好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
……ついに追いつかれた勝利。ここからが宿命の始まり。
和地Side
ミザリ・ルシファーは、俺のことを田知と呼んだ。
誰だよそいつは。いくら何でも、俺のことを知らないってのもどうなんだ?
「誰だよそいつは。俺の名前は―」
「九成和地だよね。だけど同時に、君は道間田知
ミザリは俺の言葉を遮って、本当に幸せそうな表情でカズヒ姉さんを見た。
「久しぶりだね、
「………は……え?」
顔面蒼白でミザリを見るカズヒ姉さんは、続けて目を躍らせながら俺を見る。
その表情は驚愕と狼狽に彩られ、信じられないといっているのが誰の目からも明らかだ。
「か、カズヒ? どうした!?」
「しっかりしなさいカズヒ!」
イッセーや部長が声をかけるけど、カズヒ姉さんは答えられない。
震えながら、首を小さく振りながら、思わず一歩を後ろに下がり―
「………まだだっ!!」
―それを震脚にして、カズヒ姉さんは持ち直した。
そいて悲し気にミザリを睨み付けながら、拳を握り締める。
「誠にぃ……。久しぶりだし、当たり前に恨んでいるでしょうけど、それにしても悪趣味よ。私に対する憎しみに、和地達を巻き込まないで」
せいにぃ?
カズヒ姉さんが言っていることが、俺達はさっぱり理解できない。
曹操達ですら不思議そうにしている。どういうことだかさっぱり分からない。
そして何より、当たり前に恨んでいる?
理解が全く追いつかない展開だが、カズヒ姉さんは俺達の方を向いてこない。
「……私を恨むのは
感情があまりにも複雑に混じったその絶叫に、ミザリはしかし、小さく微笑みながら首を横に振る。
「分かるよ。僕が
そう返しながら、ミザリは俺とカズヒ姉さんから視線をずらし、今度は鶴羽とリーネスの方を向く。
「七緒とアイネスは……20年ぶりぐらいかな? 日美子と殺し合いになったのかとも思ったけど、友達でい続けてくれたんだね。嬉しいやら恨めしいやら」
完全に俺達を置いてけぼりにして、ミザリは鶴羽やリーネスにフレンドリーに会話する。
だけど七緒にアイネス? 七緒っていうのは鶴羽が小説のキャラにとか言っていたような気がするけど、アイネスってなんだ?
「……誠明! ……日美子を恨むのは仕方ないけど、こんなことはやめてよ! 何より、一番悪いのはパパ達だって、二十年も経ってるなら分かるでしょう!?」
鶴羽は泣き出しそうにそう怒鳴るけど、ミザリはきょとんとしながら首を傾げた。
「ん? 勘違いしているなら悪いけど、僕はもう
「……っ!」
微笑みながらの訳の分からない言葉に、鶴羽は息を呑んで絶句する。
何かを言いたいが何も言えない、そんな表情で振るわせるその肩に、リーネスが手を置いた。
「……久しぶりだな、誠明。こんな形で再会することになるとは分かっていたが、それでも残念だよ」
そのリーネスの口調は、いつもとは全く違っていた。
その違和感で、俺達は介入したくてもできない。
そしてミザリは、むしろ懐かしそうだった。
そんな懐かしそうなミザリと向き合い、リーネスは鶴羽やカズヒ姉さんを庇うような位置に立つ。
「……今更説得は無意味だろうし、お前のことを聞いている余裕もない。だがそれでも聞きたいことがある」
「君達が何でそうなっているか……かい?」
リーネスに頷きながら、ミザリは左右の指を一本ずつ立てる。
「一つだけ僕も分からないことがあるけど、大本は断言できる。……僕が生まれ変わったのと同じだよ。君達が死んだことを亜種聖杯を完成させた直後に知って、ついでに試したのさ」
なん、だと。
確かミザリ・ルシファーは、アドルフ・ヒトラーのデミサーヴァントになったと、その完全同調をもくろんで更なる仕込みを亜種聖杯戦争で行った。
それが、宿した
正直動揺が酷いが、それでも納得できることがある。
物心ついた時からストリートチルドレンでありながら、大人顔負けの行動力は判断力で生き残ってきたこと。
世界的に見て寄食の部類である日本の卵かけご飯をやけに好んでいること。
会ってすぐにも関わらず、ツーカーの関係といえる仲の良さを見せていた事。
それら全てが「前世の記憶と経験を持ち越したから」という前提条件が付けられれば、違和感なく納得ができてしまう。
だけど、なんでそこに俺が出てくる?
そして、ちらちらと俺を見るカズヒ姉さんの、動揺が隠れない目は何なんだ?
