好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
本日はちょっと中弛みですがご容赦を!
Other Side
ファルビウム・アスモデウスによる対抗戦術に従い、アジュカ・ベルゼブブによる対抗術式を主軸とする攻撃が行われていく。
また他の勢力からの増援部隊も派遣され、波状攻撃の領域で攻撃を仕掛けていく。
グレモリー領に出現した業獣鬼に対しては、アースガルズからエインヘリヤルやヴァルキリーが増援部隊として攻撃を行っている。
リアス・グレモリーが眷属としてロスヴァイセを迎え入れたことと、食客としてリヴァ・ヒルドールヴがいることからくる配備だが、これにより業獣鬼は抑えられている状態だ。
そして既に、対抗術式による趨勢は傾き始めている。
「いよっしゃ! これならいけるか!」
そして生まれ続ける魔獣達を迎撃する中、ベルナはその光景に思わず大声を上げる。
出現する魔獣達に向けれる戦力も増えていることから、この流れならどうにかなる。それは誰もが思っていることだった。
そしてそれゆえに、できる限り早く、もしくは被害者を出さずに終えようという思考も生まれていく。
「……どうする? このままでも堅実にに何とかできそうだけど」
「でも他にもいるんでしょ? だったらもうちょっとごり押しした方がいいんじゃない?」
インガと春菜がそう言葉を交わし合うが、しかしそこで揉めていればそれこそ意味がない。
それが分かっているからこそ、鶴羽はあえて思考を目の前に敵に集中していた。
あとのことを考えると、モデルバレットやミザリのことに意識を向きすぎてしまいそうだ。そういう懸念が自分を抑え込んでいると、鶴羽はきちんと認識できている。
だが、そこに呑まれてこの場を離れることはしない。
耐えている者がいる。頑張っている者がいる。
何より、今この場を捨ててカズヒを助けようとしても、カズヒ自身が殴り飛ばしてくると信じている。
正義を奉じて邪悪を穿つ、魔性を滅ぼす銀の魔弾。
だからこそ―
「まずはあんた達をぶっ飛ばす!」
その決意をもって、紫炎の槍が魔獣達を薙ぎ払う。
それでもなお魔獣達は襲い掛かろうとする……が。
「……待たせた!」
その瞬間、上空からのミサイルや砲撃により、圧殺されるように撃破される。
その攻撃に、鶴羽達は誰もが上を見上げた。
そしてその視線とぶつかるように、転移魔方陣から青い装甲を纏った戦士が舞い降りる。
仮面ライダーマクシミリアン、サルヴェイティングアサルトドッグ。
その勇士に、戦士達は色めき立った。
あのおっぱいドラゴンと肩を並べて、熾烈な争いを潜り抜けた勇士。それだけで、士気を上げるには十分すぎる。
「カズ!」
「和っち!」
「和地君!」
「和地!」
四人の呼びかけに腕を上げて答えながら、九成和地は腹の底から声を上げる。
「アジュカ様からのお墨付きだ! 兵藤一誠、生存の可能性……ありっ!」
その言葉に、一瞬だけ悪魔達は沈黙し―
『『『『『『『『『『ぅおおおおおおおおおおっ!!』』』』』』』』』』
―悪魔達の大歓声が、迎撃作戦を強く高めていった。
当然だろう。グレモリー領にとって、冥界の英雄であるおっぱいドラゴン兵藤一誠は、それ以上の意味を持つ。
次期当主たるリアス・グレモリーの眷属であり、相思相愛と言われているのだ。
そんな彼が死亡したと、有力的な物証付きで宣言されて以来、グレモリー領はどうしても士気が低下していた。
だからこそ、それが魔王様直々に希望の光を見せたことで一気に士気は向上する。
こうなれば、もはや業獣鬼に勝機はない。
戦力的に不利になり、対抗策も用意され、更に悪魔側の士気が一気に上がっている。
全てにおいて圧倒され、業獣鬼は打倒されそうになっていた。
―その瞬間、彼方より大量の攻撃は発射された。
放たれたのは大量のミサイルやロケット弾。
その多くは高速で迫るだけでなく、狙いがあまりに甘いのか業獣鬼や魔獣達にすら放たれる。
それに対して迎撃側は、自分達の防御や迎撃、回避に集中する。
不意打ちとはいえ距離があったこともあり、それだけの余裕は捻出できた。まして敵にまで当たるというのなら、むしろ好都合といえるだろう。
ゆえに、大量のミサイルやロケット弾が業獣鬼に直撃―
「はいごめんなさーい!」
―する直前、地上からの大量の砲撃がそれらをすべて撃ち落とす。
爆発が低空を彩る中、その砲撃とタイミングを合わせた声の持ち主に、視線が一気に集まった。
「何やってるんですかリヴァ様!?」
