好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 どうもー! 感想・高評価を募集中なグレン×グレンです!

 あの山場というか谷場を超えた方々なら、きっと低評価をすることはないと期待しております!








 それはそれとして、何とかウロボロス編までは書き終わりました。先日相談したtappeさんからの案が届き次第、ヒーローズ編にも力を入れたいと思っております!


銀弾落涙編 第十九話 雌伏する白龍皇

九成Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トップ陣営が作戦を考えている間、俺達はそれぞれの形で休息をとることになった。

 

 ルフェイの話では、禍の団は「組織を乗っ取ろうとしたヴァーリチームからオーフィスは奪還したので、ヴァーリチームは発見次第抹殺せよ」と通達があったようだ。

 

 ……ヴァーリチームはどうも、適当に禍の団としての仕事をしながら、強者とか伝説とかを調べていたらしい。アトランティス大陸とかムー大陸の伝承を調べてみたり、行方知らずの伝説の存在を探したり、そもそもドラゴンとはどこから生まれたのかを探っていたとか。

 

 ……自由人過ぎる。たぶんだが、オーフィスの件がなくてもいずれ追放されていただろう。趣味と仕事の割合がおかしいというかなんというかだ。

 

 とはいえ、オーフィスに関しては流石に酷い話だ。力を抜き取って象徴は作れるから、オーフィス本人はもういらないってのはな。流石はテロ組織といったところか。

 

 それと、オーフィスは力のいくらかを異空間に逃していたらしい。結果として戦闘能力は全盛期の二天龍を二回りほど大きいぐらいとのこと。それで見る影もないとか先生が言う辺り、龍神というのは本当に凄まじいということだ。

 

 あとオーフィスがイリナとアーシアを助けた件だが、曰く「紅茶貰った、トランプした」とかいう感じらしい。

 

 なんだろうか。本当に素直で純真無垢な子供といった感じだな。

 

 これ、本当にここまで事態が拗れたのはディスコミュニケーションなだけなんじゃないか? 今からでも交渉すれば、普通にそれなりの関係性を結べそうだぞ。

 

 そりゃテロの象徴として活動したのはそれなりのけじめは必要だろうけど、あいつ自身が騙されたようなものだし……情状酌量はあり得るか。

 

 おそらくまだまだ数千年は生きていけるだろうし、それも踏まえればそれ相応のことにはなりそうだな。

 

 とはいえ、だ。

 

「……ふぅ」

 

 少し俺はため息をついた。

 

 原点は見失ってない。考えようによっては最低野郎だけど、俺は鶴羽を好きだと思っているし、カズヒ姉さんを欲している。

 

 とはいえ、流石に驚愕の事実がつるべ打ちだったからな。無傷というわけにはいかなかったさ。

 

 ちょっと疲れたのは事実だな。できればそれなりに休みたいところだった。

 

 ……ヒツギとヒマリが、俺の前世の母親か。それも、道間田知の生まれそのものがあまりに業が深いと言ってもいい。まして、カズヒ姉さんの悪意の結果なんだからな。

 

 キッツい話だ。そりゃもう、俺ですらこうなんだからヒツギやヒマリ、カズヒ姉さんはもっときついだろうな。

 

 鶴羽もリーネスも、(道間田知)二人(道間乙女)のことをカズヒ姉さんに明かせなかったのも当然だ。俺がカズヒ姉さんの立場だとしても、そんなことを明かされたら色々とメンタルが致命傷になるだろうしな。そんな状態では冷静に戦うことなんてできるわけがないだろうし、カズヒ姉さんが負けたのも仕方がないだろう。

 

 俺は静かに目を伏せて、その上で自分の過去に向き直る。

 

 思うところはたくさんあるだろう。冷静になってから思い返せば、きっと浮かんでくる感情はたくさんある。それほどまでに、重い話だったと理解している。

 

 そのうえで、俺は呼吸と共に自問自答する。

 

 ……瞼の裏に映るのは、あの時の涙と笑顔だ。

 

 思い返し、そして俺はほっとする。

 

 ああ、大丈夫だ。

 

 俺の原点は、微塵も揺らいではいない。むしろ、だからこそ強くなった。

 

 そして尋ねたいこともできた。俺の原点に連なる、彼女に対する強い質問。

 

 それを聞くまでは、死ぬわけにもいかない。

 

 そういう風に呼吸を整えると、ふと足音が聞こえてきて振り返った。

 

「イッセーか」

 

 イッセーも落ち着かないのか?

 

「お、九成。どうしたんだ?」

 

「俺はちょっと一人になりたくてな。お前は?」

 

 俺に聞かれて、イッセーはちらりと視線を遠くの部屋に向ける。

 

 確か、消耗が激しい黒歌があそこで休んでいたな。小猫とレイヴェルが付き添っているらしいけど。

 

 俺が視線を戻すと、イッセーは渋い顔をしてた。

 

「黒歌は悪い奴だ。だけど、同時にお姉ちゃんではあったみたいでさ」

 

「……なるほどな。ま、それは後で聞くさ。……今はちょっとお代わりとかいらない」

 

 それなりに重い事情があったのかもな。

 

 ただまあ、そのあとノリノリで身勝手に生きてただろうしなぁ。その辺のけじめはしっかりつけてもらいたいところだ。

 

 あと今は流石に重い話を聞く余裕はない。こっちはこっちで前世の情報という、普通知る由もない情報がつるべ打ちだ。しかもヘビー極まりないからな。

 

 イッセーもそれで納得したのか、苦笑すると指で別の部屋を示した。

 

