好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 どうも、グレン×グレンです。

 一気に宿命の時がやってくる連続投稿です。

 とはいえ、これはまだ導入部分ですけどね。


銀弾落涙編 第九話 龍を喰らう者

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 気づいた時、ホテルのレストランには僕達以外誰もいなかった。

 

 この感覚は覚えている。京都で絶霧(ディメンション・ロスト)で転移された時の感覚だ。忘れたくても忘れられないよ。

 

 つまりここは、ホテルじゃない。ホテルを模した結界空間を考えるべきだ。

 

 動いてるのは十中八九英雄派。それも、曹操達幹部クラスが関わっている。少なくとも、霧使いのゲオルグは確実に動いているだろう。

 

「……一応聞くけど、ここまでが仕込みだってオチは無いでしょうね?」

 

『フォースライザー』

 

『CRY!』

 

 カズヒはすぐに変身できるように準備しつつ、ヴァーリチームの方を鋭く睨む。

 

 流石にカズヒも本当にそうだとは思ってないだろう。ヴァーリチームはこういったことはあまり好まないだろうし、そもそも英雄派とそりが合ってないことは理解している。

 

 それにオーフィスをこういったことに使うなら、直接叩き潰す為に使った方がいいに決まっている。圧倒的最強戦力を囮に使うにしても、この使い方は非効率的だ。

 

 だからこそ、睨んではいるけど敵意や殺意は向けていない。

 

 黒歌もそれは分かっているから、警戒は周囲にのみでカズヒにはない。

 

「違うにゃん♪ ま、もしかすると英雄派(あいつら)がこっちに仕掛ける可能性はあったけどね」

 

「あるなら言いなさいよ! なんでそんな厄ネタ黙ってるのかなぁ!」

 

 既にレイドライザーを装着している南空さんが大声で叫ぶけど、黒歌はどこ吹く風だった。

 

「まぁまぁ。一応ヴァーリチーム(この子達)は敵対勢力なんだし、そこまで求めるのもあれでしょう? 今はこの場を切り抜ける方が重要だろうし……ね」

 

「同感だ、リヴァ先生。本隊の幹部も後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)の筆頭格も、俺達にとってやばい敵なわけだしな」

 

 こちらも変身体制を万全にしているリヴァさんと九成くんが、南空さんを宥めながら警戒する。

 

「お~。やっぱりホテルの内装も再現されてますのよ?」

 

 何時の間にかヒマリが外の様子を確認している。ただし顔を覗き込むことなく、鏡のようにした聖剣を使って確認してだ。

 

 それに続くように、ゼノヴィアとイリナさん、ルーシアちゃんとアニル君が、二人一組で前後を警戒しながらレストランの外を出て警戒する。

 

「……敵影は無し。ですがいないわけがないですよね」

 

「だろうな。話を聞く限り、どっかで待ち受けてるんだろうぜ?」

 

 ルーシアちゃんとアニル君がそう判断するなり、ゼノヴィアはエクス・デュランダルを構えながらため息をついた。

 

「なら考えるべきは、最上階かロビーフロアだな。最も、この位置ならどちらに向かうにしてもロビーに行くべきだが」

 

「悪の親玉は最上階にいるものだけど、親玉のオーフィスさんは此処にいるものね」

 

「……では、向かうしかないんですね」

 

 イリナさんに頷いたアーシアさんも、すぐに回避できるよう、体の調子を確認している。

 

 そしてイッセー君の禁手のカウントが終わり、イッセー君は鎧を身に纏った。

 

 同時に九成君達も変身や実装を終え、僕達は走り出す。

 

 そしてロビーに出た時、中央のソファーに座る二人の学生服の少年を確認した。

 

 管服を腰に巻いた曹操と、ローブを羽織ったゲオルグが、こちらに気づいて不敵な笑みを浮かべる。

 

 僕達が構えたその瞬間、別の方向から炎の塊が放たれる。

 

 狙いはアーシアさんとイリナさんか!

 

 間に合うか……と思った時、オーフィスがそれを腕で吹き飛ばした。

 

 ……意外な展開だけど、とりあえずは不意打ちが被害を出さなくて済んでよかったとみるべきだろう。

 

 如何にリアス部長がいれば限定的に何とかなるとはいえ、アーシアさんが倒されることになれば僕達はアドバンテージを大きく失うことになるだろう。

 

 この奇襲は危なかった。少し動揺が大きすぎたようだ。

 

「ふふ、かつてのデュランダル……いや、エクス・デュランダルの一撃に対する意趣返しさ。もっとも、オーフィスが止めるとは思わなかったけどね」

 

 ……割と根に持っているのか?

