好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 どうも、グレン×グレンです。

 ……本日。ついに、宿命の再開となります。

 こっから、当面はヘビーになるのでご覚悟を。


銀弾落涙編 第十話 宿命の再開

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 冗談、だろ……っ。

 

 いくら俺達が異形のネームバリューに在ってばかりとは言え、サマエルと会う羽目になるなんて思ってもみなかった。

 

「ちょ、先生! ドライグまで怯えてるし、見るからにやばそうなのは分かるけど、あれなんですか!?」

 

 ドライグまでビビるってか。本当にやばい事態だろうが、これは。

 

アダムとイブ。それぐらいはお前も知っているだろう?」

 

 俺がすぐにでも仕掛けられるよう、腰を落として身構える中、先生は奥歯を噛み締めながらそう尋ねる。

 

「アダムとイブが追放されたのは、蛇に諭されて知恵の実を食べたことがきっかけだ。で、その蛇は()()()()()が化けた姿だ。……その結果、聖書の神はマジギレして蛇やドラゴンを嫌うようになったのが、聖書でドラゴンや蛇が悪として描かれるようになった理由だ」

 

「マジですか!?」

 

 流石にそこまで知らなかったから、イッセーが驚く気持ちも分かる。

 

 そして先生は、サマエルを睨み付けた。

 

「神の悪意なんて本来あり得ないものを叩き付けられ続けたやつは、存在そのものが最強最悪の龍殺しで、それどころか存在そのものが世界に悪影響を与えかねない。地獄の最下層、コキュートスに永久封印していたはずなんだよ……っ」

 

 なるほどね。そりゃ最悪だ。

 

 聖書の神の千年以上の悪意なんてものにさらされた以上、あれは対龍に限定すれば神滅具を対龍特化の禁手にさせてなお追いつけない特攻を持つはずだ。

 

 アダムとイブが食べた知恵の実。その元凶とか間違いなくネームバリューが凄いとは思っていた。だがこれはやばいといった方が近いだろう。

 

 最強最悪のドラゴンスレイヤーとか、龍に関わる能力を持つ者が多い俺達オカ研にとって最悪だ。二天龍、龍王、更にそれに準じる高位の龍。それだけのメンツが皆殺しにされかねない……っ!

 

「ハーデスの野郎が……っ。ゼウスが俺達と協力体制に入ったのがそこまで気に入らねえか。禍の団はゼウスに深手を負わせたばかりか、ポセイドンに至っちゃまだ精神洗浄が終わらなくて封印までしてるんだぞ!

 

「そのようだね。俺達もそれとなく伺ったけど、身内の恥さらしに罰が当たったと鬱憤が晴れたようだよ」

 

 そこまでするか、あの神!

 

 そりゃ聖書の教えに色々信仰を奪われたのは分かるが、千年以上前のことだろう。今を生きている者達の殆どは関与していないってのに、一歩間違えれば世界に悪影響が生まれかねないこんな真似までするか!?

 

 ったく。ザイアの連中が三大勢力だけでなく、他の神話体系まで滅ぼすつもりだった気持ちが少しだけ分かったな。

 

 こんな行動をされると思っていれば、そりゃ討伐すら考慮に入れた警戒をしたくもなるだろうさ……っ。

 

「さて、このサマエルが究極の龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)なのは総督殿のおっしゃったとおり、二天龍やら龍王やらがいる君達対策としてはうってつけだしね。アスカロンはおろかグラムであろうと、サマエルに比べれば爪楊枝だ」

 

 自信満々だな、曹操の奴。

 

 まぁ確かに、聖書の神さまが千年以上も悪意を向けた存在だ。もはや負の聖遺物と言ってもいいだろうし、対龍に限定すれば現状考える中で最悪の部類だろう。

 

 そして何より、オーフィスと敵対を表明したうえで出したってことは――

 

「さて、実験を始めようか」

 

 ―――曹操が指を鳴らした瞬間、俺は咄嗟に動いた。

 

「オーフィス下がれ!」

 

 瞬時の判断で、俺はオーフィスに怒鳴りつつ障壁を多重展開。更に強引に魔剣まで壁として具現化する。

 

 そして、それらすべてをすり抜けたと勘違いする勢いで突破して、サマエルの触手がオーフィスを包み込んだ。

 

「「オーフィス!?」」

 

 ヴァーリとイッセーの声が響く。

 

 やっぱり本命はオーフィスか。そりゃ最強の龍を前にしてこんなものを出したのなら、真っ先に狙うのは最強戦力だろうさ。

 

 だが、障壁と魔剣の群れをすり抜けたと勘違いする勢いで溶かすとか、冗談だろ。

 

 あんなもの、手持ちの手段じゃどうにかできる気がしない。これほどまでか、聖書の神の悪意は!

 

「これは、攻撃を消し去るのか!?」

 

「くそ! 俺の半減すら通用しない!」

 

 木場やヴァーリが何とかしようとしているが、どうやら一切通用しないらしい。

 

 糞ったれ! だったら答えは一つだろう!

