好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 さて、ウロボロス編はこっから巻いていきます!









 そして―








 ―祝! 平均評価黄色再突入&推薦分復活!!

 いよぉおおおっしゃあああああああっ!!!


銀弾落涙編 第二十一話 狂気(ガチ)と狂気(おっぱい)

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作戦会議は終わり、俺達は動き出す。

 

 リヴァ先生がそれなりに時間をかけて用意したセーフハウスは、まだまだ破壊されることはない。死神達は相応に壊そうと努力しているが、事前準備がここにきて生きている。

 

 だが同時に、死神共は割とすぐに集まってきている。限界ギリギリまで回復を待っていると、逆に数で圧殺されかねない。

 

 死神の戦闘能力は、下級ですら下手な中級悪魔を超える。最上級死神ともなれば魔王クラスの猛者であり、例え上級だろうと最上級悪魔クラスのポテンシャルを発揮するだろう。まして鎌は魂や生命にも影響を与える為、要警戒必須だ。

 

 そんな連中が数を揃え切るのを待つ理由はない。むしろ不利だからこそ、相手の準備が完了するまでに先手を打って奇襲を仕掛ける。

 

 ……敵は有限になったオーフィス用の結界を作り上げており、その基点は三つある。

 

 一番重要な駐車場部分に設置された箇所には、ゲオルグとジークフリートがいる。それ以外にも死神達が集まっており、警戒は徹底的にされていた。

 

 最適解はまず他二つを潰し、本命の基点を挟み撃ちにすること。だがそんなものは当然警戒されるから上手くいくわけがない。

 

 だからこそ、リアス部長の突拍子もない策が成立する。

 

「行くぜぇええええええ!」

 

 ―作戦は比較的単純。三叉成駒で僧侶に昇格したイッセーのドラゴンブラスターを、左右それぞれ別々の方向に向けて発射する先制攻撃。

 

 集まっている敵ごと先制攻撃で二つとも破壊すればいいという、敵からすると悪夢じみた方法だ。

 

 部長、イッセーのこと好きすぎだろ。

 

 そんな風にちょっと呆れ半分で感心するが、俺もすぐに飛び出した。

 

 この砲撃で結界が少しは揺るぐだろうから、そのタイミングでルフェイ達による転移を敢行。飛ばすのはミカエル様直属ゆえに発言力が比較的あるイリナと、その護衛も兼ねてゼノヴィアだ。

 

 絶不調なヒマリとヒツギ、もしくは客分のレイヴェルを優先する案もあったが、敵が転移を警戒して人員を派遣する可能性もある。レイヴェル自身が自分を優先しなくていいと言っていたこともあり、その方法は却下される形となった。

 

 だからこそ、救援が来るまでしのぐなり、最後の結界装置かゲオルグをぶちのめしてこっちから脱出を敢行する。

 

 俺は飛び出す前に、ちらりとヒツギとヒマリを見る。

 

 二人はまだ不調なので、今回はホテルの部屋のように残って後方支援だ。

 

 心配そうに、複雑な表情を向けるヒマリとヒツギ。

 

 だから、俺は不敵な笑みを浮かべ、ヒマリから借り続けているショットライザーを構える。

 

「ちゃんと返すし戻ってくる。色々あるだろうからこそ、それはゆっくり進めていこう」

 

 そう言うと共に、俺は飛び出して戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 ったく。なんか様子がおかしいな。

 

 何がおかしいって、ミザリの姿が見えないってことだ。もちろん、ミザリが引き連れていた連中もだ。

 

 あれだけの戦力を何で出さない? ミザリ自身が俺達を此処で始末する気がないにしろ、それなりの動きは魅せて当然だろう。

 

 そこが実に不安だな。

 

 ま、逆に戦闘の方は今のところは不安じゃない。

 

 グレモリー眷属は誰もが優れている。その実力は下級死神程度なら鎧袖一触できるし、中級クラスも木場やイッセーなら余裕で複数相手にできるレベルだ。

 

 ま、俺もいい大人として少しは頑張るとするか!