 

 僕はそう思いながらも、周囲をそれとなく警戒する。

 

 少なくとも一人、どこかで様子を伺っているようだ。気配はそれとなく隠しているようでいて、分かる物ならば分かるような具合。強者に対するけん制といったところだろう。

 

 他にもいる可能性は考慮するべきだね。これを囮にして、本命が仕掛けてくる可能性は十分にあるだろう。

 

「さて、終了後に別派閥が茶々を入れておきながら言うことでもないけど、先日のバアルとの戦いと勝利におめでとうと言っておこう。戦いを求める物としては達してしまいそうだし、まして彼らを打倒して若手悪魔ナンバーワンに到達した君達グレモリー眷属は素晴らしい」

 

「礼を言っておくべきでしょうけれど、テロリストに褒められても喜べないわね」

 

 曹操の賛辞に部長はつれなく返す。

 

 誇り高きグレモリーの次期当主として、テロリストになびくようなことはない。

 

 ただ、曹操はリアス部長を見て少し苦笑いを浮かべていた。

 

「……これが本当の始めましてかな? リアス・グレモリー。京都での衝撃的なあれは、初対面とするにはお互いあれだろうしね」

 

 ……京都でのあれは、流石にノーカウントにしてほしい。

 

 あれはちょっと酷かった。部長の混乱は僕達より激しかったことは間違いないし、冷静に考えるとかなり恥ずかしいだろう。

 

「言わないで頂戴。思い出すだけでも恥かしい……っ!」

 

 ですね! 僕はその時意識が飛びかけていたけれど、心労お察しします!

 

 そして曹操の視線はオーフィスに向いた。

 

「……とはいえオーフィス。ヴァーリ達に連れられてどこに行ったのかと思いきや、赤龍帝と行動を共にしているとはね。まさかと思って探ってみれば、正直驚いたよ」

 

 なるほど。やはり禍の団全体としては、オーフィスが僕達のところにいたのは知らなかったということか。

 

 とはいえ、連れ戻しに来たという雰囲気でもない。何か不穏な空気を感じている。

 

 元々ヴァーリチームと英雄派は剣呑な関係のようだしね。今回のオーフィス絡みで、一気に爆発したと考えるべきかな?

 

「こっちも驚いたにゃん。ヴァーリ達の方に行ったと思ったんだけどねん」

 

「そっちにも別動隊を送っている。……ただ、チームメンバーが半分もいないのは懸念事項でね、変化の術を疑似餌にした釣りをしていると踏んだのさ。オーフィスが赤龍帝に興味を持っていることも知っていたからね」

 

 なんかどんどん剣呑な雰囲気になっている。

 

 それもヴァーリ達の方に別動隊を送っている、か。変化の術を疑似餌ということは、仙術を使える美猴辺りがオーフィスに化けているということか?

 

「……ルフェイ、黒歌。これってどういう状況なんだ?」

 

 イッセー君がこの空気に違和感を感じたからか、隣にいるルフェイに問いかける。

 

 何時の間にか姿を現したフェンリルも曹操を睨み付けて警戒していることといい、不穏な空気になっているのはどう考えても明らかだしね。

 

 それにして、ルフェイは指を一本立てて話し始めた。

 

「えっとですね。ことの発端はオーフィス様が「おっぱいドラゴン」に興味をお持ちだったことと、ヴァーリ様がオーフィス様を狙う輩が禍の団にいると気づいたことから、アザゼル総督に出会いの場を打診すると同時に、術でオーフィス様に変じた美猴様を目立つように連れ回すことであぶり出しを行ったということです」

 

 禍の団もいくつもの派閥がある都合上、派閥争いの類があるのは分かっている。これは大きくなった組織には少なからず生まれる問題だから、まぁ納得できる。

 

 そして盟主に対して反感を抱く者も出てくる。これもまた、大きな組織にはままあることだ。

 

 だが、現状で主導権を握っている英雄派が、この流れでこの場に出てくる。

 

 ……つまり、そういうことか。

 

 僕やルフェイの視線に、曹操は微笑みをもって応える。

 

「オーフィスが今代の赤龍帝に興味を示していることは知っていたんでね。ヴァーリも無策でオーフィスを連れ出すことはないと思っていたから、探ったうえで奇襲をかけたらこの通りってわけさ」

 

 そういう曹操に、オーフィスが首を傾げていた。

 

「曹操、我を狙う?」

 

 特に怒りも失望も感じていない声だ。

 

 虚無や無限を司る存在にとって、この程度のことはとるに足らない……ということか。

 

「そうなるね、我々にはオーフィスという存在(無限の龍神)は必要だがオーフィス個人(あなた自身)()()()と判断した」

 

 そして曹操もまた、悪びれることなく悠然としている。

 

 何より発言内容が不穏だ。……一体何を考えている?

