好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

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 ハイどうもー! この作品は多重クロスといえるのかどうかについて自問自答しているグレン×グレンです!

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銀弾落涙編 第二十六話 精神論に縋るのは、まず人事を尽くしてからにしよう

 和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、俺達は数時間レベルで休憩を貰っている。

 

 実際問題、この大騒ぎは少なく見積もっても数日レベルで考慮するべき非常事態だ。長ければ数週間どころか数か月かかっても全然驚かない。

 

 だからこそ、休める時には休めるよう、交代制を投入するべきだ。戦術的にもそれが合理的かつ効率的。避難誘導がきちんと進んで被害者の数が現状最小限で済んでいる以上、決定打を討てる状況になるまではこれで消耗を最小限にするのが妥当だろう。

 

 なので、俺達も、カプサロンでカロリーを補給してからは休んでいる。

 

 機動特急アントニオンの随伴列車には、休憩用のブースもしっかり設置している。子供達用にシアタールーム仕様まで用意し、子供向けの作品を上映させることで子供達の心情に配慮したうえでだ。あえておっぱいドラゴンを避けるという念の入れ具合でもある。

 

 仮眠用の割と質のいいベッドが仕込まれている随伴列車もあるし、シャワーやサウナがある随伴列車も連れてきている。同型車両込みで徹底的に準備したことから、作戦行動をとっている実働班だけでなく、避難民にも交代制で開放しているほどだ。

 

 ……だからこそ、俺達もそれぞれ休息をとっている。

 

 何か手伝いたくなるけど、我慢だ我慢。

 

 こういう時、しっかり休憩をとることも仕事のうちだ。無理無茶無謀なんてものは、本当に必要な時以外はしないに越したことはない。

 

 だから、俺は休息用ブースで水を飲みながら休んでいる。

 

 ……この非常時においても、割と避難キャンプは生活環境がいい。

 

 これはフロンズ・フィーニクスがその辺りを考慮していることにも由来する。大規模行軍時の拠点や戦勝の宴を踏まえ、コンテナ型のユニットを大量に用意していたことが効いたともいえる。

 

 流石に民意もあって酒をばらまくようなことはしていないが、心理的不安が強くなりすぎる場合に備えて安い酒をかき集めているとも聞いている。終わったら終わったで民衆に無償で放出するつもりとも聞いている。

 

 あのレベルの金持ちなら、安いカップ酒とかを一人三つや四つぐらいくれてやっても懐は痛まない。むしろ民衆の支持率も多少は上がるだろうからむしろ良いことづくめだ。金はさほどかけないから、大王派のうるさい上役もとにかく言ったりはしないだろう。

 

 ……この状況下でも抜け目がないな。とはいえ、避難誘導を積極的に行っているから問題はない。

 

 やることをしっかりやったうえでなら、利益を求めても文句を言うつもりはない。頑張って成果を上げたやつがそれに見合った報酬を求めること自体は間違ってないからな。

 

 とはいえ、フロンズ・フィーニクス達には何か不安を煽るものを感じているんだよなぁ。

 

 ………落ち着け。今考えるべきことは他にある。

 

 首を振って意識を切り替えた俺は、視界に人を見つけて顔を上げた。

 

「あ、こちらに来てたんですか?」

 

「ああ。本格的に動く前の慰問活動のようなものだがな」

 

 そこに現れたのはサイラオーグ・バアルだった。

 

 ここは一応グレモリー領なんだが、慰問活動ならバアル領とかヴァプラ領じゃなかろうか。

 

 俺の疑問を悟ったのか、サイラオーグ・バアルは座りながら肩をすくめた。

 

「リアスの様子を見に来た帰りでな。まったく、リアスにも困ったものだ」

 

 そういうサイラオーグ・バアルは、本当に憮然としていた。

 

 まぁ、この非常時に本家次期当主が何もしないどころか引きこもり状態では言いたくもなるだろう。

 

 ただなぁ。

 

「……といっても無理があるでしょうに。たぶん人生初の仲間の死で、しかも相思相愛の男なんですよ?」

 

 その辺はちょっとぐらい配慮してほしいものだ。

 

 もちろん彼女の立場なら、戦闘で眷属や同胞が死ぬことは覚悟しておくべきで、備えておく必要はあるだろう。

 

 だがその手のことは、訓練を積んでいてもなおしきれないことがあると座学で俺は学んでいる。

 

 ザイアの連中は好きではないし、偏向教育があるのも事実。だが同時に、そういった要素を抜きにした部分なら、忌々しいことに優秀なんだ。駒王学園において俺が成績優秀組になっているのもそこが大きいし、実戦においても非常に役立っているからな。