 

「どうだイッセー! 少しは自分の強さを実感できたか?」

 

「先生! あの、本当に俺が戦ってるのは中級クラスの死神なのかって感じです!」

 

 そんな感じで余裕で死神共をぶん殴るイッセーだが、それが事実なんだよなぁ。

 

 中級死神なら、最低でも中級悪魔の上位は届く。上の連中もそこそこいるだろうが、この数なら余裕を持って戦えてるのが今のイッセーの力だ。

 

 は! 前人未到の領域に到達した赤龍帝、なめてると怪我するってなぁ!

 

「はっはぁ! 俺達を相手にするにはこの程度の死神じゃ役者不足だぜ!」

 

『あまり刺激しないでください! 死神が本命を出してきたらどうするんですか!』

 

 シャルロットにたしなめられるが、その心配はねえよ。

 

「ハーデスのクソジジイのことだ。俺や二天龍対策で最上級死神の一人は送るに決まってるさ! どうせ来るんだから問題ない!」

 

「『大ありです!』」

 

 仲が良くって何よりだな。シンクロツッコミありがとよ!

 

 さて、どっちにしてもそろそろ本命が出てくるころ合いだろうな。

 

 そう思った時、空間が歪んで豪奢な鎌を持った死神が出てきやがった。

 

『死神を舐められては困りますよ。……特に、忌々しい悪魔や堕天使にはね』

 

 現れやがったな。

 

 オーラの質が全く違う。どうやらハーデスが送り込んだ死神共の筆頭格が出てきたってところか。

 

 俺も流石に警戒するし、イッセーも拳を構えて静かに睨む。

 

 イッセーも成長したもんだ。ただ見ただけで敵の強さを悟れるようになったんだからな。

 

 教え子の成長に感慨深くなりたいが、そろそろ集中するとするか。

 

『お初にお目にかかります。私は冥府の最上級死神、プルート。……残念ですよ、和平の中核人物であるアザゼル総督ともあろうものが、オーフィスと内通するとは』

 

 なるほどな。そういう言い訳で通すつもりか。

 

「共闘している奴に言われる筋合いはねえな。ま、死人に口なしで通す気だろうがな」

 

『そういうことです。無限の龍神(オーフィス)ではなくなったその抜け殻もいただきます』

 

 つくづくムカつくいいわけだぜ。言ったもん勝ちで押し通す気だってのが丸分かりだ。

 

 まぁいいさ。だったらこっちも……っ!?

 

『!?』

 

 俺が目を見開くのと、プルートが咄嗟に鎌を振るって攻撃を弾くのはほぼ同時。

 

 その瞬間、プルートに攻撃を弾かれた奴は、軽く舌打ちした。

 

「チッ。さすがに最上級死神相手では、俺の気配遮断では届かないか」

 

 残念そうに、闘気の弾丸を放った手を見るのはアルケード。

 

 ……こいつ、ミザリの部下だろう!?

 

『これはどういうことでしょうか?』

 

「アルケード!? 何のつもりだい!」

 

 プルートとジークフリートが、共に糾弾の姿勢を見せる。

 

 どうやら英雄派にとっても、アルケードの行動は想定外のようだな。

 

 だがどうしてだ? この状況でミザリがプルートに危害を加える理由がねえ。アルケードはオリュンポスを嫌っているようだが、それにしたって今このタイミングで仕掛けるか?

 

 今ので戦場の流れが一旦途切れ、ほぼ全員がアルケードを睨む。

 

 だがそこに、一人の男がアルケードと並び立った。

 

「……どうもこうもないさ。むしろ英雄派(君達)こそ、いったい何を考えているんだい?」

 

 苦笑を浮かべたミザリは、ゲオルグとジークフリートにあきれ果てた目を向けている。

 

 おいおい、この状況で仲間割れかぁ?

