好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
……カズヒ達の宿命が明かされるまで、あと数日ぐらいになると思います。
あとすいません。予約投稿をミスった結果、ちょっと投稿タイミングがずれてます。
慌てて調整しましたので、4月12日11時20分より前の人は一つ前の話を確認してくださいませ。
イヤホントごめんなさい!!!
和地Side
そんなこんなで、イッセー達の中級昇格試験当日。
転移で試験会場近くのホテルに移動した俺達は、そのままレストランで時間を潰していた。
まぁ、はっきり言って中級昇格試験で落ちる心配をしている奴は一人もいない。最悪落ちたにしても、それは筆記やレポートが悪かったからになると思っている。
だってそうだろう? 常識的に考えて、殆ど全員が元七十二柱や番外の悪魔という由緒正しい上級悪魔で構成される、更に自主鍛錬を鍛えに鍛えているサイラオーグ・バアル眷属と真っ向から渡り合ったのがリアス・グレモリー眷属だ。加えてイッセーは性能に限定すれば眷属でぶっちぎりトップと言っていいだろう。
中級昇格試験というのは、裏を返せば中級になる余地のある悪魔の試験だ。現状の転生悪魔が戦力としての資質が重視される以上、戦闘能力の平均は中級悪魔相当。慣れる可能性を見出されているのなら、大半は中級の下。強い奴にしたって中級の上位ぐらいだ。
今のイッセーの戦闘能力は上級の上位。それもあくまで通常の禁手であり、三叉成駒や真女王なら最上級クラスは確実に届く。シャルロットが使える実践なら、既に龍王クラスとも勝負になるだろう。
やれ神の子を見張る者の最高幹部やら、魔王の血を継いだ今代の白龍皇やら、龍神の力で底上げされた魔王末裔やら、サーヴァントを従え星辰奏者と仮面ライダーを併用する悪神やら、最強の神滅具を宿す覇王の末裔やら、心身共に常人では絶対にできない研鑽を積んだ神滅具保有者と、イッセーが戦ってきたのはどいつもこいつも下手な最上級悪魔クラスを余裕で倒せるような連中だらけだ。
よっぽどのイレギュラーじみた偶然が傘らならない限り、それなりに警戒していれば後れを取ることはまずない。よしんばとっても、戦いぶりで判断されるから負けても問題はさほどない。
なわけで、俺達はオーフィス達に注意を払いつつもゆっくりしているわけだ。
ちなみに試験が終わったら合流して、ある程度だべって休憩してからサーゼクス様のところにオーフィスを連れて行くということになっている。
まぁ、メイド陣営であるインガ姉ちゃん達は今回欠席。一応皆立場が立場だし、その辺りの配慮もあるってわけだ。
とはいえ……。
「鶴羽が来てくれるとは思わなかったな。……というか、大事に巻き込んで悪かった」
「はいはい、そういうの良いから。……あ、それ美味しそうだからちょっと頂戴」
と、リーネスから聞き出した鶴羽も参加してくれている。
「まったく。そりゃ私は
唐揚げをもぐもぐしながら、ちょっと不満げな表情を鶴羽は浮かべてくる。
……そうだな。
鶴羽だけに内緒っていうのはやっぱりあれだった。素直に反省。
「……悪かった。これからはもうちょっと頼ることにするよ。ただし―」
これは言っておいた方がいいよな。最も真剣すぎるのもあれだし、ちょっと笑みを浮かべながらだな。
「―俺に頼れることがあったら頼ってくれ。あんまりやりすぎない範囲なら、力になるぐらいはするからさ」
「………はわぁっゴホッゲフッガハッ!?」
むせたぁあああああ!?
「鶴羽、鶴羽しっかりしろぉおおおおお!」
なんでそんな盛大にむせる!?
あと女の子がしたらいけない顔してるからな!? 色々口から出てて大変なことになってるからな!?
「……見ました? あれがナチュラルジゴロってやつですよ、ボス」
「……あれは鶴羽が紙装甲なだけよ。っていうかボスって言うな」
すいませんリヴァ先生にカズヒ姉さん! ちょっとフォローしてくれませんかねぇ!?