 

 だからこそ、俺はリアス部長の気持ちを察して余りある。

 

 寄りにもよって人生初の眷属との死別を、最愛の男で経験したんだ。イッセー自身の影響力も踏まえれば、ろくに動ける状態でないことは推定できるだろうに。

 

 なので非難する目になったんだが、サイラオーグ・バアルはため息をついた。

 

「そもそも何故お前達は愚かなことを考える? 兵藤一誠が死んでいるわけがないだろう」

 

 ………。

 

「どこから来るんだその自信」

 

 思わずタメ口でツッコミを入れたよ。

 

 え、状況聞いてる?

 

「いいか、よく聞け? 転移による引き戻しができず、死んでいる場合に起きる現象が発生し、挙句の果てに死因として納得できる現象まで示されているんだぞ?」

 

 うん、どこからどう聞いても死んでない方がおかしい要素のつるべ打ちだ。

 

 ここまで重なっていて、死んでいるわけがない?

 

「百歩譲って生きているにしても、それを大前提にできる根拠はどこにあるんだよ」

 

 真剣に脳の病院に連れていきたい。

 

 だがサイラオーグ・バアルは、何を言っているんだという表情だった。

 

「リアスから聞いていないのか? 兵藤一誠はいまだリアスを抱いていないんだぞ?」

 

「それ今関係ある!?」

 

 渾身のツッコミを飛ばしてしまった。

 

 いや真剣に関係ある? 文脈飛んでるんだけど、俺って意識飛んでたか?

 

 っていうか何をぽかんとしているんだよ。俺の方が非常識みたいな感じなのはどうなんだよ?

 

「まったく。逆に聞くが、何故兵藤一誠が愛する女を抱いてもいないのに死ぬと思う?」

 

「逆に聞き返すが、信念とか渇望とか気合とかでできることには限度があることも分からないのか?」

 

 それを大前提にするのは絶対にしちゃいけないことだろう。

 

 ったく。面倒くさいというかなんというか。腹立ってきた。

 

「……精神は所詮精神だ。それだけで他の全てをどうにかできるわけじゃぁない。イッセーにしろ俺にしろカズヒ姉さんにしろ、それだけでどうにかしてきたことは一度として存在しない」

 

 真剣に座り直して睨む感じで、俺はサイラオーグ・バアルと向き直る。

 

 そうだ。俺達は確かに根性入れて困難を乗り越えてきた。その事実は認めよう。

 

 だけど、それ()()でやってきたわけがない。他にも色々なものがあったからこそ、今まで何とか乗り越えてきたんだ。

 

 毎日欠かさず鍛錬をしてきた。生まれ持った才覚があった。たくさんの人の協力があった。場合によっては幸運もあったし、訳の分からない天運の類もあっただろう。

 

 それらすべてが噛み合ってきたからこその結果だ。間借り間違っても、心一つでどうにかしてきたわけじゃ断じてない。

 

 だからこそ、俺はサイラオーグ・バアルに物申す。

 

「ただそれだけでイッセーが生き残っていると断言するなら、それはイッセーに対する酷い侮辱だ。まして兵藤一誠という男は、無事ならこの非常時に動かないわけがないだろう」

 

「当然だな。俺もそれが分かっているからこそ、リアス達の不甲斐なさに憤ったのだ」

 

 ならなんでそんな断言ができる?

 

 俺は視線でそれを問う。答えを聞かずにはいられないし、ないなんて言う用なら、後々真剣に決闘を申し込む所存だ。

 

 メンタル以外の根拠を言え。言わないことは許さない。

 

 軽くキレ気味で俺はサイラオーグ・バアルを見据える。

 

 それに対し、サイラオーグ・バアルも居住まいを正して俺を真っ向から見据える。

 

「あえて言おう。俺が知る兵藤一誠という男は、窮地に奇跡を掴み取る男だ」

 

 そう、嘘偽りなくはっきり断言した。

 

 ―気づいた時には、俺は胸ぐらを掴み上げて魔剣を首元に突きつけていた。

 

 珍しくブちぎれたな。だが、流石にそれは看過できない。

 

 ふざけるな、愚直を通り越して愚鈍になったかサイラオーグ・バアル。

 

「……奇跡を掴み取ったことがあるのなら、今度も必ず掴み取る? 本気でそれが根拠なら、この一件が終わったら殺し合いを申し込むぞ?」

 

 ああ、ちょっと冷静でないのは分かっている。

 

 ただなぁ。俺だってメンタルが普通じゃないんだよ。

 

