好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ   作:グレン×グレン

262 / 528
 ハイどうもー! 感想・高評価・推薦・創作掲示板での紹介を常々欲するグレン×グレンでっす!

 そんな感じで一番やばいところは乗り越えたので、これからは安心して書けるぜぇ。一番えげつないところは終わったので、ここまで評価をためらってきた人たちは是非にでも!

 ちなみに書き溜めは本章多段バトルの後半に差し掛かっています!


銀弾落涙編 第四十一話 役者、超集う

 

九成Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっとへこんだ。ちょっとダメージが入った。

 

 ただまぁ、それ以上に得たものは大きいはずだ。

 

 ……カズヒ・シチャースチエを助けることができた。この事実に比べれば、俺のダメージなんて大したものじゃないだろう。

 

 俺はかつての友やその魂を継いだ者達に囲まれる、カズヒ姉さんにほっとしている。

 

 ああ、それがみんなの答えなんだよ、カズヒ姉さん。

 

 カズヒ姉さんが自分のことを嫌い続けることと、皆がカズヒ姉さんを好きでいてくれることは矛盾しない。矛盾しないんだ。

 

 自分のことを嫌ってくれていい。それでも、皆がカズヒ姉さんを好きでいてくれることだけは、否定しないでくれればいい。

 

 ああ、だから―

 

「……ハイストップっ」

 

「逃がさないよ」

 

 ―その時、声が響いて俺は振り返った。

 

 見れば、英雄派のジャンヌ・ダルクがリヴァ先生が操って生まれた土壁に逃げ道を塞がれ、木場の龍騎士団が更に包囲していた。

 

 いたのか。というか、逃げようとしてたのか。

 

 そういえば、フローズヴィトニルと魔獣達がいないな。どさくさに紛れてあっちは逃げたのか?

 

 どうやらまだまだ終わりそうにないな。これはどうしたものか―

 

「……これは想定外だね。というより、どういうことだ?」

 

 ―その時、更に声が届いた。

 

 更に土壁に一線が入り、あっさりと切り落とされる。

 

 そして現れるのは、聖槍を肩に担ぎ、初老の男を従えた青年。

 

 サーヴァント、カラティーン・ダーナを従えた、曹操がそこにいた。

 

「おいおいジャンヌ、情けねえなぁ。ヘラクレスも倒れてるし、ゲオルグもやられたってのか?」

 

 カラティーンはそうからかうように言いながら、こっちににやりと笑ってくる。

 

 ここでこいつらまで出てくるとは、流石に厄介な展開だな。

 

「……まさか、生きているとはね。心臓の肉塊が発見されたうえ、君の性格で無事なのに出てこないなんてことはないと思ったんだけど……」

 

 曹操はかなりイッセーを警戒しているな。

 

 むしろあれだ。畏怖とかそんな感じだな。

 

 まぁ、そこに関しては同感だ。

 

「そういやお前、体はどうしたんだ? アジュカ様が魂は無事かもしれないって言っていたけど、体はダメだってことで確定してたんだけどさ」

 

 そこがさっぱりわからない。

 

「そもそもサマエルの毒に魂はどうやって耐えたのかしら? そこも分からないわね」

 

 リヴァ先生も首を傾げるけど、イッセーはちょっと寂しさと呆れが混じったような複雑な表情を浮かべていた。

 

「歴代の残留思念が犠牲になってくれたおかげで、籠手の宝玉に魂を移すことができたんだ。で、オーフィスが通りがかったグレートレッドに飛び移ってさ。さっきグレートレッドと一緒にシャルバが作ったでかい魔獣を、グレイフィアさん達と協力してぶっ飛ばした」

 

 ………。

 

 えっと、その―

 

「……よく事情は分からないけれど、胸を張りなさいイッセー」

 

 カズヒ姉さんが、割とストレートにそういった。

 

「え、そう? 自分でもめちゃくちゃなことしてるって自覚はあるけど―」

 

「別にそんなことはないでしょう? 確固たる貴方の積み重ねの成果よ」

 