そんなこんなで大分経った。
一応ドリンクバーとかはしっかり全員分頼んでいるし、少しずつ頼んでいるつまみの軽食は高い奴にしているから、まぁ大丈夫だろう。
オーフィス達はフードをかぶったり気配を術式で消したりしながら、少し離れた席で食べたりだべったりしている。フェンリルはペット持ち込み禁止だということから、魔法で陰に潜んでいるらしい。……ペット扱いは流石に同情する。
正直かなり気になっているが、しかしまぁ、暴れる気配がないならとりあえず殴り倒すのはやめておこうといった感じで一致している。アニルはペンドラゴン家絡みもあってピリピリしているが、自覚があるから比較的距離をとっている感じだ。
そしてそんな感じでイッセー達の試験も終了したんだが……。
「イッセー。お前何やってんだ」
「そ、そんな目で見るな! 俺だって未だに信じられないんだ!」
「いえ、どう考えても想定できたことでしょう」
俺とカズヒ姉さんから左右でツッコミを喰らい、イッセーは見事に狼狽している。
なんということでしょう。この兵藤一誠、中級昇格試験に割と
……最初っからなんか実技にかなり力を入れたがっている感じでしたが、まさかマジで不安だったから高めたかったのか。
確かにまだ見ぬ隠された強者がいる可能性はあるだろうけど、前代未聞の領域に突入した赤龍帝に喰らいつける牙の持ち主とか、万が一でも多すぎる確率だろうに。
俺は真剣に頭を抱えたいというか、ぶつかって殴り飛ばされて一発KOになったその相手に同情した。
中級昇格試験で新次元に突入した赤龍帝とか、ないだろ普通。RPGなら序盤のボスが相手かと思ったら、終盤のボスが出てきたレベルだろう。むしろ良く心が折れなかったと褒めてやりたい。
カズヒ姉さんも同情しているのか呆れているのか、白い目を割と真剣に向けていた。
「……前から思っていたんだけど、貴方今度サイラオーグ・バアル眷属に菓子折り持って謝りに行きなさい」
「え!? なんでそこでサイラオーグさんが出てくるんだよ!?」
思わぬ展開にイッセーも面食らうけど、カズヒ姉さんは首を横に振った。
「サイラオーグ・バアルじゃなくて、サイラオーグ・バアル
カズヒ姉さんははっきりと言うと、向き直って視線の高さも合わせてイッセーを睨んだ。
「……まず今回の件で、貴方は彼らを中級悪魔に
あ、そこは俺も思ってた。
しかもヴィールに負けたことで、どいつもこいつも更に己を鍛え直しているからな。そのポテンシャルはどいつもこいつも上級の上位だろう。
そんな連中と真っ向から渡り合えるメンツとか、どう考えても戦闘能力は中級悪魔じゃない。
相当問題と思っているのか、カズヒ姉さんはめっちゃ渋い顔をしている。
「万が一の警戒は必須だけれど、当たり前にそうだと考えて立ち回るなんて、多方面に失礼よ。
カズヒ姉さんはそう言ってから、更に続ける構えだった。
まぁ、中級悪魔に慣れるかもと思っているところに、由緒正しい上級悪魔の一族を相手にするぐらいの心構えで来られたら泣きたくもなるか。むしろイッセーの水準、ヴァーリとか曹操といったレベルすら考慮していた可能性があるしな。
そして、なんかカズヒ姉さんの表情が少し変わった。
話が変わるのか? もう一つの理由があるっぽいから、それか?
「ついでに言えば、そのクイーシャ・アバドンとの戦いに関しても問題極まりないわ。この辺、前から言おうとは思っていたのよ」
「……あ~、それは分かってる。キレて強引に言ったからなぁ……」
イッセーも反省はしているようだが、カズヒ姉さんは盛大にため息をついた。
あ、そっちじゃないのか?
「そもそも
……割と本気で怒っている感じだな。
「ちょっと待ってくれよ。そりゃ俺が大人じゃなかったのは分かるけど、仲間を倒されて怒るななんて言われても―」
「―怒るななんて言ってないわ。そもそも怒る理由が
真正面から、カズヒ姉さんはイッセーの言い分を根源から切って捨てた。
そこには怒りとか呆れもあったけど、それ以上に激情によるものじゃない真剣な声色があった。おかげで、イッセーはもちろん俺や部長も息を呑む。
「レーティングゲームはルールにのっとった
目線を合わせたうえで、カズヒ姉さんははっきりと言い切った。
「レーティングゲームはいわば集団での無差別武道競技。如何に死人が出ないようにルールを仕立てようと、怪我人が出ないわけがない。少なくともルールを破ることも悪用することもない選手が、同じ選手にそれなりの
諭すように告げ、カズヒ姉さんはイッセーの肩すら掴んで向き合った。
「……筋違いの怒りも憎しみも、他者にぶつけていい物じゃない。貴方が仲間が試合で倒されることに怒るのなら、それは試合に参加することを選んだ
……イッセーが気圧されて何も言えないのは、その気迫に呑まれているからじゃないだろう。
俺も、部長も、はっきりって聞こえている全員が、気圧されている。黒歌もなんか面食らってこっちを見ているぐらいだ。
それほどまでに、カズヒ姉さんは真剣だった。
むしろ切羽詰まっているとか、何かが張り裂けそうになっている雰囲気だ。それも怒りではなく、心配とかそういった感じだ。
そんな、何とも言えない表情のカズヒ姉さんはイッセーを肩をゆすりながら、言い聞かせるように言葉を選ぶ。
「そんなことは屑の所業よ。人が実行に移していいことじゃ、断じてないって気づきなさい……っ」
な、なんだなんだ?
本気でちょっと、カズヒ姉さんの様子がおかしいぞ?
……まるで犯罪を犯そうとする親しい人間を、必死で説得しようとするかのような表情だ。
気づけば、鶴羽とリーネスがカズヒの肩に手を置いていた。
「……その辺よぉ、カズヒぃ」
「落ち着いてカズヒ。貴女はそう言いたくなって当然だけど……ね?」
そう諭す二人に続くように、アザゼル先生も立ち上がった。
「とりあえず、お前が冷静になれ。……例の件もあって不安定気味なのは分かるが、流石にそこまで言うこたぁねえ―」
その言葉が途切れた時、俺達もふと気づいた。
空気が変わった。いや、何かが流れ込んでいる。
「……あ~。ヴァーリ達はまかれたみたいだにゃん」
黒歌がそうぼやいた時、黒い霧が俺達を包み込んだ。
この感覚、覚えている。
これ、
……まぁ作品のノリといえばそれまでなのですが、グレモリー眷属って情愛が強いからこそなんですが、特にイッセーに情動で道理を蹴っ飛ばすところが多いのは欠点だとは思ってますな。
イッセーもその辺はやっぱりドラゴンの素質があるといえばそれまでですが、自分は龍の誇りをそもそも誇りと認識できないところがあるので、その辺には厳しめに対応していこうかと思っております。
そしてついに曹操たちが動き出し、ミザリも必然的に介入する。
正しい意味でグレモリー眷属がミザリ・ルシファーと相対するとき、カズヒ・シチャースチエは逃げてきた勝利に追いつかれる。
宿命の時は、今始まる。