 イッセーのことも当然だ。瞼の裏の笑顔の誓いも、決して断じて曇ってない。

 

 だがなぁ……っ

 

「最後まで諦めなければ夢が叶うほど、現実は単純じゃないし単純でいいわけがない」

 

 そんな理屈が正しいと、本気で思っているなら言ってやる。

 

「そんな世界は地獄だからだ。夢が必ず叶う世界では、夢とは叶える以外が無条件で悪になる呪いに変貌すると知れ」

 

 ああ、そうだろう。

 

 夢は辛く苦しいことをしても叶えられるか分からないからこそ、挑むことが評価され、そして美しいものでいられるんだ。

 

 頑張れば必ず何もかもができる世界。そんな世界が実現すれば、夢は叶えることが絶対的な義務になる。選択肢なんて何もない、持った瞬間にそれ以外の行動が悪徳になる世界だぞ。

 

 そんな世界のどこがいい。諦めないことが美徳になるのは、諦める選択肢がある世界だ。

 

 何より……なぁ!

 

「それはカズヒ・シチャースチエに対する最大級の侮辱だ。お前は今、俺の逆鱗に踵落としを叩き込んだぞ!」

 

 その果てに歪み、打ち砕かれ、そのうえで正義の味方であろうとした、カズヒ・シチャースチエの人生を馬鹿にしたようなものなんだぞ。

 

 事情を知らないと分かっているからこそ、俺はギリギリで踏みとどまっている。本能レベルで殺気が抑えられていたからこそ、サイラオーグ・バアルもあえてここまでは許容したんだろう。

 

 だがもし知っているのなら、その瞬間に俺は我慢など不可能だ。この場で殺し合いになりかねない。

 

 静かに俺とサイラオーグ・バアルは視線をぶつけ合う。

 

 返答次第で殺し合いになると分かっているんだろう。サイラオーグ・バアルもあえて沈黙している。

 

「カズヒ・シチャースチエについての情報は聞いていない。彼女がこの場にいない時点で、相応の事態であることは察している」

 

 静かに、真っ直ぐに。

 

 サイラオーグ・バアルは言い切った。

 

「だからこそあえて訊こう。カズヒ・シチャースチエは、正義を奉じる邪悪の敵であることを、諦めるような女だったか?」

 

「諦めようが諦めまいが、誰だって死ぬ時は死ぬんだよ。その理不尽をいやというほど痛感しているからこそ、悪祓銀弾(彼女の夢)は尊いんだ」

 

 大前提を断言し、俺は魔剣を消して手を放す。

 

 これ以上は、カズヒ姉さんの事情を知ってからでなければ会話できないだろう。その辺りについては俺の一存で話すべきことでもない。

 

 道間日美子の夢は、最悪の形で崩壊した。

 

 ただそれだけが全てだった、彼女の絶対的に譲れなかった想い。だがそれは、どうあがいても叶わなかった祈りだ。

 

 真っ当な精神を捨てなければ、挑戦することすら困難。だが真っ当な精神を捨てて挑戦できても、かなえることはほぼ不可能。どうあがいても詰んでいる、そんな願いだけが彼女にとっての全てだった。

 

 それを痛感して、その上で彼女が悪祓銀弾(シルバーレット)となったのか。それは俺もすべてを理解しているわけではない。

 

 だからこそ、俺は宣言する。

 

「千歩譲ってイッセーが生きていようが、それを当然のように語るなよ? 少なくとも俺はそれを知った瞬間に、あんたに決闘を申し込む」

 

「良いだろう。己の発言には責任を持つ。それぐらいはさせてもらう」

 

 ならいいさ。

 

 精々あんたと殺し合いにならないことを、割と本気で祈っているよ。

 

 ただし、なった時の備えはさせてもらうがな。

 

 俺がその辺りを整理して、息を吐いた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだあれは!?」

 

 

 

 

 

 

 

 そんな声と共に、外が騒がしくなった。

 

 おいおい、今度はなんだ!?

 




 割とメンタルもキッツいところではあるので、ちょっとキレかけた和地なお話。

 ……実際問題、イッセーのおっぱい覚醒も大抵はそこに至るまでの積み重ねとかがありますからね。乳神も突発的にやってきてますけど、ミョルニルレプリカという要素があったからこそ加護を活かすことができた余地はありますからね。

 特にこの作品はシルヴァリオシリーズの影響を受けているため、どの超えた根性論とか精神論信仰には一線を引いたラインをきちんと入れ、「精神論はまず物理的な理屈にのっとってから」というスタンスに寄っています。
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