好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 グレン×グレンです。連続投稿はまだまだ続きます。

 ……猛威による蹂躙は、まだまだ続きます。






 あ、後活動報告で「気に入ってるけど出す機会に恵まれないキャラ造詣」を出してみましたので、創作活動に興味がある方は是非ご覧ください。


銀弾落涙編 第十三話 猛威蹂躙(その2)

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 固有結界を維持できず、カズヒは結界を一旦解除する。

 

 衝動的に暴れすぎたと痛感する。

 

 自分の固有結界は、固有結界であることを加味しても短期決戦型だ。ミザリの星辰光が相手であるのなら、ヴィールと同様の手法で仕掛けるべきだった。それを忘れて威力重視の攻撃をし続けてしまった。

 

 そしてミザリは余裕を持って凌いでいる。肩で息をしているこちらと違い、ゆとりを保ったまま戦闘を可能にしている。

 

 油断しているようでいて、しかし緊急時にすぐ力量を高めることができる体制だ。幾度となく聖杯戦争を潜り抜けているだけあり、油断できるものでは断じてない。

 

 だからこそ、なんとしてもここでどうにかしなくてはいけない。自分に資格がないとしても、自分が命を懸ける以外の選択肢なんて存在しない。

 

 ……この時点においてなお、カズヒ・シチャースチエは冷静とは言い難かった。

 

 安定した状態である程度の思考能力は保っている。だがそれは、いうなれば超高速時における極めて不安定な安定だ。感情が暴走して結果的に真っ直ぐ走っているだけに過ぎない。

 

 強い衝動で突貫することは、決して悪いことばかりではない。だがハイになりながらも保つべき思考力がない状態では、カズヒ・シチャースチエは本領を発揮しきれない。

 

 悪祓銀弾は「何が何でも悪を祓う」存在だ。それは強い意志で限界を超えるだけではなく、様々な手段を使うことも踏まえてのものだ。

 

 必然的に、強靭な意志力をもって、しかし冷徹な判断力を保つ二重の強みがあってこそ、悪祓銀弾(シルバーレッド)は悪を祓える。

 

 翻れば、衝動に突き動かされているだけではどうあがいてもカズヒ・シチャースチエは悪を祓う銀弾として本領を発揮できない。

 

 弾丸とは点の攻撃。爆発力でいくら加速しようと、それを的確に当てなければ本領は断じて発揮されない。

 

 その時点で、カズヒ・シチャースチエの敗北は確定だった。

 

 それでもなお、カズヒはミザリに追随する。

 

「まだだ……まだだ……まだまだまだだ!」

 

 本領を発揮できなくとも、カズヒ・シチャースチエは強い意志力で体を動かす。

 

 心身ともに限界が近づいていながら、彼女は性能の低下を一切起こさず、強引にミザリに喰らいつく。

 

「まだだ! 私が犯した罪の報いは! 他の誰かに押し付けさせない!!」

 

 その渾身の意志力を見て、ミザリは―

 

「―だから恨んでないって。少なくとも、今は本当に恨んでないよ?」

 

 ―疑問符すら浮かべて首をかしげる。

 

 それを、カズヒは信じない。

 

「嘘をつかないで! あんなことをして、私を恨んでないはずがない!!」

 

 それだけは、確信すらしている。

 

「恨んで当然よ! だけど、それは私に向けて! 乙女ねぇにも……アイネスにも……鶴羽にも……っ」

 

 それだけのことをした。そう、断言できる。

 

 どんな理由があれ、あれだけのことをして恨まないわけがない。恨んで当然なのだ。

 

 少なくとも、あの一件に限定すれば道間日美子が一番悪い。最低でも、道間誠明にも道間乙女にも罪はない。

 

 だからこそ―

 

私はいくらでも憎んでいいから、世界に悪意を向けないで!!」

 

「……う~ん。どうしたら信じてくれるんだい?」

 

 ―その致命的なずれが、ここにきて破局すら迎える。

 

「僕は本当にもう恨んでない。そりゃ一切なかったとは言わないけど、もうしっかり発散しているんだ。だからもう、日美子にも()()()()恨みなんてないんだ」

 

 本心から、ミザリは宣言する。

 

 むしろ装甲越しの目は、何処まで行っても優しげだった。

 

「……日美子が傷つくのを見るのは、楽しいけど()()。当然だろう? 罪もない人が、まして愛する妹が苦しんでいるところを見れば心が痛むさ。それはどんな人間にもある感情だ」