俺まで動揺する中、ミザリは不思議そうに小首を傾げた。
「だけどさっぱり分からないんだ。どうしても気になるから、答えを教え合うってことで教えてほしい。なんで―」
そう言いながらミザリが見るのは。
「―
ヒマリとヒツギの二人だった。
二人とも、ミザリの会話なんて一切聞いていない。
むしろ様子がおかしいなんてレベルじゃない。そんなレベルでやばい雰囲気だった。
「……誠明? 七……緒? あいね、す……ぁ、ぁあああああ!?」
ヒマリは顔面蒼白で頭を抱え、虚ろな目で絶叫までする。
「日美子……田知……た……ち……? ……うぐっ!」
ヒツギもどこかに視線を彷徨わせながら、頭痛を堪える様に額で手を抑えている。
共通しているのは、時々俺を見て動揺が激しくなっていることだけだ。
糞ったれ!? 状況がさっぱり分からなくて、動きたくても動けない。
「………は、ぁ……え?」
っていうかカズヒ姉さんまで!? 明らかに顔面蒼白で瞳孔まで開いて振り返ってる!?
リーネスや鶴羽は奥歯を噛み締めているし、いったい何がどうなってるんだよ!?
そんな中、アザゼル先生は何も言えなくなっているリーネスを一瞥してから、ミザリに顔を向ける。
「……俺が代わりに仮説を話してやる。……大王派経由で道間家から聞き出した情報だが、道間乙女は
バニシングツイン。
修学旅行で、イッセーの気晴らしに俺が伝えた用語だ。
豆知識レベルだが、一卵性双生児の片方が死亡し、母体もしくは双子の肉体と同化する。そういった現象のことをバニシングツインというらしい。
それが、いったい何なんだ?
「……お前さんが亜種聖杯を使った時は、デミサーヴァントとして同調が足りず、ゆえに幽世の聖杯も不完全にしか使えなかったんだろう? そんな不安定な状態で亜種聖杯で強引に動かしたことで、バニシングツインだった方を蘇生させる形で転生させ、それによるバグが道間乙女を二つに分けて転生させた。……それが現状立てられる仮説だ」
……つまり、めちゃくちゃ強引な輪廻転生のやり方に、特異体質じみたイレギュラーがかみ合った結果、バグって二人で一人が二人で二人になった?
ああくそ。もう状況がさっぱりで訳が分からない。
っていうか乙女が何なんだよったくもう。状況が完全につかめないぞ、糞ったれ!
事情を知らない連中が軒並みついていけてない中、リーネスはミザリを睨んでいた。
「何故だ誠明。日美子がお前や乙女にしたことを許せというのは、酷だということは分かる。だが、何故そんな方向に行ったんだ、お前は!」
「……そうよ。なんでよ誠明! 日美子を恨むななんて、許せなんて言えないわ。だけど、テレビドラマで死人や怪我人が出るだけでも嫌な顔をするあなたが、なんで!?」
リーネスも鶴羽も、カズヒ姉さんが日美子だという前提で、更に日美子を恨み許さないことを認めている。
……道間日美子は誠明に何かをして、その結果ミザリ・ルシファーとカズヒ・シチャースチエに生まれ変わった。そういうことなのか・
駄目だ。必要な情報が足りてなさ過ぎて、何もかもが進みやしない!
訳が分からなさ過ぎて曹操達すら困惑している中、ミザリは不思議そうに微笑んだ。
「だからもう恨んでないし、感謝すらしてるといったじゃないか。日美子はもちろん、小父さんにだって感謝してるんだよ。少なくとも、僕は本心からそう思っている自覚している」
その言葉に、カズヒ姉さんも鶴羽もリーネスも、信じられないといった表情で固まった。
話からすると、カズヒ姉さんの前世含めた数名がミザリの前世に何かしたのは分かる。だけど、カズヒ姉さんを庇う側の鶴羽やリーネスすら許さないことも恨むことも納得している。にも関わらず、ミザリは感謝すらしていると言い切った。
本当に、訳が分からない。
「……なぁミザリ。なんで感謝しているんだ? イッセー達にとまでは言わん。だがリーネス達に分かるように言ってくれ」
先生が見てられないのかそう言うと、ミザリは小さく頷いた。
「簡単だよ。あの時確かに僕は嘆き悲しみ絶望した。……だからこそ、日美子の目を見て見つけることができたんだ。知ることができたんだよ」
うっとりと、陶酔という言葉を体現した表情で、ミザリは本当にありがたく思っているように、カズヒ姉さんを見る。
「嘆き悲しみ絶望するという感情、そしてそうなっている人こそが、この世で
心から微笑み、純粋無垢といえるような表情でミザリは言い切った。
その答えを聞いて、リーネスと鶴羽は絶望の表情を浮かべて崩れ落ちた。
アザゼル先生は頭痛を堪える様に眉をしかめて拳を握り締める。
そして、カズヒ姉さんは肩を震わせ、泣き出しそうな表情で―
『CRY!』
「……誠にぃ……っ!」
構えようとしたハウリングホッパープログライズキーを、ためらい―
「……ぅあぁあああああああああっ!」
『フォースライザー』
『BURST!』
咄嗟にダイナマイティングライオンに切り替え、フォースライザーに装填する。
「ああ、本当に美しいよ……日美子」
『レイドライザー』
『DESPAIR』
ミザリもまた、レイドライザーを装着して、プログライズキーを装填する。
あれはバッタ……いや、イナゴか?