『『『『『『『『『『どこが!?』』』』』』』』』』

 

 イッセーに対する姉さんの返答に、総ツッコミが飛んだ。

 

 敵も味方もイッセーすらも、心が一つになったよ。

 

「ふざけるな! グレートレッドがたまたまあの空間に現れるなど、その時点でイレギュラーというレベルではないんだぞ!?」

 

 ガチな剣幕で曹操が吠えるが、カズヒ姉さんはむしろ疑問すら浮かべている。

 

「そうでもないでしょ? オーフィスと絆を結んだからこそ、オーフィスは怨敵を利用する形ででも彼を助けようとした。たまたまグレートレッドが通りがかったことより重要なのはそこじゃない。」

 

 そっちの主眼を置いているのか!

 

 言われてみれば確かにそうかもしれないが、それでもちょっとこれは無理があるんじゃないか……?

 

 俺達の信じられないものを見る視線に、カズヒ姉さんは肩をすくめた。

 

「何より、歴代の残留思念が身を挺したのは、彼らが後進を怨恨に引きずり込むのではなく、未来を行くことを認めたからでしょう? それはイッセーが彼らと対話を試みてきたからなんだから、確固たる裏付けと下積みあっての成果よ。重要なのはそこでしょうに」

 

「あ、そっちに主眼を置いてるのね」

 

「言われてみるとそっちはそうねぇ」

 

 鶴羽とリーネスが感心しているけど、まぁ確かに?

 

 そしてカズヒ姉さんは肩をすくめると、鋭い視線を曹操達に向けた。

 

「……で? ここで逃がす理由はないし、こっちも色々あってテンションがおかしなことになってるの。……投降しないなら覚悟してもらおうかしら……?」

 

 不敵な笑みすら浮かべて、カズヒ姉さんのオーラが燃え上がっている。

 

 た、頼も恐ろしい……っ

 

「私は、私の悪意で誕生した男に、私に恋焦がれることを認めたもの。それを周囲に認めさせる為にもやることしっかりやる必要があるのよ。とりあえず、手柄を上げた方がいいと思わない?」

 

 ………。

 

 あ、そっかぁ。

 

 俺ってば確かにそうなわけだし、俺はまったく気にしないどころかもはや成果込みでカズヒ姉さんの功績にする気だったけど、そういう考え方は確かにあるよなぁ。

 

 いやでも、そのうえで今の発言はそういうことだ。

 

 よし、とりあえず―

 

「……いよっしゃぁあああああああああっ!!!」

 

 ―ガッツポーズ! ガッツポォオオオオオッズゥッ!!

 

「言質とったから! 言質とったからなカズヒ姉さん! 今度デートな! 今度デート!」

 

 駄目だぁああああ! はしゃぐ!

 

 テンションが止まらない! いやっほぉう!

 

「はいはい。それどころか今夜にでも処女を捧げてあげるわよ。……松田と元浜に不公平が生まれそうだから、後ろの方もお願いね?」

 

 え、マジで?

 

 やっべぇテンションが凄いことになってきたぁあああああ!!

 

 俺はもはや立つこともできず、倒れながらごろごろゴロゴロ転がっていく。

 

 駄目だ。にやついてしまって止まらない。

 

 テンション爆上がりだぜイィイイイヤァアアアアッホォオオオウッ!!!

 

「いよぉっしぃ! お前らさっさと投降するかここで倒されるかどっちか選べぇ! 今の我が喜びに水を差す奴、問答無用でぶった切る!!」

 

「そろそろ落ち着け、な? よそでやれよな?」

 

 ベルナが俺に氷を置いて冷ますけど、でもでもでもでもこれってテンション上がるって。

 

 いやったぁ! 苦節五か月ちょっと、ついに俺はこの領域に到達したぞ!

 

 それも俺の人生の原点たる女性。俺を人生の原点にした女性。そして来世で巡り合って、肩を並べて戦った女性。

 

 初っ端に一目惚れして、ずっと見続けて惚れ直して、そして今ここにOKが貰えたわけだ。

 

 これでテンション上がらなくて何で上げろってんだ、いやっほぉう!