「敵に当たる分には止める必要ないでしょ!?」
「塩送る必要あります!?」
そう突っ込みを入れるのはアースガルズ側の戦力。
何故なら、撃ち落としたのはリヴァ・ヒルドールヴ。アースガルズであるオーディンの最新の子供であり、地脈からエネルギーを引き出す砲撃を得意とする。その性質上、あの位置から攻撃を放てるのが彼女しかいないうえに声まで上げているから尚更だ。
別に味方に迷惑をかけているわけではないが、こちらにとって都合のいいことではあった。あまりダメージにはならないだろうが、それでも多少は敵に負傷を与えれたはずである。
なので困惑交じりの多少の非難が向けられるが、リヴァはちっちっちと指を振る。
「いや、いくら何でもおかしいでしょ? なんていうか嫌な予感がしたから、念の為に離れたところで撃ち落としたのよ」
「具体的に何を予想してたのよ?」
春菜から呆れ半分の視線と共に指摘されるが、リヴァやどんどん指を折り始めた。
「
「……壊れた感じだとどれでもねえっぽいぞ?」
遠い目で破壊されたミサイル群の方を見るベルナの指摘は正しいが、まぁ間違ってはいないだろう。
どちらにしてもあの破壊レベルなら、業獣鬼に負傷を与えられるとも思えない。ならば壊しても壊さなくても特に意味はないだろう。
そのような感じに思考が一致しかけていたが、リヴァはむしろ険しい表情だった。
「逆におかしいわね。だったらなんであんな低威力のミサイルを?」
リヴァの発言に、考えられるメンバーは確かにと思う。
こちらにとって決定的な何かを与える物でもなく、只の低威力のミサイルだけというのは何かがおかしい。
業獣鬼にも当たる様になっているのなら、業獣鬼に何の影響も与えないがこちらに悪影響が与えられるものを、迎撃されにくいように無差別で放ったと考えるのが妥当だろう。だがそういうわけでもない。
戦闘をし続ける余裕はあるが、だからこそ解せない。
意味が全くない攻撃を仕掛けるとは思えない。しかも業獣鬼を巻き込む形でなら尚更だ。
きちんと業獣鬼や生まれる魔獣を削りながら、何かしらの嫌な予感に襲われ始める。
「……ミサイルは囮で、何かバフがかけられる弾頭が混じってたとか?」
と、インガが呟いた時だった。
「………あ˝」
和地が、凄く焦ったような声を上げた。
「和地? 何か心当たりあるの?」
「今すぐ言えば誰も怒らないと思うから、先生に言ってごらんなさい、カズ君?」
鶴羽とリヴァにそう言われて、我に返った和地は振り返る。
その表情は、割と引きつっていた。
「アジュカ様に寝返り工作を仕掛けてきたジークフリートが、魔王血族の血で作った
『『『『『『『『『『『…………』』』』』』』』』』
嫌な沈黙が響いた。
戦闘は続いているのに、沈黙を痛感してしまうレベルなのが寒気すら覚えてしまうものがたくさん出てきた。
だがしかし、これはまずい。
「……今すぐ他の戦線にも連絡しろぉおおおおおおっ!!」
「
「っていうか
「ふふ♪ 一生懸命頑張って、
「まったくだ! これで神が出てきてくれれば万々歳なんだがなぁ!」
「まったくもう。アルバートはある意味僕に一番協力的だからありがたいね」
「当然だろう? そういう側面が引き当てられたのだし、私としても神々に挑みたいという思いはあるのだよ」
「怖いね~。特定の神に敵意を持つ者は多いけど、神々という存在に挑みたいのは君ぐらいだよ?」
「我々はそういう者さ。神々が司る奇跡を、誰もが使える技術に塗り替えることこそが科学の極致が一つ。科学者とは、神秘の敵対者なのさ」
「なるほどなるほど。まぁ、この調子ならもうちょっと捻りそうではあるだろうね」
「そのようだな。……で、ハーデスにはもう何もしないのか?」
「どうしようかな? どうもアザゼル総督やサーゼクス・ルシファーとかが来ているみたいだし、今仕掛けると折角挙げた冥府へのヘイトが減りかねないところがあるよね」
「確かにそうだな。だがこのままというのも味気ないしなぁ」
「……ミザリ、アルバート。少しいいか?」
「ん~? アルケードではないか。どうしたんだ?」
「少し不味いことになった。悪いが色々と動いて欲しい」
「……どうしたんだい?」
「
「……アルバート、即興でジャミングとかデコイとか仮説拠点とか用意してくれない?」
「了解だ。なぁに、たくさん作るのは得意技だとも!」
そんな感じで、士気復活と対策万全にカウンターを仕掛けた業魔人。
今後も業魔人は生産ラインを作れたこともあって、ちょくちょく出していきたいです。