好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ 作:グレン×グレン
……さて、書くことがあまりないので、ちょっと前に書いたこの章のテーマソング的な話を。
ウロボロス編は進撃の巨人OPである「心臓を捧げよ」と説明したと思いますが、これはかなりひねくれた理由によるものです。
あれの歌詞、全体的にエレン視点でライナー達を見ている感じで書かれていますが、この歌詞を思い返しながらこの作品を思った時、ふと思ってしまったのです。
「……あれ? これカズヒ視点で日美子の過去を見た感じにならね?」と。
めっちゃくちゃ捻った味方でこの作品におけるウロボロス編のテーマソングとなってしまいました。勘違いが広まるとは思っていたのですが、ある程度たってから出ないと余計な混乱を招きかねないため、なかなか説明できませんでした。
まぁその分、ヒーローズ編におけるテーマソングである「ふっかつのじゅもん」はストレートですけど。
九成Side
「……で、どうなった?」
俺がこっちの業獣鬼の撃退に協力して無事成功してから、俺は避難民キャンプでリーネスに確認をする。
リーネスはリーネスで、遠い目をして遠くを見つめていた。
もう答えは出ているな。でも一応教えてくれリーネス。
視線で俺がお願いしていると、リーネスも観念したらしい。
「……六体ぐらい超獣鬼になったわねぇ。超獣鬼そのものにはインターセプトが入ったみたいだけどぉ」
その答えに、俺達は盛大にため息をついた。
野郎……っ。やってくれたなぁ……っ!
シャルバの死体、それも骨から造血細胞を取り出して、幽世の聖杯で血液増産しやがったな?
よくもまぁやってくれたもんだ。ふ、ふふふ……っ
「まぁ、こればっかりはカズ君の失態じゃないでしょ。というか、それを言ったら目の前で見ている魔王さんやリアスさん達も大変なことになるしね」
リヴァ先生は見事に正しいことを言ってくれるけど、それでもなんていうか、こぅ……腹立つ。
あの野郎、とんでもないマジックアイテムを大量生産するな。どんだけ作ってるんだアイツら。
というか、神器で作られた物体にそのまま直で投入しやがって。バグが発生したらどうするんだ……あ、発生しても冥界が悲惨なことになるならOKというノリか。そういうやつだったな。
「……で、超獣鬼の方はどうなってるの?」
春っちが割とげんなりした様子で言うけど、本当にどうなっているんだろうか。
レーティングゲームトップのディハウザー・ベリアルが眷属総出でも成果が出なかったとか、ルシファー眷属が総出で迎撃に出ることになって一進一退だとは聞いているレベルだろ、あれ。
そんな奴らが更に六つも出てくるとか、割と真剣に冥界の危機がレベルアップしてるんだが。
「今挙げられてる映像を見てるけど、とりあえず遅滞戦術で時間を稼ぎつつ業獣鬼を撃退した部隊を割り振る感じだね」
「うっわぁ。撃破できると思った士気がパワーアップで殴り倒されてる。これちょっとやばくない?」
インガ姉ちゃんが見せた映像を見て、鶴羽がすっごい表情になる。
というか、一か所凄く戦線が崩れてるところがあるんだけど。
「……あ~、服の意匠から見てオリュンポスの増援がいるところね。ハーデス神が禍の団から協力のお礼言われてるから、オリュンポス側は困惑してるは冥界側と軋轢が生まれてるとかそんな感じで……そこに
リヴァ先生が推測するけど、まさにそんな感じなんだろうなぁ。
「そりゃ戦線もやばいことになるだろ。戦線が崩壊してもおかしくねぇって」
心底げんなりしたベルナの答えが全てだろう。
おのれハーデス。禍の団にもこっちにも迷惑をかけてくるのはいい加減にしてほしい。
せめて無関係なやつは巻き込まないようにする配慮を魅せろ配慮を。……あ、聖書の教えに組みした時点で、冥府からすれば関係者か。ギリシャ神話ってそういうところあるし。
こっちに反省を促すなら自分達も顧みろって。野郎、マジで老害だ。
なんだろう。ちょっと痛い目を見てほしいんだけどなぁ……。
アザゼルSide
『ファファファ。お主らの苦い顔を見れるとは、ミザリには感謝せねばならぬなぁ』
ハーデスの爺は映像を見ながら、こっちに皮肉まで物故んできやがった。
今映っている映像では、超獣鬼に対して遅滞戦術を敢行している冥界の防衛線が映っている。
アジュカとファルビウムのタッグで業獣鬼を肩に嵌めれたと思ったら、急に発射されたミサイルが業獣鬼に直撃。その瞬間、当たった業獣鬼は全部超獣鬼になりやがった。
おかげでひっくり返せると思った騒動が、第二ラウンドだ。倒せたと思ったらパワーアップして第二ラウンドとか勘弁してくれ。
死神共の愉快そうな感情がめちゃくちゃムカつく……っ!