 

 さぁ、それでお前らはどうするつもりなんだ? あぁん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―これはこれは。中々興味深いことになっておりますな』

 

 

 

 

 

 

 

 その時、空間が歪んで一人の死神が現れた。

 

 このタイミングで今度は誰だ?

 

「……プルートか。察するに、オーフィスを狙っているのかな?」

 

 曹操がすぐに気づくが、そういうことか。

 

『ええ。ハーデス様の命令ですので、是が非でもオーフィスはいただきます』

 

 そう告げるプルートが鎌を構え―

 

「―いや、お前は此処で滅びてもらう」

 

 ―そこに、今度はヴァーリまでもが現れた。

 

「……おやヴァーリ。どうやらサマエルの影響はどうにかできたみたいだね?」

 

「おかげさまでな。そして悪いが、プルートの相手は俺にさせてもらおうか」

 

 皮肉気な曹操にそう返しながら、ヴァーリは静かにプルートに向き直る。

 

「やられっぱなしは性に合わないんだ。ただ英雄派はことごとく兵藤一誠達が打倒しているし、ハーデスそのものは美猴達に任せている。……お前ぐらいしかぶつけ先がないんだよ、プルート」

 

 相当奴も来ているようだな。

 

 そして冥府ではヴァーリチームが暴れているわけか。正直ハーデス達にはざまぁとしか言いようがない。

 

 というかこの流れ、曹操相手は俺達に譲るといっているようなものだな。……感謝するべきか否かといった感じなんだが―

 

『ああ、あの鬱陶しいだけの騒ぎはやはりあなたの差し金でしたか』

 

 ―そんな、プルートの詰まらなさそうな声が、俺達の緊張感を高めてきた。

 

 今、なんて言った?

 

「……俺の仲間をお前達如きがどうにかできると?」

 

『どうにかできるも何も、既に無力化したと報告が届いていますが?』

 

 おいおいまじかよ。

 

 怒りすら見せるヴァーリに、プルートは涼しい態度でそう返す。

 

 あいつら既に無力化とか、冥府もやるな。

 

 これは、冥府の脅威度をもうちょっと上方修正した方がよさそうだ。要警戒としか言いようが―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどのぅ? これはまた意外な展開が多いようだ」

 

「そのようだな。まぁ、ある意味でお披露目には都合がいいのか?」

 

 ―今度は意外な組み合わせで、とんでもない奴らが二人連れ添ってきやがった。

 

 しかも事情を知っている側からすると、メンタルがゴリゴリ削れていく。

 

 ほら、カズヒ姉さんとか地味に頬を引きつらせているし。

 

「……なんで、フロンズ・フィーニクスと一緒何かしら? ……幸香ぁっ!」

 

 吠えるカズヒ姉さんに、フロンズ・フィーニクスと九条・幸香・ディアドコイは不敵な笑みで答える。

 

「……後継私掠船団(彼女達)と司法取引を行ったまでさ。これより彼女達(ディアドコイ・プライベーティア)には、超獣鬼(ジャバウォック)軍団の討伐及び、冥府に向かったシュウマ殿の護衛を任せている」

 

「悪いが曹操、貴様らのつまらなさには我慢の限界だ。悪く思っていいぞ? それごと踏みにじって蹂躙するからな」

 

 ………おいおい、マジかよ。

 

 なんか話がかみ合っている印象はあったが、こう来るか―

 

「……おや? これは思わぬ形で親子が揃った感じかな?」

 

『まったく。フローズヴィトニルが戻ってきたと思ったら……どういうことだ?』

 

 ―ここにミザリとベルゼビュートまでくるか、おい!?




 感想で「イッセーの魂が無事なのは、歴代たちと対話を試みたおかげ」的な感じのを見て、「だったらグレートレッドに出会ったのはともかく、オーフィスがグレートレッドを使ってまでイッセーを助けたのはイッセーがオーフィスと友誼を結べたからだな」と思ったので、カズヒに言わせてみました。

 そしてそれはともかく、役者超集いまくりです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。