「変身!」
『フォースライズ』
「実装」
『レイドライズ』
そして二人は同時に、ライダモデルの装甲を身に纏った。
『ダイナマイティングライオン! A beautiful explosive force like fireworks』
『フォーリングホッパー! Oll unhappiness is best happiness』
ライオンのライダモデルを装甲化した、仮面ライダー道間。
それに対するは、「すべての不幸は最高の幸福」だとかトチ狂った英文を掲げる、蝗を模した装甲に身を包んだレイダー。フォーリングホッパーレイダー。
「資格はないの分かってる。……それでも、私はあなたを止める!」
「いいよ。兄妹同士久しぶりに楽しもうか? ……ベッドの上がいいのかな?」
その小さな言葉を交わすと共に、二人はぶつかり合って壁を壊し、ホテルの外に飛んでいく。
まずい!? カズヒ姉さんから冷静さが完全に失われている。
そしてもっとまずいのは、カズヒ姉さんを追いかけている余裕がないってことだ。
とんでもない状況ゆえに忘れてたけど、今はオーフィスを助ける必要がある。そっちの方が優先事項だ。
オーフィスがどういう状況なのかは分からないが、英雄派がろくでもないことを考えていることは分かる。それも、サマエルなんて厄ネタを持ちだした時点で世界レベルでやばいことになりかねない!
後ろ髪は引かれるが、今はカズヒ姉さんが持ち堪えることを祈るしかない!
「……どうも状況が掴めないけど、君達がミザリと前世からの友人ということは分かった。……まぁ、お互いにあの二人を優先できないだろうけど、ね」
「分かってくれて嬉しいよ。できればさっさとぶちのめされてほしいぐらいだがな」
曹操に俺はそう吐き捨てるが、そうはいかないんだろう?
曹操は俺達を見渡して、槍でポンポンと肩を叩きながら苦笑する。
「さて、ある意味で赤龍帝並みに何をやらかすか分かったもんじゃない
そんな自分に不利なことをばかりを述べながら、曹操は絶望も悲嘆もしていない。
ああ、分かっているさ。俺達だって少しは敵について調べている。
こいつらは入念な下準備をしてから行動する。つまり、この状況を演出した以上勝算はあるということだ。
「だから、俺も切り札と秘密兵器を切るとしよう」
そう告げながら曹操は腰に何かを取り付ける。
『サウザンドライバー』
なんだ、あの人工衛星みたいな感じのデバイスは。
俺が疑問を脳裏に浮かべたとき、リーネスが目を見開いて驚愕する。
「サウザンドライバー!? そんなものまで再現を……っ」
「ミザリからの贈り物さ。アルバートが再現に成功した物で、禍の団の舵取り役用に提供された物さ」
そして曹操は、聖槍を肩に担ぎながら、器用に二つのプログライズキーを装填する。
片方はかつて使用したプログライズキーだが、もう片方は左右反転した特殊なゼツメライズキーのようだ。
妨害したいが、曹操の気配には何一つとして油断してない。ここで動くのは困難と言ってもいいだろう。
『CHALLENGE』
『ZETUMETU MALICE』
「俺の愛用するトラベリングホースプログライズキーだけでなく、更にこいつ用のクリエイティングルシファーゼツメライズキーを使用することで、絶大な力を発揮する、100%を超える戦士が、更に禁手を使えばどうなるかな?」
ああ、だろうな。
他の幹部が軒並み禁手に至っているのに、それを従える奴が至ってないと考えるのは、流石に見通しが甘いとは思っていたさ!
「ハーデス神からは一度しか召喚の許可を貰えてないんでね。計画の頓挫は流石にまずいから、出し惜しみ無しで行かせてもらう」
槍を横に向け、両手を広げながら曹操宣言する。
そして、俺達もまた警戒が最大限に高まった時―
「
『パーフェクトライズ』
馬と人型の化け物の姿をしたライダモデルが、早々の周りを旋回するのと同時に、曹操の周りに七つの球体が浮かびこれまた警戒するように旋回する。
そして曹操を挟むようにライダモデルが組み付くと同時に、その姿に光臨が輝き、そして吹き飛ばされたライダモデルから、金色の装甲を持つ青い仮面ライダーが姿を現した。
『When the holy spear shines. The great solider THOUZAIARE is born』
「これこそが、仮面ライダーサウザイアー・魏。英雄が纏うに値する、偉大なる仮面ライダーさ」
『I am a HERO』
外連味マシマシでありがたいな。
さっさと叩き潰してカズヒ姉さんを追わせてもらう!
曹操の魔改造として、テンサウザーの系譜を求める人は多かったです。
もともとテンサウザーは大ボス用であり、それに合わせてサウザイアーという仮面ライダーをミザリの最終決戦仕様として準備はしていました。
そこで、禍の団の実質的リーダー専用武装という形でサウザイアーを仕立て直しました。現段階の実質的リーダーは曹操なので、ミザリは試験も兼ねて曹操に渡した形になります。
……さぁ、次回からスーパー曹操タイムのスタートです。
次話、あす6時予約投稿済みです。