 

 そう、微笑みすら浮かべて告げたうえで―

 

「……だから何より美しいんだ。日美子はもちろん、世界中も当然。何より()()苦しくて悲しくて絶望できる。最高に美しいことじゃないか」

 

 ―決定的な断絶を痛感する。

 

 相手の行動を予測する際、自分がどう思うか考えるのは、有効な手段の一つだ。

 

 ミザリ・ルシファーは自分の身に置き換えて想像する。どうすれば苦しく悲しみ絶望するかを。それを自分のことのように感じることで、何よりも正確に把握する。

 

 だからこそ、ミザリは他者の不幸と絶望を作り出す。

 

 最高の結果とは、誰もがメリットを得ることだ。誰一人として損したと思わず、得したと思うことができれば最善だ。

 

 ミザリはだからこそ、誰もが悲しく絶望に浸る光景を求める。そしてそれは、自分自身も含めてであってこそだ。

 

「覚えている。何もかもを失った時、心から幸せを掴めたと思う君の笑顔。……その瞳に映る、この世で()()()()()()()()()()()

 

 思い出すだけで半ば達しつつ、ミザリは道間誠明が勝利を掴んだその時を思い出した。

 

 それをカズヒ(日美子)を理解して、そして震える。

 

 あの時、道間誠明が()()()()()()()()()()は、彼女自身が作り上げたものだ。

 

 あの瞬間、道間日美子は道間誠明から()()()()()()()()屈服させたことで勝ったのだと、日美子は思い込んでいた。

 

 だが違ったのだと、カズヒは今まで思っていた。その憎悪を燃やし、雌伏し、裏でいくつもの積み上げることで、あの時復讐の刃ですべてを切り裂いたのだと。

 

 そしてそれすら勘違い。それを理解して、カズヒは絶望すら覚えている。

 

 あの時、()()()()のは誠明なのだ。厳密にいえば、自分にとっての勝利の形が確定した。そしてその勝利の形は、カズヒにとって敗北となった。

 

「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ! 嘘だぁああああああああっ!?」

 

 それが認められずに、カズヒは絶叫すら放って頭を抱えて髪を振り乱す。

 

 恨まれて当然だと思っていた。その怨恨で壊れた結果がミザリだと考えていた。だからこそ、たとえ死んでも彼を止めなければならないと決意した。恨みを上塗りすることになると覚悟していた。

 

 だが、その前提条件がひっくり返る。

 

 道間誠明は真っ当な精神性を持っている。悲劇を悲しみ悪意をおぞましいものだと考える精神性を持っている。

 

 ()()()()()、彼は悲劇を振りまくことをいとわない。なぜならば、そうすれば他人の悲劇も絶望も、自分の悲劇も絶望も味わえるのだから。

 

 壊れている方向性が破綻しきっている。その事実を、カズヒ・シチャースチエ(道間日美子)は了承できない。

 

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! 嘘つかないでよ、誠にぃ! 恨んでるって言ってよ、憎んでるって言ってよ、復讐したいって言ってよ! 殺されてあげるから、それでもうやめてよ、お兄ちゃん!!」

 

「本当だよ。日美子には本当に感謝している。この世で最も美しい物を見たからこそ、僕は人生を本当に意味で彩ることができるようになった。人生を賭けてやりたいことができたんだ」

 

 ショックのあまり変身が解けているカズヒに合わせ、ミザリもまた実装を解く。

 

 心からの感謝と喜びを籠め、ミザリは()()()に微笑んだ

 

 それがあまりにも美しく、本心からでなければ出せない笑顔に、カズヒは愕然として何も言えなくなる。

 

 武器を持つ手から力が抜け、手から零れ落ちることにも気づけない。

 

「嘘だ……。私を、恨んでないわけがない……ないよぉ……っ」

 

 それでも認められず首を振るカズヒに、ミザリは困った表情を浮かべてしまう。

 

「どうすれば信じてくれるんだろう? そりゃぁ、流石に恨んだことが一度もないとは言わないけど、一回やったらもう十分だよ? ……あ、これなら信じてくれるかい?」

 

 そう何かに気づいたかのように呟き、ミザリは軽く指を鳴らした。

 

「……()()に関しても、ちょっと嫌な感情はあるけど恨んでないんだ。だからやりすぎたと思ったから、こういう形でお詫びもしたんだよ。……ね、()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~。こんな体になったのは十分復讐な気もするけどね~? でも、結構便利だしお詫びにもなって入るのかな? ハハッ」

 

「……………は?