 

 サマエル本体、もしくはサマエルを制御しているゲオルグをぶちのめす。そして妨害する曹操もどうにかする。

 

 それ以外―

 

「リーネス、サポートお願い!」

 

「……そういうことぉ、分かったわぁ!」

 

 ―その時、絢爛な輝きがロビーを照らす。

 

 カズヒ姉さんが無数の宝石を呼び出し、大魔術を発動させる体制だった。

 

 さらにリーネスが魔術回路を全開にして、それを補正する。

 

「五大属性、最大出力―――ッ!」

 

「補正は完了。やって、カズヒ!」

 

 そして二人の連携で、無数の宝石がサマエルの触手に叩き付けられる。

 

 触手が蠕動して何かを吸い込む中、宝石が一斉に触手に叩き込まれる。

 

「……()()()()()

 

「いや、無駄だ!」

 

 その瞬間、ゲオルグが術を制御して触手に魔法を走らせる。

 

 そして勢いよく、宝石が弾き飛ばされた。

 

 くそ! あれでもダメか!?

 

「先生! オーフィスをどうにかできないんですか!?」

 

「無理だ! そもそもオーフィスがどうにかできてない以上、俺達じゃどうしようもない!」

 

 先生がイッセーにバッサリというが、やはりサマエル狙いは無理か。

 

「だが先生、相手が龍なら私とイッセーがアスカロンを同調させれば―」

 

「むしろやめろ! 龍であると同時に最悪の龍殺しなサマエル相手に、ドラゴンスレイヤーなんてぶつけたら何が起こるか分かったもんじゃねえ!」

 

「……そう。そして万が一の可能性を封じる為にも、そろそろ妨害するとしようか」

 

 先生がゼノヴィアと止めるのに合わせて、曹操が一歩前に出る。

 

「神滅具保有者二人に高位の聖剣使い、聖魔剣の担い手にグレモリーの次期当主。更に堕天使総督とはまぁ、恐ろしいメンツが揃っている、相手にとって不足なし……かな?」

 

「上等ね。あの呪いがどうにもできないなら、使う側(あなた達)をどうにかするのが次善策でしょうし?」

 

 カズヒ姉さんがそう吐き捨て、そして殺気を込めて曹操を睨む。

 

 それに対して、曹操は苦笑を浮かべながら肩をすくめた。

 

「ふふふ、怖い怖い。……ならゲストにも手伝ってもらうかな?」

 

 そう言いながら、ロビーに繋がる廊下の一つに視線を向けた時、足音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだね。()()()()()、こんな僥倖は中々ないんだ

 

 その声に、動きどころか意識すら止めたかのように、カズヒ姉さんは硬直した。

 

「そうなのかい? もしかして、例の会合の時からグレモリー眷属に興味があったと?」

 

「……違う違う。グレモリー眷属なんか、この()()()に比べたら()()()()()()

 

 曹操と会話をしているそいつを、カズヒ姉さんは目を見開いて見据えていた。

 

 いや、違う。

 

「……タイミングが、悪すぎる……っ」

 

「よりにも、よって……っ」

 

 鶴羽とリーネスが、今にも泣きだしそうな表情で奴を睨み付ける。

 

 それだけじゃない、先生もカズヒ姉さん達を見ながら苦虫を噛み潰した表情だ。

 

 イッセー達も、殆どないに等しいとはいえ面識がある。だから敵意はそこそこある。

 

 だけど、それ以上に―――

 

「……あ、れ……?」

 

「なに、これ……?」

 

 ―――ヒマリとヒツギが、明らかに動揺していた。

 

 自分達でもなんで動揺しているのか分からない。そんな、涙を流し、胸を押さえ、顔を真っ青にして震えながらそいつを見る。

 

 なんだ。何があった!?

 

 なんでヒマリとヒツギがここまでのことになる! そりゃ二人はとっても仲が良いけど、それにしたって……同時すぎだろう。

 

「お前は……何をした!」

 

 ショットライザーを装着しながら、魔剣の切っ先をそいつに突きつける。

 

 現三大勢力にとって最大の裏切り者。多くの者達を趣味の為に苦しめ、更に配下の力を使ってポセイドンすら汚染した。

 

 そんな、二種類の聖杯によって力を最大限に生かせる形でルシファーに転生した、禍の団に属する男。

 

 大打撃を受けながらも、それでも英雄派に次ぐ力を持つ旧魔王派。その現在のかじ取り役。

 

 銀の髪をなびかせる、その男は―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒマリに、ヒツギに、リーネスに、鶴羽に! ……そしてカズヒ姉さんに何をした、ミザリ・ルシファー!」

 

()()何もしてないよ。これからいっぱいするだろうけど、まずはこの同窓会を喜ぼうじゃないか。道間田知(たち)、君も含めてね」

 

 そんな訳の分からないことを言いながら、怨敵ミザリ・ルシファーは、心底嬉しそうに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さぁて? 僕らの出番はいつになるのかな~?」

 

「同感だ。あの子には一発かまさないと気が済まねぇんだよ。()()()姿()にされられたんだしよぉ」

 

「ミザリの所為ともいえるがな。……というか、何故乙女はあんなことになっている?」

 




 宿命の時は、今始まる。

 次話、本日16時予約投稿済み

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