はできるに越したことはないし、脱走するなら野営はできないといけなかったしな。
とはいえまぁ、今回作るのはインスタントラーメン*1だけどな。あとは栄養バランスを考えて、野菜数種類を細切りして炒めて、チャーシュー数枚と水菜と一緒にラーメンに盛り付けて……と。
さて、やけ食いと……と思ったら、なんか客間の方が騒がしい。
「何かあったかぁ~?」
「きゅ、九成! 悪い、オーフィスがドライグに「乳龍帝」とか言った所為で発作起こしたんだ! 薬はかけたから大丈夫!」
『す、すまん……。何とか収まったから、大丈夫だ』
普段あんまりイッセー以外とはしゃべらない、ドライグが思わず声を出すレベルか。
実はドライグ、イッセーが毎度毎度*2。
で、カウンセラーも封印されたドラゴンゆえに手探りでやっていたんだが、精神安定用の薬液を籠手の宝玉に振りかけると効果があると判明。毎日定期的に振りかけることで何とか持ち直しているらしい。
とはいえ、この流れで乳龍帝とか冗談抜きでトラウマだろう。心底同情する。
「……申し訳ありませんが、乳龍帝というのはドライグにとってトラウマなんです。意図的になったというより流れでなったものなので、あまり触れないでくれませんか?」
「ん。わかった」
流石に哀れんだのか、シャルロットが少し緊張しながらオーフィスにそう告げる。
あとあっさりだな。なんというか、こうしてみると純粋かつ素直な子供にしか見えない、
というか、何をどうしたらテロリストの大ボスがこの流れで言うんだよ。
俺は思わず半目になった。というか、ついラーメン持ってきちゃったな。さっさと戻って食べるか。
と思ったら、なぜかオーフィスがこっちを見ている。
俺はいったい何をした!? この流れで急に俺がピンチになるのか!?
警戒したのでとりあえずラーメンを置いて、向き直る。
あれ? 視線がずれて……あ。
俺はラーメンを再び持って立ち上がると、オーフィスの視線がそっちに向いた。
ら、ラーメンに興味津々!?
「それ、なに? ヴァーリが似たようなの、よく食べてる」
「……ラーメンという料理だ。中国の料理をベースに日本でいろいろ魔改造された料理だな。西洋風に言うなら、一種のスープパスタ……でいいんだろうか」
なんかちょっと戸惑うが、意外とまじに視線を向けてきている。
というか、視線がラーメンに固定化されてるな。
「……興味があるなら、食べるか?」
思わず聞いてみると、素直にこくんと頷いた。
そっと差し出そうと思ったが、冷静に考えると箸を使えるのか?
なんか不安になったが、そこでカズヒ姉さんがため息をつきながら、
「ほら。これでくるくると麺と野菜を汁と絡めて食べなさい」
「ん。食べる」
……素直にもぐもぐ食べてるけど、口元めっちゃ汚れてるな。
……本当に小さい子供にしか見えないぞ、これ。
「ああもう。いろいろ汚れてるでしょうに。ほら、これを首に巻いて」
毒気を抜かれたカズヒ姉さんは、布を取り出すとそれで首元を巻く。
素直にされるがままのオーフィスが本当に子どもにしか見えないので、なんというか……。
「「「「母親みたい」」」」
俺やイッセー含めた何人かがぽつりと呟いた。
……なんか盛大に肩が震えたんだが。
「カズヒ。……深呼吸な」
「総督、そこまで私はどうしようもなくないですから」
なんで先生がカズヒ姉さんにフォローする流れなんだ。
フォローするようなことではないような気がするし、というかこういうのはむしろリーネスが―
「あれ、リーネスはどこに?」
「ああ。鶴羽が来たんで誤魔化してる」
俺の質問に先生がそう答えた。
先生、本当にこれ以上のサプライズとかないことを期待しますからね。あったらぶちのめすのでそこんところよろしく。
Other Side
「え、今日立ち入り禁止なの? なんで?」
「ごめんなさいねぇ。今ちょっと、オカ研メンバー以外は立ち入り禁止なのぉ。総督と部長とカズヒの三人が合議する必要があるレベルなのぉ」
「リーネス。教会側のトップはカズヒじゃなくてイリナでしょ?」
「……あ」
「ギャグじゃなくて天然なわけ!? イリナ泣くわよ!?」
そんなこんなでオーフィス襲来の日でしたぁ!
おそらく投稿された日の夕方ぐらいには、カズヒ達の隠された秘密を書いているころ合いだと思います。
……書ききれたら予約投稿で連続投稿をまたやろうかと思っています。えげつない内容なのでさっさと終わらせた方がいいと判断しています。