 

 その聞き覚えのある口調と声に、カズヒは今度こそ完全に崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

「……なんだ、この、強さは……っ」

 

 攻撃をかいくぐり、そして曹操はアザゼル先生を貫いた。

 

 ヴァーリの猛攻すら避けながらのその戦いに、僕達は信じられないものを見たとした言いようがない。

 

「仮面ライダーと違い全身鎧型禁手は、オーラが全身を包んでいるようなものなので攻撃が読みやすいんですよ。それに総督共も完全には(それ)を自分と同調できていないので、尚更読みやすい。……まぁ、次戦う時は解析して対策するでしょうから、鼬ごっこみたいな勝利です」

 

 そう涼し気にこたえる曹操は、更に振るわれるヴァーリの攻撃を回避していく。

 

「曹操ぅうううう!」

 

「ヴァーリ、兵藤一誠も踏まえてだけど、()()()二天龍は仲間に情を持ちすぎだよ。だから攻撃が荒くなっているし、オーラも読みやすくなっているよ?」

 

 激高するヴァーリの猛攻は、曹操からすれば更にしのぎやすいということか。

 

 おそらくオーラの集中度合いなどで見切っているのだろう。

 

 そして次の瞬間、ヴァーリが攻撃を放った鎧の部分が石になり砕けている。

 

 その瞬間、サウザイアー・魏の蹴りがヴァーリを力強く蹴り飛ばした。

 

「加えて、メデューサの邪眼(イーヴィルアイ)を移植していたことも都合がいい!」

 

「なめるなぁ!」

 

 激高するヴァーリは、渾身の魔力を白龍皇の力で増幅して放つ。

 

 ―その瞬間、七宝の一つが発動して力を吸収した。

 

珠宝(マニラタナ)敵の攻撃を他人に受け流す能力。絶大な出力の攻撃も、受け流せばどうということはない」

 

 なんだって?

 

 いや、それどころじゃない。

 

 受け流すということは、どこかに向かって放たれるということ……っ!

 

「小猫ちゃん!」

 

 小猫ちゃんの前に、絶大な渦が見える。

 

 あれはさっき攻撃を受け止めた物か! ということは、絶大な龍と魔の力が放たれることに……っ!

 

 まずい、僕もイッセー君もまだ動けないし、何より小猫ちゃん自身が、その脅威に体が引きつって間に合わない!?

 

「この……馬鹿!」

 

 その瞬間、黒歌が割って入って攻撃を受け止める。

 

 絶大なオーラの攻撃は、いくら最上級悪魔クラスと言ってもただで済ませられる威力じゃない。

 

 事実、黒歌は全身から血を流して崩れ落ちた。

 

「……曹操……っ! 俺の仲間を、俺の力で……よくも!」

 

「やれやれ。虐待から逃げた先で拾ってくれたアザゼル総督や、禍の団での仲間にここまで感情移入しているとはね。おかげで更に攻撃が荒くなっているよ?」

 

 振るわれる攻撃全てを回避し、曹操は反撃を叩き込む。

 

 ヴァーリは何とか聖槍だけは直撃を避けているけれど、それ以外の打撃は吸い込まれるように喰らっていく。

 

「絶大な力も雑では意味がない! 雑で潰したいなら、もっと絶大な火力を出すといい!」

 

「良いだろう、なら極限まで高めてやる……我、目覚めるは―」

 

 覇龍を使う気か。

 

 確かに、覇龍の出力ならあるいは……。

 

 そう思った瞬間、黒い塊がヴァーリを包み込む。

 

 その方向を見れば、ゲオルグが魔方陣を展開し、サマエルの右手がヴァーリに向けられていた。

 

「すまないが、覇龍を使われると結界が壊れかねない。……曹操、流石に覇龍は我慢してくれ」

 

 曹操に謝るゲオルグに、曹操も苦笑で応じる。

 

 そんな短い時間で、オーラは砕け散る。

 

 だが同時に、ヴァーリの鎧も砕け散り、鮮血が辺りに散らばった。

 

 ……これほどまでか……なら!