 

「そう。でも曹操には我を殺せない」

 

「だろうね。ただ、一回だけやってみよう」

 

 そんな会話が終わった瞬間、曹操の姿が一瞬で消える。

 

 どこに!? ……いや、この気配は!?

 

 僕が気配で位置を察した瞬間、曹操がオーフィスの腹部に聖槍を突き刺していた。

 

 早い! ここまでの者か、英雄派の長は!

 

「輝け」

 

 更に曹操が呟いたその瞬間、聖槍から絶大な光が溢れ出す。

 

「ルフェイ、これはちょっとまずいにゃん!」

 

「はい!」

 

 ヴァーリチームの二人が動くと、禍々しい煙のような霧が僕達を包み込む。

 

「光の力を軽減する闇の霧です。濃いのであまり吸い込まないようにしてください」

 

 ルフェイに従って口を覆うけど、これだけの霧が聖槍の光を抑えるには必要ということか。

 

 しかもこの霧をもってしても完全には消しきれないのか、強い光はホテル内を一気に照らす。

 

 くっ! これだけの力、もしうかつに喰らえば、この場にいる悪魔で耐えられる者は……まずいない!

 

 そして、光が収まり、そこには苦笑している曹操と表情を一切変えないオーフィスがいた。

 

 曹操が槍を引き抜くが、貫かれたオーフィスの傷跡には値は一切零れない。それどころか、圧倒言う間に塞がっていった。

 

 曹操は僕達が攻撃するより早く後ろに下がりながら、特に残念がることもなく槍で肩をぽんぽんとたたいた。

 

「……とまぁ、こんなわけだよ。ダメージそのものは悪魔や神仏のように特攻が入らなくても、下手な最上級の異形でも致命傷に届く。だけど彼女には全く届かない。例えるならあれだ。一秒間にHPが1パーセント回復する、HP百万のモンスターに一万のダメージが入ったとかそんな感じだね」

 

 曹操はなんてことの内容に言うけど、やはり凄まじい内容だ。

 

 無限と称される存在なだけある。総量そのものには限界があるような言いぐさだけど、それが無尽蔵に回復し続けて底が見えないのなら、無限と言われるのも当然だ。

 

「そして俺に反撃しない理由は簡単。いつでも殺せる興味がない相手に、そんなことをする気がないからだ。この世界で龍神の次に強い破壊神ですら、龍神との間にはけた違いの差がある。まさに無限と称されるに相応しい」

 

 それだけの圧倒的な力。分かっていたけど目にすればするほど痛感する。

 

 この世界、僕達が知っている範囲内で、グレートレッドと並び立てる唯一の力量を持つ存在。

 

 このオーフィスを、どうやって害するつもりなんだ?

 

 それができると踏んだからこそ此処にいる。曹操はそういう男だと僕達も推測できている。

 

 ……何を、考えている?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その光景を、映し出す存在がいた。

 

 気づかれないのも無理はない。それは気配を持たず、更に静音駆動を可能とし、更に表面の色を変えることで発見しにくくなり、とどめにkmレベルで離れたところから特殊カメラと二つのレーザーを利用した音声記録装置をもって情報を記録しているからだ。

 

 更に分散駆動で盗聴器や小型カメラを利用して、多角的にこの情報は記録されている。

 

 そして、この事実を知る者は結界内に誰一人としていない。

 

 そんな誰もが見られていることに気づかれない中で、曹操は告げる。

 

「……ただし、何事にも例外や特例というものはある。そう、あるんだよ」

 

 曹操はにやりと笑い、そしてそのタイミングと同じくして、魔方陣が展開される。

 

「にゃはは。おかげで繋がったにゃん♪」

 

 そう黒歌が告げると同時に、フェンリルが魔方陣に足を踏み入れる。同時に光がはじけ、そこにいたのはフェンリルではなく一人の青年だった。

 

「ご苦労だった、ルフェイ、黒歌。……久しぶりだね、曹操」

 