「ヴァーリの様子も見るんだ。お前はどうする?」

 

 なるほどな。

 

 二天龍の宿命とかどうでもいいとか言ってたくせに、何時の間にやら気になってるのか。

 

 ま、俺もちょっとは気になるな。

 

「あの戦力がお荷物になるのはちょっと気になるしな。今のうちに確認して、心の準備だけでもするとするか」

 

 さて、ヴァーリの奴はどうなるのやら……な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなでヴァーリの様子を見に来たが、様子はかなり悪いな。

 

 顔色は悪い。呼吸は荒れている。汗も浮かんでいるし、誰が見ても要入院のレベルだろう。

 

 俺はイッセーとヴァーリの会話を少し離れたところで見ていた。

 

 ヴァーリはヴァーリなりにオーフィスを気にかけていたようだ。唯一オーフィスを力ではなく個人として見ていたのかもな。

 

 まぁ、それはそれだ。

 

 俺はそろそろこっちも話に入ることにする。

 

「……ヴァーリ。色々と言いたいことも思うところもあるが、一旦ぶん投げて単刀直入に聞こう。曹操の打倒は可能か?」

 

 将来的にまた曹操とぶつかることになる以上、ある程度の手札を知るぐらいはしておきたい。

 

 ヴァーリは苦笑すら浮かべると、軽く肩をすくめた。

 

「奴の禁手は、例え一人になって複数の上位異形と戦える為に生み出された物だろう。敵の弱点と己の力を研究してきた、英雄派という組織の集大成ともいえるな」

 

 割と手放しで褒めているな。

 

 まぁ、あそこまで大暴れした奴を見れば、へんな低評価をする気にはなれないな。

 

 真っ向から戦う場合、どうしても今のままでは危険だろう。それほどまでの力の差がある。

 

「更に仮面ライダーサウザイアー・魏が厄介だ。曹操自身は俺や兵藤一誠が鎧を着れば、一発殴るだけで決定打になりえるだろう。だがそのクリーンヒットを当てるのが至難といえる、テクニックタイプの極限が奴だが……そこにサウザイアーが加わったことで、付け入るスキが失われているようなものだ」

 

 ……だな。

 

 曹操最大の欠点は、本人がただの人間であることに由来する基本性能の低さだ。

 

 こと耐久力の限界は決定的。高位の異形が一撃有効打を当てれば勝利はほぼ確実に至る。

 

 それが極めて難しいとはいえ、勝ち筋があることはそれだけで価値がある。それを、サウザイアーという鎧が防いでいる。

 

「……体感だが、あれはヴァナルガンドに匹敵するカタログスペックを保有している。二つのキーを持つがゆえにサウザイアーが凄いのか、それにたった一つのキーで迫るヴァナルガンドが凄いのかは、この際おいておくとするけどね」

 

「どっちにしても最悪だな。鬼に金棒どころか、魔王に神滅具(ロンギヌス)じゃねえか」

 

「しかも仮面ライダーゆえ、曹操が言った全身鎧型禁手のような落とし穴もないときてるわけだしなぁ」

 

 ヴァーリもイッセーも俺も、ぼやいて思わずため息をついた。

 

 唯一無二といえる勝ち筋を、技術力で完全にカバーしやがった。俺が言うことでもないが、仮面ライダーを敵に回すのがここまで厄介だとは。

 

「先生曰く、初見殺しを上手く叩き込めばって言ってたよ」

 

 イッセーがそういうが、初見殺しは大抵そういうものだからな?

 

 初見ではまず対応できない策とは、それゆえに強大だ。同時に一発の手札だから、失敗したら一気にやばくなる。

 

 ……そんな切り札、あるのか?

 

 俺が頭を悩ませていると、イッセーはヴァーリに向き直った。

 

「それでヴァーリ。お前はどうするんだ?」

 

 確かにな。そろそろ脱出のプランができてきた頃だろう。

 

 となると、ヴァーリが参加するかどうかはしっかり聞いた方がいい。

 

 まぁ、常識的な判断ならやめるべきではあるが―

 

「―俺はどうしようもないほどに白龍皇でね。戦いの場に休んでいるなんてありえないさ」

 

 ―ま、そうなるな。

 

 まあいいさ。戦力となってくれるのなら、現状使わない手は存在しない。

 

 とはいえ、だ。

 

「脱出した後も大変だがな。カズヒ姉さんは助け出さないとだし、曹操にも一発かましとかないと」

 

 本当にそこが難点だ。

 

 ただ、イッセーもヴァーリも俺よりは落ち込んでない。

 

 ……なるほど。

 

「何かあるのか」

 

「「ああ」」

 

 なら、曹操はお前らに任した方がいいのかねぇ。

 

 ……いや、違うな。

 

 曹操の相手をしている余裕は、俺にはないと言った方がいい。

 

 俺はカズヒ姉さんを思い返す。

 

 彼女の過去を聞いて、だからこそ確信できるものがある。そして、想いは一層強くなった。

 

 そう、俺は―




 まぁ今回は、原作とそこまで大きな変化はなし。

 サウザイアーはもともと第一部のラスボス用に想定していたもので、いろいろあって魏の段階では性能は低下していますが、それでも曹操が装備していい物ではありません。

 なにせ本文でも書いた通り、曹操最大の欠点でもある基本スペックを完全に克服させていますから。しかも全身鎧型禁手ではないため曹操は全身鎧型禁手並みのスペックを欠点無しで獲得しているようなものです。

 もちろんそんなわけなので、イッセーのパワーアップもちょっと考慮中です。

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