 

「オーフィスを有限にしたのなら、次は当然グレートレッドにも同じことをしなければ、禍の団の優位性が減るじゃないか? それにハーデス神は味方じゃないんだから、当然サマエルはそのまま奪うつもりだと思ったんだけどね。……馬鹿じゃないかい」

 

「馬鹿はお前だ! この状況でハーデス神を敵に回して何のメリットがある! ただでさえ俺達禍の団は、総力戦では勝てないんだぞ! 立ち回りを考えろ!」

 

 ミザリにゲオルグが反論するが、その反論にミザリは冷めた目を向ける。

 

 ……なるほどな。

 

 俺はこの揉め事の理由が分かって、本心からため息をついた。

 

「そういうことか。おい、英雄派の糞餓鬼共」

 

 俺は大体の予想ができて、だからこそ声をついかけちまった。

 

 同情するぜ英雄派。なんで、ちょっとおっさんからアドバイスだ。

 

「どうやらお前さん達、ミザリの()()()()()が分かってないみたいだな。そいつは最初(ハナ)からグレートレッドも含めた全勢力を狙ってるようだぜ?」

 

 そういうことなんだろうな。

 

 ミザリはオーフィスだけでなく、グレートレッドにもサマエルを使う気だったようだ。というか、最初っからそのつもりで動いていると踏んでいたんだろう。

 

 だから目障りな死神を此処で減らすつもりで、こうして動き出したってわけだ。この作戦の本命は、俺達を餌にした死神殲滅のつもりだったんだろう。

 

 で、その辺がディスコミュってたってわけだ。

 

 俺の言うことを理解して、ゲオルグもジークフリートも目を見開いて愕然としていた。

 

「……この状況下で冥府まで敵に回す気かい?」

 

 グラムを向けながらジークフリートが告げれば、ミザリは苦笑を浮かべて頷いた。

 

「当然じゃないか。神々は全て滅ぼすか蹂躙するし、グレートレッドを滅ぼすことで世界にも大きな悪影響を与えるつもりだよ」

 

 自然な笑みに切り替えながら、ミザリは両手を広げて俺たちを見渡す。

 

「既存秩序はもれなく崩壊させ、()しい物で世界を包む。僕は最初っからそれが本命で動いているよ。それに協力してくれる人は外すけど……ね」

 

 ウインクまでするその姿に、死神共もゲオルグ達も唖然とする。

 

 ったく。残念だったな英雄派。

 

 ミザリ・ルシファーのイカれっぷりを読んでねえ。ここで表面化したというかなんというかな。

 

 元々英雄派は、禍の団では今の勢力を打倒することはできないと踏んでいた。だからこそハーデスとも協力する。それを持ってして、人間がどこまで行けるか挑戦する。

 

 だがミザリは違う。自分に協力する者以外をもれなく()しくする為に努力しているし、人生を捧げている。

 

 そんな奴からすれば、ハーデスの爺さんはむしろ積極的に殺す対象だってことなんだろ。

 

「……特に()()()()()()は皆殺しさ。そうなれば善悪問わない死後の魂が亡霊として世界に漂い、いろんな悲劇が生まれそうだしね」

 

 にっこりと微笑むミザリの後ろで、空間が歪んで魔獣がどんどん出てきやがる。

 

 野郎、割とまじで本気だったか!

 

 っていうか、後ろにギガンティスサリュートまでいるぞ! 追加生産してやがったのか!

 

 死神達や俺達が警戒する中、ミザリは微笑みまで浮かべてプルートを見る。

 

「それに、冥府(君達)だってテロリストにいいように使われる気は、ないだろう?」

 

『さて、何のことやら』

 

 しれっと答えるプルートだが、こいつも何か含んでるな。

 

 まぁいい。乱戦はむしろ望むところだ。

 

 人数で劣る以上、それぞれが狙いを分散する乱戦の方が都合がいい。むしろこの位置取りなら、俺達が挟撃される可能性は低いしな。

 

 ……さぁて、何とかしのがせろよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地SIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

 ややこしいことになってきた!

 

 っていうかミザリの方に行きたい。カズヒ姉さんについて問い質したい!

 

 だけどそんな余裕がない。くそったれ!

 

 魔獣の群れやらギガンティスサリュートやら死神共やら、敵が多すぎる!

 

 あの流れならまず俺達という感じに示し合わせることはないだろうが、この数はやはりきつい!

 

 俺達は既にかなり消耗してるんだ。あまり長続きになると、間違いなくこっちが削れる!