 明星の血を引く白龍皇、ヴァーリ・ルシファー。その姿を見て、曹操は不敵な笑みを浮かべていた。

 

「なるほど、フェンリルと入れ替わりで転移したのか。こういう抜け道があったとはね」

 

 曹操のその言葉に、ヴァーリもまた不敵な笑みを浮かべて返す。

 

「ああ。フェンリルには美猴やアーサーと共に、ドゥルヨーダナを叩いてもらうことにするよ。しかしこっちに来ることは想定済みだけど、たった二人で挑むとはなめられているのかな?」

 

 ヴァーリは怒ってこそいないが、しかしそう答えるほどにはこの状況は有利といえる。

 

 最強の神滅具とそれに並び立てる上位神滅具があり、更にゲストが潜伏している。確かに並みの脅威なら粉砕できるだろう。

 

 だが、彼らが挑む脅威は並みの脅威では断じてない。

 

 堕天使の総督が必要と在らば龍王を封じた鎧を纏う。の特性を生かし、疑似的に覇に準ずる力すら振るう白龍皇。転生悪魔としての特性と英霊との力を相乗効果とし、覇を克服した更なる進化を遂げた赤龍帝。龍に連なる者だけでもこれだけの猛者が揃っている。

 

 更に優れた眷属と巡り合い、その力を振るうリアス・グレモリーや。なるべき時に成すべきことを、必ず成し遂げる涙換救済(タイタス・クロウ)。光を奉じる意志をもって、限界すらねじ伏せる悪祓銀弾(シルバーレット)。他の者達もまた、間違いなく優秀な者達だ。

 

 とどめに無限の龍神と敵対する。明らかに正気ではない行動だ。

 

 ……そして、それだけの状況を齎す切り札の一つを。記録される映像を見る者達は知っている。

 

「……隠れているのは噂の龍喰者(ドラゴン・イーター)かい? 対龍に特化した禁手の到達者か、もしくは新種の神滅具保有者と当たりをつけているが」

 

 ヴァーリ・ルシファーはその本質を知らない。だからこそ、警戒がどうしても緩くなっている。

 

 それゆえに、曹操は余裕の笑みすら浮かべられる。

 

「違うんだよ、龍喰者俺達が()()()()()に告げたコードネーム。それは聖書の神が存命の頃から存在し……いや、聖書の神こそが彼を龍喰者に()()()()()のさ

 

 その言葉に、怪訝な表情を浮かべる敵対者。

 

 だが、曹操ももはや遠慮をする理由はない。

 

「やるのか? 曹操」

 

 ゲオルグに、曹操はうなづいた。

 

 そしてゲオルグが魔方陣を展開する中、曹操は静かにヴァーリ達に向き直る。

 

「……さぁ、無限が終わる時だ。現世に舞い戻るがいい、龍喰者(ドラゴン・イーター)

 

 現れる者は、磔にされたおぞましい存在。

 

 巨大な十字架に武器にな拘束具で磔にされた、堕天使のラミアと形容されるべき姿。全身のいたるところに太い釘が打ち込まれ、隠された目からは血涙が留まることなく流れている。

 

 悪意、憤怒、憎悪。それらを力として浴びせられたその姿に、誰もが一瞬息を呑む。

 

 そして、それを知る者が目を見開いた。

 

「馬鹿な……! コキュートスの封印が解かれたのか!? ……まさかあの骸骨、俺達が憎いからってここまでするか……っ!?」

 

 アザゼルが愕然としながら、曹操達を睨み付けつつそう呟く。

 

 それに対し、曹操は不敵な笑みを浮かべ、その存在を誇るように両手を広げた。

 

「かの者は、本来あり得ない神の悪意を一身に浴びて生まれた神の毒。聖書の神が蛇とドラゴンを嫌う理由にして、それゆえに龍に対する絶対の呪いを宿す天使にして龍。名を龍喰者(ドラゴン・イーター)、サマエル

 

 その言葉に、誰もが目を見開いた。

 

 分からないのは異形に対する知識がまだ疎い部類である赤龍帝のみ。

 

 それだけの非常事態に、その映像を見ている者は呆れが混じった視線を曹操へと向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ここからどうするのかのぉ? もっとも、十中八九見切りをつける流れじゃろうが……な」

 

 その小さな呟きは、彼女と同じ部屋にいる者達だけが聞いていた。

 




 ついにサマエルが具現化。だが、銀の宿命はまだ始まっていない。

 ここからが……本当の地獄だ!
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