 

禁手化(バランス・ブレイク)聖覇の龍騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)!」

 

 僕の新たな禁手。これで包囲圧殺を―

 

「甘いよ」

 

 その瞬間、騎士団達は宙に浮きあがり、その瞬間聖槍のオーラが騎士団を粉砕する。

 

存在を飛行させる象宝(ハッティラタナ)さ。ヴァーリ相手に使った時は自分が飛ぶのに使ったけど、こういう使い方もできる」

 

 さらりと吹き飛ばした曹操は、苦笑すら浮かべているようだ。

 

「自分と同等の速さを与えられるのは素晴らしいが、技術を反映させれないのは欠点だ。お互い精進が必要だね」

 

 ………っ

 

 僕は奥歯を砕きかねないほどに食いしばる。

 

 実力が違いすぎる上に、装備までもが違う。

 

 ここまで悔しい気分になるとは、流石に思ってなかったよ……っ

 

「よくも……みんなを!」

 

「抑えてイリナ!」

 

 飛び掛かろうとするイリナさんを、リアス部長が押しとどめる。

 

「これまでに判明した能力は五つ。武器を破壊し、女性の異能を無効化し、任意の相手を転移させ、相手の攻撃を受け流し、自他を問わず意のままに飛行させる。……形状が同じだから、能力が発動するまでどの球か判別することも困難。更に二つも札があるなら、一人で挑んでも一蹴されるわ」

 

 リアス部長の考えは正しいだろう。

 

 曹操の能力は危険すぎる。

 

 聖槍がそもそも武器として凶悪にも関わらず、七つの禁手級の異能が更に凶悪で、更に独自に攻撃手段としても使うことができる。その上、仮面ライダーとしての性能も、ヴァナルガンドに次ぎ、長期戦に長けている。本人自身の技量も、僕達より一枚も二枚も上だ。

 

 数少ない動けるルフェイ達も手が出せてないし、ヒツギとヒマリも精神的な動揺が酷過ぎて、まともに動ける状態じゃ……ない。

 

 だけど、このままじゃ―

 

「じゃ、そろそろ俺の出番か」

 

 ―その瞬間、曹操の後ろから何かが切りかかる。

 

 飛び掛かるその剣を曹操が切ろうとした瞬間、それが強い閃光を放った。

 

「目くらましか。どこに―」

 

 曹操が周囲を警戒するけど、仕掛けた相手は剣を薙げた方向から突撃する。

 

 目くらましを仕掛けたのなら、相手の不意を突ける位置に移動する。そう考えてしまうことを逆手に取った奇襲だ。

 

 それを素早く迎撃し、つばぜり合いの体制になった曹操が、僕達と同様に目を見開く。

 

涙換救済(タイタス・クロウ)!? 馬鹿な、君はまだ負傷を治療していない。魔術回路の治癒魔術で、こんな短時間に傷を癒すなんて―」

 

「ああ。だから治すのをやめた」

 

 そう返す九成君の服は、焼け焦げてみるも無残な火傷の跡が……!?

 

 まさか、普通に治すと時間がかかりすぎるから、焼いて塞いだのか!?

 

 確かに、後先を考えないのならそっちの方が早い。それにアーシアさんは無事だから、後でゆっくり完治させればいいということか。

 

 だけど、彼はショットライザーを―

 

『ASSAULT SAVE』

 

 ―装着していることに、曹操も含めて全員が目を見開いた。

 

『Kamen rider……Kamen rider……Kamen rider……Kamen rider……』

 

「馬鹿な!? ()のショットライザーは確かに壊した―」

 

『ショットライズ!』

 

 驚愕する曹操の隙をついて、九成君は引き金を引き、ショットモデルを展開する。

 

「間抜け。確かにショットライザーは脳内にAIチップが必要だ……が」

 

『サルヴェイティングアサルトドッグ!』

 

 装着された全身装甲越しに、九成君は曹操を睨み付ける。

 

『No chance of prevents surbibal』

 

ショットライザーそのものは()()()()()()んだよ

 

 そうか、ヒマリのショットライザーを使ったのか!

 

 曹操もこれは想定外だったのか、思わず後ろに飛び退る。

 

 そして九成君と曹操は、静かに視線をぶつけ合った。

 

「……覚悟はいいか曹操。そう、まだだ」

 

「少し舐めてかかっていたよ。ああそうだ、君は理論上動かせるなら出せる限界まで体を動かす奴だったね」

 

 静かににらみ合う、仮面ライダーマクシミリアンと仮面ライダーサウザイアー・魏。

 

 そして数秒の間、お互いの様子を探るように睨み合い―

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―激闘が一気に発動した。




 次話 明日6時予約投稿です。
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