 

「……くそったれ!」

 

 強引にマイクロミサイルランチャーで魔獣共を吹っ飛ばすが、そこに死神が鎌を構えて後ろからしかけてき―

 

「はーい! 私達の旦那におさわりしないでくださいねー!」

 

 ―たと思った瞬間、グリームニルに変身しているリヴァ先生が、素早く蹴り飛ばしてくれた。

 

 そこに死神と魔獣が結果的に挟み撃ちになるように、突撃を敢行してくる。

 

 俺とリヴァ先生は無言の連携で背中合わせに迎撃するが、これキッツいな!

 

「……隙ありよ!」

 

 その瞬間、紫炎によって魔獣達が薙ぎ払われ、そのまま鶴羽が俺達を飛び越えて死神達を散らすように追い払う。

 

「和地、リヴァ! まだ戦える?」

 

「まだまだいけるが……それでも割と疲れてきたな」

 

 俺は素直に答えるが、地味にきついな。

 

 戦闘というものは極限環境だから、どうしても消耗という弱体化がつきものだ。

 

 早々にコテンパンにやられているのが響いている。完全に回復を待つと集中された戦力で押しつぶされかねないから動いたが、しかしこの長丁場はきついな。

 

 数の振りが大きすぎるから、休憩をインターバルでとることも難しい。控えめに言って……やばいぞ。

 

「さて、ここはまだ余裕のある先生が動くしかなさそうね」

 

 リヴァ先生も気づいているからこそ前に出るが、俺はその肩にてを置いて止める。

 

 気持ちはありがたいし合理的だが、懸念事項がやばすぎる。

 

「……ミザリがいるだろ。あまり前に出すぎない方がいい」

 

「私も聖槍相手に戦う気はないけど、流石に今は出し惜しみできそうにないと思うわ」

 

 確かにそうなんだが。

 

 ミザリはやばい。まだ直接戦ってない先生だと、読み切れずに不覚を取る可能性が大きい。

 

 くそ、戦力差がもろに出てなければ……っ

 

 俺が奥歯を噛み締めていると、鶴羽も同じように悔しそうだった。

 

「ああもう! そろそろイッセー辺りがおっぱいで何かしそうな気だってするのに」

 

 気持ちは分かるが難しいな。

 

 イッセーのおっぱい覚醒は、実は割とそれなりに裏付けというものがある。

 

 禁手の到達とかはまさにそれだし、それだって一月誓い特訓があってこそだ。

 

 三叉成駒だって事前に悪魔の駒がブラックボックスを解放しておりそれまでの蓄積があってこそだ。

 

 流石に今のタイミングで、トンデモ覚醒をするような積み重ねとかきっかけは―

 

「……先生、大変だ!」

 

 ―あったよ。

 

 この流れ、前にもあった。

 

「「「……乳神?」」」

 

 俺達三人揃って、顔を見合わせて呟いたよ。

 

 イッセー! 実際どうなんだ―

 

歴代の赤龍帝達が、()()()()()()()()()()()()()()為、譲渡をするべきだって言っているんだ!

 

 ―そう来たか!

 




 別作品で「英雄派ってある意味マトモ」的な話を書いた時、感想で「英雄派は特別であって異常じゃなく、普通にとって異常はいいことじゃない」という感銘を受けるレベルの感想がありました。

 まさにそんな感じで、特別とは別の方向性に突き抜けた異常な事態に振り回される英雄派な話とも言えます。





 ミザリ・ルシファーは「自分も悲しめるような形で悲嘆を生みたい」というのが基本スタンスの異常者です。なので世界のバランスがグレートレッドの死で崩壊してくれるならその方がいい類です。またそのためには神々が滅びてくれればその方が都合がよく、何より冥府をつかさどる神が滅びることは死者の魂まで巻き込めて万々歳。
 なので冥府の戦力を削れるこのチャンスを逃す通りがミザリには皆無。ここで事実上の三つ巴となりました。もっとも冥府は冥府でシャルバを利用して出し抜いているので、どっちもどっちですが。

 そしてそんな混戦を打ち砕くは、我らがおっぱいドラゴンです!

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