「ハーデス。そんなに俺達が嫌いかよ!」
『……我らの信仰を奪ったやつらが何をほざくか!』
ハーデスの爺は痛いところを突いてくるが、見当違いでもあるんだろうが。
「前にも言わなかったか? そういうのは死んだ神か、せめてミカエルに言え! 今苦しめられている冥界の民に何の恨みがある!」
冥界に住んでいる民間人が、教会の宗教的侵略に介入できると思ってるのか? まして、生まれてもいないガキどもをターゲットにするような真似をする理由がそれか。
俺は殺意すら込めて睨み付けるが、ハーデスの爺からは疑問符の方が浮かんできやがる。
『そんな下らぬ詭弁で、
あぁそうかい。
なら俺も言わせてもらうか。
「良いこと教えてやるよ。……俺はてめえらみたいに引きこもってばかりで外に出ようともしねえ奴らが大っ嫌いだ! ゼウスやポセイドンを見習うんだな!」
今更隠すつもりはねえ。
引きこもって何もしないどころか、外に出ようとする奴がいれば嫌がらせか。
しかもその嫌がらせは関係のない奴にまで向けられてるってのに、奴らはむしろ当然の仕返しとでも思ってやがる。
こいつが冥府の神でなければ、本当に今すぐにでも殺し合いをしたぐらいだってのに……よぉ。
駄目だこりゃ。俺達とは絶対に相容れねぇ。
ここで仕留められねえのが面倒としか言いようがねえ……っ
俺達が睨み合いになっていると、ハーデスの後ろから足音が響いてきた。
「ハーデス様。ご報告があります」
そこに現れたのは、一人の女死神。
アグレアスでもハーデスの護衛をしてやがったな。相当できる奴だと思うが、しかし若いな。
おそらくサーゼクスよりも若いだろう。それだけの若手がハーデス護衛になるとか、アースガルズで言うならロスヴァイセみたいな才媛ってことか。
俺達が警戒していると、ハーデスは視線をそいつに向ける。
『アクシズか。何かあったのか?』
「はい。冥府の警戒を行っていた隊員が、ヴァーリチームを発見しました。現在第三小隊が迎撃を行っています」
第三小隊?
ヴァーリチームが何もしないとは思ってなかったが、たった一個小隊レベルであいつらがどうにかなるとは思えねえな。
『……貴様の手引きか、烏よ?』
「さぁ~。知りませんね~?」
俺がすっとぼけると、ハーデスは特に何も言わずに気配をアクシズとかいう奴に向ける。
『わしが指揮する必要があるか?』
必要だとは思うがな。
ヴァーリチームはどいつもこいつも凄腕だ。
何より神すら殺すフェンリルを相手にするには、最上級死神でも一歩劣るだろう。
ハーデスの爺が動かずに、対応できるとは思えない。
だが、アクシズの野郎は苦笑をしながら首を横に振る。
「その必要はありません。あの程度の匹夫など、ハーデス様のお手を煩わせる価値などありません」
そう言い切った奴は、同時に気配を変える。
俺達に対するけん制も兼ねて向けたそれは、間違いなく奴が一級の実力者であることを示している。
それどころか、奴が持っている得物が不味い。
鎌ではない。鎌がついているが、その本質は槍と斧。
ハルバートという武装を持ったその女は、胸を張って宣言する。
「我らが尊き冥府を汚す下賤な輩は、我々星辰奏者部隊「ハルベルト」が駆除します。ご報告以上のお手間を煩わせるなど、我らが身命に欠けてもさせません」
……なるほどな。少し訂正した方がいいか。
ハーデスの野郎。三大勢力をぶちのめす為に、牙を研いではいたってことか。
その力がどこまで
和地Side
さて、こっちもこっちでやばいことになっているがどうしたものか。
とりあえず避難キャンプは念の為の確認が終わるまでは存続であり、またこっちの業魔獣を撃破した部隊は、八割が近くの超獣鬼の打倒に派遣されている。
それはともかくだ。
「問題は、こっからどうするか……だな」
「そうだね。また膠着状態になっているのが厄介っていうか」
と、俺とインガ姉ちゃんは同時にため息をついた。
交代でシャワーを浴びながら、俺達はどうにかすることについても備えないといけない。
対抗術式と戦術が用意できたことで、業獣鬼六体を撃破することには成功した。しかし
神仏魔王クラスがもっと盛大に送ることができれば勝ち目もあるんだが、そう簡単にはいかないわけだ。
おかげでまだ膠着状態。一旦リアス部長と接触した方がいいかとも思ってはいるんだがな。
「……そろそろゼノヴィアとかギャスパーとかも戻ってくるだろうし、一旦城に戻るのもありか?」
「確かに。……でもイッセー君の状況って伝わってるのかな?」
そう言われるとすっごい不安。
モデルベルゼビュートの奴が色々やっていたからな。もしかするとややこしいことになっているのかも―
「……失礼します。緊急の連絡が入りました」
―と、そこにメリードが入ってくる。
更に、シャワーを浴び終えた鶴羽達も戻ってきた。
「あれ、メイド長?」
「どうしました?」
立場的に部下であるベルナと春っちが訊くと、メリードは渋い顔をしながら頷いた。
「皆様に緊急連絡です。首都リリスでシトリー眷属が英雄派と接敵。グレモリー眷属は先に転移で向かうので、皆様にも合流してほしいと」
「……会長達が!?」
目をひん剥いた鶴羽の気持ちも分かる。
英雄派の幹部共はどいつもこいつも強敵だ。
人間としての能力が優秀なうえ、神器も禁手に到達し、とどめに星辰奏者でもある。
シトリー眷属も弱いわけではないが、しかし匙以外は相手が悪い。
俺達は皆頷き合うと、既に決意も決めていた。
「じゃ、こっちも向かいますか」
リヴァ先生がそう言いながら一歩前に出るのに合わせて、俺達もすぐに動き出す。
車両から出れば、既にリーネスも準備を整えていた。
静かに頷き、そして転移用の車両に向かう。
待ってろよ、会長達……っ!
……さて、僕の戦争がめちゃくちゃブースターになってくれた日美子編まで、あと少しです!